ForkLiftの代わりになるもの|手放してよい機能と、残る仕事

ForkLiftの代わりを探し始める場面は、機能に不満が出たときよりも、更新の期限が切れて起動時に見慣れない表示が出たときのほうが多くなります。もうひとつは、macOSを上げた翌朝に起動しなくなった場合です。どちらも機能の話ではなく、条件の話です。代わりを立てるかどうかを決めるには、まずこのアプリが1つの窓で何をまとめて引き受けているのかを分解する必要があります。分けてみると、他の手段へ渡せる仕事と、渡した瞬間に往復が増える仕事がはっきり分かれます。

代わりを探し始める引き金は、機能ではなく更新の期限であることが多い

ForkLift 4のライセンスは、買い切りと定額の中間にあたる形です。支払うと、そのライセンスで対象になるバージョンはいつまでも使い続けられます。ただし新しい更新を受け取れる期間は購入時に選んだ長さで区切られ、期間が過ぎた後に出たバージョンは体験版の状態で動きます。

With the ForkLift lifetime license, you get free software updates for one or two years, depending on your choice. Once that period ends, you can keep using the latest version of ForkLift covered by your license indefinitely. To keep receiving new updates you'll need to purchase a new license. 出典: binarynights.com

この条件が効いてくるのは、macOSを上げたときです。公式のサポートページには、ForkLift 4.3.4より前のバージョンはmacOS Tahoe(macOS 26)で動かず、Appleが入れたシステム側の変更が原因だと書かれています。4.3.4は2025年6月24日公開なので、それ以前で更新の権利が切れていた人は、OSを上げた時点で選択肢が2つに絞られます。ライセンスを買い直すか、対象のバージョンごと古いmacOSに留まるかです。さらにForkLift 4.4以降はmacOS Sonoma(macOS 14.6)以上を求めるため、古いMacを使っている場合は上げられる上限も同時に決まります。

代わりを探す動機がここにあるなら、探すべきものは「同じことができるアプリ」ではありません。「更新の条件が自分の使い方に合う持ち方」です。この2つは別の問題なので、先に分けておくと無駄な比較をしなくて済みます。

1つの窓に同居している仕事を、7つに分ける

公式の機能一覧を読むと、ForkLiftが引き受けている仕事は性質の違う7種類に分かれます。ひとまとめに「ファイル管理」と呼んでいる間は、代わりの立てようがありません。

  • 遠隔のディスクに繋ぐ仕事。SFTP、FTP、WebDAV、Amazon S3、Backblaze B2、Google Drive、OneDrive、Dropbox、Rackspace Cloudfiles、SMB、AFP、NFSの12種類のプロトコルに対応し、複数のサーバーに同時に繋いだままドラッグで相互にコピーできます
  • 2つの場所を突き合わせる仕事。左右の窓のフォルダを比較して、一致・変更・新規・削除に仕分け、片方向か双方向で揃えます
  • 名前を一括で書き換える仕事。条件を組んだものを設定として保存し、後から選択したファイルへ当て直せます
  • 書庫の中を覗く仕事。ローカルと遠隔の圧縮ファイルを、普通のフォルダと同じように開いて検索と絞り込みができます
  • アプリを消す仕事。付随して残るファイルを含めて削除します
  • 変更履歴を見る仕事。Gitが入っているフォルダでファイルごとの状態を表示し、追加・コミット・プッシュ・プルまで扱えます
  • Finderの位置を引き継ぐ仕事。既定のファイル表示アプリに設定でき、いま開いているローカルのパスでTerminal、iTerm、Hyper、Kitty、Warp、Ghosttyのいずれかを開けます

この7つは、要る人と要らない人がきれいに分かれます。遠隔のディスクに繋がない人にとって最初の項目は費用の一部でしかなく、逆に毎日サーバーへ上げる人にとっては他の6つが付属品です。代わりを探すときに最初にやることは、自分がこの7つのうちいくつを実際に週1回以上使っているかを数えることです。

