mac ファイル検索ソフトおすすめの前に決める3つの軸

mac ファイル検索ソフトおすすめ、という言葉で調べ始めるとき、多くの場合すでに標準の検索を何度か試した後です。名前を打っても出てこない、出てきたが件数が多すぎる、見つけたのにその後の作業が進まない。この3つは原因がまったく違うので、同じ「検索が弱い」として道具を替えても解決しません。この記事では、選ぶ前に決めておくべき軸を先に整理し、そのうえで代表的な選択肢を性格ごとに並べます。

Macの探し方は索引型と走査型の2系統しかない

道具の数は多く見えますが、内部の仕組みは索引型と走査型の2つに分かれます。この分け方を先に押さえると、製品一覧を眺める時間が大きく減ります。

索引型は、あらかじめ作っておいた目録に問い合わせます。macOSに組み込まれている検索の基盤がこれで、ファイル形式ごとの取り込みプラグインが名前、日付、種類、対応形式なら本文のテキストまでを目録に記録しています。応答は一瞬で、書類の中身にまで届きます。弱点は、目録に入っていないものは何を打っても出てこないことです。

走査型は、目録を持たずにディスクを順にたどります。時間はかかりますが、目録の状態に左右されないので死角がありません。ターミナルのfindコマンドや、索引を使わない設計の検索ソフトがこの系統です。

第3の系統に見えるものとして、コマンドラインの高速な検索ツールがあります。ripgrepやfdは走査型ですが、並列処理と枝刈りで速度を稼いでいます。ただし初期状態で隠しファイルと.gitignoreに書かれたファイルを飛ばすため、ソースコード以外の場所では取りこぼしが起きます。速いから優れているのではなく、飛ばす対象を決め打ちしているから速い、という理解が要ります。

つまり比較の第1軸は「目録の死角を許容できるか」です。日常の呼び出しなら索引型が速く、証拠として存在を確かめたいなら走査型を使う。この使い分けを決めないまま製品を比べても、どれも一長一短に見えてしまいます。

死角の中身は具体的に決まっています。システム設定の検索のプライバシーに登録したフォルダやディスク、名前の末尾が.noindexで終わるフォルダ、圧縮ファイルやディスクイメージの中身、索引作成が止まっているボリューム。この4つが索引型の届かない場所です。外付けディスクが対象になっているかどうかは、ターミナルでmdutil -s /Volumes/ディスク名と打てば分かります。索引作成が無効と返ってきたら、そこから先を索引型で探しても結果は空のままです。

標準で入っているものが、どこまでを担当しているか

有料ソフトを検討する前に、標準の検索がどこまでを引き受けているのかを確かめる価値があります。Appleは組み込みの検索についてこう説明しています。

Spotlightを使用するとお使いのコンピュータの内容を素早く検索でき、アプリ、ファイル、アクション、インターネット、クリップボードなどの候補が表示されます。 出典: support.apple.com

ここに書かれているとおり、標準の検索はファイル専用の道具ではありません。アプリの起動、計算、Webの候補、クリップボードの履歴までを1つの入口に集めた仕組みで、ファイルはその中の一部として並びます。だから目当ての書類が他の候補に埋もれます。検索が弱いのではなく、担当範囲が広いために優先順位が分散している状態です。

ファイルだけを対象にしたいなら、ファインダの窓で始める検索が本来の担当です。こちらは範囲と条件を指定でき、組み立てた条件をスマートフォルダとして保存して再利用できます。同じ目録を使いながら、結果の返し方だけが違います。

この2つを使い分けたうえでなお足りない場合に、初めて外部のソフトを検討する順番になります。順番を飛ばすと、標準機能の設定で解決する問題に費用をかけることになります。

見落とされやすいのが、ファインダの設定にある検索の開始位置です。初期状態では検索欄に文字を打った時点で範囲が機械全体に切り替わり、それまで開いていたフォルダは捨てられます。ファインダメニューの設定から詳細タブを開いて現在のフォルダ内を検索に変えると、開いていた場所がそのまま範囲になります。市販ソフトの機能一覧に並ぶ「探す場所を指定できる」という項目は、この設定を変えた後の標準機能と同じ範囲を指していることがあります。この1か所を変えるだけで、件数が多すぎるという不満のかなりの部分が消えます。

