Macで外付けHDDをフォーマットする|中身を消す前の確認
Macで外付けHDDをフォーマットする作業は、押すボタンの数で言えば5つほどで終わります。詰まるのはその手前で、どのフォーマットを選ぶかという判断です。ここを用途で決めずに「Macだから」で選ぶと、後からWindowsの機械で読めない、Time Machineに使えない、と気づいて同じ作業をやり直すことになります。選び方を先に固めてから手順に入る順番で整理します。
フォーマットが必要になる場面は3つに分かれる
まず、自分がどの場面にいるのかを確かめます。1つ目は、買ってきたドライブをつないでも使える状態になっていない場合です。
Macで新しく購入した外付けのHDD(ハードディスク)を接続すると、初期化(フォーマット)が必要な場合があります。 出典: fanc.co.jp
2つ目は、いま使っているドライブを空に戻したい場合です。中身を1つずつ削除するより、消去のほうが確実で速く終わります。3つ目は、Windowsの機械で使っていたドライブをMacで使い直す場合です。この3つは操作が同じでも、失って困るデータの有無が違います。1つ目には控えの心配がなく、2つ目と3つ目には控えが要ります。
同じ解説は、2つ目と3つ目についても同じ扱いだと書いています。
新しく購入した以外にも、現在の外付けHDDを一度リセットして空にしたい、もしくは別のパソコン(Windows等)で使っていたHDDを新たにMac用に使いたいという場合も、初期化(フォーマット)が必要です。 出典: fanc.co.jp
場面が決まると、次に決めるのはフォーマットです。ここが実質的な分岐点で、手順の違いはほとんどありません。
HDDにAPFSを選んでよいのかという疑問
APFSはSSD向けという説明を見かけますが、Appleの案内はもう少し広い書き方をしています。APFSは最近のMacで使われているフラッシュとSSDのストレージに最適化されている一方で、従来のハードディスクドライブを搭載した以前のシステムや、直接接続された外部ストレージでも使用できると明記されています。つまり外付けHDDにAPFSを選ぶことは、想定された使い方の範囲に入っています。
選べる形は4つあります。暗号化も大文字と小文字の区別も要らないなら、そのままのAPFSです。中身を守りたいならAPFSの暗号化、ファイル名の大文字と小文字を別のものとして扱いたいならAPFSの大文字と小文字を区別する形、その両方を満たすものも用意されています。Appleは大文字と小文字を区別する形について、Homework と HOMEWORK が2つの異なるフォルダになる例を挙げています。開発の作業で使うドライブでは、この区別の有無が後から問題になることがあります。
APFSにはもう1つの性質があります。コンテナの中の空き領域を、必要に応じて各ボリュームへ自動で割り当てる作りです。1つのコンテナに複数のボリュームを作ると、空き領域が共有されます。外付けを用途別に分けたいとき、あらかじめ容量を固定しなくて済むのはこの仕組みのおかげです。予約する容量と割り当てる上限を指定することもできます。
Windowsと共用するなら、容量で決まる
MacとWindowsの両方で読み書きしたい場合、Appleが挙げているのはWindows互換のフォーマットです。使い分けは容量で決まっていて、MS-DOS(FAT)は32GB以下のWindowsボリューム向け、exFATはそれを超えるWindowsボリューム向けとされています。手元のHDDはほぼ32GBを超えるので、共用の選択肢は実質exFATに絞られます。
共用を選ぶと引き換えになるものがあります。APFSのスナップショットや領域共有といった仕組みは使えません。Time Machineの控えを取る用途にも向きません。逆に、Windowsの機械へそのまま持ち込めることは、受け渡しの作業では大きな利点になります。撮影データの受け渡し用と、作業の控え用を同じドライブで兼ねようとすると、この点で無理が出ます。用途ごとにドライブを分けるか、後述するようにボリュームを分けるほうが素直です。
Appleのユーザガイドには、Windowsコンピュータ用にディスクをフォーマットする手順が別の項目として用意されています。共用が主な目的なら、その手順に沿うほうが迷いが少なくなります。
