Macでファイルが開けないとき|見るべき場所は4つしかない
mac ファイル 開けないで検索する人が本当に必要としているのは、対処法を20個並べた一覧ではなく「いま自分の場合はどの層で止まっているのか」を決める手順です。何も起きない、アイコンが一瞬沈むだけ、権限が無いと言われる、アプリが起動してすぐ落ちる。症状ごとに見る場所は違います。この記事では、Macでファイルが開けない状態を4つの層に分け、どの層かを数分で特定してから手を動かす順番を整理します。
開けない状態は、4つの層のどれかで止まっている
Macでファイルが開かないとき、原因の置かれている場所は大きく4つです。この区別を付けずに検索結果の手順を上から試すと、関係のない設定を変えたまま元に戻せなくなります。
1つ目は、開く相手の層です。macOSはファイルの種類ごとに開くアプリを覚えていて、その相手が消えたり更新に失敗していると、ダブルクリックが空振りします。ファイルは無傷です。
2つ目は、アクセス権の層です。そのファイルの所有者が自分ではない、あるいは読み取りの許可が外れていると、アプリは中身を読めません。外付けドライブから持ってきたファイルや、別のアカウントで作られたファイルで起きます。
3つ目は、アプリ側の許可の層です。近年のmacOSは、書類フォルダやデスクトップ、外部ボリュームへのアクセスをアプリ単位で管理しています。ファイルの許可とは別の仕組みで、こちらが外れていると存在しているファイルが読めません。
4つ目は、実体の層です。クラウドの同期フォルダに名前だけが並んでいる、ネットワークの接続が切れている、転送の途中で欠けている。一覧には出るのに開く操作だけが進まないのが特徴です。
この4つのうち、最初に絞り込むのは1つ目と2つ目です。次の節の判定で、どちらを見るかが決まります。
そのファイルだけか、そのフォルダ全体かを先に見る
判定に使うのは2つの比較です。1つ目は、同じ種類の別のファイルを開いてみること。2つ目は、同じフォルダにある別の種類のファイルを開いてみることです。
同じ種類の別のファイルも開けないなら、開く相手の層です。種類が違えば開けるなら、割り当てはそのファイル形式にだけ関係しています。同じフォルダの何を開いても止まるなら、ファイルではなく場所の側、つまりアクセス権か許可の層です。別のフォルダでは開けるなら、その場所に限った話になります。
無反応で止まる症状は、特にこの判定が効きます。インストーラのような形式で起きやすく、同じ症状の相談は珍しくありません。
macでpkgファイルを開こうとダブルクリックや右クリックから「開く」を押しても、何も起きず無反応で開けません。ファイルを開く際のアイコンが大きくなる動作はするのですが、そこから何も起きません。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
同じ形式の別のファイルが開けるなら、そのファイル1件の問題です。どれも開けないなら、その形式を担当する仕組みの側を見ます。2つのファイルを開き比べるだけで、以降の節のどこを読めばよいかが決まります。
判定の前に、Finderで拡張子を表示しておくと話が早くなります。名前の末尾が見えていないと、そのファイルが本当に想定した形式なのかを目で確かめられません。
開く相手の割り当てを直す
すべての同じ形式が開けない場合、割り当てを見ます。ファイルを選んでファイルメニューから情報を見るを選び、情報ウインドウの「このアプリケーションで開く」の欄を開きます。ここで想定したアプリを選び、同じ形式すべてを同じ相手に向けたいときは下の「すべてを変更」を押します。その1件だけを別のアプリで開きたい場合は、押さずに閉じます。
一時的に試すだけなら、割り当てを変えずに済む道があります。controlキーを押しながらファイルをクリックして「このアプリケーションで開く」から相手を選ぶか、Dockのアプリのアイコンにファイルをドラッグします。この試しで開けたなら、原因はファイルではなく割り当てだと確定します。Appleも判断の順番を同じ形で書いています。
特定のアプリでファイルを開くことができない場合は、そのファイルが破損しているか、そのアプリでは認識されない可能性があります。別のアプリで開いてみてください。 出典: support.apple.com
どのアプリでも開けない場合は、中身の側を疑う順番になります。ターミナルで種類を読むと、名前を信用しない答えが返ります。
file -I report.xlsx
mdls -name kMDItemContentType report.xlsx
