finder alternative macで置き換えられる仕事と、残る仕事

finder alternative mac という調べ方には、たいてい「入れ替える」という前提が含まれている。片方を消して、もう片方を入れて、そのまま続ける、という前提である。macOSではこの入れ替えができない。ここを先に理解しておくと、そのあとの判断がはっきりする。Finderはアプリであると同時に、デスクトップを描き、ゴミ箱を持ち、他のアプリが「このファイルを表示して」と言ったときの受け皿になり、保存や開くのダイアログを供給している存在でもある。別のアプリが引き受けられるのはFinderの仕事の一部であって、Finderの位置ではない。決めるべきは「どれが一番いいか」ではなく、どの仕事を外に出せて、出すときに何が失われ、何が結局Finderに戻ってくるのか、である。

Finderはアプリであると同時にOSの一部

Apple自身の説明はこうなっている。

Finderとは、ほほ笑んでいる顔の青色のアイコンで表されるMacのホームベースです。Finderでは、保存している書類や画像、ムービーなどのファイルを含む、ほとんどすべての項目を整理してアクセスできます。 出典: support.apple.com

「ホームベース」という言い方が実態をよく表している。Finderの一部は、アプリの姿をしたOSの機能であり、他のアプリに割り当て直すことができない。

デスクトップがその代表である。デスクトップに並んでいるアイコンはFinderが描いている。Finderを終了させるとデスクトップは何も表示されなくなり、他のアプリがその面を引き取ることはできない。ゴミ箱も同じで、他のアプリから操作を依頼することはできても、所有することはできない。

有料の乗り換え先を買ってから気づかれやすいのは、保存と開くのダイアログである。どのアプリでファイルを選ぶときも、あの画面はシステムが出しており、サイドバーも検索もキー操作もFinderの流儀になっている。別のファイル管理アプリはここには出てこない。多くのアプリが用意している「Finderで表示」も同様で、行き先はFinderに固定されている。

クラウド保存サービスがアイコンに付ける同期状態のバッジも、Finderの拡張として登録される仕組みで動いている。バッジが出るのはFinderの画面で、別のアプリで同じ表示が出るかどうかは、そのアプリが独自に実装しているかどうかによる。

ここまでを除いた残り、つまりフォルダをたどる、動かす、比べる、中身を確かめるという部分は、実際に外へ出せる。そして日々の時間の大半はそこで使われている。乗り換えに意味があるのはそのためで、間違いなのは「Finderを開く回数がゼロになる」と期待することである。

外に出せる仕事と、残る仕事

アプリ単位ではなく仕事単位で分けると判断が具体的になる。

仕事 別のアプリに移せるか Finderに残るもの
フォルダをたどる、表示を切り替える 移せる ブックマークを作り直せば何も残らない
コピー、移動、名前の一括変更 移せる。多くは標準より高機能 何も残らない
2つのフォルダを比べる 移せる。乗り換え先が最も強い領域 何も残らない
他のアプリからの保存と読み込み 移せない システムのファイル選択画面
デスクトップ、ゴミ箱、同期バッジ 移せない すべて
他アプリの「Finderで表示」を受ける 部分的。サービスメニュー等の経由が要る 既定の行き先

真ん中の列を上から読むと、現実的な着地点が見える。たどる、まとめて操作する、比べる、の3つはきれいに外へ出る。他のアプリがファイルをどう受け渡すかに関わる部分は残る。3つとも移した人でも、1日に何度かはFinderを開くことになる。これは移行の失敗ではなく、正しい結果である。

だからこそ、判断は具体的な不満に対して行いたい。不満が名前の一括変更やフォルダの突き合わせなら、乗り換えで解消する。不満が保存ダイアログの使いにくさなら、何を買っても変わらない。

もう1つ、表に出しにくいが効いてくるのが「他のアプリから来る導線」である。書き出しの完了通知から、メールの添付から、チャットの受信フォルダから、ファイルは常にFinderの側に現れる。乗り換え先を主力にしていても、こうした導線でFinderの窓が開き、そこから作業が続いてしまうことがある。移行がうまくいくかどうかは、機能の差より、この導線を自分の側でどう処理すると決めているかで変わる。フォルダを開き直すのか、そのまま片付けるのかを、あらかじめ決めておくと迷いが減る。

