Macで外付けHDDをフォーマットできないとき|掴んでいる物を外す
「mac 外 付け hdd フォーマット できない」で検索したとき、実際に起きている症状は一つではない。消去のボタンが押せない、方式のメニューが灰色のまま選べない、途中で「マウント解除できませんでした」と出て止まる、そもそもディスクユーティリティの一覧に出てこない。原因が違えば打つ手も違う。この記事では症状を3つの型に切り分けたうえで、それぞれの対処と、消去のときに選ぶ項目の決め方を整理する。数字と画面の言葉はAppleの公開資料とmacOSに入っているマニュアルで確かめた範囲で書く。
フォーマットできないときに最初に見分ける3つの型
手を動かす前に、症状がどれに当たるかを決める。切り分けを飛ばすと、関係のない手順を何度も試すことになる。
- 選べない型。「方式」のメニューが灰色になっている、あるいは消去のボタンが押せない。これは選んでいる対象の階層が違う
- 掴まれている型。消去を押すと「マウント解除できませんでした」と出て止まる。何かのアプリやプロセスがそのボリュームを使っている
- 見えない型。ディスクユーティリティの一覧にドライブが出てこない。接続かケーブルか、電源の問題である可能性が高い
3つ目に当たる場合は、そもそもフォーマットの話ではない。差し直す、別のポートに変える、電源が要る品なら電源を確かめる、といった順で確かめる。ディスクユーティリティに出ていない相手は消去できない。
「方式」が選べないときはディスク本体を選んでいない
いちばん多いのがこの型である。ディスクユーティリティのサイドバーには、ドライブそのものと、その中のボリュームが階層で並ぶ。消去でパーティション方式まで変えられるのは、ドライブそのものを選んでいるときだけである。中のボリュームを選んでいると、方式のメニューは灰色になる。
そしてもう一つの落とし穴がある。既定の表示では、ドライブそのものが一覧に出ていないことがある。Appleの手順は、この指定から始まっている。
「表示」>「すべてのデバイスを表示」と選択します。サイドバーで、消去したいストレージデバイスを選択してから、をクリックします。「方式」ポップアップメニューをクリックして、「GUIDパーティションマップ」をクリックします。「方式」ポップアップメニューを使用できない場合は、消去したいストレージデバイス(階層の最上位にあります)を選択していることを確認してください。 出典: support.apple.com
つまり順番は、メニューバーの「表示」から「すべてのデバイスを表示」を選び、階層の最上位にあるドライブを選び、それから消去を押す。この3手を守ると、選べない型はほぼ解消する。
掴まれていて止まるときに外すもの
「マウント解除できませんでした」で止まるのは、そのボリュームを誰かが使っているからである。この「誰か」はアプリだけではない。Time Machineのバックアップ先になっている、写真やミュージックのライブラリがそこにある、ターミナルでそのフォルダに降りたままになっている、圧縮や同期の処理が動いている。どれも該当する。
macOSは、マウントを外す前に関係するプロセスへ確認を取る。diskutilコマンドのマニュアルは、システム内の反対意見が取り下げられるまで数秒以上かかることがあり、多くの場面では最大1分で失敗として戻ると書いている。つまり画面が1分近く止まってからエラーになるのは、故障ではなく仕様どおりの挙動である。
外す手順は上から順に試す。そのドライブを参照しそうなアプリを終了する。ターミナルで開いているシェルを、そのフォルダの外へ移す。Time Machineのバックアップ先に指定されているなら、いったん指定を外す。写真やミュージックのライブラリが入っているなら、そのアプリを終了する。それでも残るなら、Macを一度ログアウトして入り直すと掴んでいる側が全部落ちる。強制的に外すやり方もあるが、書き込みの途中だった場合にファイルが壊れるので、掴んでいる相手を突き止めるほうが結果は安全である。
フォーマット形式は用途から先に決める
消去の画面では、名前とフォーマット形式とパーティション方式の3つを決める。この3つを適当に選ぶと、あとで使えないという話は以前から指摘されている。
全体の流れとしては上記のとおりですが、フォーマットの設定を選ぶ必要があります。適当に選んでしまうとOSがインストールできない、ファイルが転送できないなど、的確な動作をしなくなります。それぞれの意味を理解し、使用目的によって最適な設定を選びましょう。 出典: recoverit.wondershare.jp
