ファイル名の一括変更の費用|無料でできる範囲
ファイル名の一括変更にいくらかかるのかを調べている場面は、だいたい2つに分かれます。無料でやろうとして壁に当たり、その壁を外すのにいくら必要なのかを知りたい場合と、すでに候補を並べたものの、各社の価格の出し方がそろっていなくて比べられない場合です。先に結論を書くと、標準機能で届く範囲は思われているより広く、有料の道具は19ドルから42ドルの狭い帯に収まっています。金額より重要なのは、次の支払いが何をきっかけに来るのかです。
無料がどこで止まるのかを先に決める
費用の話は、標準機能の限界を1つに特定してから始めると短く終わります。買う理由がその1つだけになるからです。
macOSには最初から3つの経路が入っていて、どれも追加の費用がかかりません。Finderの名称変更のパネル、ショートカットとAutomator、そしてzshに含まれるzmvです。Finderのパネルが持っているのは次の3つの動作です。
「Finder項目の名前を変更」の下にあるポップアップメニューで、名前のテキストを置き換えるか、名前にテキストを追加するか、名前のフォーマットを変更するかを選択します。 出典: support.apple.com
置き換え、追加、フォーマットの3つで、一度きりの片付けはほとんど足ります。ショートカットに登録すれば同じ手順を保存して再利用でき、キーボードショートカットも割り当てられます。zmvは-nを付けると、実行する予定の全行を表示して何もしません。
止まる場所ははっきりしています。条件が書けないこと。ファイルの中に入っている撮影日や曲名を名前に使えないこと。規則を並べて保存しておく仕組みが無いこと。取り消しがその場かぎりであること。この4つのどれにも当たっていないなら、払うべき金額はゼロです。
無料で配られているアプリの「無料」の中身
名前の変更に特化したアプリのうち、費用がかからないものが複数あります。
Transnominoは無料で、公開されている最新は10.1.0、動作にはmacOS 14以降が必要です。開発者はPayPalでの任意の支払いを1ユーロから20ユーロまでの段階で受け付けていますが、支払わなくても機能の制限はありません。macOS 14より前の環境向けには、旧版が別に置かれています。検索と置換、正規表現、ファイルの属性から文字を差し込む動作、複数の動作を順に重ねる仕組み、結果を先に見る表示を持っています。
NameChangerも無料で、圧縮ファイルを展開してアプリケーションフォルダに入れる形で配られています。対応はOS X 10.13以降です。最初の一致だけを置換、最後だけ、すべて、ワイルドカード、前後への追加、日付、連番、文字の削除、正規表現、大文字と小文字の変換を持ち、入力しながら変更後の名前が隣の列に出ます。権限が無くて名前を変えられないファイルの行は灰色で示されます。
無料のアプリで本当の費用になるのは金額ではありません。作り続けられるかどうかと、対応するOSの下限がいまの環境と合うかどうかです。次のOSの更新まで無料、という道具は珍しくありません。
有料の道具の公開価格
以下はすべて各開発元が公開している金額です。
| 道具 | 価格 | ライセンスの形 | 動作条件 |
|---|---|---|---|
| Name Mangler 3.9.3 | 19ドル(直販) | 直販の購入者は9ドルで更新。最低1年分の更新を含み、ライセンス自体は無期限 | macOS 10.13以降 |
| Renamer 7 | 26ドル | Renamer 6の所有者には更新の割引 | macOS 15以降、Windows 10以降 |
| A Better Finder Rename 12 | 29.95ドル(直販) | 個人1名、家族5名まで、小規模法人20名まで、法人50名まで、上限なしの区分。直販は30日間の返金保証 | 12.34はmacOS 13以降。10.15から15向けに12.14を別配布 |
| Hazel 6 | 42ドル | 同一世帯5名までの家族版65ドル、旧版からの更新20ドル | 名前の変更だけでなくフォルダの自動処理 |
| Setapp | 月14.99ドル(Mac向け) | 定額制。MacとiOSは18.99ドル、Mac4台の区分は22.99ドル。7日間の試用 | Renamerを含む多数のアプリ |
