外付けドライブの整理の代わりになるもの|手放してよい3つの手間

外付けドライブを接続して、フォルダを開いて、「2023」「素材」「一時」「新しいフォルダ」が並んでいるのを見て、そのまま閉じる。外付けドライブの整理という作業は、この繰り返しになりがちです。手を付けても終わらない理由は、意志の問題ではなく仕組みにあります。外付けは接続していないときは存在しないのと同じ扱いになるため、どれだけ階層をきれいに作っても、探す場面でその階層が使われません。ここでは、フォルダの作り込みの代わりになるものと、代わりになるものがないため続けるしかない手間を分けて整理します。

整理が終わらないのは、外したドライブが検索の外にあるから

Macの検索は、接続されているボリュームの中を見ます。ケーブルを抜いた外付けドライブは、検索の結果に出てきません。名前を思い出せたとしても、どのドライブに入っているかを覚えていなければ、ドライブを順番に接続して探すことになります。

この構造が、整理の努力の効果を薄くします。本体側のフォルダを整理すると、次に探すときに時間が短くなるという見返りがあります。外付け側のフォルダを整理しても、見返りは「接続したあとで見つけやすい」ところまでしか届きません。接続するかどうかを決める時点では、中身が分からないままです。

もう1つの理由は、外付けに入れる動機が「本体から退かす」ことにある点です。退かす対象は、いま使っていないものです。使っていないものの分類は、使っていないがゆえに基準が作れません。あとで使うかもしれない素材と、もう使わないが捨てられない書類が、同じ階層に混ざります。

したがって、外付けドライブの整理という作業は、本体側の整理と同じ方法では解けません。必要なのは、階層を作り込むことではなく、接続しなくても中身が分かる状態を作ることです。

フォーマットを確かめると、できることの半分が決まる

具体的な方法に入る前に、そのドライブがどの形式で初期化されているかを確認してください。ディスクユーティリティで選ぶと右側に表示されます。ここで扱いが大きく変わります。

Apple File System(APFS)はmacOS 10.13以降を使用するMacコンピュータのデフォルトのファイルシステムで、強力な暗号化、領域共有、スナップショット、高速なディレクトリのサイズ調整、および基本的なファイルシステムの向上を特徴としています。 出典: support.apple.com

同じページでは、Windowsと共用する場合の選択肢として、32GB以下のボリュームにはMS-DOS(FAT)を、それを超えるボリュームにはexFATを使うと案内されています。店頭で売られている外付けドライブは、そのままWindowsでも使えるようにexFATで初期化された状態で出荷されていることがあります。

形式によって、整理に使える手が変わります。

形式 Macでの位置づけ 整理で効いてくる違い
APFS macOS 10.13以降の標準 タグや色、ファイルへのコメントがそのまま保持される
exFAT Windowsと共用する場合の選択肢 拡張属性に依存する情報は経路によって落ちることがある
MS-DOS(FAT) 32GB以下のWindowsボリューム向け 容量の制約が大きく、現在の外付けには合わないことが多い

Macだけで使うドライブがexFATのままになっているなら、整理の方針を決める前にそこを確かめる価値があります。Finderのタグを整理の軸に据えるつもりなら、タグが残る形式かどうかで前提が変わるためです。なお、形式を変える操作は中身を消去します。入れ替えるなら、先に別の場所へ複製してください。

接続しても名前で探せないときは、索引の側を疑う

外付けドライブを接続したのに、名前を打っても検索の結果に出てこないという状態があります。ファイルは存在していて、フォルダを降りていけば見つかる。この場合、壊れているのはドライブではなく索引です。

Macの検索は、あらかじめ作られた索引を引いています。接続した直後のドライブは、索引の作成が終わるまで検索の結果に出てきません。容量が大きいドライブでは、この作成が終わるまでに時間がかかります。接続してすぐ検索して出てこなかったとしても、しばらく置いてから試すと出てくることがあります。

