MacでAlfredを使う|Spotlightで出ない物を探す

MacでAlfredを調べている人の多くは、すでにSpotlightを毎日使っています。それでも検索する理由は、アプリの起動より先の作業でつまずいているからです。コピーした文字列を1つ前に戻したい、同じ定型文を打ち直したくない、選んだファイルにそのまま処理を当てたい。この種の要求に対してAlfredがどこまで届き、どこから有料になるのかは、機能一覧を眺めるだけでは分かりません。公式サイトの記載を突き合わせると、線引きは明確に引かれています。

無料のままで使える範囲と、Powerpackが要る範囲

Alfredは本体が無料で、有料の拡張としてPowerpackが用意されています。公式サイトのダウンロード欄には、Alfredの中核部分は何の条件もなく永続的に無料で使えると明記されています。有料になるのは、その上に載る機能群です。

公式サイトの機能一覧は、Powerpackが必要な項目に印を付けて区別しています。実際に分類すると、無料で使えるのは次の8つです。

  • アプリとファイルの検索
  • Web検索(既定の検索と独自のキーワード)
  • 計算
  • スペル確認と辞書
  • システムコマンド(スリープ、ゴミ箱を空にする、スクリーンセーバなど)
  • クイックルック(Shiftキーでファイルの中身を確認)
  • ラージタイプ(文字を画面に大きく表示)
  • 使用統計

Powerpackが必要なのは次の15項目です。クリップボード履歴、スニペットの自動展開、Workflows、ホットキー、ファイルの移動やコピーなどのアクション、ミュージックアプリの操作、最近使った書類、テーマ、メールへのファイル添付、1Passwordのブックマーク連携、既定の検索のカスタマイズ、設定の同期、ファイルバッファ、シェル連携、連絡先の表示。

この線引きが意味するところは1つです。検索して開くところまでは無料で完結し、見つけたものに何かをする段階から有料になります。自分が困っているのがどちらなのかを先に決めれば、判断は済みます。

Powerpackの価格と、いま払うと何が付くか

公式の購入ページには2つのライセンスが並んでいます。Single Licenseが34ポンド、Mega Supporterが59ポンドで、どちらも1人用です。違いはアップグレードの扱いにあり、Single Licenseはv5のライセンス、Mega Supporterは生涯のアップグレードが無料と書かれています。

購入ページの見出しには、いま買うとAlfred 6へのアップグレードが無料で付くという案内が出ています。次の版であるAlfred 6については、公式サイトのトップに「この秋」と告知が出ている状態です。Single Licenseで買った場合、6への移行はこの案内の対象になりますが、その先の7以降については同じ扱いになる保証は書かれていません。長く使う前提ならMega Supporterとの差額をどう見るかが判断の分かれ目になります。

日本円での支払額は、決済時のカードの為替レートと手数料で決まるため、公式サイトには日本円の表示がありません。ポンド建ての金額を自分のカードのレートで換算して見積もることになります。円建ての固定価格で比べたい場合は、この点が先に確認すべきところです。

古いライセンスを持っている人向けには、Alfred 5へのアップグレード用の窓口が別に用意されています。4以前から使っている場合は、新規購入ではなくそちらを見ることになります。

Spotlight側も動いている。いま重なっている部分

Alfredを検討するときに見落とされやすいのが、比較相手であるSpotlightが毎年変わっていることです。Appleの説明を読むと、いまのSpotlightは検索して開くだけの機能ではありません。

検索は始まりにすぎません。Spotlightで一致する結果が表示されたら、そこからマウスを使用することなく、開く、プレビューする、アクションを実行する、利用するなどの操作を実行できます。 出典: support.apple.com

同じ説明には、結果を選んでスペースバーでプレビューできること、Tabキーでその項目に対するクイックアクションが出ること、検索フィールドで計算や単位の換算や単語の意味を引けることが並んでいます。そして「クリップボードの履歴」の項目があり、以前コピーしたテキストやファイルを検索できると書かれています。

クリップボード履歴は、長らくPowerpack側の代表的な機能として挙げられてきたものです。Spotlight側に同じ役目の機能が入ったことで、比較の前提は変わりました。いまPowerpackに払う価値があるかどうかは、履歴が欲しいかではなく、履歴を含む15項目のうち自分がいくつ使うかで決まります。

判断の方法は単純です。Command+スペースバーでSpotlightを開き、自分が毎日やっている操作を順に試して、できなかったものだけを書き出します。その一覧がPowerpackの15項目と重なるなら払う価値があり、1つか2つしか重ならないなら見送る判断も成り立ちます。

Workflowsという道具が引き受ける範囲

Powerpackの中で最も性格が違うのがWorkflowsです。公式サイトの説明では、ホットキーやキーワードとアクションを部品のように繋いで、1行もコードを書かずに自分の処理を組めるものとされています。作った処理はホットキー、キーワード、あるいはiPad上のAlfred Remoteのボタンから呼び出せます。

配布の仕組みも用意されています。公式のギャラリーサイトには利用者が公開した処理が数百件並び、フォーラムにはさらに多くが集まっています。自分で作らずに、必要なものを取ってくる使い方が前提になっています。

Alfred 5のWorkflowsで加わったものとして公式ページが挙げているのが、テキストを表示する部品とグリッド表示です。前者はMarkdownと画像に対応した編集可能なテキストの窓で、後者はサムネイルを並べて視覚的に選ぶ形式です。Finderからでも、Alfredの中からでも、Markdownや画像やPDFやテキストをその場で確認できる共通のアクションが用意されています。

シェル連携も同じ枠にあります。公式ページは、ターミナルでコマンドやスクリプトをAlfredから直接実行できると書いたうえで、Workflowsを使えばターミナルを開かずにスクリプトを走らせられると説明しています。キーボードから呼ぶ入口を1つに統一する、という考え方がここに現れています。

