DropboxをMacで扱う|同期の状態を見分けるところから

dropbox mac の環境で相談が多いのは、ファイルが消えたという訴えです。しかし中身を確かめると、消えているのではなく置き場所が変わっているか、手元に降りていないだけ、という場合がほとんどです。この記事では、Dropboxのフォルダが実際にどこに置かれているのかを押さえ、同期の状態を3つに分ける考え方、容量を空ける3通りの方法の違い、そして起動やアイコンで詰まったときに見る場所を順に整理します。

フォルダの場所は、いま2通りある

Dropboxのフォルダの場所は、1つに決まっていません。公開資料は、既定ではユーザーのフォルダの中に作られると述べつつ、ビジネス用と個人用をリンクさせるとフォルダ名が変わることも明記しています。移動した場合も当然変わります。

さらに大きな違いを生んでいるのが、macOSとの統合方式です。資料は、最新のmacOS向けDropboxがAppleのFile Providerの仕組みを使って、より深くmacOSと統合すると説明しています。この方式で動いている環境では、フォルダはホームフォルダの下のLibrary/CloudStorage/Dropboxに置かれます。統合方式に移っていない環境では、従来どおりホームフォルダの直下に置かれます。

つまり、Dropboxのフォルダが見つからないという症状の大半は、探している場所が古いだけです。手元でどちらなのかを確かめるには、ホームフォルダの下のLibrary/CloudStorageを開いてみるのが最短です。

画面から確かめる手順も決まっています。メニューバーのアイコンをクリックし、丸いアカウントのメニューから基本設定を開き、左の一覧で同期を選ぶと、フォルダの場所の欄が出ます。表示されているパスをクリックすると場所が写せるので、Finderの移動メニューからフォルダへ移動を選んで貼り付けると開きます。

プログラムから場所を取るには、決まったファイルがある

場所が環境ごとに変わるということは、手順書にパスを書き込めないということです。資料はこの前提で、場所を機械的に取る方法を用意しています。

~/.dropbox/info.json

このファイルには、アカウントの種類ごとにパスが入っています。個人用と業務用の両方をリンクしている端末では2つ並び、片方だけなら1つです。値としてはパス、端末とアカウントの組を表す識別子、チームかどうかの真偽値、契約の種類が入ります。

スクリプトでDropboxの中を触る作業があるなら、パスを直接書かずにこのファイルから読む形にしておくと、フォルダを移した日に壊れません。フォルダ名に空白や括弧が入る場合もあるため、引用符の扱いも合わせて決めておくことになります。

作業の手順書を他の人と共有する場合も同じです。自分の端末のパスを書いた手順書は、相手の端末では動きません。場所を読み取る1行から始める形にしておけば、統合方式が違う相手にもそのまま渡せます。

容量を空ける方法は3つあり、結果が違う

Dropboxが用意している、端末の容量を空ける手段は3つあります。名前が似ているので混ざりやすく、結果もそれぞれ違います。

  • 選択型同期。フォルダ単位で端末に置くかどうかを決めます。外したフォルダは端末から削除され、Web側にだけ残ります。無料の基本のプランを含むすべての利用者が使えます
  • オンラインのみ。ファイルは端末の画面に見えていますが、実体はWeb側にあります。使い方に応じて自動でこの状態にする設定も用意されています
  • 無視。端末の中には残りますが、Dropboxのサーバーには保存されません。契約している保存容量を使いません

3つの違いを一言で分けると、選択型同期は「端末から消してWebに残す」、オンラインのみは「見えるけれど実体はWeb」、無視は「端末にあるがWebには送らない」です。作業用の中間ファイルを保存容量から外したいときは3つめが合い、出先で全部が見えていてほしいときは2つめが合います。

選択型同期には2つの制約があります。指定できるのはフォルダだけで、個別のファイルを選んで含めたり外したりはできません。そして設定は端末ごとに独立していて、他の端末には影響しません。複数のMacで使っているなら、台数分の操作になります。

