Macの外付けHDDのフォーマット形式|おすすめの選び方の順番

Macの外付けHDDのフォーマット形式でおすすめを調べると、APFSとexFATのどちらかを勧める記事に行き当たります。どちらも正解になる場面があり、どちらも失敗になる場面があります。形式は性能で決まるものではなく、そのディスクを何につなぐかで決まります。ここではAppleがディスクユーティリティで挙げている形式と用途をそのまま並べ、APFSの容量の仕組み、exFATが持たない情報、Time Machineの条件を確かめたうえで、選ぶ順番を4つの質問に落とします。

形式の話の前に、つなぐ相手と用途を先に決める

形式選びが迷子になる原因は、順番が逆になっていることです。「いちばん速い形式」「いちばん安全な形式」を探すと決まりません。決まるのは、次の4つに答えたときです。

このディスクをMac以外につなぐか。つなぐなら、その相手は何か。Time Machineのバックアップ先にするか。そして中身は何を保存するのか。この4つで形式はほぼ1つに絞られます。速度や機能の比較が効いてくるのは、4つの答えが同じ形式を指した後です。

実際に起きる困りごとも、この順番を飛ばしたところから出てきます。

Macです。一度APFSでフォーマットした外付けHDD/SSDは、もう一度フォーマットしようとしてもAPFS以外でフォーマットすることは出来ないのでしょうか?exFATなどの形式でフォーマット出来なくなって困ってます。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この行き止まりには理由があります。APFSは、コンテナという入れ物の中にボリュームを作る構造です。diskutil の説明書を見ると、ディスクそのものを消す操作には方式(スキーム)を指定する引数があり、ボリュームだけを消す操作には方式の引数がありません。つまり対象をボリュームにしている限り、入れ物ごと作り替えることはできません。形式を別の系統へ入れ替えるときは、ディスクそのものを対象にします。

ディスクユーティリティに並ぶ形式と、Appleが書いている用途

Appleがディスクユーティリティで選べる形式として挙げているのは、次のものです。表現もAppleの説明のとおりに並べます。

APFSの系統は4つあります。「APFS」は暗号化も大文字小文字の区別も必要ない場合に選ぶもの。「APFS(暗号化)」はボリュームを暗号化するもの。「APFS(大文字/小文字を区別)」はファイル名とフォルダ名で大文字と小文字を区別するもの。「APFS(大文字/小文字を区別、暗号化)」は両方です。この系統が使えるのは macOS 10.13 以降とされています。

Mac OS Extendedの系統も4つあります。「Mac OS Extended(ジャーナリング)」は階層ファイルシステムの整合性を保護するMacの形式で、中身はジャーナリング付きのHFS Plusです。これに暗号化を加えたもの、大文字小文字の区別を加えたもの、両方を加えたものが並びます。Appleはこの系統の適用範囲を macOS 10.12 以前と書いています。

Windows向けは2つで、境目が明記されています。「MS-DOS(FAT)」は32GB以下のWindowsのボリュームに使うもの、「ExFAT」は32GBを超えるWindowsのボリュームに使うものです。

この一覧にNTFSは入っていません。Windows機で使っていたディスクをそのままMacの作業用に使い回すつもりなら、ここで選び直す対象になります。

Mac専用ならAPFS。容量を分け合う仕組みを先に理解しておく

つなぐ相手がMacだけなら、選ぶのはAPFSです。暗号化が要るかどうか、大文字小文字の区別が要るかどうかで4つのうち1つが決まります。

大文字小文字の区別は、要るかどうかがはっきりしない限り付けないほうが扱いやすくなります。区別する設定にすると Report.pdf と report.pdf が別のファイルとして共存します。開発用のリポジトリを保存するなど、区別があることを前提にした使い方では役に立ちますが、写真や書類を保存するだけのディスクでは取り違えの種になります。

APFSで先に知っておく価値があるのは、容量の持ち方です。diskutil の説明書は、APFSのボリュームは決められた容量を持たず、親のコンテナの残り容量から使うぶんを取り、消したぶんを返すと説明しています。同じコンテナの中のボリュームは、残り容量を取り合う関係になります。パーティションで区切ったつもりで2つのボリュームを作ると、片方が膨らんだときにもう片方の空きが減ります。

これを制御する仕組みも用意されています。説明書によれば、予約(reserve)を指定するとそのボリュームに最低限の容量が保証され、上限(quota)を指定するとそのボリュームが使える量に天井を設けられます。取り合いを避けたい使い方では、予約と上限を決めてからボリュームを作ることになります。

