mac x finderで出てくる情報の見分け方|古い手順の直し方

mac x finder という語で検索すると、書かれた時期が20年以上ばらついた記事が同じ画面に並ぶ。しかも記事の側には「これは古い」と書いていない。手順どおりに進めたのにメニュー項目が見つからず、自分の読み違いなのか記事が古いのかが判断できない、という止まり方をしている人が多い。ここでは、どの種類の説明が古くなり、どの種類の説明が今も通用するのかを分けて、拾った記事を使えるかどうかを自分で判定できる状態にする。

検索語に「X」が残っているのは、名前が3回変わったから

Appleが公開しているバージョン一覧を見ると、Macのオペレーティングシステムの呼び名は3段階で変わっている。最初がMac OS X、次がOS X、そしてmacOSである。同じ一覧に、現行の macOS Tahoe 26 まで並んでいる。数字の付け方も10.x形式から年に近い形式へ変わっているため、「10.6」「10.9」といった表記が本文に出てくる記事は、それだけで書かれた時期がかなり絞り込める。

この履歴が検索結果の質に直結している。Mac OS Xと呼ばれていた期間は、ファイル操作の窓がFinder以外に無く、解説記事も分厚く書かれた。一方でその後の10年、Finderの見た目と操作は当時ほど大きく動いていない。結果として、新しく書き直す動機が弱く、古くて詳しい記事が上位に残り続ける構造ができている。他のアプリの検索と比べて、この語だけ極端に古い記事が多いのはそのためである。

もう1つ押さえておきたいのは、古い記事が全部間違っているわけではない、という点である。当時のFinderの挙動を丁寧に書いた記事は、ファイルシステムの側の説明としては今も正確なことが多い。効かなくなるのは、設定の場所と機能の呼び名と、システム領域に手を入れる類の手順に限られる。

効かなくなる手順は4つの型に固まっている

古い記事で実行できない手順を集めると、原因はほぼ4種類しかない。設定パネルの名前が変わった、ターミナルのコマンドがキー操作に置き換わった、機能の名前が変わった、書き込めない場所になった、である。

古い記事に書かれていること 現在の形
システム環境設定を開く 「システム設定」という名前になり、左に一覧が並ぶ形に変わった
defaults write で不可視ファイルを表示する Finderの窓でCommandキー+Shiftキー+ピリオドを押すと切り替わる
ファイルにカラーのラベルを付ける ラベルはタグになり、色だけでなく名前も付けられる
名前の一括変更は別のユーティリティで行う 複数選択して「名前を変更」を選ぶと、置換・追加・フォーマットの3種類が選べる
iPhoneの同期は専用のメディアアプリで行う 接続したiPhoneやiPadはFinderのサイドバーに出て、そこで同期する
システムフォルダの中のファイルを書き換える システムは読み取り専用の別ボリュームにあり、暗号署名で封をされている

最後の行は、慣れている人ほど引っかかる。Appleはシステムの内容を専用のボリュームに分けたうえで、そこに署名を付けて起動のたびに検証する仕組みを入れた。つまり、システム領域のファイルを差し替える前提の手順は「非推奨になった」のではなく、記事に書かれたやり方では実行できない。

4つの型に共通しているのは、できること自体は残っていて、たどり方だけが変わっているという点である。だから古い記事は、手順書としては使えなくても、理由の説明としては読む価値が残る。

今も正しいのは、ファイルシステム側を説明している部分

変わっていない層のほうが、実は分厚い。だからこそ古い記事が検索結果に残り続けている。

名前の規則がその代表である。ファイル名にコロン(:)は使えず、ピリオド(.)で始まる名前も付けられない。上限は255文字で、アプリによっては半角スラッシュも受け付けない。この制約はインターフェイスの改定を何度もまたいで生き残っているので、コロンが使えない理由を書いた古い記事は、今読んでもそのまま正しい。

Finderがシステムの中で占めている位置も動いていない。終了できないアプリであること、デスクトップがFinderの描いているフォルダであること、固まったときに再起動するのはMacではなくFinderであること。この3点を書いた古いトラブル対処の記事は、現行の説明と同じ結論になる。

