Claude CodeをiPhoneから動かす3つの道|止まった作業に返す
claude code iphoneで調べる人の多くは、同じ場面に立っています。Macでエージェントに長い作業を任せて席を離れ、戻ってきたら、実行の許可を求める問いで止まったまま何十分も待っていた、という場面です。この待ち時間を消すには、iPhoneから返事だけを送れる状態を作れば足ります。方法は3つあり、必要な準備の量と、Macの電源を切ってよいかどうかが違います。ここでは3つを比べたうえで、手順と通知の設定、そして前提条件を整理します。
iPhoneから動かす道は3つあり、選ぶ基準は「Macを開けたままにできるか」
まず前提を1つ。Claude Codeには専用のスマートフォンアプリがありません。iPhoneとiPadで使うのはClaudeのアプリで、その中の「Code」タブが入口になります。iPadでも同じiOS用アプリを入れます。アプリ自体はコードが動く場所ではなく、どこかで動いているセッションに繋ぐための窓です。
繋ぎ先が3種類あり、それが3つの道に対応します。
| 道 | コードが動く場所 | Macの電源 | 必要な準備 |
|---|---|---|---|
| Remote Control | 手元のMac | 入れたまま | プロジェクトのフォルダでコマンド1つ |
| クラウドセッション | Anthropic側の環境 | 切ってよい | GitHubの連携 |
| Dispatch | 手元のMac(デスクトップアプリ) | 入れたまま | デスクトップアプリとアプリの紐付け |
判断の軸は1つだけです。手元のMacにあるファイルやMCPサーバー、プロジェクトの設定を使う作業なのかどうか。使うなら手元のMacで動かす道、つまりRemote ControlかDispatchになります。使わず、GitHubにあるリポジトリだけで完結する作業なら、クラウドセッションにしてMacを閉じてしまうのが速いです。
Dispatchはデスクトップアプリ側の仕組みで、Pro契約とMax契約でのみ使えます。TeamとEnterpriseでは提供されていません。ターミナルで作業している人にとって実用的なのは、残る2つです。
手元のMacをそのまま動かす手順
Remote Controlは、いま動いているターミナルのセッションに、iPhoneから割り込んで話しかける仕組みです。実行もファイルの読み書きもMacの上で起き続けるので、ローカルのMCPサーバーもプロジェクトの設定もそのまま使えます。
手順は4つです。
- iPhoneにClaudeのアプリを入れて、Claude Codeと同じアカウントでサインインする。ターミナルで
/mobileを実行すると、アプリの入手先を開くQRコードが表示されます。 - プロジェクトのフォルダで一度
claudeを実行し、そのフォルダを信頼するかの確認に答えておく。この確認はホームフォルダに対しては保存されないため、必ずプロジェクトのフォルダで行います。 - 同じフォルダで
claude remote-controlを実行する。初回は内容の説明と確認が出るので承諾します。セッションのURLが表示され、スペースキーを押すとQRコードに切り替わります。すでに開いているセッションに後から足す場合は、そのセッションの中で/remote-controlと打ちます。 - iPhoneのアプリでCodeタブを開き、一覧からそのセッションを選ぶ。QRコードを読み取っても同じ場所に着きます。オンラインのセッションには、パソコンの形の印と緑の点が付きます。
繋がると、ターミナルで進んでいる会話がそのまま画面に流れてきます。送れるのは返事だけではありません。実行の許可を求める問いにも答えられますし、裏で走っているサブエージェントを止めることもできます。git管理下のフォルダなら、変更の差分も端末側で見られます。
写真の添付も動きます。アプリで写真を付けると、Claudeがその画像を直接見るだけでなく、Claude Codeが ~/.claude/uploads/ の下に保存してそのパスをClaudeに伝えます。画像を作成物に組み込ませたいときに、これが効きます。写真以外のファイルは、Macにダウンロードされたうえで @ のファイル参照として渡されます。
止まって待っていることに気づくための通知設定
iPhoneから返せる状態を作っても、止まったこと自体に気づかなければ待ち時間は減りません。Remote Controlが有効な間は、Claudeの判断でiPhoneに通知が届きます。長い作業が終わったとき、そして判断を求めるときが典型です。