fileは中身の先頭にある印を見て種類を判定します。ここで想定した形式が返るなら中身は無傷で、application/octet-streamのような一般的な答えに変わっているなら転送の途中で欠けた可能性があります。mdlsが返す識別子は、macOSがそのファイルに割り当てた種類そのものです。Finderがどのアプリを結び付けるかは、この識別子を経由して決まります。
アクセス権とロックで止まっている場合
「権限がありません」という趣旨の表示で止まる場合は、アクセス権の層です。情報ウインドウの下端にある共有とアクセス権の欄を開くと、自分のアカウントに読み書きのどちらが許されているかが並びます。ここが読み出しのみになっていれば、編集して保存する操作は通りません。
同じ情報はターミナルからも読めます。
ls -l@ ~/Documents/report.xlsx
先頭に並ぶ記号が所有者、グループ、その他に対する読み書き実行の許可で、続く2つの列が所有者名とグループ名です。自分が所有者でない場合、無理に許可を通すより、コピーを作って自分の領域で作業したほうが後の事故が少なくなります。外付けドライブから何十件も持ってきて全部が読めない場合は、所有者をまとめて自分に移す操作が要ります。この操作は管理者の権限を求められるため、対象のパスを読み上げて確かめてから実行する順番になります。
情報ウインドウの上部にある「ロック」のチェックも見る価値があります。これが入っているファイルは、開くことはできても保存が通りません。編集して上書きしようとしたときだけ止まるため、開けないのではなく保存できないという症状として現れます。
エラーの文面を読み分けると、層が一発で決まります。「Permission denied」ならアクセス権の話で、所有者と許可を見ます。「Operation not permitted」ならアクセス権ではなく、次の節で扱う保護の仕組みで止まっています。この2つの文面は見た目が似ているため、どちらが出ているかを声に出して確かめる価値があります。
アプリ側の許可で止まっている場合
ファイルの許可が問題なくても、そのファイルを読もうとしているアプリに許可が無ければ開けません。これは近年のmacOSで加わった仕組みで、ファイルの側ではなくアプリの側に紐付いています。
近年のmacOSでは、アプリ側がフォルダへ触れるための許可が必要である。ここが外れていると、ファイルは存在していても開けない、保存できないことがある。 出典: note.com
確かめる場所は、システム設定のプライバシーとセキュリティです。ここにファイルとフォルダ、デスクトップフォルダ、書類フォルダ、外部ボリュームなどの項目が並び、アプリごとに許可の状態が記録されています。ターミナルから動かしているコマンドが弾かれている場合は、ターミナル自体に許可を与えるかどうかの判断になります。
この層の特徴は、症状がフォルダ単位で揃うことです。デスクトップのファイルは全部開けるのに、書類フォルダのものだけが全部開けない。このような並び方をしていれば、ファイルを1件ずつ調べるより先にこの設定を見たほうが早く片付きます。
許可を与える範囲は、必要なフォルダに絞れます。全部のディスクへの許可を与える設定も用意されていますが、1つのアプリのために全体を開ける判断は、そのアプリをどこまで信頼するかの話になります。業務で使う相手を1つ決めて、そこにだけ与える形が現実的です。
外から受け取ったファイルが保護で止まっている場合
ダウンロードしたファイルや、受け取ったスクリプトで起きるのがこの層です。macOSは外から来たファイルに印を付けて記録し、最初に開くときに確認を挟みます。
Webからダウンロードしたアプリやファイル、他人から受け取ったスクリプトや実行ファイルは、macOSの保護機能で開けないことがある。 出典: note.com
印が付いているかどうかは、拡張属性の一覧で分かります。
ls -l@ ~/Downloads/tool.sh
xattr ~/Downloads/tool.sh
一覧に隔離を示す属性が並んでいれば、そのファイルは外から来たものとして扱われています。書類の場合は確認を1回通せば以降は普通に開きますが、実行するファイルやアプリの場合は、システム設定のプライバシーとセキュリティで明示的に通す操作が必要になります。
ここで押さえておきたいのは、印を外す操作が「安全にする」操作ではないという点です。印は、そのファイルがどこから来たかの記録であって、危険の原因ではありません。配布元を自分で確かめられないものは、印を外す前に取り直す判断のほうが釣り合っています。
