ForkLiftとPath Finderの違い|転送重視か作業机か
ForkLiftとPath Finderの違いを調べている人が本当に知りたいのは、機能表のどちらが長いかではありません。どちらも2画面でタブがあり、どちらも有料で、どちらも古株です。判断が止まるのは、払う金額が何に対する金額なのか、そして何年使えるのかが読み取りにくいからです。ここでは両社の公式ページに今日時点で書かれている記載だけを並べて、買う前に答えを出しておく点を整理します。
同じ2画面でも、力を入れている場所が違う
この2つは、見た目の似た同種のアプリではありません。出発点が別のところにあります。
ForkLiftは自社の紹介文で、2画面のファイル管理とファイル転送のクライアントを並べて名乗っています。接続できる先として挙がっているのは、SFTP、FTP、WebDAV、Amazon S3、Backblaze B2、Google Drive、OneDrive、Dropbox、Rackspace Cloudfiles、SMB、AFP、NFS です。複数のサーバへ同時に接続し、サーバからサーバへドラッグで複写できるとも書かれています。つまり重心は、手元のMacの外側にあります。
Path Finderは、Cocoatech が2001年から出しているファイル管理アプリです。構造化データに載っている紹介文では、macOS向けのファイル管理アプリであることと、2001年以来の実績が前面に出ています。新しい世代の告知記事を読むと、追加されてきたのは AirDrop への対応、共有機能、Apple silicon でのネイティブ動作、Big Sur の見た目に合わせた再設計といった、手元のMacの中での使い勝手です。重心は、机の上の作業そのものにあります。
この違いは、あとで出てくる価格の違いよりも先に効きます。日常的に遠隔のサーバへ繋ぐ仕事をしていないなら、ForkLiftの長所の半分は使われないまま残ります。逆に、毎日サーバと往復しているなら、Path Finderにはその往復を軽くする仕組みが同じ厚みでは載っていません。
公式ページが今日掲げている価格と条件を並べる
両社の販売ページに書かれている内容を、書き換えずに写します。
| 見る点 | ForkLift 4 | Path Finder |
|---|---|---|
| 作り手 | Binarynights | Cocoatech(法人名 Distant Future) |
| 買う場所 | binarynights.com の直販 | cocoatech.io の店 |
| 売っている単位 | 利用者の範囲(1人・家族・5台) | 更新を受け取れる年数(1年・2年・5年) |
| 価格(更新1年) | 単体 19.95ドル / 家族 29.95ドル / 小規模事業 69.95ドル | 1年 32.95ドル |
| 価格(更新2年) | 単体 34.95ドル / 家族 49.95ドル / 小規模事業 119.95ドル | 2年 55.95ドル |
| もっと長い形 | 記載なし | 5年 122.95ドル |
| 対応OSの記載 | 4.4以降は macOS 14.6 以降。4.3.4 以降は macOS 26 に対応 | 販売ページに記載なし |
| 試用 | 無料で試せる入口あり | 販売ページに記載なし |
表を見て最初に気づくのは、2社が売っている単位そのものが違うことです。ForkLiftは「誰が何台で使うか」で値段が変わります。Path Finderは「何年ぶん更新を受け取るか」で値段が変わります。同じ金額を並べて安い高いを言っても噛み合わないのは、軸が違うからです。
金額だけを見るなら、1人で1台のMacに入れる前提では ForkLift の単体ライセンスが 19.95ドル、Path Finder の1年ライセンスが 32.95ドルです。ただし家族で複数のMacに入れるなら ForkLift は家族向けの 29.95ドルで台数の制約が外れ、事務所で 5台までなら 69.95ドルという段が用意されています。Path Finder の販売ページには台数の段がありません。
ライセンスの考え方が最大の違い
ForkLiftは、自社のよくある質問で支払いの形をこう説明しています。
The license of ForkLift is a hybrid model between the one-time purchase and the subscription model. With a license of ForkLift, you can use ForkLift for as long as you want and install updates for either 1 or 2 years, depending on your selection. After that period, you can continue using the last version covered by your license for as long as it remains compatible with your macOS and hardware. 出典: binarynights.com
