Finderのタグの手順|最初に決めておくこと

Finderのタグは、右クリックして色を選ぶだけで付きます。操作そのもので迷う人はほとんどいません。それなのに数週間で使わなくなるのは、操作ではなく順番の問題です。付け方を覚えてから設計を考えると、途中で軸が増え、表記がぶれ、結局どのタグも信用できなくなります。この記事では、最初に決めておく項目、付ける操作をどこに寄せるか、既にあるファイルにどう遡って付けるか、そして運用を点検する手順までを、実際に手を動かす順で並べます。

手を動かす前に決める4つの項目

タグを1つも付けないうちに決めておくことが4つあります。ここを飛ばすと、あとから全ファイルを直す作業が発生します。

1つ目は軸です。タグで何を表すかを1種類に絞ります。状態を表すのか、優先度を表すのか、相手先を表すのか。複数の軸を混ぜると、検索したときに何と何が並ぶのか予測できなくなります。最初は状態だけに絞るのが扱いやすい形です。

2つ目は語彙です。使う言葉を列挙して、それ以外は作らないと決めます。未処理 確認待ち 完了 のように、同じ粒度の言葉を並べます。急ぎ のような別の軸の言葉が混ざると、1つ目の決定が崩れます。

3つ目は数です。軸ごとに5つ前後に収めます。増やすほど、付けるときに迷う時間が伸びます。迷いが1秒でも発生すると、忙しいときに付けなくなります。

4つ目は見直しの周期です。月に1回、タグの一覧を開いて使われていないものを消す日を決めます。周期を決めずに始めると、一覧が増える一方になり、半年後には自分の作ったタグの意味が思い出せなくなります。

この4つをメモに書き出してから、次に進みます。

最初の7つをFinder設定で選ぶ

決めた語彙のうち、実際にキーを押して付けるものを選びます。macOSは、右クリックのメニューに出るタグを7つに絞る作りになっています。

Finderのメニューから設定を開き、タグの欄を表示します。一覧の下に「よく使うタグ」の枠があり、ここにタグをドラッグすると入ります。並べた順番がそのまま割り当てになります。

Control+1キーからControl+7キーで、よく使うタグを追加または削除できます。Control+0(ゼロ)キーを押すと、ファイルからすべてのタグが削除されます。 出典: support.apple.com

ここで重要なのは、枠に入れる順番を業務の頻度順にすることです。一番よく付けるものを1番目に置けば、左手の指が最短で届きます。色の並びが気になって虹の順に並べたくなりますが、その並びは押す回数と無関係です。

既定で入っている「レッド」「ブルー」といった名前は、そのまま業務の言葉に変えます。一覧でタグ名をクリックすれば、その場で書き換えられます。名前を変えても色は変わらないので、赤い丸のまま 未処理 になります。既にそのタグを付けたファイルがあれば、名前の変更はそのすべてに反映されます。

Control + 0 を覚えておくと、間違えて付けたときに一発で外せます。個別に外すより速く、押し間違いの後始末が軽くなります。

付ける操作を保存のときに寄せる

タグを「あとで付ける」運用は続きません。付ける瞬間を、ファイルが生まれる瞬間に寄せます。

多くのアプリの保存ダイアログには、ファイル名の下にタグを入力する欄があります。ここに文字を打つと既存のタグが候補に出るので、選んで確定します。保存と同時に付けてしまえば、あとで一覧を見返す作業がなくなります。

既にあるファイルに付ける操作は3つあります。

  • Finderで選択して Control + 1 から Control + 7 を押す
  • 選択したファイルをサイドバーのタグ名の上にドラッグする
  • Command + I で情報ウインドウを開き、上部のタグ欄に打ち込む

複数のファイルをまとめて選んでからキーを押せば、一度に付きます。数十件をまとめて処理するときは、リスト表示にして並べ替えてから範囲選択するのが速い形です。

付けるときに迷ったら、その場で新しいタグを作らないでください。最初に決めた語彙の外に出た瞬間に、検索の結果が欠け始めます。当てはまるものが無いなら、いったん付けずに置いて、月1回の見直しのときに語彙を足すかどうかを判断します。

入口をスマートフォルダで固定する

タグを付けても、それを見に行く場所が決まっていなければ使われません。スマートフォルダで入口を固定します。

Finderのファイルメニューから「新規スマートフォルダ」を選びます。右上の検索欄にタグ名を打つと、候補に「タグ」の行が出るので、それを選びます。条件が決まったら右上の保存を押し、サイドバーに追加します。

作っておくと効くのは次の3つです。

スマートフォルダ 条件
いま手を付けるもの タグが 未処理
相手の返事待ち タグが 確認待ち
今月触ったもの 最終変更日が30日以内

3つ目のように、タグを使わない条件も混ぜておくと、タグの付け忘れに気付けます。タグ付きの入口だけを見ていると、付け忘れたファイルは永久に視界から消えます。

保存したスマートフォルダは、書類の中ではなくユーザーのライブラリの中の保存済み検索条件の場所に置かれます。条件を後から変えたいときは、開いた状態で右上の歯車から「検索条件を表示」を選ぶと、作ったときと同じ画面に戻ります。条件を作り直す必要はないので、運用しながら少しずつ絞り方を詰められます。サイドバーに並べる順番も、業務で見る頻度の順にしておくと、朝に開く場所が固定されます。

スマートフォルダは検索条件を保存したものなので、中のファイルを消すと実体が消えます。フォルダのように見えますが、入れ物ではありません。ここを誤解すると、整理のつもりで実ファイルを削除する事故が起きます。

