MacでUSBに書き込みできないとき|形式と権限のどちらなのか
mac usb 書き込み できないという状態は、症状が1つでも原因が3つに分かれます。ボリュームの形式が書き込みに向いていないのか、所有権の扱いで弾かれているのか、ドライブそのものが保護されているのか。この3つは対処がまったく違うため、どれなのかを先に確かめないまま消去やフォーマットに進むと、消す必要のなかったデータを失います。この記事では、書き込めない状態をこの3層に分けて、それぞれをコマンドと画面のどちらで確かめるかを整理します。
順番を間違えると、消さなくてよいデータを消す
書き込めないときに検索して出てくる手順の多くは、消去して作り直す話に行き着きます。確かにそれで書けるようになりますが、中のデータは戻りません。ディスクユーティリティの消去の画面には、その警告がそのまま出ます。
「“ディスク”を消去すると、そこに保存されているデータがすべて削除されます。この操作は取り消せません。」
ターミナル側も同じで、ディスクを扱うコマンドの説明には、多くの操作が確認を出さずに実行されるという注意が最初に置かれています。誤って使うとデータを失うこと、そして操作の前にバックアップを取ることが明記されています。
そこで、確かめる順番を先に決めます。形式、所有権、保護の3つを、それぞれ読み取るだけの操作で確認してから、はじめて書き換える操作に進みます。この順番なら、途中で原因が分かった時点で止まれます。
ボリュームの形式は、推測せずに1行で読む
最初に読むのはボリュームの形式です。画面から確かめるなら、ディスクユーティリティを開いて左上の表示から「すべてのデバイスを表示」を選び、対象のボリュームを選んで右側に出る情報を読みます。
ターミナルからなら、対象の名前を指定して1行で出せます。
diskutil info /Volumes/USBDRIVE
このコマンドは、指定した1つのボリュームについて詳しい情報を返します。読むべき行は、ファイルシステムの種類、読み書きができる状態かどうか、そして所有権が有効になっているかどうかの3つです。ボリュームの名前ではなくdisk2s1のような識別子で指定しても同じ結果が出ます。
Macで書き込みができる形式として選べるものは決まっています。書き込み用に選べる形式の一覧も、1行で確かめられます。
diskutil listFilesystems
返ってくるのは、消去や分割のときに指定できる形式の名前です。ここに並ばない形式は、そのMacでは作れません。
Windows向けの形式は、容量で選ぶものが分かれている
ディスクユーティリティで消去するときに選べる形式のうち、Windowsとやり取りするためのものは2つあり、Appleは容量で使い分けを示しています。
| 形式 | Appleの説明 | 実務での目安 |
|---|---|---|
| APFS | 暗号化や大文字小文字の区別を組み合わせた4種類がある | Macだけで使うとき |
| MS-DOS (FAT) | 32 GB以下のWindowsボリュームに使用します | 小容量のUSBメモリ |
| exFAT | 32 GBを超えるWindowsボリュームに使用します | 大容量の外付けドライブ |
MS-DOS形式には、1つのファイルの容量に上限があります。4GBを超えるファイルは、ボリュームに空きがあっても書き込めません。動画や仮想マシンのイメージを移そうとして途中で止まる場合、原因は権限ではなくこの上限です。書き込もうとしたファイルの容量を確かめれば、その場で切り分けられます。
exFATの側には、この上限がありません。形式の定義に書かれている作成可能な最大の容量は128PB相当で、USBメモリや外付けドライブで上限に当たることはまずありません。WindowsとMacの両方で書き込みたい大容量のドライブであれば、exFATが標準的な選択になります。
NTFSのボリュームは、標準の構成では読むだけになる
Windows機で使っていたドライブをそのまま持ってくると、中身は見えるのにコピーできない、という形で止まります。これはNTFSという形式が、macOSでは読み出しのために用意されていて、書き込みのためには用意されていないことによるものです。
手元のMacの構成を読めば、そのまま確かめられます。ファイルシステムの定義が置かれた場所にはNTFS用の項目があり、そこには読み込むための指定だけがあって、その形式を新しく作るための指定がありません。ディスクユーティリティの消去の画面にNTFSが出てこないのも同じ理由です。
この状態でできることは3つです。
- 読み出し専用のまま、中身をMac側にコピーして使う
- そのドライブをexFATに作り直して、両方から書き込めるようにする
- Windows機側でファイルを移してから、形式を変える
