mac ファイル名一括変更ができないときの原因|Finderの制限と権限を切り分ける
mac ファイル名一括変更できない、と調べる場面はだいたい3つに分かれます。メニューに「名称変更」が出てこない。パネルは開いて実行もできるのに、名前が元に戻る。全部は変わったのに、なぜか数件だけ古い名前のまま残る。この3つは原因がまったく別で、対処も別です。順番に切り分けていけば、どれも数分で場所が特定できます。
メニューに「名称変更」が出ないときは、選んだ件数を見る
一括変更のパネルは、複数の項目を選んだときだけ出てきます。1つだけ選んでControlキーを押しながらクリックすると、メニューに並ぶのはその場で名前を書き換える動作のほうで、検索と置換のパネルは開きません。ここが最初のつまずきどころです。
Macで、項目を選択してから、Controlキーを押したままそのうちの1つをクリックします。ショートカットメニューで、「名称変更」を選択します。 出典: support.apple.com
見落としやすいのは、選択したつもりで選べていない状態です。Finderの窓をクリックしただけでは何も選ばれていませんし、リスト表示で1件だけ選んでからCommandキーを押しながら別のフォルダに移ると、選択は解除されます。まずCommand+Aで全部選ぶか、先頭をクリックしてからShiftキーを押しながら末尾をクリックして、窓の下に出る件数表示で、選択された数が意図どおりかを確かめます。この表示が見当たらないときは、メニューの「表示」から「ステータスバーを表示」を選ぶと出てきます。
ファイルとフォルダが混ざっていても一括変更は使えます。使えないのは、選んだ中にディスクそのものや、システムが管理している項目が混ざっているときです。この場合はパネルが開いても、実行した瞬間にその項目だけが弾かれます。
パネルが開くのに変わらないなら、ロックを疑う
パネルが開いて「名称変更」を押せるのに何も起きない、あるいは名前を入れ直すたびに元に戻る。この症状でいちばん多いのはロックです。ファイルを選んでCommand+Iで情報を見ると、上のほうに「ロック」というチェック欄があります。ここに印が付いていると、削除も名前の変更も受け付けません。
このロックは、ターミナルから見るとファイルに付いた属性です。ls -lO で一覧を出すと、対象の行に uchg という文字が並びます。この状態で名前を変えようとすると Operation not permitted と返ってきます。ロックは1件ずつ外すこともできますが、対象が多いときは複数選択してCommand+Iを押すと、まとめて情報を見る窓が開き、そこのチェックを外せば一度に解除できます。
ロックが付く経路はいくつかあります。メールに添付されて届いた書類、他のMacから受け取ったファイル、バックアップから戻したファイル、それから会計や設計のアプリが保存時に自分で付けるものです。心当たりが無いのに付いているときは、たいていこのどれかを通っています。
ファイルの権限ではなく、フォルダ側の権限を見る
ロックが外れているのに変わらない場合、次に見るのは権限です。ここで見落とされやすいのは、名前を変える操作に必要なのがファイル自身への書き込み権限ではなく、そのファイルが入っているフォルダへの書き込み権限だという点です。
ファイルの権限が読み書き可能でも、親フォルダが読み出し専用なら名前は変えられません。ターミナルで試すと Permission denied と返ってきます。名前というのはフォルダが持っている目録の一部なので、目録を書き換える権限が必要だ、という理屈です。Finderの上ではこの区別が見えないため、「ファイルの情報を開いて権限は読み/書きになっているのに変えられない」という行き止まりが生まれます。
確かめ方は、対象のファイルではなく1つ上のフォルダを選んでCommand+Iを押し、いちばん下の「共有とアクセス権」の欄を開くことです。自分のアカウントが「読み出しのみ」になっていたら、そこが原因です。外付けドライブの場合は、同じ窓にある「このボリューム上の所有権を無視する」に印を付けると、権限の判定そのものを飛ばせます。他人のMacで使われていたドライブを引き継いだときは、この一手で解決することが多くあります。
ドライブが読み出し専用で接続されている
