Commander Oneをどう選ぶか|条件の見方

Commander Oneの選び方でつまずく場所は、他のアプリと違います。どのアプリを選ぶかではなく、同じ名前の中に入手経路が4つあり、そのどれを選ぶかで機能もライセンスの条件も変わる点です。この記事では、無料版、公式サイトのPRO Pack、Mac App Store版、Setapp経由の4つを条件の側から読み分けて、試用の15日をどう使えば判断がつくかまでを整理します。

選択肢は4つあり、同じ名前でも中身が違う

まず全体を並べます。

  • 公式サイトの無料版
  • 公式サイトのPRO Pack(有料)
  • Mac App Store版
  • Setapp経由

このうち、公式サイトのPRO PackとMac App Store版は、開発元自身が「別の製品」と書いています。同じ名前で配られていますが、機能の集合が一致しません。

Please, note that MAS version of Commander One and Commander One PRO from our site are different products with different sets of features. 出典: help.electronic.us

ここを読み飛ばすと、Mac App Storeで買った後に目当ての機能が無いことに気づく流れになります。選び方の出発点は価格ではなく、この差がどこにあるかの確認です。

Mac App Store版で無くなるのは7行

公開されている比較表は全部で36行あり、そのうち29行は両方に付いています。差が出るのは残りの7行です。

機能 サイト版のPRO Pack Mac App Store版
コマンドライン あり なし
ターミナルエミュレータ あり なし
プロセスの終了 あり なし
iOS機器のマウント あり なし
管理者権限での再起動 あり なし
F1からF12のシステム設定を無視 あり なし
ローカルドライブの取り出し あり なし

原因はAppleのサンドボックスです。Mac App Storeで配るアプリは、他のプロセスを終了させたり、システムのキー割り当てを上書きしたりできない制約の中で動きます。開発元の不作為ではなく、配布の経路そのものが決めている差です。

この7行を見て判断が分かれます。窓の中でコマンドを打つことが目的ならMac App Store版は候補から外れます。逆に、2画面とクラウド接続と書庫の操作が目的なら、7行はどれも使わないので、Mac App Store版で足ります。すでにMac App Storeで買った後にサイト版が必要になった場合は、開発元に連絡すればサイト版のライセンスを出すという案内が出ています。

無料版とPRO Packの境目はどこか

無料版のまま使い続けることもできます。境目は次のとおりです。

無料の側にあるのは、2画面と3つの表示方法、タブ、ローカルドライブとネットワークドライブ、ZIPの読み書き、隠しファイルの表示、正規表現を使った検索、Spotlight検索、キー割り当ての変更、テーマです。日常のコピーと移動だけならここで完結します。

PRO Pack側に移るのは、FTPとSFTP、Amazon S3、WebDAV、Dropbox、Google Drive、OneDrive、Box、Backblaze B2、OpenStackといった接続と、MTP機器とiOS機器のマウント、7ZIPやTGZ、tar.bz2、tar.xzの読み書き、RARとISOを開くこと、プロセスの終了、そして内蔵ターミナルです。

判断の分かれ目になりやすいのは内蔵ターミナルです。これは無料側ではなくPRO Pack側にあります。ファイル管理の窓の中でコマンドを打てることは、2画面のアプリを使い始める動機そのものなのに、機能紹介では有料か無料かを書かずに並べられることが多い箇所です。内蔵ターミナルが目的で調べているなら、検討しているのは最初から有料アプリです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態をどこまで求めるかで、無料側で止めるかどうかが決まります。機能の並びを軸ごとに見たい場合はできることを参照してください。

個人ライセンスは非営利用途に限られる

ここが料金表の数字より見落とされやすい条件です。

PRO Packのライセンスは2種類あり、個人向けが1台で29.99ドル、チーム向けが5台まで使えて99.99ドルです。金額差だけを見ると、1人で使うなら個人向けを選ぶことになります。

