重複ファイルの整理がうまくいかないとき|確かめる順番
重複を探させたのに処理が何時間も終わらない、消したのに空きが増えない、消したはずのファイルが翌朝また現れる。重複ファイルの整理 fuguaiという検索は、こういう場面から始まります。結論から書くと、原因の大半は道具の不良ではありません。macOSの側でファイルの置き方が変わっているか、同期の相手がもう1つあるか、権限が下りていないかのどれかです。ここでは症状ごとに、何をどの順で確かめれば切り分けられるかを整理します。
まず自分の症状がどれかを決める
原因を探し始める前に、いま起きていることを1つに絞ってください。原因の場所が症状ごとにはっきり違うため、ここを曖昧にしたまま設定を触ると、直ったのか偶然かが分からなくなります。
起きることは、実際にはこの5つに収まります。処理が終わらない。読めないフォルダがあって結果が歯抜けになる。削除したのに空き容量が変わらない。削除したファイルが復活する。別物なのに重複と判定される。この5つは、後ろの3つほど原因が手元の設定から遠く、外の仕組みが関わってきます。
どれか分からない場合は、対象を1つのフォルダに絞ってやり直してください。ダウンロードフォルダのように中身が分かっている場所に限定すると、症状が1つに絞れます。全ディスクを対象にしたままでは、5つの症状が同時に起きて見分けがつきません。
処理が終わらない、途中で止まる
最初に疑うのは、対象の中にクラウド上のファイルが混ざっている場合です。iCloud DriveやほかのクラウドをFinderから使っていると、一覧には名前が出ているのに、中身は手元のディスクに無い状態があります。重複の判定は中身を読んで計算するため、この状態のファイルに当たると、判定のために本体をダウンロードしに行きます。
対象に1万件の未ダウンロードのファイルがあれば、そのすべてを落とし終えるまで処理は進みません。通信が細い場所では、何時間経っても終わらないように見えます。Finderでフォルダを開き、雲のアイコンが付いたファイルがどれくらいあるかを見てください。多いなら、そのフォルダは対象から外すか、先に手元へ落としてから始めます。
次に疑うのは、対象にネットワーク上の保存先や、スリープするタイプの外付けディスクが入っている場合です。読み込みの途中で接続が切れると、処理はエラーにならずに待ち続けることがあります。有線でつないだ手元のディスクだけを対象にして、同じことが起きるか確かめてください。ここで正常に終わるなら、原因は道具ではなく接続の側です。
読めないフォルダがあって結果が歯抜けになる
ターミナルから実行したときに「Operation not permitted」と出る、あるいは画面上の道具で特定のフォルダだけ結果がゼロになる場合は、権限が下りていません。macOSは、写真のライブラリ、メールの保存領域、デスクトップや書類のフォルダについて、アプリごとにアクセスの許可を分けて管理しています。
確かめる場所はシステム設定のプライバシーとセキュリティです。フルディスクアクセスの一覧に、使っている道具やターミナルが入っているかを見てください。入っていない場合、その道具から見えるファイルは一部だけになり、重複の一覧も当然歯抜けになります。ここで許可を足したら、アプリを一度終了してから起動し直してください。許可は起動時に読まれるため、動かしたままでは反映されません。
実行の経路によっても結果が変わります。画面上の道具から実行したときは見えていたのに、同じ処理を定期実行の仕組みに登録したら結果が空になる、という現象が起きます。定期実行はログイン中の画面とは別の立場で動くため、許可の一覧に載っていない扱いになることがあるためです。自動で回す予定があるなら、手作業で試した時点ではなく、自動実行に登録した状態でもう一度結果を確かめてください。
権限の話でもう1つ見落としやすいのが、別のユーザで作られたファイルです。共有のフォルダや、以前のMacから移行したファイルには、いまのユーザが読めないものが混ざります。この場合は結果が歯抜けになるだけでなく、削除も失敗します。削除の失敗が何件出たかをログで確認できる道具なら、この種類の失敗を数で把握できます。権限まわりの動作条件は製品ごとに違うので、よくある質問のような欄に許可の設定手順が書かれていないかを先に見ておくと早く済みます。