打ち込む文字列の側で絞る余地もあります。kind:pdf のような種類の指定や date:yesterday のような日付の指定は標準の検索欄でそのまま通るので、「検索演算子に対応」と書かれた製品を見つけても、それだけでは差にならない場合があります。比較表で有料の欄に印が付いている項目のうち、標準の欄が空欄になっているものだけを拾い出すと、実際に増える機能はかなり絞られます。

有料ソフトが埋めている4つの穴

市販の検索ソフトが提供している価値は、大きく4つに整理できます。

  • 条件の組み立てを保存して使い回せること。日付、種類、サイズ、タグを重ねた検索を名前を付けて残し、次回は1操作で呼び出せる
  • 目録の死角を回避すること。索引を使わずに走査する設計なら、外付けディスクやネットワーク共有でも同じように探せる
  • 結果の見せ方。件数が多いときにプレビューと並べ替えが同じ窓で完結するか
  • 検索結果を次の操作へ渡す経路。選んだファイルの名前を変える、移動する、パスをコピーしてコマンドへ渡す

4つのうち、費用に見合うかどうかが分かれやすいのは最後の1つです。前の3つは標準機能と無料ツールでもかなりの部分が埋まりますが、見つけた後の受け渡しは、道具の設計そのものに依存するためです。

条件の保存については、標準のスマートフォルダがどこまでできるかを先に確かめておくと判断が早くなります。ファインダのファイルメニューから新規スマートフォルダを選び、検索欄の下のプラスボタンで種類や更新日やサイズの条件を足し、最初のポップアップメニューで「その他」を選ぶと属性の一覧が開きます。ここには可視性やシステムファイルの扱いまで並んでいて、隠しファイルを結果に含めるといった指定も可能です。組み立てた条件は名前を付けて保存でき、次回は1クリックで同じ検索を呼び出せます。ここで足りない部分が具体的に言えるようになってから、有料ソフトの機能一覧と突き合わせる順番が無駄になりません。

目録の死角を回避したい場合も、費用をかける前に確かめる場所があります。除外の設定は1か所に集約されていて、親フォルダを一度登録しただけでその下すべてが結果から消えます。ここが原因なら、走査型のソフトを買っても症状が消えるだけで、索引型の速さは戻ってきません。

選択肢を性格ごとに並べる

代表的な選択肢を、仕組みと提供形態で並べます。優劣ではなく担当範囲の違いとして読んでください。

名前 系統 提供形態 得意なこと
Spotlight 索引型 macOS標準 名前を覚えている物へ最短で行く
ファインダの検索 索引型 macOS標準 条件を重ねて絞り、保存して使い回す
mdfind 索引型 macOS標準 同じ目録にシェルから問い合わせる
find 走査型 macOS標準 目録の状態に関係なく存在を確かめる
ripgrep・fd 走査型 オープンソースで無料 大きなツリーを速く歩いて中身を読む
EasyFind 走査型 無料 目録に頼らず名前と中身を探す
HoudahSpot 索引型 有料 条件を細かく重ねて結果を作り込む
Alfred 索引型 本体は無料、追加機能は有料 キーボードから起動と検索をまとめる
Raycast 索引型 無料の範囲あり、上位は有料 呼び出しから操作までをキーで完結させる

表は行ではなく列で読みます。どれが良いかではなく、いま困っている場面で「どの死角なら許容できるか」「どの操作を短くしたいか」で選ぶ読み方です。標準機能の欄が4行を占めている点も見落とせません。追加のソフトを入れる前に、この4つを使い切っているかを先に確かめられます。

なお、索引型の道具はすべて同じ目録を共有しています。目録から外れているフォルダは、どの索引型ソフトを入れても結果に出てきません。除外の設定はシステム設定の検索のプライバシーに集約されているので、ソフトを買う前にこの一覧を読むほうが早く片付きます。

3つの質問で選び分ける

選択を決めるには、次の3つに順番に答えます。

1つ目は、探しているものが目録に入っているかどうかです。外付けディスクやネットワーク共有、圧縮ファイルの中を日常的に探すなら、索引型では届きません。走査型を主に据える判断になります。

2つ目は、同じ条件を繰り返し使うかどうかです。月末に先月更新した見積書だけを集める、といった定型の検索があるなら、条件を保存できる仕組みが要ります。標準のスマートフォルダで足りることも多く、足りない部分だけを有料ソフトで補う順番が無駄になりません。

3つ目は、見つけた後に何をするかです。開いて読むだけなら標準機能で十分です。名前を変える、別の場所へ移す、パスをコマンドへ渡す、といった操作が続くなら、検索そのものより受け渡しの経路が効いてきます。