3つ目が回り道に見えても、データを持っているのがそのドライブだけなら、いちばん失うものが少ない道です。書き込めないという症状を消すために形式を変える操作は、そのドライブの中身を全部消す操作と同じだということを、先に確かめておく必要があります。
所有権を無視する設定が、実際に何をしているのか
形式に問題がないのに弾かれる場合は、所有権の層です。Finderで対象のボリュームの情報を開くと、共有とアクセス権の欄に切り替えの項目があります。
「このボリューム上の所有権を無視」
これに印を付けると、そのボリュームに入っているファイルの所有者とグループの設定が、判定の材料から外れます。仕組みとしては、ボリュームを接続するときに所有権を無視する指定が入り、すべての項目が特定の番号の所有物として見えるようになります。その番号は99で、ユーザ側の99はいま操作している本人として解釈され、グループ側の99は不明として扱われます。つまり、誰が持ち主として書かれていても自分の物として扱われるため、書き込めるようになります。
外付けのUSBドライブでは、この「無視する」側が既定の動きです。内蔵のディスクでは所有権を見る側が既定になります。ターミナルからこの設定を切り替えるコマンドも用意されています。
sudo diskutil enableOwnership /Volumes/USBDRIVE
所有権を見る側に変えるのがこれで、戻すのはdisableOwnershipです。この設定はドライブ側ではなく、いま使っているOSの側の一覧に記録されます。そのため、取り外して付け直しても、再起動しても、同じMacでは維持されます。別のMacに持っていくと、そのMacの設定に従います。
所有権を有効にするのは、システムのファイルのように所有者の設定そのものが重要な場合です。単に書き込みたいだけであれば、無視する側にしておくほうが扱いが簡単になります。逆に、Finderで「ボリュームでは所有権が無視されるため、操作を完了できません」という趣旨の警告が出た場合は、この設定を有効にする側の判断になります。
書き込み保護と、ファイルシステムの壊れを分ける
3つ目の層が保護です。ここには性質の違う2つが混ざっています。
1つはハードウェア側の保護です。SDカードや一部のUSBメモリには物理的な切り替えがあり、これが保護側になっていると、OSからは手を出せません。Finderが出すのは次の案内です。
「ディスクが書き込み保護されているため、操作は完了できません。」 「ディスクを取り出し、書き込み保護のタブを変更してからやり直してください。」
もう1つは、ファイルシステムが壊れていて、安全のために読み出し専用として接続された場合です。この状態では、Finderの操作が「この場所は読み出し専用です。」という案内で止まります。こちらは切り替えを探しても見つかりません。
壊れの検査は、ディスクユーティリティの「First Aid」で行います。対象のボリュームを選んで実行すると、検査と修復をまとめて試します。ターミナル側では検査と修復が分かれています。
diskutil verifyVolume /Volumes/USBDRIVE
検査だけを行い、状態を報告します。修復まで進めるならrepairVolumeに替えます。どちらも対象のボリュームを一時的に切り離して処理するため、開いているファイルは先に閉じておきます。
検査が通らないまま書き込みを続けると、壊れている範囲が広がります。修復が通らない場合は、その時点で中身の取り出しを優先し、形式を作り直す判断はデータを移し終えてからにします。
なお、そのドライブをTime Machineのバックアップ先として割り当てている場合は、書き込めないことが異常ではありません。バックアップ用に確保された領域は、Finderから普通のファイルを保存する前提で作られていません。ディスクユーティリティで対象のボリュームを選んだときに、用途としてバックアップが示されているなら、別のボリュームか別のドライブを使う判断になります。同じドライブを保存用とバックアップ用で兼用したい場合は、領域を分けて割り当てるところから決める必要があります。
エラーの文面が、どの層の話かを教えている
書き込めないときに読むべきものは、コマンドの綴りではなく返ってきた文面です。macOSが出す案内は層ごとに違うので、文面から当たる先を決められます。
| 出ている案内 | 疑う層 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| この場所は読み出し専用です。 | 形式かファイルシステムの壊れ | diskutil info の種類と読み書きの状態 |
| ディスクが書き込み保護されているため、操作は完了できません。 | ハードウェア側の保護 | 本体の切り替えの位置 |
