finder sidebar not showingの原因を症状から切り分ける
Finderウインドウの左の列が消えて「finder sidebar not showing」で調べると、どの記事も同じ答えを返します。表示メニューから「サイドバーを表示」を選ぶ。これで直るのは半分ほどで、残りは項目が淡色で押せないか、すでに表示になっているか、列は戻ったのに必要だった1行だけが出てこないかのどれかです。同じ言葉で語られている症状が、実際には別々の原因を持っています。どれに当たっているかを先に見分ければ、手当たり次第に設定を触る時間はほぼ消えます。
「サイドバーが出ない」には3つの型がある
ウインドウを見て、何がどこまで欠けているかだけを確認します。
| 画面の見えかた | 実際に起きていること | 直す場所 |
|---|---|---|
| 左の列が丸ごと無い | サイドバーかツールバーが非表示になっている | 表示メニュー |
| 細い境目だけが見える | 分割線が左端まで寄せられている | 分割線そのもの |
| 見出しはあるが中身が無い | そのセクションが折りたたまれている | セクションの見出し |
| 特定のディスクだけ出ない | 設定で外されているか、接続されていない | Finder設定、またはディスク側 |
型が違えば直す場所も違います。「サイドバーを表示」を押し直す操作は、この表の1行目にしか効きません。2行目以降に当たっているのに同じ操作を繰り返しているのが、直らないときによくある状態です。
列そのものが消えているとき
まず表示メニューを見ます。Appleの説明には、押せない場合の理由まで書かれています。
サイドバーを非表示にする/表示する: メニューバーで、「表示」>「サイドバーを非表示」、または「表示」>「サイドバーを表示」と選択します。(「サイドバーを表示」が淡色で表示されている場合は、「表示」>「ツールバーを表示」と選択します。) 出典: support.apple.com
この淡色になる条件でつまずく人が多い。ツールバーを非表示にすると、サイドバーも一緒に消え、ステータスバーがウインドウの下から上に移ります。画面上にはその関係を説明するものが何も出ないため、壊れたのではなく「そういう見た目のウインドウ」に見えてしまい、長いあいだ放置されがちです。キーボードなら option + command + S がサイドバー、option + command + T がツールバーで、どちらもAppleのショートカット一覧に載っています。
もう1つ、探しても見つからない設定があります。ウインドウごとの設定です。サイドバーの表示状態はMac全体で1つしかなく、どれか1つのウインドウで表示にすれば全部のウインドウが表示になり、再起動しても保たれます。ログインのたびに非表示に戻るなら、ウインドウの操作ではなくFinderの設定ファイル側で何かが起きています。
幅がゼロになっているだけのとき
サイドバーと一覧の境目にある分割線は、ウインドウの左端まで寄せられます。止める仕組みはありません。結果として、サイドバーは表示のままで幅だけがゼロという状態が作れます。この場合、表示メニューには「サイドバーを非表示」と出ます。仕様のうえでは表示されているからです。
直しかたは、ファイル一覧の左端にポインタを合わせ、左右方向の矢印に変わったところで右へドラッグするだけです。幅は数値として保存されているので、ターミナルで defaults read com.apple.finder SidebarWidth と打てば現在値が返ってきます。ゼロに近い数字が出れば、ドラッグして試す前に原因が確定します。
逆方向のずれも同じ操作で直ります。分割線を右へ寄せすぎると、サイドバーがウインドウの大半を占め、ファイル一覧が細い帯になります。見た目は「壊れた」ですが、中身は幅の問題です。150から300ポイントのあいだに収めておけば、どちらの側にも寄りすぎません。
見出しはあるのに中身が無いとき
よく使う項目、iCloud、場所、タグの各セクションには見出しがあり、ポインタを乗せると折りたたみの操作が現れます。折りたたむと見出しは残り、その下の行だけが消えます。これが「セクションごと消えた」と見えます。
