Finderのタグの費用|無料でできる範囲
Finderのタグを本格的に使おうとすると、どこかで課金の話が出てくるのではないかと身構えます。タグの数に上限があるのか、複数のMacで揃えるのに料金が要るのか、結局は有料のアプリを買うことになるのか。結論から書くと、タグ機能そのものには値段が付いていません。ただし、その周辺には金額が発生する場所がいくつかあります。この記事では、無料で完結する部分と、料金が発生する部分の境目を金額つきで分けていきます。
タグ機能そのものには値段が付いていない
Finderのタグは、macOSに含まれている機能です。追加の購入も、サブスクリプションの契約も要りません。2013年のOS X 10.9で導入されて以来、標準機能として提供され続けています。
制限の有無も確認しておきます。作れるタグの数に上限はありません。1つのファイルに付けられるタグの数にも上限はありません。ファイルの容量が増えることもほぼありません。タグはファイルの拡張属性に数十バイト程度の情報として書かれるだけで、写真やPDFの本体サイズに対しては誤差の範囲です。
ネットワークに繋がっていなくても機能します。タグの読み書きもSpotlightの検索も端末の中で完結しており、通信が発生しません。機内モードのまま数千件を絞り込んでも、待たされる要素は索引の速度だけです。
「機能が制限された無料版」という位置付けでもありません。macOSに乗っているタグ機能は1種類しかなく、有料の上位版が別に用意されているわけではないからです。Finder設定の「タグ」でできることが、そのまま全部です。
したがって、費用の話は「タグをどう使うか」ではなく、「タグを付けたファイルをどこに置き、どう運ぶか」の側に移ります。
課金が発生するのは保管と同期のほう
複数のMacで同じタグを使いたい場合、ファイルをiCloud Driveに置く選択肢があります。ここで初めて金額が出てきます。
iCloudは5GBまで無料で、それを超えるとiCloud+の契約になります。日本での料金は次の通りです。
50GB 月額180円 / 200GB 月額540円 / 2TB 月額1,800円 / 6TB 月額5,500円 / 12TB 月額11,000円 出典: apple.com
この金額はストレージに対するもので、タグに対するものではありません。無料の5GBの範囲で収まっているなら、iCloud Drive経由でファイルを同期しても追加の支払いは発生せず、タグも一緒に運ばれます。
注意すべきなのは、5GBが写真やバックアップと共用だという点です。iPhoneのバックアップを有効にしていると、書類を置く前にほぼ埋まります。書類だけを同期したいなら、写真の同期を切るか、月額180円の50GBに上げるかの判断になります。
| 用途 | 必要な契約 | 月額 |
|---|---|---|
| 1台のMacの中だけで使う | 不要 | 0円 |
| 少量の書類を複数台で共有 | 無料枠 | 0円 |
| 書類とバックアップをまとめて | 50GB | 180円 |
| 写真も含めて全部 | 200GB以上 | 540円から |
同期を使わない場合に何が起きるか
料金を一切発生させない選択も可能です。すべてを1台のMacの中で完結させれば、タグは無料のまま使えます。その場合に何が変わるかを把握しておきます。
ファイルに付いたタグは、そのファイルと一緒に移動します。外付けドライブ経由で別のMacに持って行っても、フォーマットがAPFSかHFS+であればタグは残ります。ここは無料です。
一方で、タグの一覧は別の扱いです。どんな名前のタグが存在するかという情報はユーザーの設定として保持されており、iCloudの同期を通じて端末間で共有されます。同期を使わない場合、この一覧は端末ごとに独立します。
その結果、2台目のMacではサイドバーに目的のタグが並びません。ファイルを開けばタグ自体は付いていますが、選ぶためのリストに出てこない状態です。実務では、2台目で同じ名前のタグを手で作り直すことになります。5つや7つなら数分の作業ですが、増やしたときに差が開きます。
外付けドライブのフォーマットがexFATの場合は、タグが ._ で始まる隠しファイルに退避されます。同じMacに戻せば読めますが、ファイルを1つずつ他の場所に移す過程で失われることがあります。ここも無料で済む代わりに、運び方の知識が要る部分です。
無料のまま組める仕組みの範囲
追加の支払いをせずに、どこまで作り込めるかを確認しておきます。macOSに最初から入っている道具だけで、かなりの部分が組めます。
スマートフォルダは無料です。タグと日付と種類を組み合わせた条件を保存し、サイドバーに常駐させられます。作れる数に制限はありません。
ターミナルから索引を引くのも無料です。Spotlightの検索は mdfind で呼び出せます。
mdfind "kMDItemUserTags == '未処理'" | wc -l
タグ付きのファイルが何件あるかを数える程度なら、これで足ります。拡張属性の中身を直接見る xattr も、macOSに含まれています。
ショートカットアプリも標準です。フォルダに入ったファイルへ自動でタグを付ける、といった処理を組めます。ここまでが追加費用ゼロの範囲です。
| 仕組み | 費用 |
|---|---|
| タグの作成と付与 | 0円 |
| スマートフォルダ | 0円 |
mdfind による検索 |
0円 |
| ショートカットによる自動化 | 0円 |
| 複数台でのファイル共有 | 5GBまで0円 |