無視の指定は端末側から行います。統合方式で動いている環境では、対象を右クリックして同期しない項目を選ぶだけで終わります。ターミナルから当てる場合は拡張属性として書き込む形になり、統合方式かどうかで属性の名前が変わります。この点も、手順書にパスを直書きしない理由になります。

起動しない、アイコンが出ないときに見る場所

Mac固有の詰まり方として、資料が名前を挙げているものが3つあります。

1つめはキーチェーンです。Dropboxはアカウントの確認と設定の保護のためにキーチェーンへのアクセスを必須にしており、求められた場面で拒否すると、起動できなかったという内容のエラーが出て立ち上がりません。安全上の理由でこの動作になっていると資料は明記しています。一度拒否した設定は残るため、あとから許可に変える操作が必要になります。

2つめは管理者権限です。同期の状態を示すアイコンと、右クリックで出るメニューは、管理者権限で入れた場合に有効になる機能として挙げられています。アイコンが1つも出ないという症状は、ここに当たることがあります。入れ直す場合も、インストーラーを管理者として実行するのではなく通常どおり開いて、求められたときに管理者の名前とパスワードを入れる手順が示されています。

3つめはシステム拡張です。

Windows、macOS 11 以前、または Linux をお使いの場合、Dropbox デスクトップ アプリで[オンラインのみ]のファイルを開く際に問題が発生する場合は、Dropbox システム拡張が欠落している可能性があります。 出典: help.dropbox.com

この一文で分かるのは、システム拡張の話が古いmacOSに限られるということです。資料は別の行で、システム拡張はmacOS 11以降には適用されないと述べています。macOS 12.3以降でオンラインのみのファイルが開けない場合は、Finderから直接開けるという案内になっています。手順書に「システム拡張を入れ直す」と書かれていても、いまのmacOSでは当たらない項目です。

画面の見え方に関わるものとして、もう1つ独立した処理が動いています。資料はこれを、Dropboxの画面表示を支える別のプロセスで、デスクトップアプリが動いている間だけ動くと説明しています。ファイアウォールやウイルス対策の設定でDropboxを通したのに動きが変わらない場合は、こちらにも同じ設定を当てることが推奨されています。

タグと拡張属性は、どこまで運ばれるか

Finderで付けたタグが相手の画面に出ないという相談は、Dropboxでは事情が違います。資料は、対応している拡張属性はDropbox内のどこでファイルにアクセスしても同期されると述べ、用途の例としてFinderで付けたタグやスターや色の同期を挙げています。

一覧として挙げられているMac向けの属性には、利用者が付けたタグ、Finderのコメント、スターの評価、そしてリソースフォークやFinderの情報が並びます。実行可能かどうかの印も対象です。ただしリソースフォークについては、ディレクトリは同期しないという但し書きが付いています。

この違いは運用の決め方に直結します。同じDropboxの中で仕事をしている相手であれば、タグを分類の軸として使えます。一方で、書庫に固めて渡す経路やメールに添付する経路では、拡張属性は落ちることがあります。相手に確実に伝えたい情報は、ファイル名か書類の中身に書く、という線引きは変わりません。

リンクの扱いにも決まりがあります。資料によれば、macOSとLinuxではシンボリックリンクが指しているファイルやフォルダのパスは同期できます。ただしリンクは個別の項目として同期され、参照先がDropboxのフォルダの外にある場合は同期されません。参照先を別の場所へ移すとリンクは元の場所を指したままになり、削除すると機能しなくなります。Windowsのジャンクションとシンボリックリンクは対応外です。

置き場所そのものにも制約があります。資料は、ネットワークドライブへのインストールには対応していないと明記しています。共有の上にまとめたいという発想は、この行に当たります。