実体が無い、または場所の側が壊れている場合
最後に残るのが実体の層です。3つのよくある形があります。
1つ目は、クラウドの同期フォルダで中身がまだ手元に落ちていない状態です。アイコンの隅に雲の印が付いていれば、一覧に名前があるだけで実体はサーバにあります。ダブルクリックすると先に取り寄せが始まり、回線が細い場所では終わらないまま止まって見えます。
2つ目は、ネットワークの共有フォルダへの接続が切れている状態です。Finderの一覧はしばらく前の内容を見せ続けるため、名前は並ぶのに開く操作だけが進みません。ターミナルで対象のパスをls -lで見て、一覧そのものが返ってこないなら接続の問題です。
3つ目は、保存されている場所の側が傷んでいる状態です。特定のフォルダにあるファイルだけが次々と開けなくなる、読み込みの途中で止まる、といった並び方をします。この場合は、開けているファイルのバックアップを先に取り、それからディスクユーティリティのFirst Aidで検査に入る順番です。検査の前にバックアップを取るのは、修復の過程で失われる可能性を織り込むためです。
出張先で急ぎの書類が開かないときは、1つ目と2つ目をいちばん先に疑う価値があります。手元に落としてから開く運用に替えるだけで、同じ足止めは起きなくなります。
切り分けの往復が増えている場所
ファイルが開けない状態を追うとき、実際に見ている情報は3か所に散っています。Finderでファイルの位置と容量と拡張子を見て、ターミナルで許可と拡張属性の答えを読み、必要ならエラーの文面から原因の候補を調べる。この3つが別々の窓に分かれていると、対象を選び直すたびに切り替えが入り、急ぎの書類ほど手順を飛ばしてアプリの再インストールに走ります。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態なら、対象を選んだまま所有者と許可を確かめ、そのまま種類を読み、返ってきた文面をその場で突き合わせられます。切り分けは「1件かフォルダ全体かを見る、許可を読む、割り当てを確かめる」の3段なので、往復が減ると層の特定が先に終わります。
道具の側で何ができるかはできることに、Finderやほかのファイル管理との違いは他のファイル管理との比較にまとまっています。外出先から手元のMacに残した作業を確かめる使い方はiPhone・iPadから続きを、日本語以外の環境で使う場合の範囲は対応言語に整理されています。費用の目安は料金、判断に迷いやすい点はよくある質問にあります。
まず変えるべきは、開けないファイルに出会ったときに、同じ種類の別のファイルと、同じフォルダの別の種類のファイルを1つずつ開いてから手を動かすことです。この2手で層が決まるため、アプリを入れ直す判断が要る場面はほとんど残りません。
よくある質問
ダブルクリックしても何も起きないのはなぜですか?
その形式に割り当てられたアプリが入っていない、または起動に失敗している状態が多いです。ファイルを選んで情報を見るを開き、「このアプリケーションで開く」で相手を選び直してください。同じ形式の別のファイルも開けないなら割り当ての側、その1件だけが開けないなら中身が欠けている可能性があります。
「Permission denied」と「Operation not permitted」は何が違いますか?
前者はファイルのアクセス権の話で、所有者と読み書きの許可を見る価値があります。ls -l@ で所有者を確かめ、自分でない場合はコピーを作って作業するのが安全です。後者はアクセス権ではなく、システムの保護やアプリ単位の許可で止まっています。システム設定のプライバシーとセキュリティを見てください。
書類フォルダの中だけ全部開けないのはなぜですか?
症状がフォルダ単位で揃っているときは、ファイルではなくアプリ側の許可が外れています。近年のmacOSは、書類フォルダやデスクトップ、外部ボリュームへのアクセスをアプリごとに管理しています。システム設定のプライバシーとセキュリティで、そのアプリにフォルダへの許可を与えるかを判断してください。
ダウンロードしたファイルが保護で開けません。印を外してよいですか?
印は、そのファイルが外から来たという記録であって、危険の原因ではありません。配布元を自分で確かめられる場合は、システム設定のプライバシーとセキュリティから通せます。配布元が分からないものは、印を外す前に公式の配布ページから取り直す判断のほうが釣り合っています。