買い切りと月額の中間だと自分から書いています。払えばその版は期限なしで使えて、更新を受け取れる窓が 1年か 2年。窓が閉じたあとも、最後に入った版はmacOSとハードウェアが許す限り動かせます。新しい版を入れたくなった時点で、新しいライセンスを買います。
Path Finderは、商品名そのものが期間になっています。店に並んでいるのは「Path Finder」「Path Finder 2 Year」「Path Finder 5 Year」の3つで、それぞれの説明文に1年・2年・5年のライセンスキーだと書かれています。長い期間を選ぶほど1年あたりは下がる形です。5年ぶんをまとめて買えば 122.95ドルで、1年ずつ 5回買うより安く収まります。
どちらも月額ではありません。ただし、どちらも「一度払えば永久に最新版」ではありません。ここを取り違えると、数年後にもう一度支払いが来たときに話が違うと感じることになります。比べるべきは初回の金額ではなく、自分が何年おきに買い直す気があるかです。
対応OSの記載が、更新の勢いをそのまま映している
ForkLiftのよくある質問には、動作条件が細かく書かれています。4.4以降は macOS 14.6 Sonoma 以降が必要で、それより前の4系は macOS 12.4 Monterey 以降。そして 4.3.4 以降が macOS 26 Tahoe に対応し、それより古い版は Apple が入れた変更のため動かないと明記されています。動かない版を使っていた人が新しい版を入れるにはライセンスの買い直しが必要になる場合がある、という注意まで自社で書いています。読んで気持ちのよい文章ではありませんが、今どの版がどのOSで動くのかが分かります。
Path Finderの公式ブログで新しい世代を告知した最後の記事は、Path Finder 10 の紹介で、日付は2020年12月です。その記事には Apple silicon でのネイティブ動作と Big Sur 向けの再設計が並んでいます。製品紹介のページは JavaScript で動く店の形に置き換わっていて、対応OSの表記を読み取れません。直近のブログ記事はFinderの不調を直す手順など、製品の版とは別の話題です。
これは「動かない」と断じる材料ではありません。長く同じ版を使い続けられるアプリはありますし、更新が静かな時期があるのも珍しくありません。ただ、買う前に対応OSを確かめたい人にとっては、片方は自社の文章で答えていて、片方は販売ページに書いていない、という差があります。購入の前に作り手へ問い合わせて手元のmacOSでの動作を確かめる手間を、どちらに掛けるかという話になります。
遠隔のサーバへ日常的に繋ぐなら
ForkLiftの紹介ページには、転送まわりの仕組みが個別に並んでいます。並び替えのできる転送の列、衝突したときの扱いの決め方、失敗したときの扱い、上りと下りの帯域の上限。進行中の複写や改名や削除を一覧で見られる Activity View。結果を後から追える Log View。左右のフォルダを比べて一致・変更・新規・削除を見分け、片方向でも双方向でも同期できる Sync。ForkLift 3 と比べて解析が最大20倍速いという記載もあります。
これらは、サーバとの往復が日常にある人には効きます。逆に、手元のディスクとクラウドの同期フォルダの中だけで仕事が回っている人には、ほとんど出番がありません。自分が先月サーバへ何回繋いだかを思い出せないなら、この列は判断の材料になりません。
iCloud経由でお気に入りを複数のMacの間で揃える仕組み、よく使う遠隔の場所をお気に入りの中のお気に入りとして持つ Favorite Paths、選択したファイルへ保存済みの一括改名の設定を当てられる Quick Open も、転送を軸にした使い方の延長にあります。
手元の机として使うなら
Path Finderが積み上げてきたのは、Macの中での作業そのものです。並べ替えられるモジュールで画面を自分の手順に合わせる作り、2画面、AirDropや共有メニューとの連携、Apple silicon でのネイティブ動作。2001年からの蓄積は、細かい操作の当たり前さに出ます。