ただし開発元の説明では、個人ライセンスは個人的、非営利、非商用の用途に限られ、登録した本人だけが使うものと書かれています。商用利用や業務環境での使用はチームライセンスの側に置かれています。1人で仕事に使う場合でも、その仕事が業務であれば条件の読み方が変わります。50台を超える規模は個別の見積もりになります。

支払いはPayPalかクレジットカードで、銀行振込を希望する場合は営業窓口に連絡する形です。購入後の請求書は登録したメールアドレスに自動で送られます。国によっては税が別途加算されます。

買い切りだが、更新の扱いに2段ある

PRO Packは買い切りで、定期購入ではありません。インストーラーと認証コードを持っている限り使い続けられる、と明記されています。

ただし更新には2つの段があります。同じバージョン内の小さな更新は無料です。大きなバージョンアップは別扱いで、既存の所有者には割引が用意されます。過去の3.0への移行では、公開の1か月前より後に購入した人は無償、それ以外の所有者は50パーセント引きという扱いでした。

これを回避する選択肢として、Lifetime Upgrades Guaranteeという買い切りの追加があります。これを付けておくと、以後の大きなバージョンアップがすべて無償になります。長く使う前提なら、初回の購入時に付けるかどうかがもう1つの判断になります。他社のファイル管理アプリのライセンスを持っている場合は、移行割引として50パーセント引きを申請できる窓口も用意されています。

Setapp経由は考え方が逆です。会員は月14.99ドルから、単体購読は月7.99ドルからで、いずれも7日の試用が付きます。購読をやめた時点で使えなくなるため、期間の決まった案件向きです。料金の形ごとの違いは料金にも整理してあります。

動作条件と、15日の試用の使い方

動作にはmacOS 10.13以降が必要です。配布物は52.68MB、Setapp側の表記では142.5MB、表示言語は16言語です。最新版は3.17.1で、公開は2026年の前年10月13日です。表示言語の考え方は対応言語にまとめました。

PRO Packの機能は15日間、支払いなしで試せます。この15日を漫然と使うと判断がつかないまま終わります。順番を決めておきます。

1日目に、上の7行のうち自分に関係するものを確かめます。ここで関係が無いと分かれば、Mac App Store版が候補に戻ります。2日目から5日目は、普段つないでいる保管庫を全部登録します。接続の設定はサービス名ではなくプロトコルで決まるため、一覧に名前が無い保管庫もWebDAVやAmazon S3互換の設定で届くことがあります。6日目から12日目は、普段の仕事をそのまま新しいアプリの上で回します。13日目から15日目は、個人ライセンスとチームライセンスのどちらが自分の用途に合うかを条件の文面で確かめる時間に充てます。

なお無料版も背景で認証を行いますが、こちらは認証コードの入力が不要で、統計のためだけに行われると説明されています。有料版は認証にインターネット接続が必要で、その後も背景で再認証が走ります。社内でインターネットに出られないMacに入れる場合は、別のMacで認証ファイルを作るオフラインの手順が用意されているので、選ぶ前にこの経路の有無を確かめておきます。

配布元の名前が2つ出てくる理由

調べていると、Eltimaという名前とElectronic Team, Inc.という名前の両方に行き当たります。混乱しやすい点なので整理しておきます。

現在の運営はElectronic Team, Inc.で、所在はアメリカのバージニア州レストンです。公式の製品ページはelectronic.usのドメインに置かれ、以前のmac.eltima.comのアドレスもそこへ転送されます。ただし内部の仕組みには旧名が残っていて、たとえばオフラインで認証する手順の中では、activate.eltima.comという古いドメインのページを使うよう案内されています。

同社はCommander Oneのほかに、クラウドをドライブとして扱うCloudMounter、メディア再生のElmedia Player、ダウンロード管理のFolx、Androidとの転送を行うMacDroidなどを出しています。機能が重なる部分があるため、Commander OneのPRO Packを買うか、別の単機能アプリを買うかで迷う場面が出てきます。判断の基準は、窓を1つに減らしたいのか、機能ごとにアプリを分けたいのかです。名前が2つ出てくること自体は、製品が止まっていることや、別会社に渡ったことを意味しません。

