Dropoverの費用|無料でできる範囲
Dropoverの費用を調べると、無料で使えるという説明と、買い切りで買うものだという説明が同時に出てきます。どちらも合っています。このアプリは無料で落とせて、期限が切れたあとも動き続ける作りになっていて、そのうえで有料版が用意されています。判断に必要なのは値段の一点ではなく、無料のままだと何が残るのか、支払うと何が外れるのかの差です。ここでは公式のFAQとMac App Storeの記載で確かめられる事実に絞って、その差を並べます。
無料のままでも、機能は落ちない
まず押さえる点は、無料と有料の差が機能の数ではないことです。公式のFAQには、ダウンロードは無料で、14日間は制限のない試用期間だと書かれています。試用が切れたあとも、動かなくなるわけではありません。
Dropover is free to download and includes a fully functional 14-day trial. After the trial ends, you can keep using Dropover with a small limitation: a 3-second wait before interacting with the shelf. 出典: dropoverapp.com
残る制限は1つだけで、シェルフを操作する前に3秒の待ちが入ります。FAQの別の項目では、期間が切れても自動で請求されることはなく、こちら側で何かする必要もないと補足されています。
つまり支払いの対象は、機能ではなく待ち時間です。集めたものへの処理も、アップロード先も、フォルダの見張りも、スクリプトの登録も、無料のまま残ります。この形は、機能を段階で切り分ける売り方とは性格が違います。金額の妥当性を考えるときに比べるべきものは、他社の機能表ではなく、自分がその3秒を1日に何回受け取るかという回数です。
回数の見積もりは難しくありません。シェルフを出すたびに1回です。1日に数回なら、待ちの合計は30秒に届きません。1日に40回シェルフを出す使い方なら、待ちの合計は2分になります。時間そのものよりも、操作の途中に毎回入る間の気持ち悪さのほうが効いてくる、という性質の制限です。
有料版の形は買い切りで、購読ではない
制限を外すのは「Dropover Pro」で、アプリ内課金です。FAQには、これが1回の買い切りであって購読ではないと注記されています。月ごとや年ごとの請求は発生しません。
複数台の扱いも明記されています。同じiCloudアカウントでログインしているMacであれば、購入は引き継げます。手順は、購入画面で「Restore Purchases」を選ぶだけです。仕事用と自宅用でMacを分けている場合、台数ぶん買う必要はありません。
Mac App Storeの製品ページには、ファミリー共有に対応していると記載があります。ただしAppleの注記には、アプリ内課金や定期購読がファミリーグループと共有できる場合がある、という条件付きの書き方が添えられています。共有できるかどうかは購入の種類によるため、家族のぶんをまとめる前提で判断するのは避けたほうが安全です。
逆に、いま用意されていない形もはっきりしています。法人やチーム向けのライセンス席です。FAQには、まだ提供しておらず、年内の提供を予定していると書かれています。5人分をまとめて請求書で処理したい、という買い方はいまのところできません。当面は各自のApple IDで買い、経費として個別に処理する形になります。
配布経路が1つに絞られていることも、費用の話に関わります。FAQには、App Store以外での配布は現時点で行っていないと書かれています。ライセンスキーを配って管理する運用にはならないため、退職時の回収という発想も使えません。買ったものはApple IDに紐づきます。
金額が公開されていないことを、先に知っておく
価格表を探しても見つからない理由を、先に書いておきます。金額は公式サイトにも、Mac App Storeの製品ページにも表示されていません。製品ページに出るのは「無料 · アプリ内購入」という表記と、情報欄の「アプリ内購入 あり」という記載だけです。
| 確かめられること | 記載のある場所 |
|---|---|
| ダウンロードは無料 | Mac App Storeの製品ページ |