削除したのに空き容量が増えない
見かけ上は消えているのに、ディスクの空きが動かない。これには原因が3つあり、順に確かめます。
1つ目はゴミ箱です。多くの道具は、削除といってもゴミ箱へ移すだけです。ゴミ箱の中身は元のディスクの領域を使い続けるので、空にするまで空き容量は増えません。
2つ目はスナップショットです。Time Machineは、外付けのバックアップ先がつながっていない間、手元のディスクに一時的な控えを作ります。削除したファイルはこの控えの中に残っているため、消した直後には容量が戻りません。古い控えから順に自動で消えていく仕組みなので、しばらく待つか、バックアップ先につないでから確かめてください。
3つ目は、そもそも二重に使っていなかった場合です。いまのMacのファイルシステムでは、同じディスクの中でファイルを複製しても、中身が同じ間は領域を二重に確保しません。2つのファイルとして見えていても、実際に使っているのは1つ分です。この状態で片方を消しても、空き容量はほとんど変わりません。容量を目的に整理を始めた場合は、ここで作業の前提が崩れます。減らすべき対象は重複ではなく、大きな単体のファイルだったということになります。
削除したはずのファイルが戻ってくる
翌朝になると消したファイルが元の場所にある。この症状の原因はほぼ同期です。同じフォルダを複数の経路で同期していると、片方で消した結果がもう片方から書き戻されます。Appleは公式のユーザガイドで、フォルダの同期が重なる場合について次のように注意しています。
警告: iCloud Driveをオンにして「デスクトップ」と「書類」フォルダをアップデートするときは、これらのフォルダを同期するほかの他社製アプリまたはクラウドサービスをオフにしなければならない場合があります。ほかの他社製アプリまたはクラウドサービスで同期すると、iCloud Driveによって実行されるアップデートが無効になるか、停止する可能性があります。 出典: support.apple.com
同期が重なっている状態は、重複が生まれ続ける原因でもあります。両方の仕組みが同じフォルダを見張っていると、片方の更新をもう片方が新しいファイルとして扱い、名前の末尾に数字や端末名が付いた控えが作られます。整理をしても数日で戻るなら、消す作業より先に、どの仕組みがそのフォルダを見ているかを数えてください。
同期の相手は手元のMacだけとは限りません。同じアカウントでつないだiPhoneやiPadが、削除の前の状態を持っていることもあります。手元とスマートフォンで同じ書類を扱っている場合の挙動は製品ごとに違うので、iPhone・iPadから続きをのように端末間の扱いを説明した欄があれば、そこで前提を確認しておくと原因の切り分けが楽になります。
別物なのに重複と判定される
候補の一覧に、明らかに中身の違うファイルが並ぶ場合は、判定の方式が名前かサイズになっています。別のカメラで撮った写真の番号が同じ、書き出したPDFの容量がたまたま一致する。こうした一致は日常的に起こります。
中身を読んで判定する方式に切り替えられるなら、切り替えてください。それでも別物が混ざる場合は、対象の中に、同じ部品を大量に持つフォルダが入っていることを疑います。アプリの中身、開発用のフォルダ、素材集。これらは同じファイルが複数の場所にあることが前提の構造で、片方を消すと動かなくなります。除外の設定でまとめて対象から外すのが正解です。
もう1つ混ざりやすいのが、エイリアスやシンボリックリンクです。これは実体を指す参照であって複製ではありませんが、道具の設定によっては参照の先まで読みに行き、同じ実体を2件として数えます。この状態で片方を消すと、実体が消えてもう片方の参照だけが残り、開けないファイルができあがります。候補の一覧に、サイズが極端に小さい項目や、同じ実体を指す項目が並んでいたら、参照をたどる設定を切ってから実行し直してください。
