Macでファイルをドラッグして移動する|複製になる場合との違い

「mac ファイル 移動 ドラッグ」で検索する人がつまずいているのは、たいてい同じ一点である。同じようにドラッグしたのに、あるときは移動になり、あるときはコピーになる。この差はランダムではなく、行き先が同じディスクの中かどうかで決まっている。さらにキーを押しながらドラッグすると、意味をこちらから指定できる。この記事では、その規則と、キーボードだけで移動する手順、同じ名前のフォルダを重ねたときに出る選択肢の意味を、Appleの公開資料で確かめられる範囲で整理する。

同じディスクの中では移動、別のディスクへはコピー

まず土台の規則である。ドラッグ先が同じディスクの中のフォルダなら、その操作は移動になる。元の場所からファイルは消えて、行き先に現れる。Appleのユーザガイドも、フォルダ内に項目を配置する操作として、フォルダに項目をドラッグする、と書いている。

ところが行き先が別のディスクだと、同じドラッグがコピーになる。元の場所にファイルが残り、行き先にも同じものができる。外付けドライブへドラッグしたのに元のフォルダから消えていない、というのはこの規則どおりの挙動である。別のディスクへ移動したい、つまり元の場所からは消したいなら、Commandキーを押しながらドラッグする。Appleのユーザガイドは、この2つを並べて示している。

  • ファイルを別のディスクにコピーする場合は、ファイルをそのディスクにドラッグする
  • ファイルを別のディスクに移動する場合は、Commandキーを押したまま、ファイルをそのディスクにドラッグする

つまりCommandキーは、別のディスクへのドラッグでは「残さない」という指示になる。同じディスクの中では既定が移動なので、Commandキーを添える必要はない。

Optionキーを押すと意味が変わる

同じディスクの中で、元の場所にも残したいときはOptionキーを使う。Appleのユーザガイドは、項目を元の場所に保持したままフォルダにコピーする操作として、項目を選び、Optionキーを押したままフォルダへドラッグする、と説明している。

さらにOptionキーとCommandキーを両方押したままドラッグすると、コピーではなくエイリアスができる。エイリアスは中身を持たない参照なので、容量を食わずに複数の場所から同じファイルへ行けるようになる。同じフォルダの中に複製を作りたいだけなら、ドラッグは不要で、項目を選んでメニューバーの「ファイル」から「複製」を選ぶか、CommandキーとDキーを押す。

この3つを表にすると、押すキーと結果の関係が覚えやすくなる。

押すキー 同じディスクの中 別のディスクへ
なし 移動 コピー
Option コピー コピー
Command 移動 移動
Option と Command エイリアス エイリアス

覚え方としては、Optionは残す、Commandは残さない、と対にしておくと迷いにくい。ドラッグしている最中にポインタの横に出る印を見ると、いまどちらになっているかが分かる。プラスの印が出ていればコピー、曲がった矢印が出ていればエイリアスである。

キーボードだけで移動する

ドラッグは行き先のウインドウを先に出しておく必要があるため、階層の深い場所へ動かすときは手数が増える。Finderはコピーと貼り付けの操作をファイルにも使えるので、キーボードだけで済ませる道がある。

Appleが公開しているキーボードショートカットの一覧には、Finder向けの項目としてこう書かれている。OptionキーとCommandキーとVキーを押すと、クリップボードに配置したファイルを、元の場所から現在の場所に移動する。つまりCommandキーとCキーでファイルをコピーしておき、行き先のフォルダを開いて、OptionキーとCommandキーとVキーを押す。これで移動になる。ふつうにCommandキーとVキーだけを押した場合はコピーになるので、元の場所から消したいかどうかでキーを選ぶ。

この方法の利点は、ウインドウを2つ並べなくてよいことである。行き先を開くまでの間に別のフォルダを経由しても構わない。深い階層へ何本も振り分ける作業では、ドラッグより速く、取り違えも起きにくい。

Windowsの切り取りと貼り付けとの違い

Windowsから移ってきた人が探すのは、切り取りに当たる操作である。Windowsでは対象を選んでからCtrlキーとXキーで切り取り、行き先でCtrlキーとVキーを押す。

なお Windows OS の場合に、ショートカットキー操作のファイル移動は、対象ファイルを選択後に Control + X(削除)した後に移動先で Control + V を行います。 出典: qiita.com