Time Machineの控え用にするなら、前提が変わる
同じ外付けHDDをTime Machineの控え用にする場合、選べるフォーマットは限られます。tmutil のマニュアルは、Time Machineの控えが入るディスクをHFS+またはAPFSのボリュームと定義しています。exFATは対象に入りません。共用のつもりでexFATにした後に控え用として設定しようとして、選べないことに気づく流れが起きやすい部分です。
容量の目安も示されています。Appleは、Macのストレージ容量の2倍以上あるものが望ましいとし、本体が1TBならバックアップ用は2TB以上が理想という書き方をしています。加えて、控え用のディスクはTime Machine専用にして、他のファイルの保管には使わないよう案内されています。控えが早く消えていくと感じる場合、設定より容量が原因になっている場合があります。
兼用したい場合の道も、上級者向けとして書かれています。外付けのストレージデバイスにAPFSボリュームを追加し、1つを控え用、もう1つを他のファイル用にする形です。この場合も、控え用のボリュームにはMacのストレージ容量の2倍が必要とされています。なお控え用として設定するとき、そのデバイスを消去してTime Machineで使えるようにするかを尋ねられる場合があります。中身を残したいドライブを選んでしまったときは、ここで別のディスクへ切り替えます。
手順そのものは、3つの選択で終わる
道具はMacに最初から入っているものだけで足ります。
Mac OSで外付けHDDを初期化(フォーマット)するには、標準アプリの「ディスクユーティリティ」を使用します。 出典: hanx.jp
アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダからディスクユーティリティを開き、「表示」メニューで「すべてのデバイスを表示」を選びます。サイドバーで対象のストレージデバイスを選び、消去に進みます。ここから決めるのは3つです。
1つ目は方式です。Appleの手順では、「方式」のポップアップメニューからGUIDパーティションマップを選びます。このメニューが使えない場合は、階層の最上位にあるデバイスを選べていないので、選び直します。2つ目はフォーマットで、ここまでで決めた用途に従います。3つ目は名前です。日本語も使えますが、ターミナルから扱う予定があるなら、空白や記号を避けた短い英数字にしておくと後の手間が減ります。
そのうえで「消去」を押し、「完了」で終わります。作業時間はHDDの容量と方式によりますが、通常の消去なら1分前後で終わることが多く、上書きを伴う消去を選ぶと桁が変わります。
何が消えて、何が残るのかを先に確かめる
消去の画面には似た選択肢が並んでいて、影響の範囲が違います。デバイス本体を選んで消去すると、パーティション構成そのものを作り直すため、そのドライブのすべてのボリュームが失われます。特定のボリュームだけを選んで消去した場合は、そのボリュームの中身だけが失われ、パーティションは残ります。コマンド側の説明はこの違いをはっきり分けていて、eraseDisk はディスク全体を消してすべてのボリュームを取り除き、新しいパーティション構成を書き出す操作、eraseVolume は既存のパーティション上に空のボリュームを作り直す操作とされています。
紛らわしいのは、eraseVolume でフォーマットに「Free Space」を指定した場合です。マニュアルによれば、この場合はボリュームが消去されるだけでなく、パーティション自体がパーティションマップから完全に取り除かれます。同じ名前の操作でも、選ぶ値によって結果の重さが変わります。
方式を変える操作にも注意点があります。方式はディスク全体に対する設定なので、方式を変えるとその上のすべてのボリュームが対象になります。1つのボリュームだけを別のフォーマットにしたいなら、方式は触らず、そのボリュームだけを消去する形を選びます。
フォーマットできないときの切り分け
サイドバーに対象のドライブが出てこない場合は、Appleの案内に沿って切り分けます。示されているのは、Macをシステム終了して必須ではないデバイスをすべて外し、もう一度試す手順です。外付けの場合は、ケーブル、接続、電源も確認します。ハブを経由している場合は、機械に直接つないで様子を見るほうが判断が付きます。