設定はターミナル側で行います。/config を開き、「Push when Claude decides」と「Push when actions required」のどちらか、または両方を有効にします。前者が作業の区切りの通知、後者が許可を求める問いの通知です。この2つ以外に、出来事ごとの細かい設定はありません。特定の場面で知らせてほしいときは、指示の文中に「テストが終わったら通知して」と書いておけば、その場面でも届きます。
届かないときの見どころは3つあります。
/configに「No mobile registered」と出ている場合は、iPhoneでアプリを一度開くと通知の宛先が更新されます。- iOSの集中モードと通知の要約は、通知を止めたり遅らせたりします。設定アプリの通知の項目でClaudeの扱いを確認します。
- 接続したターミナルで入力している間、通知は意図的に飛ばされます。席にいる間は鳴らさない作りになっているためです。
この最後の挙動は覚えておく価値があります。手元で試すと通知が来ないので、設定が間違っていると誤解しがちです。席を離れて初めて届きます。
クラウド側で走らせて、Macを閉じてしまう
Macを閉じたい、あるいは外出先で新しく作業を始めたい場合は、クラウドセッションのほうが向いています。ターミナルからは次のように始められます。
claude --cloud "認証まわりの不具合を直す"
これで新しいクラウドセッションが作られ、そのままiPhoneのアプリから経過を追えます。注意したいのは、クラウド側が複製するのは手元の作業フォルダではなく、GitHubのリモートの、いま開いているブランチだという点です。手元にしかないコミットがある状態で始めると、そのコミットは反映されません。先に送っておく必要があります。
セッションの管理は画面側で行います。
環境の追加・管理は claude.ai/code から行えます。複数の Mac を使い分けている場合に便利です。 出典: qiita.com
走っているセッションに後から一言足すだけなら、どのマシンからでも次の形で送れます。ログインしていれば、始めたマシンである必要はありません。
claude -p "テストも直しておいて" --cloud <セッションID>
戻ってきたあと、続きを手元で引き取りたい場合は claude --teleport です。会話の履歴とブランチをそのまま手元に引き込みます。ただし作業フォルダに未コミットの変更が残っていると、退避するかを尋ねられます。引き取ったあとは手元のセッションになるので、そこからまたiPhoneで操作したいなら /remote-control を始め直します。
クラウドセッションはアカウント全体の利用上限を共有します。複数を並べて走らせれば、その分だけ上限を使います。一方で、クラウド側の計算資源に対する別料金はありません。
SSHとVPNで繋ぐ従来の方法との違い
この話題を解説している記事の多くは、MacのSSHを有効にし、TailscaleでiPhoneとMacを同じネットワークに入れ、iPhoneのターミナルアプリから繋ぐ手順を紹介しています。この方法は今も動きます。Macの画面をそのまま持ち歩ける自由度があり、Claude Code以外の作業にも使えます。
一方で、必要なものの数が違います。事実として並べると次のようになります。
| 項目 | Remote Control | SSHとVPNで繋ぐ方法 |
|---|---|---|
| Macで開けるポート | 開かない(外向きのHTTPSのみ) | SSHのポートを開ける |
| 追加で入れるもの | なし | VPNのアプリとiPhoneのターミナルアプリ |
| 画面 | Claudeのアプリの会話画面 | ターミナルの画面をそのまま |
| 許可を求める問い | 端末側に転送される | ターミナル越しにキーを送る |
| 通知 | iPhoneへのプッシュ通知 | 別途仕組みが必要 |
どちらが良いかは目的で決まります。Claude Codeのやり取りだけが目的なら、開けるポートが無い側が手間も少なく済みます。Macそのものを外から操作したいなら、SSHの経路は依然として必要です。両方を持っておいて構いません。
なお、Remote Controlの通信は手元のMacからの外向きのHTTPSだけで、Macの側に入り口は作られません。接続中はセッションの記録がAnthropicのサーバーに置かれ、複数の端末で会話が揃うのと、通信が切れたあとの再接続に使われます。実行とファイルへのアクセスはMacに残ります。
