Finderのキーボードショートカット|効く層で分けて覚える

finder keyboard shortcutsで検索すると、五十音順やアルファベット順に並んだ一覧が出てきます。ところが一覧を上から読んでも、翌朝まで残るのは3つ4つです。キーが難しいのではなく、並び順が「調べる用」であって「覚える用」になっていないためです。ここでは効く対象で層を分け、日本語入力環境で起きる衝突と、一覧に載っていないキー、そして無いキーを自分で作る手順までを整理します。

Finderのキーは4つの層に分かれている

Finderのショートカットは、必ず次の4つのどれか1つにだけ効きます。ここを分けずに覚えようとするから続きません。

  • 場所を変えるキー。窓が指しているフォルダを移すだけで、ディスクの中身は何も変わらない
  • 表示を変えるキー。同じフォルダを、アイコンやリストやカラムに描き直す。これも中身は変わらない
  • 選択中の項目に効くキー。複製、情報を見る、プレビュー、ゴミ箱、名前の変更
  • コピーと移動に効くキー。クリップボードと、ドラッグ中に押している修飾キー

Appleが公開している一覧はこの4層が混ざっています。だから「command + 1」と「command + delete」が数行しか離れていない場所に並びます。層で束ねると規則が見えてきて、shift + command + 英字はほぼ決まったフォルダを開く、option + command + 英字はほぼ窓の部品を出し入れする、command + 数字は必ず表示形式を変える、という3本の柱で整理できます。

もう1つ、一覧には価値の重みが書かれていません。ゴミ箱を空にするキーが節約するのはメニュー1往復で、頻度は週に数回です。パスを打ってフォルダへ飛ぶキーが節約するのは数分に1回の往復です。この2つを同じ熱量で覚えようとすると、頻度の低いほうから先に忘れます。

場所を変えるキーから先に手に入れる

1日の中で最も回数が多いのが移動です。ここを先に押さえると体感がはっきり変わります。

最優先は「shift + command + G」で開く「フォルダへ移動」です。パスを直接打つか貼り付けることができ、チルダは展開され、tabキーで補完が効きます。ターミナルからパスをコピーして持ち込む人は、名前を知らないまま1日に何十回も使っている入口です。

階層の上下と履歴は4つで足ります。「command + 上矢印」で現在のフォルダを内包するフォルダへ、「command + 下矢印」で選択した項目を開く、「command + 左角かっこ」と「command + 右角かっこ」でブラウザと同じように履歴を行き来します。上矢印にcontrolを足すと、親フォルダが新しいウインドウで開きます。

決まった場所へは、shift + commandに頭文字を足す形でそろっています。ホームがH、デスクトップがD、書類がO、アプリケーションがA、ユーティリティがU、コンピュータがC、ネットワークがK、iCloud DriveがI、AirDropがR、最近の項目がFです。ダウンロードだけが例外で「option + command + L」になります。

同じフォルダにたどり着く道は3つあり、得意な場面が違います。

キー 向いている場面 弱い場面
フォルダへ移動 shift + command + G パスが手元にある、貼り付けられる パスを知らないとき
サイドバーの登録 control + command + T で追加 毎日開く5〜10個 登録が増えて一覧を見渡せなくなったとき
最近の項目 shift + command + F 直近1日以内に触ったもの しばらく開いていないフォルダ

よくある詰まり方は、サイドバーだけで済ませようとすることです。登録が十数個を超えると目で探す時間のほうが長くなり、上位の数個を除けばパスを打つほうが速くなります。

表示を変えるキーは、常時オンにするものを決める

表示系はディスクを変更しないので、安心して試せます。表示形式は「command + 1」から「command + 4」まででアイコン、リスト、カラム、ギャラリーに切り替わります。階層が深い作業ではカラム表示が有利で、選択した項目の親子関係がパスバーなしでも見えます。

窓の部品はoption + commandに寄せられています。パスバーがP、サイドバーがS、ツールバーがT、プレビューパネルだけがshift + command + Pです。ステータスバーは例外で「command + スラッシュ」です。「command + J」で開く表示オプションには、並び順、アイコンの大きさ、フォルダを先頭にまとめる設定が入っています。