コピーのときに消えることがある情報

比較記事にはほとんど出てこないのに、後から効いてくるのがここである。macOSのファイルは、中身とは別に「拡張属性」と呼ばれる情報を持っている。ファイルを動かす道具は、その情報も一緒に運ぶ必要がある。

ダウンロードしたばかりのファイルで属性を並べると、何が乗っているかが分かる。

$ xattr ~/Downloads/report.pdf
com.apple.metadata:kMDItemWhereFroms
com.apple.metadata:kMDItemDownloadedDate
com.apple.quarantine
com.apple.macl

それぞれに役割がある。quarantineは、ダウンロードしたアプリを初めて開いたときに確認のダイアログを出させるための印である。これが落ちると、確認が出なくなる。つまり安全の仕組みが静かに1段外れる。WhereFromsは入手元のURLの記録で、多くのダウンロードにとって出所を示す唯一の手がかりになる。Finderのタグも同じ仕組みで、中央のデータベースではなくファイル自身に付いている。別のMacへコピーしてもタグが残り、タグを付けた道具を削除しても消えないのはこのためである。

候補のアプリを試すときの確認は2分で終わる。そのアプリでダウンロード済みのファイルをコピーし、結果にxattrをかけて元と見比べる。減っていれば、そのアプリが捨てた情報である。ネットワーク上の共有フォルダやWindows向けに初期化した外付けドライブでも同じ確認をしておきたい。属性を保持できるかどうかは、アプリではなくその下のファイルシステムの性質で決まるためである。

権限を通していないと、フォルダが空に見える

新しいファイル管理アプリを入れた直後は、想定より権限が少ない状態から始まる。しかも症状が不具合そのものに見える。

macOSはデスクトップ、書類、ダウンロード、外付けのボリューム、ネットワーク上のボリュームを別々に保護している。アプリが初めてそこを読もうとしたときにシステムが確認を出し、断ったり、別の作業をしていて見落としたりすると、一部のフォルダだけが空に見える、あるいは読めないと表示される状態になる。設定は「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」にあり、「ファイルとフォルダ」の項目でアプリごとに許可の範囲が並んでいる。

ボリューム全体に索引を張る、他のアプリの支援フォルダを読む、システムの領域を扱う、といった動作にはさらに「フルディスクアクセス」が要る。これは形式的な手続きではなく実際の判断である。そのアプリに、自分のアカウントで読めるものすべてを読む力を渡すことになる。本当に主力として使うファイル管理アプリなら妥当な取引で、1週間試すだけの道具に渡すものではない。

導入した初日に確認しておくとよい項目は3つある。ホームフォルダの下にあるデスクトップ、書類、ダウンロードがすべて中身まで見えること。接続している外付けドライブとネットワーク共有が見えること。そして検索が期待どおりの範囲を返すこと。この3つが通っていれば、以降に出る不具合は権限ではなくアプリ側の話として切り分けられる。逆にここを確かめずに使い始めると、権限が原因の症状をアプリの欠点と読み違えたまま評価が終わる。

最後の関門は署名と公証である。App Store以外で配られるアプリは、開発元が署名と公証を済ませていれば追加の操作なしで開く。右クリックから「開く」を選ばせたり、プライバシーとセキュリティで許可を出させたりする必要があるアプリは、配布の形について何かを語っている。すべてのファイルへの広い権限を渡す相手なので、習慣で回避せず、意味を理解しておきたい。機能の評価は、この3つを通してから行う。権限が半分しか通っていない週に評価すると、遅くて不安定なアプリだと判断してしまう。

日本語環境で追加で見ておくこと

日本語で仕事をしていると、標準のFinderで詰まる場面が2つある。乗り換え先を選ぶときは、この2つを扱えるかどうかも見ておくとよい。

  • Windowsで作られたZIPを展開すると、ファイル名が文字化けすることがある。文字コードの扱いが違うためで、展開時に文字コードを選べる道具を併用すると避けられる
  • Windowsで使っていた外付けドライブがNTFSで初期化されている場合、macOSは読み取り専用で認識する。書き込めないのはファイル管理アプリの問題ではないので、乗り換えても解消しない。書き込みたい場合はドライブ側の形式を変えるか、専用のドライバを入れることになる