使えない条件と、費用の前提
先に条件を確かめておくと、設定に時間を使ってから使えないと分かる事故を避けられます。
- 無料のclaude.aiプランにはClaude Codeが含まれません。Pro、Max、Team、Enterpriseのいずれかが必要です。
- APIキーでの認証では使えません。
/loginでclaude.aiのアカウントにサインインします。 - Amazon Bedrock、Google CloudのAgent Platform、Microsoft Foundry経由では使えません。
ANTHROPIC_BASE_URLをapi.anthropic.com以外に向けている場合も対象外です。 - TeamとEnterpriseでは、管理者が設定でRemote Controlを有効にするまで使えません。
動かし始めたあとの制約も、性質を知っておくと慌てません。Remote Controlは手元の処理として動くので、ターミナルを閉じてしまうとセッションは接続が切れた状態になります。SSH越しの別のマシンで動かしている場合は、tmux か screen の中で始めておかないと接続を切った時点で終わります。また、サーバーモード以外では1つの処理につき同時に1つのセッションだけです。/plugin と /resume のように、ターミナルの画面でしか動かないコマンドは端末側からは使えません。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態を手元に作っておくと、この準備の負担はさらに軽くなります。プロジェクトのフォルダを開いた状態でそのままコマンドを打てるため、信頼の確認とセッションの開始が1つの画面で終わります。iPhoneとiPadから続ける話はiPhone・iPadから続きをにまとめてあります。
3つの道を業務の形に当てはめる
最後に、どの道を常用するかを決める考え方を整理します。
手元のMacにしかない資材を触る作業が中心なら、Remote Controlを常用にして、席を離れるときだけiPhoneを見る形が無理がありません。準備がコマンド1つで済み、増える道具がないためです。
GitHubのリポジトリだけで完結する作業が多いなら、クラウドセッションを常用にしてMacを閉じるのが速いです。移動中に始めて、席に戻ってから --teleport で引き取る流れが作れます。
両方が混ざる場合は、始め方を作業の種類で分けるのが現実的です。判断を1回で済ませるために、「手元のファイルを読むか」だけを基準にしてください。
ファイル管理アプリ側で何ができるかはできることに、他の道具との違いは他のファイル管理との比較に、よく尋ねられる点はよくある質問に整理してあります。まず claude remote-control を1回試して、通知が届くところまで確認する。そこまで通れば、席を離れている間にエージェントが止まって待つ時間は無くなります。
よくある質問
iPhoneでClaude Code専用のアプリを入れる必要がありますか?
専用アプリはありません。ClaudeのアプリをiOSに入れ、Claude Codeと同じアカウントでサインインして「Code」タブを開きます。iPadでも同じiOS用アプリを使います。ターミナルで/mobileを実行すると入手先のQRコードが出るので、そこから入れるのが確実です。
iPhoneから操作している間、Macの電源は入れたままですか?
Remote ControlとDispatchは手元のMacで処理が動くため、電源を入れてClaude Codeを動かし続ける必要があります。ターミナルを閉じるとセッションは切れます。Macを閉じたい場合はクラウドセッションを使ってください。こちらはAnthropic側の環境で動くため、手元を閉じても作業が続きます。
無料で使えますか?
無料のclaude.aiプランにはClaude Codeが含まれません。Pro、Max、Team、Enterpriseのいずれかの契約が必要です。そのうえでRemote Controlに追加の費用はかからず、クラウドセッションの計算資源にも別料金はありません。ただし利用上限はアカウント全体で共有されます。
通知が届かないときはどこを見ればよいですか?
まずターミナルで/configを開き、「No mobile registered」と出ていないかを確認します。出ていればiPhoneでアプリを一度開けば更新されます。次にiOSの集中モードと通知の要約を確認します。なお接続中のターミナルで入力している間は通知が意図的に飛ばされるため、席を離れて確かめてください。