この中で、切り替えずに出しっぱなしにする価値があるのは2つです。パスバーは窓の下端に現在地の親子関係を並べ、途中のフォルダをダブルクリックすればそこへ飛べます。ステータスバーは項目数と空き容量を数字で出すので、「なんとなく重い」が「ファイル数がいくつ」に変わります。

タブはブラウザと同じ感覚です。「command + T」で新しいタブ、「shift + command + T」でタブバーの表示切り替え、「command + W」はウインドウより先にタブを閉じます。

選択中の項目に効くキー

スペースバーでクイックルックが開き、「command + Y」でも同じことができます。複数選択した状態で「option + command + Y」を押すとスライドショーになり、画像やPDFの束を開かずに選り分けられます。

「command + I」で情報を見る、「command + D」で複製、「control + command + A」でエイリアスを作成します。見落とされがちなのが「control + command + N」で、これは選択中の項目を最初から中に入れた新しいフォルダを作ります。フォルダを作って名前を付けて選択物をドラッグする3工程が、1打鍵に畳まれます。

名前の変更に専用キーが割り当てられていないのは、returnキーがその役だからです。Windowsから来た人がつまずくのはここで、Windowsではreturnが開く、F2が名前の変更でした。macOSでは逆で、returnが名前の変更、開くのは「command + 下矢印」です。

削除は「command + delete」でゴミ箱へ、「shift + command + delete」でゴミ箱を空に、「option + shift + command + delete」で確認なしに空にします。3つ目は存在を知っておく価値はありますが、日常で使う理由はありません。

選択そのものを作る操作も覚えておくと効きます。shiftで連続範囲、commandで1つずつ足し引き、リスト表示でoptionを押しながら三角形をクリックすると、その下の階層がすべて開きます。深い場所に散らばったファイルを一度に選ぶときは、この順番が最短です。

コピーと移動、そして一覧に載っていない2つ

macOSにはファイルに対する「切り取り」がありません。ここが最も混乱を生む部分です。代わりに使うのは2段構えで、元の場所で「command + C」、移動先で「option + command + V」を押すと、コピーではなく移動になります。素の「command + V」はコピーです。

ドラッグの結果は、押している修飾キーと、行き先が同じボリュームかどうかで決まります。同じボリューム内のドラッグは移動、別のボリュームへのドラッグはコピーが既定です。別ボリュームへcommandを押しながらドラッグすると移動になり、optionを押しながらだとコピー、option + commandだとエイリアスになります。ポインタの形が変わって結果を予告するので、規則を暗記するよりポインタを見るほうが確実です。

Appleの公開一覧に載っていないものが2つあります。1つはoptionキーを押しながら「編集」メニューを開くと、「コピー」が「パス名をコピー」に変わることです。選択した項目のフルパスがそのままクリップボードに入るので、ターミナルへの貼り付けと直結します。もう1つは「shift + command + ピリオド」で、現在の窓の隠しファイル表示が切り替わります。ドットで始まる設定ファイルが意図した場所に置けたかを確かめるとき、これが最短です。

日本語入力とJISキーボードで起きる衝突

日本語環境では、英語圏の記事どおりにいかない場面があります。入力ソースを2つ以上入れていると、入力ソースの切り替えにcontrolやcommandを含む組み合わせが割り当てられ、Finderのキーより先に反応することがあります。Appleも、複数の入力ソースを使っている場合はSpotlight関連のキーが入力ソース切り替えとして働くことがあると案内しています。押しても無反応なキーに出会ったら、まず「システム設定」のキーボードショートカットで、入力ソースの項目とぶつかっていないかを見ます。

JISキーボードでは角かっこの位置がUSと違います。履歴を戻る「command + 左角かっこ」は、JIS配列では「@」の右隣にあるキーです。英語の解説を読みながら手が止まる原因の多くはここで、キーが効かないのではなく押している場所が違うだけです。

かなキーと英数キーを持つ配列では、この2つに別の役を持たせている人もいます。その設定を入れている場合は、Finderで無反応になるキーが増えるので、切り分けの最初に外して試すのが早道です。