更新の間隔も選ぶときの材料になる

長く使う道具を選ぶときは、機能表と同じくらい、更新が続いているかどうかが材料になります。公開されている版の履歴を見ると、間隔が分かります。

3.10が2024年10月、3.11が同年11月、3.12が同年12月、3.13が翌年1月、3.14が2月、3.15が3月と続き、3.16が9月、3.17が10月です。数か月ごとに版が上がっており、直近ではmacOS 26への対応と、SFTP接続まわりの修正が中心です。Mac App Store版は審査を挟むため、同じ版でも公開日が数日から数週間ずれることがあります。

更新の中身にも傾向が出ます。ここ2年の記述は、SFTPサーバへの接続と2要素認証、SMBのネットワークドライブへのコピー、RAR展開時のメモリ使用量といった項目が繰り返し出てきます。リモート接続を主に使う人にとっては、その部分が継続して直されているという材料になります。逆に、ローカルのファイル整理しかしない人にとっては、これらの更新はほとんど関係がありません。選ぶときに見るべきなのは版の番号の新しさではなく、自分が使う部分が直され続けているかどうかです。

条件の読み方を3つの質問に落とす

ここまでの内容は、3つの質問に落とせます。

1つ目は「窓の中でコマンドを打つか」です。打つならサイト版のPRO Pack、打たないならMac App Store版か無料版が候補になります。この1問だけで4つの選択肢が2つに減ります。

2つ目は「その使い方は業務か」です。業務であれば個人ライセンスの条件から外れるため、チームライセンスか、会社としての購入に進みます。1台しか使わない場合でも、条件は台数ではなく用途で書かれています。

3つ目は「何年使うつもりか」です。2年以上使う見込みなら、大きなバージョンアップの割引を毎回受けるか、最初にLifetime Upgrades Guaranteeを付けるかの比較になります。半年で終わる案件ならSetapp経由のほうが総額は小さくなります。

この3問の答えが出れば、あとは試用の15日で確かめるだけです。他のファイル管理アプリを同じ条件で並べた表は他のファイル管理との比較に、離席中に作業を続ける場合の考え方はiPhone・iPadから続きをに置いてあります。条件の細かい疑問はよくある質問にも並べました。

よくある質問

Mac App Store版と公式サイト版は、どちらを選べばよいですか?

窓の中でコマンドを打つかどうかで決まります。Mac App Store版はAppleのサンドボックスの制約で、コマンドライン、ターミナルエミュレータ、プロセスの終了、iOS機器のマウント、管理者権限での再起動、F1からF12の上書き、ローカルドライブの取り出しの7行が使えません。この7行に用がなければMac App Store版で足ります。

個人ライセンスを仕事に使ってもよいですか?

開発元の説明では、個人ライセンスは個人的、非営利、非商用の用途に限られ、登録した本人だけが使うものとされています。商用や業務環境での使用はチームライセンスの側です。1台しか使わない場合でも、条件は台数ではなく用途で書かれているため、業務で使うならチームライセンスを検討することになります。

バージョンアップのたびに払い直しになりますか?

同じバージョン内の小さな更新は無料です。大きなバージョンアップは別扱いで、既存の所有者には割引が用意されます。過去の3.0では、公開の1か月前より後に購入した人が無償、それ以外は50パーセント引きでした。Lifetime Upgrades Guaranteeを買い切りで付けておけば、以後の大きな更新は無償になります。

15日の試用期間は何から試せばよいですか?

最初に、Mac App Store版で欠ける7つの機能のうち自分に関係するものを確かめます。次に普段つないでいる保管庫をすべて登録して、届かないものが無いかを見ます。残りの1週間で普段の仕事をそのまま回し、最後の数日をライセンス条件の確認に充てると、期限までに判断がつきます。

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