Appleが示している選択肢は次のとおりである。macOS 10.13以降のMacの既定はAPFSで、暗号化や大文字と小文字の区別が要らなければ素のAPFSを選ぶ。暗号化して使うならAPFSの暗号化版、ファイル名の大文字と小文字を別物として扱いたいなら区別する版がある。Windowsとやり取りする前提なら、MS-DOS(FAT)とexFATが用意されていて、MS-DOS(FAT)は32 GB以下のWindowsボリューム向け、exFATはそれを超える場合に選ぶものとして案内されている。
パーティション方式は接続先の機械で決める
方式の選択肢は3つある。IntelプロセッサでもAppleシリコンでも、Macで使うなら「GUIDパーティションマップ」を選ぶ。Windows機との互換を優先するなら「マスターブートレコード」、PowerPC世代の古いMacとの互換が要るなら「Appleパーティションマップ」である。迷ったらGUIDパーティションマップで問題にならない。新しいWindows機の一部もこの方式を使える。
Windowsの機械で使う前提でフォーマットするときは、名前の長さにも制限がある。Appleの手順には、ボリューム名の最大文字数は11文字と書かれている。ここを超えた名前を入れると、あとから短く切られて見えることがある。案件名を頭に付けたい場合は、11文字の枠に収まる略称を先に決めておく。
読めるのに書けないドライブは、フォーマットの前に方法を選ぶ
Windowsで使っていた外付けドライブをMacに繋ぐと、中身は見えるのに書き込めない、という状態になることがある。このとき慌ててフォーマットすると、中のデータは消える。データを残したまま使う道もある。
ただし、フォーマットすると外付けHDD内のデータはすべて消去されます。データを残したままMacで使いたい場合は、NTFSドライバーを利用する方法が安全です。 出典: a1d.co.jp
判断の順番はこうなる。中のデータが要るかどうかを先に決める。要るなら、別のドライブへ全部写してからフォーマットする。写す先が無い、あるいはこの先もWindows機と共用するなら、書き込みに対応させる方法を探すか、そのドライブは読み出し専用として使い、Mac用のドライブを別に立てる。消してから「あれが入っていた」と気付く順番だけは避ける。
セキュリティオプションが押せないときと、SSDの扱い
消去のダイアログには「セキュリティオプション」というボタンがある。押すと、消したデータを上書きする回数をスライダで選べる。ただしこのボタンは常に押せるわけではない。Appleの説明では、確実な消去は一部のタイプのストレージデバイスでのみ使えて、ボタンが押せない状態であればそのデバイスでは確実な消去を実行できない。
SSDについては、確実な消去のオプションは利用できないと明記されている。代わりの手として案内されているのは、そのドライブを使い始めるときにFileVaultによる暗号化を有効にしておくことである。中身を上書きして消すのではなく、最初から鍵が無ければ読めない状態にしておく、という考え方である。譲渡や売却を考えているなら、この順番を先に選んでおくほうが後で楽になる。
Appleシリコン搭載のMac、あるいはIntelプロセッサとApple T2セキュリティチップを搭載したMacの本体を下取りや売却に出す場合は、消去アシスタントを使うようAppleは案内している。外付けドライブの話とは別の道具なので、混同しないようにする。
消去を押す前に確かめておく4つのこと
消去は取り消せない。Appleの手順にも、保存したいファイルがあるなら消去の前に別のストレージデバイスへコピーしてくださいと書かれている。押す前に確かめるのは次の4つである。
1つ目は、対象のドライブの名前と容量である。同じメーカーの同じ型を2台つないでいると、サイドバーの表示が似通う。容量まで見て、消してよい側かを確かめる。
2つ目は、中に何が入っていたかである。フォルダを開いて一覧を見るだけでは足りない。隠しファイルや、Time Machineのバックアップのように中身が見えにくい形で入っているものもある。使い始めた時期と用途を思い出せないドライブなら、消す前に全体を別の場所へ写しておく。
3つ目は、写す先の空き容量である。写している途中で足りなくなると、どこまで写せたのかが分からない状態で止まる。先に必要な容量を確かめる。
4つ目は、作業に使える時間である。容量が大きいドライブでは、消去そのものは短くても、事前の写しに数時間かかる。途中でケーブルを抜くことになる時間帯には始めない。
それでも消去できないときに見るところ
上の手順を踏んでも消去が通らない場合、残る原因は3つに絞られる。
- 物理的な故障である。異音がする、認識されたりされなかったりする、転送が途中で切れる。この場合はフォーマットを繰り返すほど状態が悪くなる。中のデータが要るなら、これ以上通電せずに相談先を探す