逆に、明らかに同じなのに候補に出てこない場合もあります。日本語のファイル名で濁点や半濁点の表現が違うと、見た目が同じでも別の文字列として扱われます。外付けディスクやネットワーク経由で受け取ったファイルで起きやすい現象です。名前での判定に頼っている道具ほど、この影響を受けます。判定方式の違いは製品ごとに整理されていることが多く、他のファイル管理との比較のような形で並べてある資料があれば、自分の環境で起きている取りこぼしがどの方式に由来するかを当てやすくなります。
消してはいけないものを消してしまったとき
まずゴミ箱を見てください。多くの道具は、設定を変えていなければゴミ箱へ移す動作になっています。ここに残っていれば、元の場所へ戻すだけで済みます。
ゴミ箱にない場合は、Time Machineのバックアップから戻します。復元したい項目があったフォルダを開いた状態でTime Machineを開き、日付をさかのぼって選び、戻す手順です。復元した項目は元の場所に戻るため、どのフォルダにあったかを思い出せれば探せます。手順の詳細はAppleのsupport.apple.comのユーザガイドに載っています。
外付けディスクを対象にしていた場合は、この2つの手段が両方とも使えないことがあります。外付けはバックアップの対象から外れていることが多く、ゴミ箱の扱いもディスクごとに分かれているためです。取り外して別のMacにつなぐ前に、そのディスクの中にゴミ箱の領域が残っていないかを確認してください。
どちらにも無い場合は、削除のログが頼りになります。何をどこから消したかがテキストで残っていれば、同じファイルが別の場所や別のディスクに残っていないかを探せます。ログを残さない設定で実行していた場合、ここで打つ手がなくなります。次回からは、実行前に一覧を書き出す設定を有効にしておいてください。
確かめる順番を固定する
同じ不具合を二度追わないために、順番を決めておきます。対象を1つのフォルダに絞る。雲のアイコンが付いたファイルが混ざっていないかを見る。権限の一覧に道具が入っているかを見る。一覧だけを出す設定で実行して、候補の件数と内訳を確認する。ここまでで、5つの症状のどれなのかはほぼ判明します。
この順番が効くのは、後ろの工程ほど時間がかかるからです。権限の確認は数分ですが、全ディスクの読み込みは数時間かかります。先に安いほうから潰すと、無駄な待ち時間が消えます。道具側でどこまで設定できるかは製品によって差があり、対象の指定、除外の指定、一覧だけを出す動作の有無はできることのような一覧で確認できます。この3つが揃っていない道具では、そもそも切り分けの手順が踏めません。
最後に、原因が同期だった場合は、掃除を繰り返しても意味がありません。見張っている仕組みを1つに減らすまで、重複は2週間ほどで元の数に戻ります。消す作業に入る前に、そのフォルダを誰が見ているかを先に数えてください。
よくある質問
重複の検索が何時間も終わらないのは故障ですか?
故障ではないことが多く、対象にクラウド上の未ダウンロードのファイルが混ざっている場合に起こります。判定のために中身を読む必要があるため、その場で本体を落とし始めます。Finderで雲のアイコンの付いたファイルが多いフォルダを対象から外すか、先に手元へ落としてから実行してください。
削除してもディスクの空きが増えません。何を見ればよいですか?
ゴミ箱、Time Machineの一時的な控え、ファイルシステムの仕組みの3つを順に確かめてください。特に3つ目は、同じディスク内での複製が領域を二重に使わない仕組みによるもので、見かけ上2つでも消費量は1つ分です。この場合は重複の削除で容量は戻りません。
消したファイルが翌日また現れるのはなぜですか?
同じフォルダを2つ以上の同期の仕組みが見ている可能性が高いです。片方で削除しても、もう片方が消える前の状態を持っていて書き戻します。スマートフォンを含めて、そのフォルダを同期している経路を数え、1つに減らしてから削除をやり直してください。
別物のファイルが重複と判定されるのを減らすには?
判定の方式を名前やサイズから中身に切り替えてください。それでも混ざる場合は、同じ部品を大量に持つフォルダが対象に入っています。アプリの中身や開発用のフォルダは、同じファイルが複数の場所にあることが前提の構造なので、除外の設定でまとめて外すのが確実です。