Finderにはこの形の切り取りが無い。代わりに、コピーしてから貼り付けのときに移動を指定する形になっている。順番が入れ替わっているだけで、できることは同じである。違いを覚えておく価値があるのは、切り取った直後に気が変わった場合の挙動が変わるからである。Windowsの切り取りは貼り付けるまで宙ぶらりんになるが、Finderの方式では、貼り付けるまで元のファイルはその場所にあり続ける。途中でやめても元の状態が崩れない。

同じ名前のフォルダを重ねたときの選択肢

同じ名前のフォルダを、別の場所からドラッグして重ねると、ダイアログが出る。ここで出る選択肢の意味を取り違えると、片方のフォルダの中身が失われる。

Appleのユーザガイドは、2つのフォルダを1つにまとめたい場合の操作として、Optionキーを押したまま同じ名前のフォルダをドラッグし、表示されるダイアログで「結合」をクリックする、と説明している。そして重要な但し書きが付いている。

「結合」オプションが表示されるのは、一方のフォルダに、もう一方のフォルダにはない項目が含まれている場合のみです。同じ名前でバージョンが異なるファイルがフォルダに含まれている場合のオプションは、「中止」または「置き換え」のみです。 出典: support.apple.com

つまり「結合」が出ないときは、中身が衝突している。その状態で「置き換え」を選ぶと、行き先のフォルダは丸ごと入れ替わる。中身の差を見ずに押すと、片方にしかなかったファイルが消える。「結合」が出なかった場合は、いったん「中止」を選んで、フォルダの名前を変えて両方を並べ、中身を見比べてから手で寄せるほうが安全である。

ドラッグが途中で外れる場面と、その回避

ドラッグそのものが失敗しやすい状況がいくつかある。フォルダの上に乗せたつもりで、フォルダの隣の余白に落ちていた。スクロールしている最中に手を離してしまった。行き先のウインドウが後ろに隠れていて、前に出るのを待っている間にトラックパッドから指が離れた。

回避の手は3つある。1つは、ドラッグ中にスペースキーを使わず、行き先のフォルダの上でポインタを止めて、フォルダが反転するのを目で確かめてから離すことである。もう1つは、ウインドウのタイトルの左に出るアイコンを使う方法で、開いているフォルダそのものを別の場所へ動かせる。Shiftキーを押したままポインタをタイトルの領域に入れると、アイコンがすぐに出る。3つ目は、そもそもドラッグをやめてキーボードの方法に切り替えることである。階層が深い、あるいは項目が多い場面では、ドラッグより確実である。

サイドバーとDockを経由して動かす

行き先のウインドウを開かずに動かす道もある。Finderのサイドバーに入っているフォルダやディスクは、そこへ直接ドラッグして落とせる。よく使う行き先を3つか4つだけサイドバーに置いておくと、案件フォルダへの振り分けがウインドウを開かずに済む。サイドバーの項目はエイリアスなので、追加や削除をしても元のフォルダは動かない。

サイドバーに出す項目は、Finderの設定の「サイドバー」タブで選ぶ。ここで選んだ項目は、他のアプリの「開く」と「保存」のダイアログにも出る。つまり振り分け先の整理は、ドラッグの手数を減らすだけでなく、書類を保存するときの階層を掘る回数も減らす。

ドラッグ中に行き先のフォルダの上でポインタを止めたまま少し待つと、そのフォルダが開く。階層をたどりながら奥へ落とせるので、ウインドウを開き直す必要がない。ただし手を離すまで指を動かし続けることになるため、階層が3段より深いときはキーボードの方法に切り替えたほうが確実である。

ドラッグしたあとで元に戻したいとき

動かした直後に「違うフォルダに入れた」と気付くこともある。この場合、探し回る前にCommandキーとZキーを押す。Finderの操作の取り消しとして働くので、直前の移動が元に戻る。フォルダを作った直後、名前を変えた直後にも同じキーが効く。

効かないのは、間に別の操作を挟んだ場合である。ウインドウを切り替えたり、別のファイルを選んだりすると、取り消せる対象が変わることがある。気付いたらすぐに押す、という順番が要る。

取り消しが効かなくなっていたときは、動かした先を探す。Finderの「最近の項目」を開くと、直近に触ったファイルが並ぶので、そこから元の場所を確かめられる。ファイルを選んでCommandキーとIキーを押すと情報の画面が開き、いまどこにあるかが読める。慌てて似た名前のファイルを消してしまうより、場所を確かめる手順を先に入れるほうが早い。