もう一度見出しにポインタを乗せれば、反対の操作が出てきます。macOSはセクションごとに状態を別々に持っていて、SidebarPlacesSectionDisclosedState や SidebarDevicesSectionDisclosedState といった名前で保存されます。だから1つのセクションだけが何か月も畳まれたまま、他は普通に動く、ということが起こります。
見出しごと無い場合は別の話です。中身が0件になったセクションは、見出しも表示されません。よく使う項目が空なら見出しも出ません。Appleの手順にも、よく使う項目にフォルダを追加するにはまずFinder設定でその区画の項目を1つ以上選んでおく、と書かれています。ドラッグして入れる先が存在しないからです。
特定の1行だけが出ないとき
いちばん多く、そして一般的な対処がいちばん役に立たないのがこの型です。サイドバーはあり、セクションも開いていて、目当ての1行だけが無い。
「Finder」>「設定」を開き、「サイドバー」タブを見ます。サイドバーに出せる行はすべてここのチェックボックスで、ウインドウと同じ区画に分かれて並んでいます。ハードディスク、外部ディスク、CD・DVD、接続中のサーバ、ホームフォルダ、iCloudの各項目が、それぞれ独立したスイッチです。外すと、他に何の合図もなく行が消えます。
この画面には落とし穴が2つあります。
- 「サイドバー」タブと「一般」タブは別のものを制御している。一般タブはデスクトップに出すアイコン、サイドバータブは左の列。外部ディスクのデスクトップ表示を切っただけなのに、サイドバーの設定を変えたと思い込む間違いが起きやすい
- チェックは行を許可するだけで、行を作らない。接続されていない外付けディスクは、チェックが入っていても出てこない。確認する場所はFinderではなくディスクユーティリティ
自分でドラッグして入れたフォルダは、また別の扱いです。これらは「よく使う項目」にエイリアスとして並び、Finderの設定ファイルではなく sharedfilelistd という常駐プロセスが管理しています。サイドバーから項目を外しても元のフォルダが消えないのはこのためで、他の設定が初期化されても、よく使う項目だけが残ることがあるのも同じ理由です。
タグとiCloudには、2つ目のスイッチがある
この2つは、サイドバータブだけでは決まりません。
タグにはFinder設定の中に専用のタブがあります。サイドバータブは「タグの区画を出すかどうか」、タグタブは「どのタグをそこに出すか」を決めます。毎日使っていて何百件ものファイルに付いているタグでも、タグタブでお気に入りに指定していなければサイドバーには並びません。ファイル一覧の側からは、2つ目のスイッチがあることに気づく手がかりが何もありません。
iCloudの区画は、Finderの外側に条件があります。システム設定でiCloud Driveを切っていると、iCloud Drive・デスクトップ・書類の行は、サイドバータブの状態にかかわらず出てきません。指す先が無いからです。Apple Accountからサインアウトしている場合も同じです。確認する順番はシステム設定が先、Finder設定が後になります。
大きなアップデートのあとで一覧が書き換わる
macOSは大きなアップデートのときにサイドバーの移行処理を走らせ、済んだ印をFinderの設定に残します。何世代か越えてきたMacで defaults read com.apple.finder を実行すると、FXSidebarUpgradedToTenTen FXSidebarUpgradedToTenFourteen FXSidebarUpgradedToSixteen といった名前の項目が積み重なっているのが見えます。
アップデート後に、入れた覚えのない項目が並んでいたり、以前に外したフォルダが戻っていたりするのはこの処理の結果です。もう一度外せばそれで済みます。移行が済んだ印は残っているので、同じバージョンで繰り返されることはありません。
区別しておきたいのは、アップデートのときに一度だけ変わったのか、ログインのたびに戻るのか、です。前者は正常な動きです。後者はFinderの設定ファイルに書き込めていない状態で、ホームフォルダの権限が変わっているなど、別の原因を疑うことになります。