既にあるファイルへ遡って付ける

ここまでの手順は、これから触るファイルの話です。既に溜まっている数千件をどう扱うかは、別の判断が要ります。

全件に遡って付けるのは現実的ではありません。過去のファイルは、探すときに検索で足りることがほとんどです。遡る対象は、いまも繰り返し開いているものだけに絞ります。

絞り込みには最終アクセス日を使います。Finderの検索条件で「最後に開いた日」を選び、直近90日以内のものだけを出せば、対象は一気に減ります。その結果に対してまとめてタグを付けます。

条件が複雑なときは、ターミナルから絞るほうが速い場合があります。Spotlightの索引を直接引くと、Finderの検索欄では組みにくい条件も書けます。

mdfind "kMDItemContentTypeTree == 'public.pdf' && kMDItemFSName == '*請求*'"

出てきた一覧を確認してから、Finderの検索結果に同じ条件を入れ直してタグを付ける流れが安全です。一括でタグを書き込むコマンドも存在しますが、取り消しが効かないため、件数を数えてからにしてください。

遡る順番も決めておきます。先に手を付けるのは、いま動いている案件のフォルダです。次が、請求書や契約書のように年に数回だけ探すもの。最後が、完了して読み返さない資料で、ここは対象から外して構いません。この順で進めると、途中で中断しても、よく使う部分から先に整った状態になります。

遡る作業は1回で終わらせようとせず、30分だけ手を付けて残りは翌週に回すほうが、途中で投げ出さずに済みます。

続けるための月1回の点検

タグの運用は、作った直後が一番きれいで、そこから少しずつ崩れます。崩れ方を早めに見つけるための点検を決めておきます。

点検で見るのは3つです。1つ目は一覧に増えたタグの数。Finder設定のタグ欄を開き、決めた語彙の外にあるものを探します。1回しか使っていないタグは、その場で消すか、既存のタグに統合します。

統合は名前の変更で行います。請求請求書 に改名すると、両方のタグを持っていたファイルは1つにまとまります。手でファイルを開き直す必要はありません。

2つ目は付け忘れの量です。よく使うフォルダを開き、タグの付いていないファイルが何割あるかを見ます。半分を超えているなら、付ける操作が業務の流れに乗っていない合図です。保存時に付ける形に戻せないかを検討します。

件数を数えておくと、崩れ方が言葉ではなく数字で見えます。ターミナルで mdfind "kMDItemUserTags == '未処理'" | wc -l を実行すると、いまそのタグが付いているファイルの数が出ます。点検のたびに同じコマンドを走らせて、前回の数と並べます。

数の動き方で分かることは2つあります。増え続けているタグは、付ける習慣はあるのに外す習慣が無い状態です。未処理確認待ち のように、終わったら外すはずのタグで起きます。この場合はタグの設計ではなく、終わったときの操作が流れに乗っていないほうが原因です。もう1つは、数がほぼ動かないタグです。作った当初の意図が業務と合っておらず、付けられないまま残っています。統合するか消すかを決めます。

3つ目は、タグで絞ったあとに何をしているかです。絞り込んだ結果を見て、そこからターミナルを開いて別の窓で処理しているなら、その往復が毎回の手間として積み上がっています。絞る作業と処理する作業が離れていること自体が、運用を重くしている場合があります。

絞ったあとの作業をどこでやるか

タグの設計がうまくいっても、絞り込んだ結果に対する処理が別の窓にあると、手順の数は減りません。20件に絞ってから、その20件をターミナルで扱うために、もう一度パスを集め直すことになります。

ファイル一覧とコマンドの実行が同じ場所にあれば、絞った結果をそのまま次の入力にできます。名前の付け替え、移動、中身の確認までを選び直さずに続けられる作り方についてはできることに整理されています。外出先で続きを扱う場合の動き方はiPhone・iPadから続きをにまとめられています。

タグの手順は、付ける操作を覚えることではなく、付ける前に語彙を決め、付けたあとの入口を固定し、絞ったあとの作業場所を1か所に寄せることです。この3つが揃ったときだけ、タグは半年後も同じ意味で使えます。判断に必要な費用の線引きは料金で確認できます。

よくある質問

タグはいくつまで作ってよいですか?

数そのものに制限はありませんが、右クリックのメニューに出せるのは7つまでです。8つ目以降は名前を打って付けることになり、付ける手間が増えます。軸ごとに5つ前後に収め、その中から実際にキーで押すものを7つ選ぶ形が扱いやすくなります。

既存のタグ名を変えると、付けてあるファイルはどうなりますか?

Finder設定のタグ欄で名前を書き換えると、そのタグを持つすべてのファイルに反映されます。ファイルを開き直す必要はありません。表記がぶれて 請求請求書 が並んでしまった場合も、片方を他方と同じ名前に変えれば1つに統合できます。

過去のファイル全部にタグを付けるべきですか?

付けなくて構いません。過去のファイルは検索で足りることがほとんどです。遡る対象は、最後に開いた日が直近90日以内のものに絞ると現実的な量になります。全件を対象にすると作業が終わらず、途中で運用ごと放棄することになります。

スマートフォルダの中のファイルを消すとどうなりますか?

実体が消えます。スマートフォルダは検索条件を保存したもので、ファイルの入れ物ではありません。フォルダのアイコンで表示されるため入れ物に見えますが、中に並んでいるのは元の場所にあるファイルそのものです。整理のつもりで削除する事故が起きやすい部分です。

記事一覧へ戻る