もう1つの原因は、そのドライブが検索の対象から除外されている場合です。システム設定の検索の項目には、索引を作らない場所を指定する欄があり、ここにドライブが入っていると、いつまで待っても結果に出ません。過去に索引の作成が重かったために除外した設定が、そのまま残っていることがあります。

索引が使えない状態のままでも、前述の一覧テキストがあれば探せます。一覧は本体側にあるので、本体の索引で引けるためです。外付け側の索引に依存しない形にしておくと、この種の不調そのものが作業を止めなくなります。

代わりになるもの1: 階層を浅くして、名前に情報を持たせる

外付けの中に「2023 > 案件 > A社 > 素材 > 写真」のような深い階層を作っても、探す場面ではほとんど使われません。接続したあとに使うのは、たいてい検索欄です。階層を降りていくのは、どこにあるか見当がつかないときだけです。

代わりになるのは、階層を2段までに抑えて、情報を名前の側に移す方法です。フォルダ名は年と大分類だけにし、ファイル名の先頭に日付、次に案件の識別子を置きます。こうすると、接続したあとの検索で名前の一部を打つだけで対象が出ます。階層を降りる操作が不要になるので、フォルダの名前を考える時間も減ります。

この方法には副作用があります。名前が長くなるので、Finderの表示では途中が省略されます。一覧の表示形式をリスト表示にして名前の列を広げるか、名前の先頭側に検索で打つ語を置くことで対処できます。名前の末尾に重要な語を置くと、省略されて見えなくなります。

すでに深い階層ができているドライブを作り直す場合、全部を一度にやる必要はありません。年の単位で区切り、古いほうから順に浅くしていくと、途中で止めても中途半端な状態になりません。

代わりになるもの2: 中身の一覧を1枚作って、本体側に置く

外付けドライブの整理で最も効く手は、階層の作り込みではなく、中身の一覧をテキストにして本体に置くことです。接続していなくても中身が分かる状態は、これでしか作れません。

やることは単純です。ドライブを接続した状態で、中身のファイル名を再帰的に書き出したテキストを作り、本体側の決まった場所に保存します。ドライブが2台あれば、テキストも2枚です。ファイル名と階層だけの情報なので、数万件あってもテキストの大きさは知れています。

この一覧があると、探す作業の性質が変わります。ドライブを接続して開いて探す代わりに、本体側の検索でテキストを開き、名前を打って該当行を見ます。どのドライブのどの階層にあるかがその場で分かるので、接続するべきドライブが1台に決まります。見つからなければ接続しません。ここで消える時間が、外付けの整理で得られる効果の中でいちばん大きい部分です。

一覧は古くなります。更新は、ドライブに何かを入れたときにその場で作り直す形が現実的です。作り直しはコマンド1つで終わるので、接続を外す前の習慣にしてしまうと保守の負担がほぼ消えます。

代わりになるもの3: 分類をやめて、入れた日で積む

外付けに移す時点で分類を決めようとすると、そこで手が止まります。いま使っていないものを、将来どう使うかを基準に分けるのは無理があるためです。

代わりになるのは、分類をやめて時系列で積む方法です。年月のフォルダを作り、退かしたものをその月のフォルダに入れます。判断は「いつ退かしたか」だけなので、迷う余地がありません。探すときは前述の一覧を引くので、どの月に入れたかを覚えている必要もありません。

この形にすると、副次的な効果が出ます。3年前より古い月のフォルダは、一度も開かれないまま残ります。開かれていない事実が可視化されるので、捨てる判断がしやすくなります。分類して並べてあると、どれも同じくらい大事に見えて捨てられません。

時系列で積む方法が合わないのは、素材を繰り返し使う仕事です。写真や音源のように、何年経っても検索して引き出すものは、名前の規則を整えるほうが効きます。この場合でも、階層を深くする必要はありません。名前に撮影日と場所を入れておけば、一覧の検索で届きます。