有料になるのは、この範囲の外に出たときだけです。具体的には、保管容量が足りなくなったとき、標準の検索では書けない条件が必要になったとき、そして絞り込んだあとの作業を別の窓でやることの負担が大きくなったときです。
有料のタグ管理アプリが売っているもの
App Storeには、タグを扱う有料のアプリが並んでいます。ここで誤解しやすいのは、それらがmacOSの制限を外してくれるわけではない、という点です。どのアプリで付けても、タグの保存先はファイルの同じ拡張属性です。Finderが書いたタグと別のアプリが書いたタグに区別はなく、互いに読み書きできます。開いていない機能を買うわけではありません。
では何に対して支払うのか。おおむね次の3つに分かれます。
- 名前の付け方を縛る仕組み。表記のゆれを弾いたり、階層を持たせたりして、一覧が荒れるのを防ぐ
- まとめて直す機能。数千件に対して条件付きでタグを付け替える作業を、1つの画面で行える
- ルールによる自動付与。フォルダに入ったファイルの中身や名前を見て、条件に合うタグを自動で付ける
3つ目は、標準のショートカットアプリやフォルダアクションでも組めます。違うのは、設定を画面から作れるか、自分で処理を並べるかという部分です。
いずれも「タグが使えるようになる」ものではなく、「タグの管理に掛かる手間を減らす」ものです。タグが5つや7つのうちは、この手間はほとんど発生しません。30を超えて名前が荒れ始めたときに、初めて金額と釣り合うかどうかの検討に入ります。逆に言えば、一覧を整理して数を減らせば、買う理由のほうが先に消えることもあります。
支払い方の違いも見ておきます。買い切りの場合は一度払えば使い続けられますが、macOSの大きな更新に追従できず、有償の新版に買い直しになることがあります。サブスクリプションは支払いが続く代わりに、更新への追従が含まれます。何年も使い続ける前提の仕組みに紐づける道具なので、1年ではなく3年分の合計で並べると判断がぶれません。
道具を買い足す前に測る3つの数字
費用を掛けるかどうかを決める前に、いまの状態を数字にしておくと判断がぶれません。測るのは3つです。
1つ目は、探している時間です。1週間、ファイルを探し始めてから見つかるまでを数えます。仮に1日10分だとすると、20営業日で200分、およそ3時間20分になります。自分の時間単価を掛ければ、月額いくらまでなら釣り合うかが出ます。
2つ目は、無料の範囲で解決できる割合です。探す時間の内訳を見て、「名前を思い出せない」が多いならタグの設計で減らせます。「どのフォルダに入れたか分からない」も同様です。「見つけたあとの処理に時間が掛かる」なら、タグでは減りません。
3つ目は、窓を切り替えた回数です。1つの作業でFinderとターミナルと別のアプリを行き来した回数を、そのまま数えます。ここが多い場合、タグの設計を直しても数字は動きません。減らせるのは作業場所を寄せたときだけです。
この3つを出すと、支払う先が決まります。保管が足りないならストレージ、探すのが遅いなら設計の見直し、作業が分断されているなら道具、という分岐です。どれにも当てはまらないなら、いまのまま無料で続けるのが正解です。
無料で足りない部分はどこに残るか
タグに費用が掛からない以上、支払いを検討する理由は1つに絞られます。絞り込んだあとに何をするか、という部分です。
タグで20件に絞ったあと、その20件の名前を揃える、別のフォルダへ振り分ける、中身を確認する。これらをFinderだけでやると手数が増え、ターミナルに移せば絞り込みをやり直すことになります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態なら、絞った結果をそのまま次の処理に渡せます。この作りで何ができるかはできることに、他のファイル管理との違いは他のファイル管理との比較に整理されています。
金額の比較をするときは、iCloudのストレージ料金と道具の料金を別々に見てください。前者はファイルを置く場所への支払い、後者は作業の手数への支払いで、片方を増やしてももう片方は減りません。具体的な線引きは料金で確認できます。
タグ自体は無料で、上限もなく、今日から使えます。まず無料の範囲で語彙を決めて1か月使い、上の3つの数字を測る。そのうえで、足りない部分が保管なのか作業なのかを見てから支払い先を決めると、無駄な契約が減ります。
よくある質問
Finderのタグを使うのにお金は掛かりますか?
掛かりません。macOSに含まれている標準機能で、追加の購入も契約も不要です。作れるタグの数にも、1つのファイルに付けられる数にも上限はありません。通信も発生しないため、オフラインのままでも読み書きと検索ができます。
複数のMacでタグを揃えるには課金が必要ですか?
ファイルの量が無料の5GBに収まるなら不要です。超える場合はiCloud+の契約になり、日本では50GBが月額180円、200GBが月額540円です。同期を使わない場合、ファイルに付いたタグ自体は外付けドライブ経由でも残りますが、タグの一覧は端末ごとに独立します。
有料のタグ管理アプリを買う必要はありますか?
タグを付けて検索するだけなら不要です。スマートフォルダ、mdfind、ショートカットアプリまでが標準で使えます。検討する価値が出るのは、絞り込んだあとの処理を別の窓でやる手間が積み上がっている場合で、その場合も支払う対象はタグ機能ではなく作業の手数です。
タグを付けるとファイルの容量は増えますか?
実質的に増えません。タグはファイルの拡張属性に数十バイト程度の情報として書かれるだけで、PDFや画像の本体サイズに対しては誤差の範囲です。数千件に付けても、ディスクの空き容量に現れるほどの変化にはなりません。