ForkLiftにも手元の作業のための仕組みはあります。選んだファイルの情報を出し、音声と動画を再生し、画像やPDFを確かめ、テキストはその場で直せるプレビュー。タグの追加・編集・削除・絞り込み。同じ階層の2つのフォルダを片方の移動に追従させる Sync Browsing。1つの枠で複数のフォルダを開けるタブ。机としても使えますが、紹介ページの並び順を見れば、力の入れどころが転送側にあることは分かります。
買う前に答えを出しておく3つの問い
1つ目は、遠隔のサーバへ日常的に繋ぐかどうかです。繋ぐなら ForkLift の列が価格差を埋めます。繋がないなら、その列は費用だけが残ります。
2つ目は、何年おきに買い直す気があるかです。ForkLiftは更新の窓を1年か2年から選ぶ形、Path Finderは1年・2年・5年から選ぶ形です。長く放っておきたいなら、Path Finderの5年は考え方として合います。
3つ目は、手元のmacOSの世代です。macOS 14.6 より前のOSを使っているなら、ForkLiftは4.4以降を入れられません。古い4系を探すか、別の道具を見ることになります。
ターミナルとAIを同じ窓に入れるという、別の軸
この2つを比べていると、比較の軸が「転送か、机か」の2択に見えてきます。ただ、ここ数年で作業の形そのものが変わった人もいます。フォルダを見ながらターミナルでコマンドを打ち、その結果をAIに渡す。この3つを別の窓で行き来していると、どちらのアプリを選んでも窓の数は減りません。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りなら、フォルダを切り替えるとターミナルも一緒に切り替わり、cd を打つ必要がなくなります。サイドバー、ターミナル、プレビューがひとつの画面に収まった状態の一覧はできることで確かめられます。転送クライアントとしての性能を比べる前に、自分が1日に窓を何回行き来しているかを数えてみると、軸が1つ増えます。
作りの系統ごとに向き不向きを整理したものは他のファイル管理との比較にあります。Finderに機能を差し込む系統、独立したアプリの系統、転送を主にした系統では、OSの更新に対する強さがそもそも違います。乗り換えの費用を先に見ておきたい場合は、無料で使える範囲と有料の条件をまとめた料金のページがあります。macOS 14 以降が対象で、Macの中でできることは無料、有料の形は月額・年額・買い切りから選べる作りです。
作業を走らせて席を立つ使い方をしているなら、外から続きを見られるかどうかも材料になります。手元のMacへiPhone・iPadから続きを返せる作りは、転送クライアントの機能表には載らない種類の話です。日本語以外の表示で使う人が身近にいるなら対応言語の一覧を見ておけますし、動作環境と購入まわりの細かい条件はよくある質問に並んでいます。
決める順番は変わりません。サーバへ繋ぐか、何年で買い直すか、手元のOSはどれか。この3つに先に答えてから試用版を触ると、試す時間が短くなります。
よくある質問
ForkLiftとPath Finderは、どちらが安いですか?
売っている単位が違うので、金額だけでは比べられません。1人1台なら ForkLift の単体ライセンスが19.95ドル、Path Finder の1年ライセンスが32.95ドルです。ただし ForkLift は家族向け29.95ドルで台数の制約が外れ、Path Finder は5年ぶんをまとめた122.95ドルがあります。何年使うつもりかを決めてから比べてください。
どちらも買い切りですか?
どちらも月額ではありませんが、永久に最新版が使える形でもありません。ForkLift は更新を受け取れる期間が1年か2年で、その後も最後に入った版は使い続けられます。Path Finder は1年・2年・5年のライセンスキーとして売られています。新しい版を入れたい時点で、あらためて購入する形は共通です。
今のmacOSで動くかを確かめる方法はありますか?
ForkLift は自社のよくある質問に動作条件を書いています。4.4以降は macOS 14.6 以降、4.3.4以降は macOS 26 に対応と明記されています。Path Finder は販売ページに対応OSの記載がないため、購入の前に作り手へ問い合わせるか、手元のOSでの動作を確かめる手段を用意してから決めるほうが確実です。
サーバに繋がない使い方なら、どちらを選べばよいですか?
遠隔のサーバへ繋がないなら、ForkLift の転送まわりの仕組みは費用だけが残ります。手元のMacでの2画面や画面の組み替えを重く見るなら Path Finder が軸に合います。ただし、フォルダとターミナルとAIを別の窓で行き来しているなら、その3つが同じ画面に収まる系統のアプリも候補に入れて比べる価値があります。