外付けのドライブやUSBメモリで一括変更ができないときは、そもそも書き込みができない状態で接続されている可能性があります。代表的なのが、Windowsで使われていたNTFS形式のドライブです。macOSは標準ではNTFSを読むことしかできないため、中身は見えてコピーもできるのに、名前の変更と保存だけができません。
見分け方は、ドライブのアイコンを選んでCommand+Iを押し、「フォーマット」の行を見ることです。ここが「Windows NT ファイルシステム」であれば読み出し専用です。この場合の選択肢は、必要なファイルをMac側にコピーしてから名前を変えるか、ドライブ側を別の形式で作り直すかの2つになります。作り直すと中身は消えるので、順番はコピーが先です。
同じ症状は、書き込み保護のスイッチが付いたSDカードや、読み出し専用で開いたディスクイメージ、Time Machineのバックアップディスクでも起きます。Time Machineのバックアップは仕組みとして中身の書き換えを許していないので、そこに入っている過去のファイルの名前を直接変えることはできません。
クラウド同期の途中にあるファイルは一部だけ残る
「ほとんど変わったのに数件だけ古い名前のまま」という症状は、クラウド同期がほぼ原因です。iCloud Driveでストレージの最適化が働いていると、しばらく開いていないファイルは実体がMacから消えて、目次だけが残ります。アイコンに雲の印が付いている状態です。この状態のファイルは、名前を変えようとすると先にダウンロードが走るため、件数が多いと途中で止まります。
対処は順番を変えるだけです。対象のフォルダを選んでControlキーを押しながらクリックし、「今すぐダウンロード」を選んで実体をそろえてから、一括変更をかけます。デスクトップと書類フォルダをiCloudに預けている場合は、この2か所が特に該当します。
同じことが他の同期アプリでも起きます。同期の最中にファイルの名前を変えると、変更が本体に届く前に元の名前で上書きし直されることがあります。メニューバーのアイコンが同期中の表示になっているあいだは待つ、という原則で避けられます。共有フォルダの場合はもう1つ条件が加わり、自分に編集の権限が無ければ名前は変えられません。閲覧のみで招待されているフォルダは、Mac側でどれだけ操作しても戻されます。
名前として受け付けられない文字と長さ
パネルの置換文字列によっては、結果として作られる名前そのものが規則に反することがあります。Appleの案内では、使えない文字がはっきり書かれています。
数字と、ほとんどの記号を使用できます。コロン(:)は使用できません。また、ピリオド(.)で始まる名前は付けられません。一部のアプリでは、ファイル名に半角のスラッシュ(/)を使用できないこともあります。 出典: support.apple.com
時刻を名前に入れようとして「10:30」と書くと、この規則に当たります。ここは半角のピリオドかハイフンに置き換えます。長さの上限もあり、1つの名前に使えるのは255文字までです。「テキストを追加」で長い接頭辞を付けると、元の名前が長いファイルだけがこの上限を越えて失敗します。日本語でも数え方は同じで、255文字を越えたところで受け付けられなくなります。
もう1つ、名前がすでに使われている場合も止まります。連番を付けるつもりで書式を間違えると、複数のファイルが同じ名前になろうとして、2件目以降が弾かれます。Finderは黙って上書きせずに止めてくれるので、ここは安全側に倒れています。実行したのに件数が合わないときは、この重複を疑います。
触ってはいけない場所と、中身が見えない入れ物
そもそも変えるべきでない場所もあります。
以下の項目の名前は変更しないでください: 「アプリケーション」フォルダと、「ライブラリ」フォルダなどのシステムに付属のあらゆる項目。 出典: support.apple.com
書類・ピクチャ・ダウンロードといったホームフォルダの中の標準フォルダも同じです。名前を変えるとアプリが保存先を見失います。macOSはこれらを保護していて、変えようとしても受け付けません。
もう1つ紛らわしいのが、1つのファイルに見えて中がフォルダになっている入れ物です。写真ライブラリ、一部の書類、アプリ本体がこれにあたります。Controlキーを押しながらクリックして「パッケージの内容を表示」が出るものはすべてこの形です。中に入って一括変更をかけると、そのアプリが名前を頼りに中身を探しているため、ライブラリごと開けなくなることがあります。写真の名前をまとめて整えたいときは、中を直接触らずに、書き出してから変えるのが安全です。
