Cursor 使い方の基本|実際のフォルダで変更を確かめながら覚える
Cursorの使い方を調べると、機能の一覧はすぐに見つかる。けれども、実際に自分のフォルダを開いてAIに何かを頼むと、どこまで任せてよいのか、変わったところをどう確かめればよいのかで手が止まる。「cursor 使い方」で探している人の多くは、機能の名前ではなく、この確かめ方を知りたいのではないか。この記事では、手元のプロジェクトで小さな変更を1つずつ確かめながら、Cursorの主な機能を覚えていく順番を、公式のドキュメントに沿って並べる。
Cursorで何ができるかを先に3つに分ける
CursorはVS Codeをもとに作られたコードエディタで、AIの機能が最初から組み込まれている。機能は多いが、使い方の上では3つに分けて考えると整理しやすい。
1つ目は、打っている最中に先回りして提案する機能だ。Tabと呼ばれ、書きかけのコードの続きを灰色の文字で示し、Tabキーで受け入れる。公式ヘルプによると、複数行をまとめて書き換えたり、足りないimportを補ったりもできる。
2つ目は、選んだ部分だけを書き換える機能だ。インライン編集と呼ばれ、コードを選んでCmd + Kを押し、指示を書くとその場で置き換わる。
3つ目は、フォルダ全体を相手に会話しながら作業する機能で、Agentと呼ばれる。Cmd + Iで開き、ファイルを探し、編集し、必要ならターミナルでコマンドも実行する。
この3つは、任せる範囲の広さが違う。Tabは1行から数行、インライン編集は選んだ範囲、Agentはフォルダ全体だ。範囲が広いほど手間は減るが、確かめる量は増える。使い始めは、範囲の狭いものから慣れていくと、AIがどんな書き換えをするのかの感覚がつかめる。
料金の面では、公式の料金ページに無料のHobbyと、月20ドルのProなどが並んでいる。公式ヘルプによると、Hobbyでも Agent、Chat、Tabの主な機能は使えるが、使える量には上限がある。使い方を覚える段階ではHobbyで足りることが多い。
最初の1時間でやること
使い方を覚えるときに一番効くのは、自分がよく知っているフォルダで試すことだ。見慣れないサンプルで練習すると、AIの答えが正しいかを自分で判断できない。
公式のクイックスタートが勧めている流れは、次の3段階になっている。
- フォルダを開き、Agentに全体の構成を説明させる
- 安全な改善案を3つ出させ、1つを選んで実行させる
- 変更の差分を読み、テストやビルドを走らせるよう頼む
最初の説明の段階では、AIはまだ何も書き換えない。フォルダを開いてCmd + Iを押し、「このフォルダの構成を説明し、最初に読むべきファイルを教えて」と頼む。返ってきた説明が自分の理解と合っているかを確かめるだけで、AIがどこまでフォルダを読めているかが分かる。
次の段階で、改善案を3つ出させる。ここで大事なのは、AIに選ばせずに自分で選ぶことだ。公式の例文も、改善案を出したあと選ぶのを待つよう頼む形になっている。文言の手直しや小さな表示の修正のように、失敗しても困らないものから選ぶ。
最後の段階が、差分を読むことだ。ここを飛ばすと、そのあとの使い方がすべて不安定になる。次の節で詳しく見る。
変更を確かめる:差分、テスト、巻き戻し
Agentはファイルを書き換えながら作業を進め、その結果を差分として表示する。追加された行と削除された行が色分けされて並ぶので、1ファイルずつ目を通し、要らない変更は取り消せる。
差分を読むときの目安は3つある。
- 頼んでいないファイルが変わっていないか
- 消されている行に、残すべき処理が含まれていないか
- 新しく足された依存関係やファイルがないか
差分を読んだら、プロジェクトで普段使っている確かめ方をAIに走らせる。テスト、型チェック、リンター、手元のビルドなどだ。公式のクイックスタートも、変更が終わったらこうした確認を実行するようCursorに頼む流れを示している。
うまくいかなかったときに備えて、巻き戻しの方法も最初に覚えておきたい。公式ヘルプによると、会話の過去のメッセージの右下にRevertのボタンがあり、押して確定すると、ファイルをその時点の状態に戻せる。gitを使っているなら、AIに頼む前にコミットしておくと、Cursorの外からでも元に戻せるので二重に安心だ。