もう1つ、APFSにはコピーの仕組みがあります。説明書は、書き込み時コピーによる効率的なファイルの複製に対応していると書いています。同じ内容を2か所に保存しても、変更するまでは実際の容量を追加で使いません。大きな素材を複製して作業する使い方では、この性質がそのまま空き容量の余裕になります。

WindowsとMacの両方で使うならexFAT。ただし持ち主と権限の情報を持たない

Windows機とMac機の間でディスクを行き来させるなら、Appleの説明どおり32GBを超えるものはExFATを選びます。ここで押さえておく点が1つあります。exFATはファイルごとの持ち主と権限の情報を持ちません。

mount_exfat の説明書に、その扱いが書かれています。持ち主、グループ、許可の上限をそれぞれ指定する引数があり、3つのいずれも指定しなかった場合、そのボリュームはMNT_UNKNOWNPERMISSIONSという印を付けてマウントされると書かれています。これは持ち主を見ないという指定と同じ意味です。MS-DOS形式をマウントするコマンドの説明書にも、同じ記述があります。

実務上の意味は2つです。都合がよい面として、他のMacや他のアカウントへ持って行っても「アクセス権がありません」と言われません。誰の持ち物でもない扱いになるため、受け渡し用のディスクとしては摩擦が少なくなります。困る面として、権限で守る使い方ができません。同じディスクを触れる人は全員が全部を読み書きできます。

そのため、何を保存するかの判断が要ります。受け渡しの素材や書き出したファイルを保存するには向いています。Macのシステムやアプリケーション、権限が意味を持つ作業ディレクトリの保存先としては向いていません。ディスク1台で両方を兼ねたい場合は、Mac側の作業用にAPFSのボリュームを別に用意する構成になります。

なお32GB以下のUSBメモリなどでは、AppleはMS-DOS(FAT)を挙げています。機器側が古い形式しか読めない場合はこちらを選びますが、いまの外付けHDDの容量では選ぶ場面がほとんどありません。

Time Machineに使うなら、AppleはAPFSを勧めている

バックアップ先にするなら条件が変わります。Appleはこの点を明記していて、APFSまたはAPFSの暗号化がTime Machineのバックアップディスクとして推奨される形式だと書いています。同時に、Mac OS Extended(ジャーナリング)とMac OS Extended(大文字/小文字を区別、ジャーナリング)の形式のディスクへのバックアップも引き続きサポートしているとされています。Xsanの形式も挙げられています。

新しいバックアップ先を選んだときの動きも説明されています。選んだディスクがAPFSでない場合は、消去して再フォーマットする選択肢が出ます。ただし、Mac OS Extendedの形式で既存のTime Machineのバックアップが入っているディスクの場合は、消去と再フォーマットを求められません。

使えないものもはっきり書かれています。Windowsの形式のディスク、iPhone、iPad、iPodはバックアップ先に使えません。接続先として挙げられているのは、AirPort Time Capsule、SMBまたはAFPに対応したネットワーク接続の保存装置、USBやThunderbolt接続の外付けの保存装置です。

復元の側にも制約があります。macOS 12以降のMacで作ったバックアップは、macOS 11以降のMacにしか復元できないとされています。古いMacへ戻す前提があるなら、この行を先に読んでおく価値があります。

ここから導ける判断は単純です。バックアップ専用のディスクなら、迷わずAPFSにします。作業用と兼用にしたい場合は、コンテナの残り容量を取り合う関係を思い出して、予約か上限を決めるか、そもそもディスクを分けるかを選びます。

方式(スキーム)の選び方。GUIDパーティションマップが既定

形式のほかに、方式を選ぶ欄があります。diskutil の説明書は3つを挙げていて、MBRはDOSとWindowsに対応した区切り方、GPTはGUIDパーティションテーブルの区切り方で、Intel搭載のMacを起動するために使われる方式だと説明されています。Appleの消去の手順でも、方式のメニューから「GUIDパーティションマップ」を選ぶよう書かれています。

迷う余地はほとんどありません。いまのMacで使うディスクならGUIDパーティションマップを選びます。MBRを選ぶのは、それしか読めない古い機器につなぐと分かっているときだけです。方式の欄は、対象をディスクそのものにしたときに現れる欄で、コンテナの中のボリュームを対象にしているときには出てきません。冒頭の「APFS以外が選べない」という行き止まりは、この違いから生まれています。