| 試用は14日間、制限なし | 公式のFAQ |
| 期間後に残るのは3秒の待ちだけ | 公式のFAQ |
| 買い切りで購読ではない | 公式のFAQ |
| 同じアカウントなら複数台で使える | 公式のFAQ |
| チーム向けの席は未提供 | 公式のFAQ |
| 実額 | アプリ内の購入画面 |
実額を確かめる道は、アプリを入れて購入画面を開くことです。アプリ内課金の金額はApp Storeの国や地域ごとに設定されるため、外部の記事に載っている数字が自分の環境と一致するとは限りません。円の額を知りたい場合は、無料で落として購入画面を見るのがいちばん早く、そして確実です。試用の14日間は制限がないので、金額を見るためだけに入れても失うものはありません。
見積書や稟議に金額を書く必要があるときは、この順番になります。先に無料で入れて購入画面の額を控え、その額で判断する。金額が分からないまま比較表を作ると、地域設定が違う数字を根拠にしてしまいます。
無料のままで足りるかどうかを分ける線
費用を払うかどうかは、次の4点で決まります。いずれも自分の使い方を見れば答えが出るものです。
- シェルフを出す回数。1日に数回なら待ちの合計は短い
- ドラッグの途中で手が止まることの重さ。3秒は短いが、操作のリズムは切れる
- 使う台数。同じアカウントなら1回の購入で足りる
- 人数。1人なら問題にならず、チームだと請求のまとめ方が課題になる
このうち、見落とされやすいのは2つ目です。3秒という長さは、作業時間の損失としてはほぼ無視できます。効いてくるのは、ドラッグという動作が連続した1つの動きとして成り立たなくなる点です。ファイルをつかんで振って落とす、という一続きの動作の途中に待ちが挟まると、動作が2つに割れます。この割れ方が気にならない人は無料のままで足り、気になる人は1週間で払う判断に傾きます。
もう1つ、判断の前に確かめておくと無駄が減る点があります。動作条件です。Mac App Storeの記載では、macOS 13.0以降が必要で、最新版は5.3.1、容量は39.1MBです。古いmacOSのまま使っているMacでは、そもそも入りません。
言語も、費用とは別に効く条件です。FAQで対応言語として挙げられているのは英語、ドイツ語、オランダ語、簡体中国語の4つで、日本語の画面は用意されていません。買ってから画面が英語だと気づくと、払った額の感じ方が変わります。試用のあいだに、設定画面の項目を英語で追えるかどうかを見ておくほうが確実です。
無料の範囲で済ませたときに、代わりに払うもの
無料のまま使う選択をした場合、待ち時間のほかに支払うものがあるかどうかも確かめておきます。結論としては、機能面ではほぼありません。
アップロード先は無料の範囲でも7つ使えます。Dropover Cloud、iCloud Drive、Dropbox、Microsoft OneDrive、Google Drive、AWS S3とS3互換の提供元、Imgurです。このうちDropover Cloudは提供元が用意した置き場で、登録が要らず匿名で上げられると公式サイトに書かれています。題名、パスワード、期限、リンクの種類を設定でき、共有ページには広告も追跡も入らないという説明が付いています。無料の範囲でここまで使えるのは、制限が待ち時間の一点に絞られているからです。
自前のスクリプトも同じです。AppleScript、Automator、UNIXのコマンドで書いた処理を設定から登録できて、シェルフの中身が入力として渡ります。フォルダを見張って新しいファイルをシェルフに出す仕組みも、スクリーンショットだけに絞る設定も、無料のまま使えます。
ここで注意しておく点は、クラウドのほうの費用です。AWS S3を上げ先に選ぶ場合、アプリの費用とは別にS3の保管と転送の料金が発生します。Dropover Cloudを使う場合は提供元の無料の置き場なので、アプリ以外の支払いは発生しません。上げ先の選び方によって、月々の支出が変わる余地があるのはこの1点です。
不具合の直り方も、費用の判断材料になります。5.3.1の更新内容には、外部からの連携で作られたシェルフが「Purchase Dropover Pro」のボタンを出してドラッグを受け付けなくなる問題の修正が挙がっています。有料への案内が誤って出て操作が止まる、という不具合が実際に起きて直されている、という事実です。同じ症状に当たったときに、支払いが必要になったと誤解しないための材料になります。
