Dropoverの手順|最初に決めておくこと
Dropoverの手順を調べている人が実際に詰まるのは、操作の難しさではありません。入れた直後にどの経路で棚を出すかを決めていないので、振っても出ない、出ても消える、引き出したら元のファイルが消えた、という順番で戸惑うだけです。棚を出す経路は公式の案内で7通りあり、引き出すときの規則もFinderに合わせて作られています。先に決めておく項目を並べておけば、設定を開く回数は1回で済みます。
入れる前に確かめる2つの前提
最初に片付くのは可否の問題です。公式の配布の条件に、次の2つが書かれています。
1つ目は必要なmacOSの世代です。Mac App Store の記載では macOS 13.0 以降が対象です。手元に更新の止まった古いMacが残っていて、そちらでも同じ道具を使いたい場合は、この行で候補から外れます。動作環境の確認の仕方は Appleサポート に案内があります。
2つ目は買う場所です。自社のよくある質問には、配布は Mac App Store だけだと書かれています。会社から貸与されたMacで App Store の利用に制限がかかっている環境では、手順の話に入る前に可否が決まります。事業所向けの複数ライセンスはまだ用意がなく、今年のうちに提供を予定していると同じページに書かれています。チームで揃えて導入する話であれば、ここを先に確かめたほうが手戻りがありません。
対応している表示言語も、この段階で見ておく点です。よくある質問には英語・ドイツ語・オランダ語・簡体中国語の4つと書かれています。Mac App Store の記載ではイタリア語とスペイン語を加えた6つです。どちらの記載にも日本語は入っていません。表示は既定でシステムの優先言語に従うので、日本語の環境では英語の画面で使うことになります。
棚を出す経路は7通りある。使うのは2つでよい
ここが手順の中心です。公式のページと Pro Tips に、棚を開く経路がこれだけ並んでいます。
- ドラッグ中にポインタを振る。振る強さは設定で調整できる
- メニューバーのアイコンにファイルを重ねて落とす
- ノッチのあるMacBookで、ノッチにファイルを落とす。設定の Shelf Activation で有効にする
- キーボードショートカットで新しい棚を開く
- ⌥⇧A でクリップボードの中身から棚を作る
- ターミナルから
open -a Dropover -- /path/to/fileと打つ - 監視するフォルダに新しいファイルが入ったときに自動で出す
7つ全部を覚える必要はありません。1日のうちで手が止まる場面は、たいてい2種類しかないからです。ブラウザや編集アプリからファイルを引っぱり出す場面には、振る経路が合います。スクリプトや書き出しで生成されたファイルを扱う場面には、ターミナルからの経路が合います。この2つを最初に体に入れて、残りは必要になったときに足すほうが定着します。
振る経路には、出てほしくないアプリを指定して自動では出さない設定もあります。図を描くアプリや譜面のアプリのように、ポインタを細かく動かす作業では棚が意図せず開きます。入れた初日にこの除外の一覧を埋めておくと、後で「使えない」と判断する事故が減ります。
Finderで選んでいるファイルを送りたい場合は、macOS の Shortcuts を使う経路が公式に案内されています。ショートカットを新規に作り、Finder の選択項目を取得する手順と、棚へ追加する手順を並べ、キーボードショートカットを割り当てる形です。Finderの右クリックの一覧に何かを足すより、こちらのほうが手数が少なくなります。
引き出すときの規則は、Finderに合わせてある
戸惑いがいちばん出るのは、棚に入れた時点と引き出した時点で何が起きているのかが見えないところです。自社のよくある質問には、この2つが分けて書かれています。
Finderから棚へドラッグした時点では、ファイルは複写も移動もされません。棚が持っているのは参照だけです。棚へ入れただけで送信が起きることもないと明記されています。動きが出るのは、棚から引き出したときです。引き出すときの既定は移動で、複写にしたいときは option キーを押しながら引き出します。複写になるときはドラッグしている中身の上に「+」の印が出ます。
別のボリュームやディスクへ引き出す場合は逆で、既定が複写になります。この場合に移動を強制したいなら command キーです。外付けディスクへ引き出したのに元の場所にもファイルが残っている、という状態はここから生まれます。仕組みを知らないと二重に持つことになるので、外付けを日常的に使う人は覚えておく値打ちがあります。