この確かめ方が身につくと、任せる範囲を広げても怖くなくなる。反対に、差分を読まずに依頼を重ねると、どの依頼で何が変わったかが分からなくなり、結局すべてを手で読み直すことになる。1回の依頼で変わるファイルを数個に抑えるのが、確かめやすさの面では効率がよい。
自分で書く時間を短くする:Tabとインライン編集
Agentに任せるほどではない作業は、Tabとインライン編集で片付ける。どちらも自分でキーボードを打っている流れを止めずに使えるのが利点だ。
Tabの提案は、灰色の文字で書きかけの先に表示される。受け入れるならTabキー、要らなければEscキーか、そのまま打ち続ければ消える。公式ヘルプによると、1つ受け入れたあとにもう一度Tabを押すと、次に直しそうな場所へカーソルが飛ぶ。関数の名前を変えたあと、呼び出している箇所を順に直していくような作業で効く。別のファイルにも直す場所がある場合は、画面の下に小さな窓が出て、そちらへ移れる。
文章を書くMarkdownのファイルなどで提案が邪魔に感じるときは、画面右下のTabの表示から、特定の種類のファイルだけ提案を止められる。一時的に止めることもできるので、原稿を書くときだけ切る、という使い方ができる。
インライン編集は、選んだ範囲だけを書き換えたいときに使う。コードを選んでCmd + Kを押し、「この関数を非同期にして」のように書いてReturnキーを押すと、その場で置き換わる。書き換えずに質問だけしたいときは、Option + Returnで質問のモードに切り替わる。変更が1つのファイルに収まらないと分かったら、範囲を選んだままCmd + Lを押すと、その部分を文脈としてAgentに渡せる。
Agent、Ask、Planの3つのモードを使い分ける
Agentの画面には、動き方の違うモードがいくつかある。入力欄でShift + Tabを押すと切り替わる。
| モード | ファイルを書き換えるか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Agent | 書き換える | 何をすればよいか分かっている変更 |
| Ask | 書き換えない | コードの読み解き、質問 |
| Plan | 計画の承認後に書き換える | 複数ファイルにまたがる変更、方針を決めたいとき |
Askは読むだけのモードで、公式ヘルプでは「認証の流れはどうなっているか」「データベースの接続はどこで設定しているか」のような質問が例に挙がっている。初めて触るプロジェクトでは、まずAskで全体をつかむと、Agentに頼むときの指示が具体的になる。
Planは、書き始める前に計画を作らせるモードだ。AIがフォルダを調べ、分からない点を質問し、計画を作って承認を待つ。計画は編集できるファイルとして開かれるので、手を入れてからBuildを押すと実装が始まる。公式ヘルプは、複数の進め方がありうる機能や、多くのファイルにまたがる作業でPlanを使うよう勧めている。逆に、何度もやったことのある小さな変更なら、Agentのままで十分だ。
どのモードでも、特定のファイルやフォルダを見てほしいときは、入力欄に@を打ってファイル名を選ぶ。AIは自分でも検索するが、見てほしい場所を先に示したほうが、答えが的確になる。
毎回同じことを言わないためのルール
使い始めてしばらくすると、同じ注意を何度も書いていることに気づく。「TypeScriptで書いて」「テストも足して」「日本語で答えて」といった決まりごとは、ルールとして書いておけば毎回言わずに済む。
ルールの置き場所には、フォルダの中の.cursor/rules/と、フォルダの一番上に置くAGENTS.md、すべてのプロジェクトに効くユーザールールがある。公式ヘルプでは、コマンドパレットで「New Cursor Rule」を選ぶと、名前と適用のしかたを決めてルールのファイルを作れると案内されている。
古い解説記事を読むときは、次の点に気をつけたい。
補足: ネット上の古い記事では、プロジェクトルートに .cursorrules というファイルを置く方法が紹介されていることがあります。この方式は現在非推奨(deprecated)です。新しく設定する場合は、Project Rules(.cursor/rules/)または AGENTS.md を使ってください。 出典: aidd.jp
公式ドキュメントは、ルールを500行以内に収め、大きくなったら分けるよう勧めている。最初から網羅的に書く必要はない。AIが同じ間違いを2回したら、そのときにルールに1行足す、という育て方が公式ヘルプでも勧められている。