払ったあとに手間になりやすいのは、引き継ぎ
支払いそのものより、あとで時間を取られやすいのは引き継ぎです。買い切りでApple IDに紐づく形なので、台数を増やしたときやMacを買い替えたときに、購入済みの状態を戻す操作が必要になります。
公式のFAQには、この引き継ぎについて2つの項目が並んでいます。1つは手順の案内で、購入画面から復元する流れが別の案内ページに書かれています。もう1つは、復元がうまくいかない場合の切り分けの案内です。手順の案内とは別に、うまくいかないとき用の案内が独立して置かれていること自体が、ここで詰まる人が一定数いることを示しています。
詰まりやすい原因は、ログインしているアカウントの取り違えです。復元の条件は、購入したときと同じiCloudアカウントでログインしていることです。仕事用のApple IDで買ったのに、自宅のMacが個人用のApple IDでログインしている、という組み合わせでは戻りません。2台以上で使う予定があるなら、どのApple IDで買うかを先に決めておくと、あとの手間が消えます。
チーム向けの席が未提供であることも、この点と繋がります。各自のApple IDで買う形になるため、退職や配置換えのときに購入を引き継ぐ経路がありません。1人ぶんの支出としては小さくても、人数が増えると管理の形が課題になります。年内に提供予定とされている法人向けの席を待つか、個人の支出として割り切るかは、人数で決まります。
3秒を買うのか、往復を減らすのか
ここまでの整理で分かるのは、この費用が買っているものが機能ではなく、動作の連続性だという点です。ドラッグの途中に置き場が必要になるのは、出発地と行き先が同じ画面に出せないからです。その置き場を出すたびに3秒待つかどうかが、支払いの中身です。
ただし、支出を検討する前に数えておくと結論が変わることがあります。1日にシェルフを出す回数ではなく、同じファイルについて一覧の窓とコマンドの窓とAIの窓を往復する回数です。回数が多い場合、置き場の待ちを消しても往復そのものは残ります。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りは、その往復のほうを減らす方向の答えです。どこまでを1つの窓で扱えるのかはできることに整理してあります。費用の考え方は料金に、役割を絞った道具との立ち位置の違いは他のファイル管理との比較にまとめてあります。
支払うかどうかの判断としては、シェルフを出す回数と往復の回数を1日ぶん数えるのがいちばん早いです。シェルフの回数だけが多いなら、3秒を外す支出は小さくて効きます。往復の回数のほうが多いなら、置き場を整える前に窓の数を見直すほうに効きます。
よくある質問
Dropoverは無料のままずっと使えますか?
使えます。ダウンロードは無料で、14日間は制限のない試用期間です。期間が切れても自動で請求されることはなく、アプリは動き続けます。残る制限はシェルフを操作する前に3秒の待ちが入る点だけで、機能そのものは落ちません。アップロード先やスクリプトの登録も無料の範囲で使えます。
有料版は月額ですか、買い切りですか?
買い切りです。公式のFAQには、Dropover Proへの切り替えは1回のアプリ内課金であり、購読ではないと明記されています。月ごとや年ごとの請求は発生しません。次の大きな版に上がるときの扱いについては公式に記載がないため、購入前に購入画面の説明を確かめておくと確実です。
いくらかかりますか?
金額は公式サイトにもMac App Storeの製品ページにも表示されていません。製品ページに出るのは「無料 · アプリ内購入」という表記と、情報欄の「アプリ内購入 あり」という記載だけです。実額はアプリ内の購入画面に出ます。アプリ内課金の金額は国や地域ごとに設定されるため、外部の記事の数字と自分の環境が一致しない場合があります。
1回買えば複数のMacで使えますか?
使えます。同じiCloudアカウントでログインしているMacであれば、購入画面の「Restore Purchases」で引き継げます。仕事用と自宅用でMacを分けていても、台数ぶん買う必要はありません。ただしチームや法人向けのライセンス席は現時点では売られておらず、公式のFAQには年内の提供を予定していると書かれています。