表示はされるのに消去が途中で失敗する場合は、First Aidを先に当てる順番になります。ディスクユーティリティのFirst Aidは、下のボリュームから順に上へ当てていく形が案内されています。ここで修復不能なエラーが見つかった場合、Appleの案内は消去へ進む形になっています。それでも消去が通らないときは、媒体の側に原因がある可能性が残ります。
diskutil のマニュアルには、消去の操作には対象のディスクの所有権が必要で、修復では下層の媒体が書き込み可能でなければならないと書かれています。書き込み保護のスイッチが付いた製品や、ハードウェアの暗号化を持つ製品では、この条件に当たることがあります。画面の側でエラーの理由が分からないときは、コマンドの説明のほうに答えが書かれている場合があります。
判断に必要な情報が、複数の窓に散っている
外付けHDDのフォーマットで時間を食うのは、消去の操作ではありません。いま何が入っているかをフォルダの一覧で確かめ、残したいファイルを別のドライブへコピーし、容量の残りを見て、階層の構造をディスクユーティリティで確かめ、詰まったらコマンドの説明を読む。この往復が作業の大半になります。
工程を数えると、手を動かす回数より窓を切り替える回数のほうが多くなります。押した後に戻せない操作が含まれるだけに、確認の回数も増えます。AIに選び方を確かめる場合は窓が1つ増えます。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態なら、対象のドライブの中身を一覧で見ながら、同じ画面で容量や構成を文字で確かめ、控えのコピー先をその場で決められます。
ターミナルを内蔵したファイル管理で何がどこまでできるのかはできることに一覧があり、標準のFinderや他のアプリとの違いは他のファイル管理との比較に整理されています。出先から自宅のMacにつないだドライブの状態を確かめる使い方はiPhone・iPadから続きをが該当し、費用の考え方は料金、導入前に迷いやすい点はよくある質問にまとめられています。
外付けHDDのフォーマットは、選択を3つ済ませれば終わる作業です。やり直しが起きるのは、用途を決める前にフォーマットを決めてしまったときだけです。Macだけで使うのか、Windowsとも共用するのか、控え用にするのか。この1問に先に答えておけば、迷う場面はなくなります。
よくある質問
外付けHDDはAPFSとexFATのどちらを選べばよいですか?
Macだけで使うならAPFSです。Appleの案内では、APFSはフラッシュとSSDに最適化されている一方で、従来のハードディスクドライブや直接接続された外部ストレージでも使用できるとされています。Windowsの機械とも読み書きしたい場合は、32GBを超えるドライブならexFATを選びます。Time Machineの控え用にするなら、exFATは対象外です。
Time Machine用にするとき、フォーマットの指定はありますか?
控えが入るディスクはHFS+またはAPFSのボリュームと定義されているため、exFATは使えません。容量はMacのストレージ容量の2倍以上が望ましいとされ、控え用のディスクは他のファイルの保管と兼用しない案内になっています。兼用したい場合は、外付けにAPFSボリュームを追加して用途を分ける方法があります。
ボリュームだけを消すのと、ディスク全体を消すのはどう違いますか?
ディスク全体を選んで消去すると、パーティション構成を作り直すため、そのドライブのすべてのボリュームが失われます。特定のボリュームだけを選んだ場合は、そのボリュームの中身だけが失われ、パーティションは残ります。方式はディスク全体の設定なので、方式を変える操作はすべてのボリュームに及びます。
消去の途中で失敗します。何を確かめればよいですか?
まずケーブル、接続、電源を確認し、ハブを経由している場合は機械に直接つなぎ直します。サイドバーに表示されない場合は、Macをシステム終了して必須ではないデバイスをすべて外してから試します。表示されるのに失敗する場合はFirst Aidを下のボリュームから順に当てます。書き込み保護が有効な製品では、条件そのものに当たっている場合があります。