複数のファイルをまとめて動かすとき

複数選択は便利だが、選んだ範囲を目で確かめないまま動かすと事故になる。Appleのユーザガイドは、複数の項目を選んでから、そのうちの1つをフォルダへドラッグすると、選んだすべての項目が移動すると説明している。逆に言えば、選択に混ざっていたものも一緒に動く。

先にフォルダへまとめてしまう手もある。動かしたい項目をすべて選び、Controlキーを押しながらそのうちの1つをクリックして「選択項目から新規フォルダ」を選ぶと、その場に新しいフォルダができて中に入る。あとはそのフォルダを1つだけドラッグすればよい。新しいフォルダだけを先に作りたいなら、ShiftキーとCommandキーとNキーで作れる。動かす対象を1つにまとめてから動かすほうが、取り違えが起きにくい。

隠しファイルの表示を有効にしている場合は、選択の範囲にとくに気を付ける。バージョン管理のディレクトリや設定ファイルが選択に入っていると、プロジェクトの中身ごと別の場所へ移ってしまう。まとめて動かす前に、表示を元に戻しておくほうが安全である。

ターミナル側の同じ操作と使い分け

同じことはコマンドでもできる。条件を付けて動かす作業では、そのほうが速い。拡張子で絞る、更新日で絞る、名前の一部が一致するものだけ動かす。こうした条件はドラッグでは表せない。逆に、行き先を目で見ながら1つずつ振り分ける作業は、画面のほうが速い。

使い分けの線は、条件を言葉で書けるかどうかである。書けるならコマンド、書けないなら画面。この線で分けると迷わない。ただしコマンドに移す前に、対象の一覧を出して数を数える手順を入れておく。ドラッグなら選んだものが目に見えているが、コマンドでは条件の書き間違いが見えない。動かす前に一覧を出す、という1手で防げる。

移動のたびに窓を並べ直す手間についての考察

ドラッグの規則を覚えても、作業そのものが楽になる度合いは限られている。理由は単純で、ドラッグには送り元と行き先の2つのウインドウが同時に見えている必要があるからである。片方を出すためにもう片方を隠し、また出し直す。この並べ直しが、ファイルを1つ動かすより長くかかることがある。

同じ画面の中にフォルダの階層と、その場で条件を書いて動かす手段を置く作り方をしているファイル管理アプリもある。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある構成なら、送り元を見ながら条件を書いて動かせるので、窓を並べ直す前提そのものが消える。何がその画面に入るのかはできることのページに並んでいる。Finderや既存のエディタと何が違うのかを項目ごとに整理したページが他のファイル管理との比較で、判断の材料としてはこちらが早い。

出先から手元のMacのフォルダを触りたい場面の作りはiPhone・iPadから続きをに、費用の考え方は料金に、導入前に引っかかりやすい点はよくある質問にまとまっている。画面の言葉をどの言語で扱えるかは対応言語で確かめられる。ドラッグの規則を覚えることと、ドラッグする回数を減らすことは別の打ち手である。まず規則を押さえて、それでも並べ直しが多いと感じたときに、道具の配置を見直す順番がよい。

よくある質問

ドラッグしたのに元の場所からファイルが消えません。なぜですか?

行き先が別のディスクだからです。同じディスクの中へのドラッグは移動になりますが、別のディスクへのドラッグはコピーになります。別のディスクへ移動したい、つまり元の場所から消したい場合は、Commandキーを押しながらドラッグしてください。

元の場所にも残したままコピーするにはどうしますか?

Optionキーを押しながらドラッグします。同じディスクの中でも、元のファイルはその場に残り、行き先にコピーができます。同じフォルダの中に複製を作りたいだけなら、項目を選んでCommandキーとDキーを押すか、メニューバーの「ファイル」から「複製」を選んでください。

Windowsの切り取りと貼り付けのように、キーボードだけで移動できますか?

できます。CommandキーとCキーでファイルをコピーし、行き先のフォルダを開いて、OptionキーとCommandキーとVキーを押します。これで元の場所から移動します。CommandキーとVキーだけを押すとコピーになるので、元を残すかどうかでキーを変えてください。

同じ名前のフォルダを重ねたときに「結合」が出ません。

中身が衝突しています。「結合」が出るのは、一方のフォルダにもう一方には無い項目が含まれている場合だけです。同じ名前でバージョンの違うファイルがあると、選べるのは「中止」か「置き換え」だけになります。「置き換え」は行き先のフォルダを丸ごと入れ替えるので、いったん中止して名前を変え、中身を見比べてください。

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