このうち2つは性質が違います。Hazelはフォルダを見張って自動で処理する道具で、名前の変更はその中の1動作です。Setappは多数のアプリをまとめて使う定額制で、他にも使うものがあるときだけ意味が出ます。表の金額はドル建てなので、円でいくら払うことになるかは決済時のレートで変わります。
Name ManglerとA Better Finder Renameには試用版があります。機能の一覧ではなく、実際に困っているフォルダで判断できるという意味で、これは価格差より効きます。
次の支払いを決めるのは、作り手ではなくOSの側
買い切りと書かれていても、支払いがそこで終わるとは限りません。ここが公開価格だけでは見えない部分です。
A Better Finder Renameは、2023年1月1日より後に購入した人と、Foreverの更新権や大きな束を持っている人には、バージョン12を無償で提供すると公開しています。それ以外は有償の更新になります。開発は1996年から同じ作者が続けていて、ダウンロードとライセンスと更新と問い合わせは自社のサイトだけで扱うと明記されています。
Name Manglerはライセンス自体は無期限で、最低1年分の更新を含み、過去に直販で買った人は9ドルで次に進めると案内しています。
いちばん分かりやすい例はRenamerです。サポートのページに、バージョン6は最新のmacOSであるTahoeに対応していないと書かれていて、7への移行が案内されています。買ったMacの上で何かが壊れたわけではありません。OSの側が進み、古い版がそこに付いてこなかっただけです。
つまりこの分野で次の支払いを起こしているのは、開発元の都合ではなくOSの更新周期です。どの道具を選んでも、数回のメジャーアップデートのうちに一度は有償の更新が来る前提で予算を見ておくほうが、あとで驚きません。
App Store版と直販版は、同じ道具でも中身が違う
多くの道具は開発元のサイトとApp Storeの両方で売られていて、この2つは同じものではありません。
A Better Finder Renameは、App Store版はAppleの規約に従うため、割引の更新が無く、個人1名のライセンスのみになると公開しています。1台のMacに1本だけ買う人には関係のない差ですが、5人分をまとめて買う場合や、次のメジャー版を割引で買うつもりの人には、これが判断のすべてになります。
Renamerは、2つの版の機能は同じで、App Store版はmacOSのセキュリティ要件のために名前の変更の許可を求める点だけが違うと案内しています。サンドボックスの中で動くためです。場所ごとに一度出る確認なので、知らずに閉じると「動かない道具」に見えてしまいます。
試用版と返金保証は直販の側にあります。A Better Finder Renameの30日間の返金保証は直販の購入に付くもので、App Storeには同じ仕組みがありません。
作り手が変わっていることがある
払う前に一度確かめておく価値があるのが、いま誰が作っていて、数年後に問い合わせへ答えるのが誰なのかです。
RenamerとArchiverは、以前はIncredible Beeの名前で公開されていました。現在、同社のサイトには、この2つはMapache Softworksが開発していると書かれています。Renamer側の公開情報でも、発行元はウィーンのMapache Softworks GmbHとなっており、問い合わせもそちらで受け付けられています。アプリは続いていて、作り手が替わったという事実です。
A Better Finder Renameは逆の形で、1996年から同じ作者が続け、販売も問い合わせも1つのサイトに集めています。
どちらが良いという話ではありません。止まり方の種類が違うだけです。買うということは、そのどちらかの形に乗ることでもあります。
払う前に確かめるのは、値段を含めて4つ
価格のページだけを見比べると、あとで前提が変わっていたことに気づきます。支払う直前に見る項目は4つあり、値段はそのうちの1つにすぎません。
- 提供が終わっていないか。ダウンロードの案内が残っていても、更新が止まっている道具はあります。最新版の番号と、対応するmacOSの下限が、いまのOSに追いついているかで判断できます
