Gemini CLIとは何か|Macで使えること・使えなくなったこと
「gemini cli」で調べている人の多くは、ターミナルで動くAIエージェントが自分の手元でも使えるのか、使うとしたら何にいくら払うのかを知りたい段階にいます。 ところが2025年から2026年前半に書かれた解説記事の手順をそのままなぞると、インストールは成功するのにログインの先で止まります。 個人のGoogleアカウント向けの提供が、2026年6月18日で終わっているからです。 この記事では、Gemini CLIがどういう道具なのか、Macで何ができるのか、そしていま自分が使える経路はどれなのかを順に整理します。
Gemini CLIは「ターミナルの中で動くAIエージェント」
Gemini CLIは、Googleが公開しているオープンソースのAIエージェントです。
ChatGPTのようにブラウザで対話するのではなく、gemini というコマンドをターミナルで起動して、いま開いているフォルダのファイルを読ませたり、書き換えさせたり、コマンドを実行させたりします。
エディタの拡張機能ではないので、プロジェクトの種類を選びません。
公開直後から関心が集まった道具で、初期に試した記録は日本語でも多く残っています。
以下の gemini-cli(@geminicli) のポストで見かけた、Gemini の CLI の話です。 出典: qiita.com
できることの柱は4つあります。
大きなコードベースを読ませて説明させること、自然な言葉で指示して修正させること、Google検索の結果を根拠に回答を組み立てさせること、そして対話せずにスクリプトから呼び出して定型作業を回すことです。
GEMINI.md というファイルをプロジェクトに置くと、そのプロジェクト固有の前提を毎回読ませられます。
MCPサーバーを足せば、外部のサービスやデータベースにも手を伸ばせます。
実際の使い方は、プロジェクトのフォルダで gemini と打ち、日本語で用件を書くところから始まります。
「このリポジトリで認証を扱っているのはどのファイルか」「このテストが落ちる理由を調べて」といった依頼に対し、必要なファイルを自分で読みに行って答えを返します。
編集を伴う依頼では、変更内容を示したうえで実行の可否を尋ねる作りになっています。
ターミナルで動くという性質上、扱う対象は「いま起動したフォルダ」です。 別の階層で起動すると、まったく違うファイル群を前提に考え始めます。 この点は、あとの節でもう一度触れます。
2026年6月18日に変わったこと
いちばん先に確かめるべきなのは、Macの条件ではなくアカウントの区分です。 Googleは2026年5月19日付の開発者向けブログで、Gemini CLIの後継としてAntigravity CLIを案内し、個人利用の提供を終える日付を示しました。 この案内によると、2026年6月18日以降、Gemini CLIとGemini Code AssistのIDE拡張は、Google AI ProとUltraの加入者、および個人向けのGemini Code Assistを無償で使っている利用者からのリクエストに応答しなくなりました。 Gemini CLIの公式ドキュメントサイトにも、無償枠とGoogle Oneの利用者は同日にAntigravity CLIへ移行した、という告知が出ています。
一方で、組織向けの経路は変わっていません。 会社や学校がGemini Code AssistのStandardまたはEnterpriseのライセンスを配っている場合、Google CloudのVertex AI経由で使う場合、有償のGemini APIキーで認証する場合は、引き続きGemini CLIが使えると同じ案内に書かれています。
つまり、いまの自分がどちらに当たるかで読むべき記事が変わります。 個人のGoogleアカウントでログインするつもりだった人は、Antigravity CLIの側を見ることになります。 Homebrewのgemini-cliの定義も同じ2026年6月18日付で非推奨に変わり、代替としてantigravity-cliが示されています。 この見極めを先に済ませておかないと、インストールの不具合を疑って何時間も溶かすことになります。
Macでの入れ方と、確かめる順番
条件は2つだけです。 公式のインストールページが推奨する環境は macOS 15 以上、実行に必要なのは Node.js 20 以上です。 メモリは短い対話なら4GB以上、長い対話や大きなコードベースなら16GB以上が目安として挙げられています。
入れ方は次のとおりです。
| 方法 | コマンド | 補足 |
|---|---|---|
| npm | npm install -g @google/gemini-cli |
毎週の安定版に追従する |
| Homebrew | brew install gemini-cli |
2026年6月18日付で非推奨 |
| npx | npx @google/gemini-cli |
入れずに一度だけ試す |
| MacPorts | sudo port install gemini-cli |
既にMacPortsを使っている場合 |
いま選ぶならnpmです。
npmのレジストリが示す最新版が0.60.0であるのに対し、Homebrewの定義は0.46.0で止まっており、更新されていません。
過去にHomebrewで入れた人は、which -a gemini で複数の実体が出ていないかを確かめてください。
2つあると、PATH の並び順で先に見つかったほうが動くので、「更新したのに変わらない」という状態になります。
入れたあとは gemini --version でコマンドが通ることを確かめ、プロジェクトのフォルダの中で gemini を起動します。
起動すると認証方法の選択が出ます。
組織アカウントの場合は export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="プロジェクトID" を先に設定しておきます。