| ボリュームでは所有権が無視されるため、操作を完了できません。 | 所有権の設定 | 情報ウインドウの所有権の項目 |
| 容量が足りないという案内 | ファイル1つの上限か空き容量 | 書き込もうとしたファイルの容量 |
文面を控えておくと、後から同じ症状に当たったときに再び切り分けからやり直す必要がなくなります。スクリーンショットではなく文字で残しておけば、そのまま検索にも渡せます。
症状と原因を結び付ける前に、条件を1つずつ変える
書き込めない相談で多いのは、「昨日まで書けたのに今日書けない」「OSを更新してから書けない」という形です。時期が近いものを原因として結び付けたくなるのは自然な読み方で、Macの不具合の相談では同じ型の見立てがよく見られます。
macでのoffice365使用について質問です。 OSを26にアップデートしたあたりからライセンス認証が外れてしまい。 再度ログインしても0x0エラーが表示されログインできません。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
時期が重なっていることと、原因であることは別です。USBの書き込みでも同じで、実際には形式も所有権も前から同じままで、書き込もうとしたファイルの容量が上限を超えただけ、という場合があります。
そこで、条件を1つずつ変えて確かめます。小さなテキストファイルを1つ作って書き込んでみる。それが通るなら形式も権限も生きていて、止めているのは容量か個別のファイルです。それも通らないなら、形式か所有権か保護のどれかです。別のMacに繋いで同じ結果になるなら、原因はドライブ側にあります。
この切り分けは、どれも読み取りと小さな書き込みだけで終わります。消去して作り直す操作は、この切り分けが全部終わってから最後に置いてください。
確かめる窓と打つ窓が離れていると、切り分けが続かない
ここまでの手順は、画面で読む情報とコマンドで読む情報を交互に突き合わせる作業です。Finderで情報を開いて所有権の項目を見て、ターミナルでdiskutil infoを打って形式を読み、返ってきた文面を照らし合わせる。窓が分かれていると、そのたびに切り替えが入り、途中でどこまで確かめたかが抜け落ちます。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態なら、対象のボリュームを選んだまま情報を読み、その場所に対してコマンドを打ち、返ってきたエラーの文面をそのまま検索に回せます。切り分けは「1つ条件を変えて、結果を記録する」の繰り返しなので、往復の回数がそのまま所要時間になります。
道具の側で何ができるかはできることにまとまっています。Finderや他のファイル管理との違いを並べたものは他のファイル管理との比較にあり、外出先のiPhoneから手元のMacの作業を確かめる使い方はiPhone・iPadから続きをに整理されています。費用の目安は料金、判断に迷う点はよくある質問、日本語以外の環境で使う場合は対応言語を見てください。
最初に変えるべきことは1つです。書き込めないと分かった時点で、消去の画面を開く前にdiskutil infoを1行打つ。形式と読み書きの状態と所有権の3つが同時に出るので、3層のうちどこで止まっているかがその1行で決まります。
よくある質問
WindowsのUSBメモリをMacで書き込めるようにするにはどうしますか?
NTFSで作られている場合、標準の構成では読み出しだけになります。そのドライブをMacからも書き込める形にするなら、中のデータを別の場所に移したうえで、ディスクユーティリティの消去でexFATを選んで作り直します。32GB以下の小さなUSBメモリであれば、MS-DOS (FAT) も選択肢に入ります。
空きがあるのに大きいファイルだけ書き込めないのはなぜですか?
MS-DOS形式では、1つのファイルの容量が4GBまでに制限されています。ボリュームに空きが十分あっても、この上限を超えるファイルは書き込めません。動画や仮想マシンのイメージで起きやすい症状です。exFATに作り直すと、この上限はなくなります。
「このボリューム上の所有権を無視」は付けたままでよいですか?
外付けのUSBドライブでは、無視する側が既定の動きです。ファイルの持ち主の設定を判定に使わなくなるため、他のMacで作られたファイルでも書き込めます。所有者の設定そのものが重要な用途、たとえばシステムのファイルを保存する場合だけ、有効にする側を選んでください。
First Aidで修復できなかったときは何をすればよいですか?
書き込みを重ねると壊れている範囲が広がるため、まず読み出せるファイルを別の場所にコピーして確保します。取り出しが終わってから、消去して形式を作り直すかどうかを判断します。修復が通らないドライブに書き込みを試し続ける手順は、取り出せる範囲を狭める方向に働きます。