方式を選び直すと、そのディスク上のすべてのボリュームが作り替えの対象になります。1つのボリュームだけを直すつもりで方式を触ると、隣のボリュームも消えます。作業に入る前に、そのディスクの中身を一覧で確かめておく手順が要ります。

消す前に控えを取る。やり直しが効かない操作

Appleは消去について、保存装置を消去するとその中のすべてが削除されると書いています。残したいファイルがあるなら、消去する前に別の保存装置へコピーするようにと明記されています。フォーマットの作業は、進める前が唯一のやり直せる地点です。

SSDについての注意も書かれています。ディスクユーティリティでは安全な消去の選択肢が使えないとされ、代わりにFileVaultによる暗号化を有効にする方法が挙げられています。中身を読めない状態で手放したいなら、消し方を工夫するのではなく、最初から暗号化された形式で使うという考え方になります。Appleシリコン搭載のMacやT2チップを搭載したIntelのMacを下取りに出したり譲ったりする場合は、ディスクユーティリティではなく消去アシスタントを使うようにと案内されています。

控えの取り方には順番があります。コピーが終わったことを確かめてから消します。件数と容量を突き合わせ、開いて中身が読めるかを何点か確かめる。ここを省いて消した場合、取り返す手段はほとんど残りません。

選ぶ順番を4つの質問にする

最初に挙げた4つの質問に、ここまでの事実を当てはめます。

Mac以外につなぐか。つながないならAPFSです。つなぐなら相手を見て、Windowsが相手で32GBを超えるディスクならExFATです。Time Machineのバックアップ先にするか。するならAPFSで、Windowsの形式は使えません。中身は何を保存するのか。権限で守りたいものが入るならAPFSで、受け渡しの素材だけならExFATでも支障が出ません。1台で兼ねたいか。兼ねたいならAPFSのボリュームとExFATの区画を別に作り、容量の取り合いを予約か上限で抑えます。

形式を決めた後に残る作業のほうが、実は手数が多くなります。控えのコピーが終わったかを一覧で確かめ、件数と容量を突き合わせ、消去の対象がディスクかボリュームかを確かめ、終わったら中身が読めるかを開いて見る。どれもフォルダの画面とコマンドの画面を行き来する作業です。

工程を数えると、打つコマンドの数より画面を切り替える回数のほうが多くなります。ここで効くのは、フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態にして、一覧で選んだディスクのパスをそのままコマンドに渡し、結果を同じ画面で数えられるようにすることです。

ターミナルを内側に持つファイル管理で何がどこまでできるのかはできることに一覧があり、標準のFinderや他の道具との向き不向きは他のファイル管理との比較に9項目で整理されています。自宅のMacと外付けディスクの様子を出先から見る使い方はiPhone・iPadから続きをが該当します。費用の考え方は料金にあり、Mac単体の機能は無料で、iPhoneとiPadから使う分だけ月額780円などの選択肢が用意されています。導入前に迷いやすい点はよくある質問にまとめられています。

形式の名前を覚える価値は、実はあまりありません。覚える価値があるのは、つなぐ相手で決まるという順番と、消す前が唯一のやり直せる地点だという2点です。

よくある質問

Mac専用の外付けHDDにおすすめの形式はどれですか?

APFSです。Appleは暗号化も大文字小文字の区別も必要ない場合にAPFSを選ぶよう案内していて、この系統が使えるのは macOS 10.13 以降とされています。大文字小文字を区別する設定は、区別を前提にした使い方でない限り付けないほうが取り違えが起きません。

WindowsとMacで共有するならどの形式ですか?

AppleはWindowsのボリュームについて、32GBを超えるものにはExFAT、32GB以下にはMS-DOS(FAT)を挙げています。ただしexFATはファイルごとの持ち主と権限の情報を持たず、持ち主を見ない形でマウントされます。受け渡しの素材を保存するには向きますが、権限で守る使い方には向きません。

Time Machineのバックアップ先はどの形式にすればよいですか?

AppleはAPFSまたはAPFSの暗号化を推奨される形式としています。Mac OS Extended(ジャーナリング)と、大文字小文字を区別するその形式も引き続きサポートされています。Windowsの形式のディスクとiPhone、iPad、iPodはバックアップ先に使えません。

一度APFSにしたディスクを他の形式に戻せますか?

戻せます。行き止まりに見えるのは、コンテナの中のボリュームを対象にしているためです。ボリュームだけを消す操作には方式を指定する引数がなく、ディスクそのものを対象にする操作にはあります。対象をディスクに切り替えれば他の形式を選べます。中身はすべて削除されるため、先に別の保存装置へコピーします。

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