無いショートカットは自分で作れる

Finderのメニューに文字として出ているコマンドなら、後からキーを割り当てられます。よく使う操作ほどキーが空いていることが多いので、ここが最も効きます。

場所は「システム設定」からキーボードを開き、「キーボードショートカット」の中の「アプリケーションショートカット」です。追加してFinderを選び、「メニュータイトル」にメニューの文字を句読点まで含めてそのまま入力します。階層のあるメニューは「->」でつなぎ、三点リーダーはピリオドを3つ続けて入力します。

キーボードショートカットは既存のメニューコマンドに対してのみ作成できます。アプリの起動などの一般的な目的のタスクに対してキーボードショートカットを作成することはできません。 出典: support.apple.com

この制約が、何を割り当てる価値があるかを決めます。同じ設定画面のサービスで有効にできる「フォルダに新規ターミナル」はメニューコマンドなので割り当てられます。「パス名をコピー」も、ショートカットやAutomatorで作ったクイックアクションも同じです。

失敗の仕方は2通りしかありません。1つはメニュータイトルの文字が実物と1文字でも違う場合で、エラーは出ず、ただ何も起きません。日本語のメニュー名は全角の中黒や長音の有無で差が出やすいので、メニューを開いて目で照合します。もう1つは、その組み合わせを別のコマンドが先に押さえている場合で、このときは両方とも動きません。どちらかを変えるまで解決しません。空いている領域を探すなら、controlとoptionを含む組み合わせが比較的安全です。

キーを増やしても短くならない工程がある

ここまでのキーはすべて、1つのFinderウインドウの中で完結します。作業がその窓の外へ出た瞬間、効くキーは1つもありません。

形はいつも同じです。optionを押しながらパス名をコピーし、ターミナルを前面に出し、貼り付け、コマンドを実行し、窓に戻り、更新して結果を見る。6手のうちショートカットで短くなるのは1手だけです。7つ目のキーを覚えてもこの往復は縮みません。費用はキーの数ではなく、窓と窓の境目そのものにあるからです。

AIに指示を出す場面でも同じことが起きます。指示にはファイルのパスが要り、パスは窓の中にあり、AIは別の窓にいます。運んでいる時間が仕事の大半を占めます。ここを詰めるには、キーを足すのではなくフォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形に持っていくほうが効きます。窓を1つにまとめた場合に何がどう変わるのかはできることにまとめてあり、Finderと別ターミナルの組み合わせとの違いは他のファイル管理との比較で項目ごとに並べています。手元を離れたあとの続きをどう扱うかはiPhone・iPadから続きをが扱っています。

覚えるキーは5つで足ります。「shift + command + G」「command + 上矢印」「スペースバー」「control + command + N」「option + command + V」の5つを手に馴染ませ、そのうえで「フォルダに新規ターミナル」に押しやすいキーを1つ割り当てる。この2段階で、窓の外に出る回数そのものが減り始めます。

よくある質問

一覧を印刷して壁に貼れば覚えられますか?

貼っても、使う頻度が低いキーは残りません。効く対象の層ごとに5つ前後へ絞り、1週間ずつ手に馴染ませるほうが定着します。移動のキーから始めると、1日の中での使用回数が多いぶん早く身につきます。

Windowsの「切り取って貼り付け」はFinderでもできますか?

ファイルに対する切り取りコマンドはありませんが、同じ結果は出せます。元の場所で「command + C」、移動先で「option + command + V」を押すと移動になります。素の「command + V」はコピーで、元のファイルはそのまま残ります。

追加したショートカットが動きません。原因は何ですか?

大半は2つです。メニュータイトルの文字がメニューの表示と違っている場合と、その組み合わせを別のコマンドがすでに使っている場合です。前者は無反応のままエラーも出ないので、メニューを開いて1文字ずつ照合します。後者は両方が動かなくなるため、どちらかを変える必要があります。

隠しファイルを表示するキーは公式の一覧にありますか?

Appleが公開しているFinderのショートカット一覧には載っていません。「shift + command + ピリオド」で現在の窓の表示が切り替わり、現行のmacOSでも動きます。ドットで始まる設定ファイルの置き場所を確認するときに使われます。

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