仕事ごとに、代わりが立つものと立たないもの

数えた結果を、仕事ごとに渡し先へ割り振ります。全部を1つのアプリに置き換えようとすると、どこかで必ず無理が出ます。

引き受けている仕事 渡せる先 手に入るもの 引き換えに失うもの
遠隔のディスクに繋ぐ Finderの「サーバへ接続」、または転送専用のクライアント 追加の費用がかからない。SMBやWebDAVはOSの標準機能で足りる S3やB2のようなオブジェクトストレージは標準では繋がらない
2つの場所を突き合わせる rsyncをシェルの別名にして残す 条件を細かく書ける。定期実行に載せられる 差分を目で確認してから実行する手順が無くなる
名前を一括で書き換える Finderの名称変更、またはシェルのループ 標準機能で連番と置換までは足りる 保存した設定を後から呼び直す仕組みが無い
書庫の中を覗く 展開してから開く 何も追加しなくてよい 中身を1つ見るために全部を展開する時間がかかる
アプリを消す 手でフォルダを辿って消す 消し残しの場所を自分で把握できる 対象の一覧を毎回自分で作ることになる
変更履歴を見る gitコマンド、またはエディタの表示 もともとエディタ側にある機能と重複しない ファイルの一覧と履歴が別の窓に分かれる
Finderの位置を引き継ぐ ターミナルでパスを打ち直す 依存する道具が減る 1件ごとにパスの入力が発生する

表を上から見ていくと、渡しても痛まないのは書庫とアプリ削除と変更履歴の3つです。この3つは、代わりの手段が標準で存在するか、もともと別のアプリが担当している領域だからです。痛むのは最初の2つと最後の1つで、理由は共通しています。渡した先が別の窓にあるため、1件ごとに窓を移動する往復が発生するからです。往復の回数は扱うファイルの数に比例して増えるので、対象が大きいほど代わりの手段のほうが時間を食います。

買い切りで持つか、定額の束で持つか

持ち方の選択肢は2つあります。直接買う場合、公式ストアの価格は個人向けが更新1年で19.95ドル、更新2年で34.95ドルです。家庭内の全てのMacで使える区分が29.95ドル49.95ドル、職場で5台まで使える区分が69.95ドル119.95ドルです。過去のライセンスキーを持っている場合は、更新期間に100日が上乗せされます。学生と教員向けの割引は、公式の窓口へ在学や在職を示す資料を送る形で申請します。

もうひとつは定額のアプリ束で持つ方法です。公式のサポートページはForkLift 4がSetappで提供されていると明記しています。Setappの料金ページでは、Mac1台向けの区分が月額14.99ドル(月払い、税別)となっています。この2つは性質が違うので、単純な安い高いでは決まりません。束で払う場合は毎月支払う代わりに常に最新版が使え、OSを上げたときの互換性で詰まりません。直接買う場合は支払いが1回で済む代わりに、更新期間が切れた後にmacOSを上げると買い直しの判断が発生します。

判断の分かれ目は、Macを何年で買い替えるかと、macOSをどれくらい早く上げるかの2点です。OSを毎年秋に上げる使い方なら、更新の期間は長いほうへ倒すか、束で持つほうが読みやすくなります。何年も同じmacOSで据え置く使い方なら、1年の区分を1回買ってそのバージョンに留まるのが最も安く付きます。

提供の状況として確かめておく4点

他社の道具に乗り換えるときも、いまの道具を続けるときも、確かめる項目は同じです。終了していないか、新規の受付が止まっていないか、運営が変わっていないか、料金の条件が変わっていないかの4点です。

ForkLiftについて公開されている情報の範囲では、終了や新規受付停止は出ていません。バージョン履歴を見ると、ForkLift 4は2023年9月5日に4.0が出てから、最新の4.7.5(2026年9月1日公開)まで49回更新されています。2026年に入ってからは月に1回前後の間隔です。開発元の表記はBinaryNights LLCのままで、サイト上では運営の移管を示す記載は見当たりません。ひとつ前の世代であるForkLift 3も、サポートページから引き続きダウンロードできる状態が保たれています。

料金の条件については、ForkLift 2がMac App Storeで販売されていたことがサポートページに書かれており、現在の直販は上記の更新期間付きの形になっています。つまり世代をまたいで持ち方の形が変わっている製品なので、過去に買った記憶のある金額をそのまま前提にすると判断を誤ります。いま買う場合の条件は、ストアの注記を読んで確かめるのが確実です。

出ていくときに、持ち出せるものと持ち出せないもの

代わりを立てると決めた場合、次に困るのは蓄積した設定です。ここは先に確かめておくほうが安全です。

登録してある接続先の一覧は、~/Library/Application Support/ForkLift/Favorites/Favorites.json という1つのファイルに入っています。テキストの形式なので、中身を開いてホスト名とパスの一覧を書き出せます。ただしパスワードはこのファイルに入っていません。保管されているのはキーチェーンのほうです。したがって移行の作業は、接続先の一覧を書き出す工程と、パスワードを接続先ごとに入れ直す工程の2つに分かれます。接続先が20件を超えているなら、この入れ直しだけで半日近く取られることを見込んでおいたほうが安全です。