- 新しい購入の受付が止まっていないか。既存の利用者だけを支えている状態は、価格表からは読み取れません
- 作り手が替わっていないか。替わること自体は珍しくありませんが、問い合わせ先とライセンスの扱いが移るので、購入前に現在の発行元を確かめておきます
- 条件が改定されていないか。金額が同じでも、無償で受け取れる範囲は動きます
4つ目は具体例で見るのが早いです。A Better Finder Renameは、2023年1月1日という日付を基準に、それより後の購入者にはバージョン12を無償としています。金額は変わっていませんが、いつ買ったかで受け取れるものが変わります。同じように、対応するmacOSの下限が上がれば、払った金額はそのままで使える期間だけが短くなります。価格表の数字を比べる前に、この4点を各社のサイトで確かめておくと、比較そのものの精度が上がります。
自分の場合の金額は、頻度と件数だけで出る
計算は短く済みます。この作業が1年に何回戻ってくるのか、1回に何件かかるのか、手作業だと何分かかるのかの3つです。
一度きりなら、どの購入も割に合いません。無料の経路で足りますし、比較ページを読んでいる時間のほうが、節約できる時間より長くなります。毎週数百件を扱い、撮影日や曲名から名前を作るなら、26ドルの支出は最初の1か月で戻ります。
定額制との分かれ目も単純です。月14.99ドルの定額制は、26ドルの買い切りを2か月未満で追い越します。ほかに使うアプリが同じ束に何本入っているかが、そのまま判断になります。
何回窓を行き来したかで、買うかどうかが決まる
費用の話をしていると金額に目が行きますが、実際に減らせるのは移動の回数です。フォルダの窓で対象を選び、ターミナルで一覧を書き出し、設定の窓で許可を確かめ、また戻る。1回の片付けでこの往復が何度あったかを数えると、道具に払うべきかどうかが金額より先に分かります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にあるなら、選び直しから確認までが1か所で終わります。
無料の経路と有料の道具が、どの機能を持っていてどこから先を持っていないのかは他のファイル管理との比較で整理しています。区分ごとの金額の考え方は料金にまとめてあります。支払う前に知っておきたい点を集めたものはよくある質問にあります。
払う順番としては、まず無料の経路で1回走らせて、どの段階で止まったかを1つに絞ること。次にその段階を外せる道具の試用版を、見本ではなく実際のフォルダにかけること。この2つを踏んでから金額を見ると、選択肢は自然に1つか2つに減ります。
よくある質問
ファイル名の一括変更に費用はかかりますか?
かかりません。Finderには置き換え、追加、フォーマットの3つを持つ名称変更のパネルがあり、ショートカットとAutomatorでは手順を保存して再利用できます。zshのzmvは実行前の確認も行えます。費用が必要になるのは、条件付きの処理、撮影日や曲名の利用、規則の保存が要る場合です。
有料の名前変更アプリはいくらぐらいですか?
公開されている金額で、Name Manglerが直販19ドル、Renamer 7が26ドル、A Better Finder Rename 12が直販29.95ドルです。フォルダの自動処理まで含むHazelは42ドル、定額制のSetappはMac向けが月14.99ドルで、その中にRenamerが含まれます。いずれもドル建てです。
買い切りなら追加の支払いは発生しませんか?
いずれ発生することが多くなっています。A Better Finder Renameは2023年1月1日より後の購入者にはバージョン12を無償とし、それ以外は有償の更新としています。Renamerはサポートのページでバージョン6がmacOS Tahoeに対応していないと案内しています。支払いを起こすのはOSの更新周期です。
App Store版と直販版のどちらを買うべきですか?
機能は同じでも条件が違います。A Better Finder RenameはApp Store版に割引の更新が無く個人1名のみと公開しています。RenamerはApp Store版がサンドボックスのため名前の変更の許可を求めると案内しています。試用版と返金保証は直販側にあるので、試してから決めたいなら直販が向いています。