いつも複写にしたい人向けの設定もあります。設定の Shelf Interaction の詳細に、引き出すときは常に複写にする項目が用意されています。案件の素材を配る仕事のように、原本を動かしてはいけない使い方なら、初日にここを入れておくほうが安全です。
棚の中身をまとめて扱うのではなく一部だけ引き出したいときは、command キーを押しながら項目を選ぶと、選んだものだけを引き出せます。引き出したあとも棚を残したいなら、shift キーを押しながら引き出します。同じファイルを3か所へ配るときは、この組み合わせで棚を作り直す手間がなくなります。
集めたあとに走らせる処理を、先に1つだけ決める
棚は置き場ではなく作業台として作られています。公式ページには、画像の縮小、文字の抜き出し、ZIP の作成、macOS の共有メニューからの送信が並んでいます。項目を重ねるだけで処理が走る Instant Actions もあります。
自分の処理を足す経路も用意されています。AppleScript、Automator、UNIX のコマンドを棚の操作の一覧に登録でき、棚の中身がそのまま入力として渡ります。設定から登録でき、使う前に試せるとも書かれています。シェルのスクリプトなら、出力をクリップボードへ写す形にもできます。
クラウドへの送信は7つの相手に対応しています。Dropover Cloud、iCloud Drive、Dropbox、Microsoft OneDrive、Google Drive、AWS S3 と S3 互換の提供元、Imgur です。Dropover Cloud への送信は登録が要らず、題名や閲覧の合言葉、期限、リンクの種類を指定できると書かれています。
ここで欲張らないほうが続きます。初日に処理を5つ登録しても、覚えていないものは使いません。1週間のうちに3回以上繰り返している作業を1つだけ選んで登録し、それが手に馴染んでから次を足す。棚の機能を全部試すのは、手順を決めることとは別の作業です。
棚を残すのか消すのかを決める
棚は出したら消えるものと、置いたままにするものに分かれます。ここを決めていないと、画面に棚が溜まっていきます。
閉じた棚は直近10件までさかのぼって開き直せます。うっかり閉じた棚を取り戻せるので、迷ったら閉じる運用にしても損はありません。
案件の素材のように何日も使うものは、棚をピン留めします。ピン留めした棚には自分で題名を付けられて、メニューバーからいつでも開き直せます。画面に浮かせておきたくないなら、棚を画面の端にドックする形もあります。端をダブルクリックするか、端へドラッグするか、棚のメニューから選ぶと収まります。
中身だけ空にして同じ棚を使い回したいときは、option キーを押しながら閉じるボタンを押します。全部引き出してから閉じて、また出す必要はありません。
見えている棚が複数あるときは、⌥⇧S を押すと棚に番号が振られ、番号を押した棚が操作の対象になります。⌘K や Space、Delete といった棚の上のショートカットは、棚が操作の対象になっているときだけ効きます。「ショートカットが効かない」という詰まりは、ほぼこの一点から出ています。
無料で使える範囲と、払う判断をする時期
費用の条件は自社のよくある質問に書かれています。
Dropover is free to download and includes a fully functional 14-day trial. After the trial ends, you can keep using Dropover with a small limitation: a 3-second wait before interacting with the shelf. 出典: dropoverapp.com
同じページに、Pro への切り替えは1回のみの支払いであって定期購入ではないこと、試用が切れても自動で請求は起きないことが書かれています。Mac App Store の記載では、この追加購入の金額は7.99ドルです。複数のMacで使う場合は、同じiCloudアカウントで購入の復元を選ぶ形です。
つまり14日を過ぎても使い続けられて、棚を触る前に3秒待つかどうかで払う判断をする形です。判断を後ろに倒せるので、手順を決める側としては都合がよい作りです。試用の14日のうちに決めるべきなのは払うかどうかではなく、上に並べた経路のうちどの2つを使うかです。経路が決まっていない状態で3秒の待ちが来ると、待ち時間ではなく道具そのものが合わないと感じてしまいます。