どちらの方式で動いているかを見分ける

手順書が当たるかどうかは、統合方式に移っているかどうかで決まります。見分け方は3つあり、どれも1分で終わります。

1つめはパスです。ホームフォルダの下のLibrary/CloudStorage/Dropboxがあれば統合方式で、ホームフォルダの直下にDropboxの名前を含むフォルダがあれば従来の方式です。両方が残っている端末もあるため、中身が入っているのはどちらかを見ます。

2つめは右クリックのメニューです。統合方式で動いている環境では、ファイルやフォルダを右クリックしたときに同期しない項目と同期する項目が並びます。従来の方式にはこの項目がなく、同じことをするにはターミナルから拡張属性を書き込むことになります。

3つめは属性の名前です。無視の指定に使う属性は、統合方式ではAppleのFile Providerが定めた名前で、従来の方式ではDropbox独自の名前です。過去に書いたスクリプトが黙って効かなくなっていた場合、原因はこの入れ替わりであることがあります。

なお、無視の機能そのものには制約があります。資料は、オンラインのみのファイルとそれを含むフォルダは無視できないと注記し、チームのアカウントではこの機能を利用できないと別の行で述べています。作業用の中間ファイルを保存容量から外す運用を考えるときは、契約の種類を先に確かめる順番になります。

窓を分けているぶんの手間を数える

ここまでの確認は、性質の違う3つの窓を行き来する作業です。Finderで印と場所を見る窓、パスと拡張属性を打つ窓、出力の意味を読ませる窓です。別々に開いていると、1件の切り分けごとに移動が入ります。

フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態にすると、見えているフォルダのパスをそのままコマンドに渡し、返ってきた属性の意味を読ませる流れが1か所で終わります。ファイル管理の側でどこまでを1つの窓に収められるかはできることに整理があり、いま使っているものとの違いは他のファイル管理との比較で見比べられます。

出先で同期の様子を確かめたい場面もあります。手元を離れたあとに続きを見る方法はiPhone・iPadから続きをに、費用の目安は料金にまとめてあります。詰まりやすい点への答えはよくある質問に並べてあります。

最初に決めておくとよいのは2つです。1つは、フォルダの場所を手順書に直書きせず、決まったファイルから読む形にしておくこと。もう1つは、容量を空ける3つの方法のうちどれを使うかを用途ごとに決めておくことです。この2つが決まっていれば、ファイルが消えたという訴えの大半は、その場で置き場所の話に翻訳できます。

よくある質問

DropboxのフォルダがFinderで見つかりません。どこにありますか?

場所は2通りあります。AppleのFile Providerの仕組みで動いている環境では、ホームフォルダの下のLibrary/CloudStorage/Dropboxに置かれます。移っていない環境ではホームフォルダの直下です。確実なのはメニューバーのアイコンから基本設定を開き、同期の項目にあるフォルダの場所を見る方法です。

選択型同期とオンラインのみは何が違いますか?

選択型同期はフォルダ単位で端末から外す仕組みで、外したフォルダは端末から削除されWeb側にだけ残ります。オンラインのみは端末の画面には見えている状態で、実体だけがWeb側にあります。出先で一覧だけでも見たいならオンラインのみ、端末から完全に外したいなら選択型同期が合います。

Dropboxが起動せず、エラーが出ます。何を確かめればよいですか?

キーチェーンへのアクセスを拒否していないかを確かめてください。Dropboxはアカウントの確認と設定の保護のためにキーチェーンへのアクセスを必須にしており、拒否すると起動できなかったという内容のエラーが出ます。同期の状態を示すアイコンや右クリックのメニューが出ない場合は、管理者権限で入っているかも確認の対象になります。

Finderで付けたタグはDropboxで同期されますか?

されます。公開資料は、対応している拡張属性はDropbox内のどこでファイルにアクセスしても同期されると述べ、用途の例としてFinderのタグやスターや色を挙げています。ただし書庫に固める経路やメールに添付する経路では落ちることがあるため、相手に確実に伝えたい情報はファイル名か書類の中身に書いてください。

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