Finderを使用して、Macにあるほとんどすべての項目の表示、アクセス、および整理ができます。 出典: support.apple.com

ドラッグ中の修飾キーの意味も同じである。Optionキーを押しながらならコピー、別のボリュームへ移すときはCommandキー。同じ名前のフォルダを重ねるときにOptionキーを押していると「結合」が選べること、そしてその選択肢は片方にしか無い項目があるときだけ出ること。これらは当時の記事の記述がそのまま通用する。

場所を指定する操作も変わっていない。Commandキー+Shiftキー+Gで開く「フォルダへ移動」にパスを打ち込む方法は、名前が2回変わってもそのままである。チルダをホームフォルダの短縮形として使える点も、ターミナルからコピーしたパスを貼り付けられる点も同じである。バージョン一覧はAppleのサポートページで確認できるので、記事に出てくるバージョン名を照らし合わせれば、どの段階の記事なのかはすぐ分かる。

日本語の記事には、翻訳のゆれがもう1層乗る

日本語で読むときは、英語圏の記事より判定が1段むずかしくなる。表示名の翻訳が途中で変わっている項目があるうえに、記事の書き手ごとの表記ゆれが重なるからである。

たとえば同じ画面を指しているのに、「Finder環境設定」と書いた記事と「Finder設定」と書いた記事が並ぶ。カタカナで「ファインダー」と書く記事もあれば、英字のまま「Finder」と書く記事もある。検索する側もどちらで打つか決めきれないので、結果の並びが安定せず、古い記事と新しい記事が交互に出てくる。この状態で上から順に試すと、効く手順と効かない手順を交互に踏むことになる。

もう1つ、日本語の検索でだけ起きる混同がある。「Finder」という語を含む別のアプリ名が結果に混ざる点である。名前が似ているだけで中身は別物なので、標準のFinderの話をしている記事なのか、別のアプリの操作説明なのかを、最初の数行で見分ける必要がある。判断の目印は簡単で、記事がアプリのインストールから始まっているなら標準のFinderの話ではない。

さらに、日本語で表示されているフォルダ名が、そのままディスク上の名前とは限らない。画面に「書類」と出ていても、ターミナルで打つときは英語の名前になる。古い記事が画面の表記でパスを書いていると、そのまま打っても場所が見つからない。手順が悪いのではなく、表示と実体が別だという前提が省略されているだけである。

記事の古さは1分で判定できる

本文を最後まで読む前に、次の4か所を見る。読む時間の節約になる。

用語

「システム環境設定」「ラベル」「OS X」「Finder環境設定」。この4語のどれかが出てきたら、少なくとも現行の名前ではない。パスバーの表示をターミナルのコマンドで有効にする、と書いてあるものも同じ時期の記事である。

defaults write の多さ

コマンドが並んでいる記事は古いことが多い。当時これで切り替えていた設定の一部は、今は画面から操作できるか、そもそも無くなっている。厄介なのは、無くなった項目にコマンドを打ってもエラーが出ない点である。何も起きないだけなので、効かなかったことに気づけない。

画面写真

金属質のウインドウ、縞模様のリスト表示、ファイル名の横に付いた色の丸。この3つは時期が特定できる。現在の見た目は平面的で、ツールバーがタイトルと一体になっている。

起動ディスクの扱い

「Macintosh HD」を1つの書き込み可能なボリュームとして説明している記事は、システムとデータに分かれる前のものである。ここは誤読しやすい。既定の名前としての「Macintosh HD」は今も残っているので、名前だけを見ると古さが分からない。名前は残り、中身の構造が変わった。

当時から解決していない不満が1つだけ残っている

効かない手順を取り除いていくと、Mac OS Xの時代から言われ続けていて、今も残っている不満が浮かび上がる。ここが、この検索語で来る人の本当の目的であることが多い。