保存ダイアログのサイドバーは別勘定
開く・保存のパネルにもサイドバーがあり、よく使う項目の一覧は共通です。Finderでフォルダを登録すれば、保存ダイアログにも出てきます。共通ではないのが幅と表示状態で、こちらは FK_SidebarWidth のように別の名前で保存されます。
つまり、Finderでは正常なのに保存ダイアログだけ列が潰れている、という状態が普通に起こります。片方を直しても、もう片方は直りません。ダイアログの中で分割線をつかんで、その場で広げる必要があります。アプリが独自に描いているファイル選択画面は、そもそもFinderの設定を参照していないので、そちらで足りない行はそのアプリの設定です。
一覧そのものが壊れているとき
セクションは正しいのに、行が淡色のまま押せない、同じ項目が重複している、クリックしても反応しないという場合は、設定ではなく一覧が古びています。まずFinderを再起動します。Dockのアイコンを option + control を押しながらクリックし、「再度開く」を選ぶだけです。何も失われず、保存されている一覧から作り直されます。
淡色のまま変わらない行は、指す先が本当に無くなっていることを示しています。届かなくなったネットワーク共有、取り外した外付けディスク、登録後に削除されたフォルダは、行だけが残って開けません。修復しようとするより、外してから登録し直すほうが確実です。
それでも戻らない場合に、設定ファイルを消す手順を勧める記事がありますが、順番としては最後です。消せばサイドバーの並び順も、自分で登録したフォルダも、ウインドウの表示形式もまとめて初期状態に戻ります。試す前に、いま並んでいる項目を書き出しておくと、戻す作業が短く済みます。
直したあとに残る、サイドバーでは代われない用事
ここまでの手当てで列は戻りますが、戻したあとに「結局サイドバーでは足りない」と気づく場面があります。サイドバーはショートカットの一覧であって、ファイルシステムの表示ではないからです。2つのフォルダを左右に並べて見比べることも、選んでいるフォルダでそのままコマンドを打つこともできません。行が足りないと感じていた理由が、実はこの制限の埋め合わせだったなら、チェックボックスを探しても解決しません。
その場合に効くのは、窓の構成そのものを変えることです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形にすると、フォルダを選んだ時点でシェルの作業ディレクトリもそこに移るため、サイドバーに登録して行き来する用事自体が減ります。何ができるようになるかはできることにまとめてあり、他の道具との違いは他のファイル管理との比較で条件ごとに並べています。判断の前に費用を確かめたい場合は料金を見てください。
よくある質問
「サイドバーを表示」が淡色で押せないのはなぜですか?
ツールバーが非表示になっているためです。ツールバーを隠すとサイドバーも一緒に隠れる作りになっているので、先に「表示」>「ツールバーを表示」を選ぶか、option + command + T を押します。ツールバーが戻ると、サイドバーの項目も選べるようになります。
サイドバーは出ているのに外付けディスクだけ出てきません。どこを見ますか?
「Finder」>「設定」の「サイドバー」タブで、「場所」の中の外部ディスクにチェックが入っているかを確認します。デスクトップのアイコンを決める「一般」タブとは別の設定です。チェック済みなら、ディスクがマウントできていない可能性が高いので、ディスクユーティリティで認識されているかを見ます。
Finderでは正常なのに、保存ダイアログのサイドバーだけ出ないのはなぜですか?
開く・保存のパネルは、よく使う項目の一覧は共有していますが、幅と表示状態は別に保存しています。Finder側を直してもダイアログ側は変わりません。保存のシートが出ている状態で、パネルの左端から分割線を右へドラッグして広げてください。
サイドバーから項目を外すと、フォルダも消えますか?
消えません。サイドバーに並んでいるのは、実体を指すエイリアスです。外すと近道が無くなるだけで、フォルダやディスクは元の場所に残ります。戻したいときは、そのフォルダを「よく使う項目」の区画へもう一度ドラッグすれば並びます。