どちらも「乗り換え先が解決できる範囲かどうか」を見分ける良い例である。前者はアプリで解決でき、後者はできない。買う前にこの線を引いておくと、期待外れが減る。

同じ見分け方は他の不満にも使える。表示や操作の作法に関する不満、たとえば階層の見え方、並べ替えの記憶のされ方、まとめて処理する手段の少なさは、アプリを替えれば変わる。ファイルシステムやOSの権限の仕組みに根ざした不満、たとえば書き込めない形式のドライブ、共有サーバー上で拡張属性が保てないこと、保存ダイアログの挙動は、アプリを替えても変わらない。自分の不満がどちらの層にあるのかを先に判定すれば、比較記事を何本読むより早く結論に着く。

日本語のファイル名そのものについても、1つ知っておくと混乱が減る。濁点や半濁点は、1文字として保存する形と、文字と記号の2つに分けて保存する形の両方があり、画面ではどちらも同じに見える。現在のMacの標準であるAPFSはこの2つを同じ名前として扱うが、外付けドライブの形式やZIPの中身では別物として扱われることがある。ファイル管理アプリを替えたときに検索や並び順が変わったように見える場合、名前が壊れたのではなく、この違いが表に出ているだけのことがある。

何を基準に系統を選ぶか

試用は機能表ではなく、実際の仕事に対して行いたい。2週間ふだんどおりに使い、どちらのアプリを何のために何回開いたかを数える。数え方が決まっていれば、感覚ではなく記録で判断できる。

どの系統が自分に合うのかと、系統ごとに残る仕事の違いは他のファイル管理との比較に並べてある。日々の操作として何がどこまでできるのかはできることにまとめてあり、費用の条件は料金にある。Macで始めた作業をiPhoneやiPadで続ける場合の扱いは、デスクトップのファイル管理だけでは決まらないのでiPhone・iPadから続きをを参照するとよい。

閲覧のされ方を見ると、Finderの代わりを調べている人は、そのあと2つに分かれる。片方は無料と有料の比較や個別のアプリの評判へ進み、もう片方はパスの取得やターミナルの開き方へ進む。後者の場合、探しているのはFinderの代わりではなく、フォルダとコマンドの間の往復を減らす道具であることが多い。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形は、その往復そのものを消す方向の答えで、Finderの置き換えとは別の系統として比べたほうが判断を誤らない。

よくある質問

Finderは削除したり無効にしたりできる?

できない。Finderはデスクトップを描き、ゴミ箱を持ち、どのアプリでも共通で使う保存と開くの画面を供給している。別のファイル管理アプリはFinderと並んで動き、たどる、動かす、比べるといった作業を引き受けるが、標準の役割の部分はFinderが担い続ける。

入れたばかりのファイル管理アプリで、一部のフォルダが空に見えるのはなぜ?

macOSがデスクトップ、書類、ダウンロード、外付けやネットワークのボリュームを別々に保護しており、それぞれ最初にアクセスした時点で許可を求める仕組みになっているためである。確認のダイアログを閉じてしまった場合は、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」にある「ファイルとフォルダ」から、そのアプリに許可を出せる。

Finderで付けたタグは別のファイル管理アプリでも使える?

タグは中央のデータベースではなくファイル自身の拡張属性として保存されているので、コピーしても別のMacに移しても残る。表示と編集ができるかどうかはアプリ次第である。候補のアプリでタグ付きのファイルをコピーし、そのあと属性を確認するのが、情報が落ちていないかを確かめる一番早い方法になる。

有料のFinderの代わりを買う価値はある?

置き換えたい仕事による。名前の一括変更、フォルダの突き合わせ、サーバーへの転送は、標準より確実に多くのことができる領域である。一方で、他のアプリがファイルを受け渡す部分、たとえば保存や読み込みの画面は、どのアプリを入れても変わらない。

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