一方で、持ち出しにくいものもあります。一括の名称変更で組んだ条件と、突き合わせの条件として保存したものです。公式のサポートページは、この2種類がForkLift 3とForkLift 4の間で仕組みが異なるため引き継げないと説明しています。同じ製品の世代間ですら移せない形のデータなので、別の製品へ移すときも同じ条件を書き直す前提で考えるのが現実的です。逆に言えば、条件を組み直す手間が惜しいほど作り込んでいる場合は、その部分だけが乗り換えを止める理由になり得ます。

移行を急がなくてよい事情もあります。ForkLift 3とForkLift 4は同じMacに同居でき、片方を消す必要はないと公式のマニュアルに書かれています。この考え方は他の道具を試すときにも使えます。いまの環境を残したまま候補を入れて、1週間だけ既定の表示先を切り替えてみる。戻したくなったら戻す。ただし片方だけを消すときにアプリの一括削除機能を使うのは避けるよう注意されています。両方の設定を支えるファイルが巻き込まれ、残したほうまで設定を失うためです。

手放した先に残るのは、窓を行き来する時間

7つの仕事を分けて、渡せるものを渡した後に残るのは、たいてい2つです。遠隔のディスクを含む2つの場所を突き合わせる作業と、いま見ているフォルダでコマンドを打つ作業です。この2つが残るのは、どちらもファイルの一覧を見ながら別の操作をする行為だからです。一覧を見る画面と、コマンドを打つ画面と、規則を考えて言葉にする画面を別々のアプリで開くと、1件ごとに窓の切り替えが入ります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある構成では、この切り替えが窓の中の視線移動に収まります。

一覧とコマンドが同じ画面にどう並ぶのかはできることに載っており、7つの仕事のうちどれがそのまま入っているのかを確かめられます。Finderや他のファイル管理アプリと何が重なり何が違うのかは他のファイル管理との比較に表の形でまとまっているので、いまの道具を置き換えるのか併用でよいのかの判断材料になります。更新の条件で困った経験がある場合は、支払いの形そのものが選び直しの理由になるため、料金で無料で試せる範囲と有料の範囲の線を先に見ておくと比較が早く終わります。対応している表示言語は対応言語にあり、細かい前提はよくある質問にまとまっています。

代わりを探しているなら、最初にやることはアプリを入れ替えることではありません。7つのうちいくつを週1回以上使っているかを数えることです。数が2つ以下なら、標準機能と短いシェルの別名で足ります。数が4つ以上あるなら、置き換え先を1つにまとめるほうが往復の回数を減らせます。どちらに転んでも、数える前に決めた結論は後から覆ります。

よくある質問

更新の期間が切れた後も、いま入っているバージョンは使い続けられますか?

使い続けられます。公式の説明では、ライセンスで対象になっているバージョンは期間終了後も無期限に使えるとされています。制限がかかるのは、期間終了後に公開された新しいバージョンを入れた場合で、その場合は体験版の状態で起動します。ただし使い続けられるのはmacOSとハードウェアが対応している間に限られるため、OSを上げる予定があるかどうかが実質的な期限になります。

macOSを上げたら起動しなくなりました。買い直すしかありませんか?

まずバージョンを確かめてください。4.3.4より前のバージョンはmacOS Tahoe(macOS 26)に対応していないため、4.3.4以降へ上げる必要があります。持っているライセンスの更新期間に4.3.4が含まれていれば追加の支払いは発生しません。含まれていない場合は、新しいライセンスを買うか、以前のmacOSに留まるかの2択になります。

Setappで使うのと直接買うのは、どちらが安く済みますか?

使う年数と、束に入っている他のアプリを使うかどうかで変わります。直接買う場合は個人向けが19.95ドルから、Setappは月額14.99ドルからです。ForkLiftだけを目的にするなら直接買うほうが支払総額は小さくなりますが、更新期間が切れた後にmacOSを上げると買い直しの判断が発生します。束で持つ場合はその判断が発生しません。

遠隔のサーバーに繋がないなら、標準のFinderで足りますか?

接続先がSMBやWebDAVだけなら、Finderの「サーバへ接続」で足ります。足りなくなるのはAmazon S3やBackblaze B2のようなオブジェクトストレージに繋ぐ場合と、2つの場所の差分を目で確認してから揃えたい場合です。この2つが要らなければ、書庫の閲覧と一括の名称変更は標準機能と短いコマンドで代替できます。

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