導入の手順と動作環境

導入の手順は3つだけです。公式サイトからAlfred 5をダウンロードし、アプリケーションフォルダに入れ、初回起動でCommand+スペースバーの割り当てをどうするかを決めます。SpotlightとAlfredのどちらにCommand+スペースバーを渡すかは、システム設定のキーボードショートカットで入れ替えられます。

対応環境は、公式サイトのダウンロード欄に版数と一緒に記載されています。現行版はVersion 5.8.1 b2349で、macOS 10.14以降、64ビットのIntelとApple Siliconの両方に対応します。同じ欄には、Developer IDによる署名と公証を通していると書かれています。ダウンロードしたアプリが初回起動で止められる心配は、この記載がある限りありません。

無料で試す段階でクレジットカードの登録は要りません。中核部分が無料で使えるため、Powerpackを買うかどうかは実際に触ってから決められます。試す順序としては、まず無料の8項目で足りるかを1週間ほど確かめ、足りないと感じた機能を書き出してから購入ページに戻るのが無駄がありません。

設定の同期は有料側の機能です。公式ページは、Dropboxのような任意のファイル同期サービスを使って複数のMac間で設定を揃えられると書いています。同時に、同期していれば設定のバックアップにもなり、復元しやすいという説明も添えられています。Macを2台使っている場合は、この点も判断材料になります。

iPhoneやiPadから母艦を触る話

Alfred Remoteは、iPhoneやiPadをMacの操作盤にするiOSアプリで、App Storeで別に配布されています。公式ページによれば、中核の操作を使うにはMac側にAlfred 2以降(無料で入手可能)が必要で、MacとiOS機器を同じネットワークに繋げる必要があります。

できることは、あらかじめ決めておいたアプリやファイルやフォルダを1タップで開く、Webの検索を呼ぶ、Macをロックやスリープや再起動する、ミュージックアプリを操作する、テキストのスニペットを前面のアプリに貼る、といった内容です。WorkflowsをRemoteのボタンに割り当てることもできます。

ここで条件が2つ付きます。1つは、Powerpack側の機能をRemoteから呼ぶには、Mac側にPowerpackのライセンスが必要だという点です。公式ページはこれを明記しています。もう1つはネットワークの条件で、同じネットワークに繋がっていることが前提になります。外出先から自宅のMacを操作する用途は、この前提の外にあります。

出先から母艦を触ることが目的なら、ボタンを押して決められた処理を呼ぶ方式と、画面そのものを見て打つ方式のどちらが要るのかを先に決めることになります。前者は押す処理を全部あらかじめ登録しておく設計で、後者は登録していない作業にも対応できる設計です。用途が「走らせたままのAIの処理に返事をする」であれば、後者になります。

キーボードで呼ぶ道具と、ファイルを見ながら進める仕事

Alfredが解いている問題は明確です。手をキーボードから離さずに、名前を知っているものを呼び出す。この目的に対しては、無料の範囲でもかなり届きます。

一方で、名前を知らないものを探す作業は性質が違います。案件のフォルダを開き、中身を日付順に眺め、あたりを付けたファイルを開いて確かめ、隣のディレクトリと見比べる。この工程は、入力欄に文字を打つ形では表現できません。ファイルの一覧そのものを見ながら進める必要があり、そこにターミナルで打つ作業とAIへの指示が加わると、開いている窓が3枚になります。

フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態は、この3枚を1枚にするという発想です。呼び出しを速くするのではなく、呼び出したあとの往復を減らす方向の解決で、Alfredのような起動器とは役目が重なりません。実際、キーボードから呼ぶ入口としてAlfredを残し、作業の場として別のファイル管理を使う組み合わせは成り立ちます。

ターミナルを内蔵したファイル管理で何ができるのかはできることに一覧があり、標準のFinderや他のアプリとの違いは他のファイル管理との比較に整理してあります。同じネットワークの外からMacを触る話はiPhone・iPadから続きをが該当し、費用の考え方は料金、導入前に迷いやすい点はよくある質問にまとめられています。

Alfredの価格と対応環境は公式サイトで数分で確かめられます。判断が難しいのは金額ではなく、自分の1日のうちどの工程で手が止まっているのかを見極めるところです。止まっているのが呼び出しなら起動器が効き、止まっているのが窓の往復なら、効く道具は別になります。

よくある質問

Alfredは無料のままでどこまで使えますか?

アプリとファイルの検索、Web検索、計算、スペル確認と辞書、システムコマンド、Shiftキーでのクイックルック、ラージタイプ、使用統計の8項目が無料です。公式サイトは中核部分を条件なしで永続的に無料と明記しています。クリップボード履歴、スニペット、Workflows、ホットキーはPowerpackが必要です。

Powerpackはいくらですか?

公式の購入ページでは、Single Licenseが34ポンド、Mega Supporterが59ポンドで、どちらも1人用です。Mega Supporterは生涯のアップグレードが無料と記載されています。日本円の表示はないため、支払額は決済時のカードのレートで決まります。

SpotlightとAlfredはどちらを使えばよいですか?

いまのSpotlightは、プレビュー、クイックアクション、計算、単位の換算、辞書、クリップボードの履歴に対応しています。まずCommand+スペースバーで自分の毎日の操作を試し、できなかったものだけを書き出してください。その一覧がPowerpackの機能と重なるかどうかが判断の基準になります。

Alfred RemoteでiPhoneから外出先のMacを操作できますか?

公式ページは、MacとiOS機器を同じネットワークに繋げる必要があると書いています。外出先の回線からの操作は前提の外です。またPowerpack側の機能をRemoteから呼ぶには、Mac側にPowerpackのライセンスが必要です。

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