手順を1回で決め切る順番
決める順番を並べ直すと、次のようになります。
1つ目、macOSの世代と App Store が使えるかを確かめる。ここは好みではなく可否です。
2つ目、棚を出す経路を2つ選ぶ。振る経路と、ターミナルからの経路が無難な組み合わせです。
3つ目、振る経路を選んだなら、除外するアプリを埋める。ポインタを細かく動かす作業のアプリから先に入れます。
4つ目、引き出すときを移動にするか複写にするかを決める。原本を動かしてはいけない仕事なら、常に複写の設定を入れます。
5つ目、繰り返している作業を1つだけ処理として登録する。増やすのは後です。
6つ目、残す棚と消す棚の扱いを決める。何日も使うものはピン留め、あとは閉じてさかのぼる形で足ります。
この6つを紙に書いて設定を1回開けば、手順の話は終わります。所要は15分ほどで、後から迷って設定を開き直す回数はここで決まります。
棚を開く回数を数えてみる
手順が決まったあとに残る疑問は、そもそも棚を何回開いているのかです。棚は、行き先のフォルダが遠いという前提を受け入れた上での解決です。1日に20回開いているなら、遠いのは行き先ではなく、行き先を出しているアプリのほうかもしれません。
フォルダの一覧そのものを自分の手順で組み替えられるなら、棚を開く回数は減ります。ディスクの構造ではなく頭の中の順番でサイドバーを並べ、外付けディスクの素材を書類フォルダの案件の下にぶら下げる。この考え方で作られたファイル管理アプリには、集めたファイルの一時保管の枠が最初から入っていることもあります。ひとつの画面に何が収まるのかはできることで確かめられます。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りなら、集めたファイルをその場でコマンドに渡せます。棚の上にスクリプトを登録する代わりに、同じ画面のターミナルで処理する形です。系統ごとの向き不向きを並べたものは他のファイル管理との比較にあります。費用を先に見ておきたい場合は、無料で使える範囲と有料の条件をまとめた料金のページがあり、macOS 14 以降が対象で、Macの中でできることは無料、有料の形は月額・年額・買い切りから選べる作りです。
処理を走らせて席を立つ使い方をしているなら、iPhone・iPadから続きを返せるかどうかで1日の組み立てが変わります。棚にファイルを預けるのとは別の種類の話です。日本語以外の表示で使う人が身近にいるなら対応言語の一覧を見ておけますし、動作環境や購入まわりの細かい条件はよくある質問に並んでいます。
手順を決める順番は変わりません。可否、経路、除外、複写か移動か、処理、棚の残し方。この6つに答えてから触ると、設定を開くのは1回で済みます。
よくある質問
振っても棚が出ないときは、どこを見ればよいですか?
まず設定の Shelf Activation で振る経路が有効かどうかと、振る強さの調整を確かめてください。次に、除外するアプリの一覧にそのアプリが入っていないかを見ます。除外に入っているアプリでは自動では出ないので、キーボードショートカットで手動で出す形になります。ノッチへの落とし込みも、この画面で有効にします。
棚から引き出したら、元の場所からファイルが消えました。戻せますか?
引き出すときの既定は移動なので、同じボリュームの中では元の場所から動きます。異常ではありません。複写にしたいときは option キーを押しながら引き出し、常に複写にしたい場合は設定の Shelf Interaction の詳細で切り替えられます。別のディスクへ引き出す場合は逆で、既定が複写になります。
無料のままで使い続けられますか?
使い続けられます。公式のよくある質問には、14日間の試用が終わったあとも棚を触る前に3秒待つという制限だけが付く形で動き続けると書かれています。試用が切れても自動で請求は起きません。制限を外すときは1回のみの追加購入で、Mac App Store の記載では7.99ドルです。
日本語の画面で使えますか?
公式のよくある質問に挙がっている表示言語は英語・ドイツ語・オランダ語・簡体中国語の4つで、Mac App Store の記載ではイタリア語とスペイン語が加わります。どちらにも日本語は入っていません。表示は既定でシステムの優先言語に従うため、日本語の環境では英語の画面で使うことになります。