- ケーブルかポートである。付属以外のケーブルを使っている、ハブを経由している、電源が必要な品を電源なしで繋いでいる。Macに直接、付属のケーブルで、電源を入れて繋ぎ直す
- ドライブ側のハードウェアの書き込み禁止である。品によっては本体側にスイッチや設定がある。取扱説明書か製造元のページを確かめる
どれにも当たらず、しかも一覧には出るのに消去だけ通らないという状態が続くなら、別のMacに繋いで同じことを試すと切り分けが進む。相手を変えて同じ症状が出るならドライブ側、出ないなら手元のMac側の問題である。
起動ディスクが相手のときと、コマンド側の前提
消したいのが外付けではなく起動ディスクだった場合、Macが動いている最中には消せない。macOS復旧から起動して、復旧の画面でディスクユーティリティを選ぶ。起動の仕方はAppleシリコン搭載機とIntel搭載機で違うので、手元の機種の手順を先に確かめておく。
ターミナル側から消去する道もあるが、前提が1つ増える。diskutilのマニュアルには、eraseDiskやeraseVolumeについて、対象のディスクの所有権が必要だと書かれている。所有権が無い状態では、コマンドを叩いても同じところで止まる。画面から消せないものが、コマンドに変えたら消せるようになるわけではない。画面で止まったときは、コマンドに逃げる前に掴んでいる相手を探す。それが遠回りに見えて実は速い。
消去の前後で画面を行き来する回数についての考察
この作業は、ふだんより多くの窓を開くことになる。ディスクユーティリティ、掴んでいる相手を探すためのターミナル、手順を確かめるブラウザ、そして写す先のフォルダを開いたFinder。窓が増えるほど、どのドライブを選んでいたのかを目で確かめ直す回数が増える。消去の対象を取り違える事故は、この確かめ直しの隙に起きる。
同じ画面の中にフォルダの階層とコマンドの結果を置く作り方をしているファイル管理アプリもある。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある構成なら、写す先の空きを見ながら同じ画面でコマンドの結果を確かめられる。画面に何が入るのかはできることのページに並んでいる。Finderや既存のエディタと何が違うのかを項目ごとに整理したページが他のファイル管理との比較で、道具を替えるかどうかの材料としてはこちらが早い。
写す作業に数時間かかるときは、席を離れたまま様子を見たいこともある。その場合の作りはiPhone・iPadから続きをにまとめられている。費用の考え方は料金に、導入前に引っかかりやすい点はよくある質問に、画面の言葉の対応状況は対応言語にある。フォーマットできない原因の大半は、機械の故障ではなく「いま何がそれを掴んでいるか」を把握できていないことである。把握を人間の記憶に預けない形にしておくと、同じ症状で止まる回数が減る。
よくある質問
「方式」のメニューが灰色で選べません。どうすればよいですか?
選んでいる対象が、ドライブの中のボリュームになっています。メニューバーの「表示」から「すべてのデバイスを表示」を選び、サイドバーで階層の最上位にあるドライブそのものを選んでから消去を押してください。パーティション方式を変えられるのは、ドライブ本体を選んでいるときだけです。
「マウント解除できませんでした」と出て止まります。
そのボリュームを何かが使っています。Time Machineのバックアップ先になっていないか、写真やミュージックのライブラリが入っていないか、ターミナルでそのフォルダに降りたままになっていないかを確かめてください。マウントを外す処理は最大1分ほど待ってから失敗として戻るので、途中で画面が止まっても故障ではありません。
フォーマット形式はどれを選べばよいですか?
Macだけで使うならAPFSです。macOS 10.13以降の既定の形式で、暗号化や大文字と小文字の区別が要らなければ素のAPFSを選びます。Windowsとやり取りするなら、32 GB以下はMS-DOS(FAT)、32 GBを超える場合はexFATが案内されています。パーティション方式はMacで使うならGUIDパーティションマップです。
Windowsで使っていたドライブは、フォーマットしないとMacで使えませんか?
中身が見えるだけで書き込めない状態なら、書き込みに対応させる方法もあります。フォーマットすると中のデータはすべて消えるので、データが要るなら先に別のドライブへ写してください。この先もWindows機と共用するなら、そのドライブは読み出し専用のまま使い、Mac用を別に立てる形も取れます。