手放してはいけない手間は、複製の数を数えること

ここまでは手放してよい手間の話でした。手放せないものが1つあります。同じデータが何箇所にあるかを把握することです。

外付けドライブは、本体の空きを作るために使われます。この使い方をすると、本体から消して外付けにだけ置いた状態が生まれます。複製が1つしかない状態です。外付けドライブは持ち運ばれ、落とされ、接続したまま机から引っぱられます。本体の内蔵ストレージより壊れる機会が多い場所に、複製が1つしかないデータを置いていることになります。

整理の作業に入る前に、いま外付けにだけあるデータがどれかを確認してください。2箇所以上にあることが確かめられないものは、整理より先に複製を作る対象です。時系列で積む方法を採る場合も、月のフォルダごとに複製を作る作業だけは残ります。

ここを省くと、整理が終わった直後にドライブが認識されなくなったときに、何を失ったのかを一覧するための資料すら残りません。前述の一覧テキストは、この場面でも効きます。

あわせて決めておきたいのが、ドライブの役割を混ぜないことです。本体を丸ごと控える用途のドライブと、本体から退かしたものを置く用途のドライブは、別の目的を持っています。控えのドライブは本体と同じ中身になるのが正しい状態で、退かす先のドライブは本体に無いものが入っているのが正しい状態です。この2つを1台に同居させると、片方の論理でもう片方を判断することになり、消してよいものと消してはいけないものの区別が曖昧になります。

容量に余裕がある1台を兼用したくなる場面はありますが、パーティションで区切るか、ドライブそのものを分けるほうが、あとの判断が速く済みます。整理の方針を決める前に、いま持っているドライブがどちらの役割なのかを書き出してみてください。役割が決まっていないドライブが1台でもあれば、そこが詰まりの発生源です。

接続してから外すまでの作業を、1つの窓で終える

この方法の中心にあるのは、一覧を作る作業と、それを引く作業です。どちらも、ファイルを見る操作とコマンドを打つ操作が交互に発生します。一覧を見る窓、コマンドを打つ窓、内容を要約させる窓が別々に開いていると、ドライブを接続するたびに窓の切り替えが2回以上入ります。習慣として続かなくなる原因は、たいていこの摩擦です。

フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態なら、接続したドライブを開いたその場で一覧を書き出し、同じ画面で本体側の保存先に置くところまで終わります。ファイル管理アプリ側で担える範囲はできることにまとまっています。外出先から手元のドライブの一覧だけを確かめたい場合の考え方はiPhone・iPadから続きをに、費用の目安は料金にあります。

次に変えることは1つで足ります。いま手元にあるドライブを接続して、中身の一覧をテキストに書き出し、本体側に置いてください。階層を作り直すかどうかは、その一覧を見てから決められます。

よくある質問

外付けドライブのフォルダは、どこまで細かく分けるべきですか?

2段までで足ります。年と大分類があれば、それ以上の階層は探す場面で使われません。深い階層は作るときにも維持するときにも判断を求めるので、途中で止まります。細かい情報は階層ではなくファイル名の先頭側に置いてください。検索で名前の一部を打つほうが速く届きます。

接続していないドライブの中身を調べる方法はありますか?

ドライブを接続した状態で中身のファイル名を再帰的にテキストへ書き出し、本体側に保存しておく方法が確実です。ファイル名と階層だけなので容量はほとんど使いません。探すときは本体側でそのテキストを検索し、どのドライブに入っているかを確認してから接続します。

外付けドライブはどの形式で初期化すればよいですか?

Macだけで使うならAPFSが標準です。Windowsと共用するなら、Appleの案内では32GBを超えるボリュームにexFAT、32GB以下にMS-DOS(FAT)が挙げられています。exFATではタグなど拡張属性に依存する情報が経路によって落ちることがあります。形式の変更は中身を消去するので、先に複製を作ってください。

本体の空きを作るために外付けへ移すとき、注意する点はありますか?

移したデータが1箇所にしかない状態になっていないかを確認してください。外付けは持ち運ばれる分だけ壊れる機会が多く、複製が1つしかないデータの置き場所としては不安があります。移す作業の前に、2箇所以上にあることを確かめられないものを洗い出し、複製を作ってから進めてください。

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