二画面の表示は今も無い。いま前面に出ているフォルダでシェルを開く操作も、サービスメニューに項目を足すか、ほとんど知られていない設定を入れるかしないと出てこない。そして、フォルダの表示とターミナルが同じ場所を指した状態で1つの窓に収まる形も用意されていない。

この往復の形を具体的に書くと、画面でフォルダを探し、パスをコピーしてシェルへ渡し、コマンドを実行し、フォルダの表示を更新して結果を確かめる、という4回の面の切り替えになる。打鍵数は少ないので軽視されやすいが、切り替えのたびに「今どちらの現在地が正なのか」を判断し直している。負荷はそこにある。

一括の名前変更、タグ、パスの表示は、当時の不満として挙げられていて、その後Finderに入った。入らなかったのはフォルダとシェルの間の往復だけである。これはFinderの設計目標がそこに無かったからで、今後のバージョンで埋まることを前提に待つ性質のものではない。

拾った記事をどう使うかは、繰り返している作業で決まる

1日の中で繰り返している作業がフォルダの表示の内側で完結しているなら、古い記事から拾うべきものは少ない。検索、名前の変更、タグ付け、プレビューは現行のFinderでほぼ足りるので、道具を入れるより現行のキー操作を覚え直すほうが早い。半日で終わる。

繰り返している作業がフォルダの表示とシェルをまたいでいるなら、Finderの習熟では埋まらない。コストは両端の操作ではなく、またぐ行為そのものにあるからである。この場合に効くのは、フォルダの表示とターミナルが同じ現在地を共有して1つの窓に収まっている形で、そこで何ができるのかはできることに整理してある。古い記事で勧められがちな二画面型とは解いている問題が違うので、違いは他のファイル管理との比較を先に見たほうが判断が早い。買い切りと購読で条件が変わる点は料金にまとめてある。

古い記事が想定していなかった状況も1つある。コマンドを流したあと数分待たされ、途中で確認を求められる作業が増えたことである。当時の記事は、その瞬間に人が画面の前に座っている前提で書かれている。席を離れた側から返す形はiPhone・iPadから続きをに、導入前に出やすい疑問はよくある質問にまとめてある。

閲覧の傾向を見ると、この検索語から入ってきた人は2つに分かれる。Finderの操作そのものを調べ直す流れと、フォルダとターミナルの往復を減らす道具を調べる流れである。前者は古い記事を読み替えれば足り、後者は読み替えても足りない。自分がどちらなのかを先に決めるのが、拾った記事を使いこなす近道になる。判定は難しくない。直近の1時間で、フォルダの窓からパスをシェルへ運んだ回数を数えればよい。その数が0に近いなら前者、両手で数えきれないなら後者である。

よくある質問

Mac OS X時代のFinderと、いまのFinderは別のアプリ?

同じアプリである。システムの中での位置づけ、デスクトップを描いている点、終了できない点は当時から変わっていない。見た目は何度か描き直され、いくつかの機能は名前が変わり、システムのファイルは読み取り専用の別ボリュームに移った。ファイルシステム側の挙動を説明した部分は、当時の記事のまま通用する。

古い記事のターミナルのコマンドを実行しても何も起きないのはなぜ?

多くの古い記事は defaults write で隠れた設定を書き換える手順を紹介している。設定項目が無くなったり画面から操作する形に移ったりすると、コマンドは誰も読まないキーを書くだけになる。エラーが出ないので失敗に見えず、Finderを再起動しても何も変わらないことだけが手がかりになる。

不可視ファイルを表示するのに、コマンドを打つ必要はある?

無い。Finderの窓でCommandキー+Shiftキー+ピリオドを押すと、ピリオドで始まる項目の表示と非表示が切り替わる。システム全体の設定ではなく前面の窓に効く形なので、一時的に中を確認したいという用途にはこちらのほうが合う。

古い記事に書かれたファイル名の規則は、いまも同じ?

主要な部分は同じである。コロンは使えず、ピリオドで始まる名前は付けられず、上限は255文字である。アプリによっては半角スラッシュも受け付けない。これらはインターフェイスではなくファイルシステム側の制約なので、見た目が何度変わっても残っている。

記事一覧へ戻る