大文字と小文字だけを変える一括変更にも癖があります。標準の状態のMacは大文字と小文字を区別しない設定で初期化されているため、同じ綴りで大小だけ違う2つのファイルは同じフォルダに置けません。小文字にそろえる操作をかけたときに件数が合わないなら、この衝突が起きています。
Finderの仕様として無理なことと、その先の選び方
ここまでの原因が全部外れているなら、残っているのは「できない」のではなく「機能として無い」という可能性です。Finderの一括変更にあるのは、文字列をそのまま置き換える動作、前か後ろに文字列を足す動作、連番か日付を付ける動作の3つだけです。ワイルドカードも正規表現も受け付けません。名前の途中にある日付の並びを入れ替える、桁数をそろえる、条件によって処理を分ける、といった指定は入口からありません。何度試しても通らないと感じるなら、操作を間違えているのではなく範囲の外に手を伸ばしています。
この場合の行き先は3つあります。ターミナルで zmv を使う方法、「ショートカット」アプリで「Finder項目の名前を変更」の動作を組む方法、それから同じ動作をAutomatorのクイックアクションとして登録して右クリックから呼び出す方法です。手数がいちばん少ないのはターミナルで、繰り返し使う形に固めたいならショートカットかクイックアクションが向きます。どれを選ぶにしても、実行前に対象の一覧を確かめる手順だけは残しておくと、やり直しの手間が減ります。
手順が増えているなら、原因は道具の側にある
ここまでの切り分けは、どれもFinderの窓と情報の窓とターミナルを行き来しながら進めることになります。ロックを見るために情報を開き、権限を見るために1つ上のフォルダの情報を開き、うまくいかなければ属性を確かめるためにターミナルへ移る。1回の切り分けで窓を3つ以上開いている状態が普通になっているなら、詰まっているのは知識ではなく配置です。
ここで効いてくるのが、フォルダとターミナルとAIが同じ窓にあるという置き方です。一覧を見ている場所とコマンドを打つ場所が同じ作業ディレクトリを共有していれば、ls -lO で属性を見る動作と、フォルダ一覧で対象を選ぶ動作が続けて行えます。原因の候補をAIに投げるときも、対象のファイル名とエラーの文言がその場にそろっている状態と、別の窓から貼り直す状態では手数が変わります。
この配置で何ができるのかはできることにまとまっており、2画面型やターミナル常駐型など別の課題を解いている道具との違いは他のファイル管理との比較で並べて見られます。細かい疑問はよくある質問に整理してあります。
まず試すべきなのは、対象を2件だけに絞って同じ操作をかけてみることです。2件で成功するなら原因は特定のファイルの側にあり、2件でも失敗するなら場所か権限の側にあります。この1手で、探す範囲が半分になります。
よくある質問
右クリックしても「名称変更」が出てこないのはなぜ?
選んでいる項目が1つだけだと、一括変更のパネルではなくその場で名前を書き換える動作になるためです。2つ以上を選んでからControlキーを押しながらクリックすると出てきます。窓の下に出ている選択件数の表示で、意図した数が選べているかを先に確かめると確実です。
ロックがかかったファイルをまとめて解除する方法はありますか?
対象を複数選んでCommand+Iを押すと、まとめて情報を見る窓が開きます。そこにある「ロック」のチェックを外せば、選んだ分が一度に解除されます。1件ずつ情報を開き直す必要はありません。解除したあとで一括変更をかけ直してください。
外付けドライブだけ名前を変えられないのはなぜ?
Windowsで使われていたNTFS形式のドライブは、macOSでは読むことしかできないためです。ドライブを選んでCommand+Iを押し、「フォーマット」の行が「Windows NT ファイルシステム」になっていれば該当します。必要なファイルをMac側にコピーしてから名前を変えるか、ドライブを別の形式で作り直すかのどちらかになります。
一括変更したあとで元の名前に戻せますか?
Finderの一括変更は直後であればCommand+Zで取り消せます。ほかの操作を挟むと取り消せなくなるので、名前が違うと気づいた時点で先に取り消すのが確実です。ターミナルから変えた場合は取り消しの仕組みが無いため、Time Machineやクラウドの版管理から戻すことになります。