APIキーで使う場合は export GEMINI_API_KEY="キー" を設定してから起動し、選択肢からAPIキーを選びます。
つまずきやすい場所は認証まわりに集中している
公式のトラブルシューティングが挙げている症状は、ほとんどが環境変数と認証の組み合わせです。
command not found: geminiは、npmがグローバルコマンドを置く場所がPATHに入っていないケースです。npm prefix -gで場所を確かめます- 「組織のGemini Code Assist Standardの名前付きユーザーである必要がある」という文言は、
GOOGLE_CLOUD_PROJECTかGOOGLE_CLOUD_PROJECT_IDが設定されていると出ます。個人アカウントで使うなら、.zshrcや.envから消します - 「Request contains an invalid argument」は、Google Workspaceのアカウントや、Gmailに紐づいたGoogle Cloudアカウントで起きると書かれています
unable to get local issuer certificateは、社内ネットワークがTLSを検査している場合です。NODE_USE_SYSTEM_CA=1を設定し、それで直らなければNODE_EXTRA_CA_CERTSに社内の証明書のパスを渡します- 対話画面が出ないときは、
CI_で始まる環境変数が設定されていないかを見ます。CI環境と判定されて対話モードを飛ばします
共通しているのは、以前の試行で残した環境変数が効いている、という筋です。
新しいターミナルを開いて env | grep -i google を確かめるところから始めると早く片付きます。
対話せずに使う道と、隔離して走らせる道
Gemini CLIは対話画面だけの道具ではありません。
gemini -p "このコードベースの構成を説明して" のように書くと、対話に入らず答えだけを返して終了します。
シェルのパイプやcronから呼べるので、毎朝の差分要約や、コミット前の点検のような定型作業に組み込めます。
出力の形も選べます。
--output-format json を付けると構造化された結果が返るため、後続のスクリプトで解析しやすくなります。
長い処理の途中経過を受け取りたい場合は --output-format stream-json を使うと、イベントが1行ずつ流れてきます。
自動化で使うときは、対話前提の手順をそのまま流用せず、この2つのどちらかに寄せておくと扱いが楽になります。
安全側の作りも用意されています。
副作用のありそうなコマンドは、既定ではコンテナの中で実行する設計になっており、gemini --sandbox -y -p "指示" のように書けばコンテナ内で走らせられます。
実行環境を汚したくないとき、他人が書いた手順を試すときは、この形から始めるのが無難です。
モデルを選びたいときは gemini -m モデル名、複数のフォルダをまとめて見せたいときは gemini --include-directories ../lib,../docs のように指定します。
道具より先に、起動する場所を決める
Gemini CLIは起動したフォルダを対象に動きます。
GEMINI.md もそのフォルダから読み、--include-directories を付けたときだけ他の階層を見ます。
ホームフォルダで起動すれば、プロジェクトの文脈を持たないまま考え始めます。
そのため日々の手間は、インストールよりも「目的のフォルダまでどうやって降りるか」に寄ります。
Finderでプロジェクトを探し、ターミナルを開き、同じパスへ cd してから起動する、という往復が毎回入るからです。
フォルダを見ている窓の中でターミナルが開けば、この往復は消えます。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形で作業できるファイル管理アプリなら、いま画面に出ているフォルダでそのままコマンドを打てます。
どんな操作ができるかはできることに、ほかのファイル管理アプリとの違いは他のファイル管理との比較にまとめています。
費用の目安は料金で確かめられます。
エージェントが質問を返して止まっているとき、手元のMacから離れていると作業が止まります。 外出先から続きを返す使い方はiPhone・iPadから続きをで説明しています。
よくある質問
Gemini CLIは無料で使えますか?
Googleの案内では、2026年6月18日以降、個人向けのGemini Code Assistを無償で使っている利用者とGoogle AI Pro・Ultraの加入者からのリクエストには応答しなくなりました。組織のGemini Code Assistライセンス、Vertex AI、有償のAPIキーであれば引き続き使えます。個人の利用者にはAntigravity CLIが案内されています。
Gemini CLIはHomebrewとnpmのどちらで入れるべきですか?
npmをおすすめします。Homebrewの定義は2026年6月18日付で非推奨になり、バージョンも0.46.0で止まっています。npmは毎週の安定版に追従しているため、npm install -g @google/gemini-cli で入れ、更新は @latest を付けて実行します。
Gemini CLIを動かすのに必要なMacの条件は何ですか?
公式のインストールページが推奨する環境は macOS 15 以上で、Node.js は 20 以上が必要です。メモリは短い作業なら4GB以上、長い対話や大きなコードベースを扱うなら16GB以上が目安として示されています。
インストールしたのに `gemini` が見つからないと言われます。どうすればよいですか?
npmがグローバルコマンドを置くフォルダが PATH に入っていないのが原因です。npm prefix -g で場所を確かめ、その下の bin が echo $PATH の中にあるかを見てください。Nodeのバージョン管理ツールを使っている場合は、入れたときと同じバージョンでないとコマンドが見えません。