3つの答えのうち、2つ目と3つ目が「はい」なら道具を替える価値があります。1つ目だけが問題なら、無料の走査型ツールを1つ足すだけで解決します。

判断を鈍らせるのは、体験版で試すときの評価軸です。新しい検索ソフトを入れた直後は、目録が作り直されたばかりで結果が素直に出るため、どれも良く見えます。評価するなら、条件を保存して1週間使い回したあとの状態と、探した結果を次の作業へ渡すまでの手数を見ます。前者は運用が続くかどうか、後者は時間が実際に減るかどうかを表します。導入直後の検索速度は、しばらく使うと差が縮まる指標です。

もう1つ、複数の検索ソフトを同時に常駐させると、それぞれが呼び出しのキーを取り合って混乱が起きます。索引型を2つ入れても目録は同じなので結果は増えません。増えるのは、どの窓で探し始めたかを思い出す手間だけです。追加するなら、いま使っている道具の死角を名指しで説明できるものを1つに絞るほうが結果的に速くなります。

比較表に列がない項目が、いちばん効く

検索ソフトの比較表には、索引の有無、対応形式、価格、正規表現が使えるか、といった列が並びます。列として立ちにくいのが、見つけた後の受け渡しにかかる手数です。ここが表に出ないのは、機能の有無で丸と罰を付けられず、使う人の作業の流れによって重さが変わるためです。そして選び分けの3つ目の質問で挙げたとおり、費用に見合うかどうかが分かれやすいのは、まさにこの部分です。

手数は数えられます。結果が出てから、その1件について作業を終えるまでに窓をいくつまたいだかを控えるだけです。ファインダで結果を出し、選択してパスを写し、ターミナルへ持っていく。コマンドが返したパスを目で確かめ直すなら、逆向きにもう一往復。この往復の回数は、応答が速いソフトに替えても減りません。短くなるのは往復に入る前の数秒だけで、往復そのものは道具の配置で決まっているからです。

ここで効いてくるのが、フォルダとターミナルとAIが同じ窓にあるという配置です。一覧とコマンド入力の居場所が最初から一致していれば、往復が発生する場面自体が生まれません。この配置で何ができるかはできることにまとめてあり、2画面型やターミナル常駐型など別の問題を解いている道具との違いは他のファイル管理との比較で整理しています。探した続きを外出先で確かめたい場面についてはiPhone・iPadから続きをが該当します。費用面を先に確かめたい場合は料金を、導入前の疑問はよくある質問を見てから判断できます。

候補を絞り込む前に、この往復の回数を1週間分だけ控えておくと、比較表のどの列を重く見るかが決まります。回数が少ないなら重いのは死角の列で、無料の走査型ツールを1つ足せば片が付きます。回数が多いなら、価格と検索速度の列をどれだけ読み比べても順位は変わりません。検索ソフトを比べる作業は、自分にとって重い列を先に決めてから始めるほうが早く終わります。

よくある質問

無料の検索ソフトだけで足りますか?

探す用途だけなら足りる場面が多いです。macOS標準のSpotlightとファインダの検索、コマンドのmdfindとfind、無料のEasyFindやripgrepを組み合わせれば、索引型と走査型の両方をそろえられます。有料ソフトの価値は、条件を作り込んで保存する場面と、見つけた後の操作を短くする場面に集中しています。

索引型と走査型はどちらを主に使うべきですか?

日常の呼び出しは索引型、存在の確認は走査型という分担が扱いやすいです。索引型は応答が一瞬ですが、除外設定に入ったフォルダや圧縮ファイルの中は結果に出ません。ファイルが本当に無いかを判断するときだけ走査型を使うと、無駄な待ち時間を減らせます。

ripgrepでは出てこないのにgrepでは見つかるのはなぜですか?

ripgrepとfdが、初期状態で隠しファイルと.gitignoreに書かれたファイルを飛ばす設計だからです。ripgrepなら-uu、fdなら-HIを付けるとこの既定値が無効になります。ソースコード以外の場所を探すときに取りこぼしの原因になりやすい違いです。

検索ソフトを入れても見つからないときは何を確かめますか?

先にシステム設定の検索のプライバシーを開いて、対象のフォルダやディスクが除外されていないかを読みます。索引型のソフトはすべて同じ目録を使うため、ここに登録されていると何を入れても結果に出ません。次にフォルダ名の末尾が.noindexになっていないか、目的のファイルが圧縮ファイルの中に無いかを確かめます。

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