ターミナルとAIの関係を決めておく
Agentは、テストを走らせたり依存関係を入れたりするために、ターミナルでコマンドを実行する。どこまで自動で走らせるかは、設定のAgentsにあるApprovals & Executionで決める。公式ヘルプによると、Cursor 3.6以降は自動で判定するAuto-reviewが既定で、許可したコマンドだけを走らせるAllowlistや、すべてを確認なしで走らせる設定も選べる。
使い始めのうちは、既定のままにしておき、AIが何を実行したかを毎回読むのがよい。削除や移動のように取り返しのつかないコマンドが出てきたら、その場で止めて理由を確かめる。
エディタを開かずに、ターミナルだけでCursorのAIを使う方法もある。公式ドキュメントでは、Cursor CLIを curl https://cursor.com/install -fsS | bash で入れ、agentというコマンドで対話する形が案内されている。Agent、Plan、Askのモードもエディタと同じように使える。サーバーに入って作業するときや、エディタを開くほどでもない小さな作業には、こちらのほうが手早い。
読ませたくないファイルは、フォルダの一番上の.cursorignoreに書いておく。ただし公式の説明によると、Agentがターミナルで実行するコマンドにはこの指定が効かない。秘密の情報は作業フォルダの外に置くのが確実だ。
慣れてきたら、窓の往復を数える
Tab、インライン編集、Agentの3つと、差分の確かめ方が身につくと、エディタの中の作業はかなり速くなる。そのあとに目立ってくるのが、エディタの外との往復だ。資料をFinderで探してフォルダに入れ、ターミナルでAIのエージェントを動かし、書き出されたファイルをまたFinderで開く。コードを書く時間より、この往復の時間のほうが長い日もある。
この往復を減らす道具は、エディタの側だけにあるわけではない。Finderの代わりになるファイル管理アプリのなかには、フォルダの一覧と、そのフォルダで開いたターミナルを1つの窓に並べるものがある。できることのページでは、離れた場所のフォルダを1つのプロジェクトにまとめ、フォルダごとにターミナルを持つ仕組みが紹介されている。AIに作業を任せて席を離れたあと、外から様子を見る使い方はiPhone・iPadから続きをで説明されている。
Cursorの使い方を覚えたら、次は1日の作業のなかで、どの窓からどの窓へ何回移っているかを数えてみたい。エディタの中の往復が多ければCursorの設定を詰め、エディタの外の往復が多ければファイル管理の側を見直す。費用の条件は料金にまとまっている。
よくある質問
Cursorは無料でどこまで使えますか?
無料のHobbyプランでも、Agent、Chat、Tab補完といった主な機能は使えます。ただしAIへの依頼の量には上限があり、毎日たくさん頼むと上限に達します。使い方を覚える段階ではHobbyで足りることが多く、上限に当たる頻度を見てから月20ドルのProなどに移るかを決められます。
AgentとAskとPlanは、どう使い分ければいいですか?
ファイルを書き換えずにコードを読み解きたいときはAsk、何をすべきか分かっている変更はAgent、複数のファイルにまたがる変更や方針を先に決めたいときはPlanを使います。入力欄でShift + Tabを押すとモードが切り替わります。初めて触るプロジェクトは、Askで全体をつかんでから始めると指示が具体的になります。
AIが書き換えた内容を元に戻すにはどうすればいいですか?
会話の過去のメッセージの右下にあるRevertのボタンを押して確定すると、ファイルをその時点の状態に戻せます。gitを使っているなら、AIに頼む前にコミットしておくと、Cursorの外からでも元に戻せます。1回の依頼で変わるファイルを少なくしておくと、戻す範囲も小さく済みます。
.cursorrulesと.cursor/rules/は何が違いますか?
.cursorrulesはフォルダの一番上に置く古い方式で、いまは.cursor/rules/の中に.mdcのファイルを置く方式か、AGENTS.mdを使う方式が案内されています。.cursor/rules/では、すべての会話に含める、特定のファイルだけに効かせるなど、適用のしかたを細かく選べます。これから設定するなら新しい方式を使うほうが迷いません。