ForkLiftの手順|最初に決めておくことと、後から戻しにくい設定

ForkLiftの手順を調べている段階で詰まるのは、たいてい操作方法ではない。アプリを置いて起動するまでは数分で終わる。困るのはそのあとで、最初の起動時に聞かれる項目と、権限を渡すかどうかと、標準のファイル表示を差し替えるかどうかが、どれも後から気軽に戻せない性質を持っているからだ。ここでは入れる順番ではなく、決める順番で整理する。

入れる作業は5分で終わり、決める作業だけが残る

配布元の手順は短い。zipを落として展開し、アプリをアプリケーションフォルダへ移し、ダブルクリックする。それだけだ。ところが実際に時間を取られるのは、起動した直後に出る歓迎の窓と、そのあとに続く権限の要求に対して、何を選ぶかという判断のほうになる。

判断が必要になる項目は、大きく分けて4つある。1つ目は前の世代と同居させるかどうか。2つ目は最初の窓で聞かれる初期設定。3つ目はフルディスクアクセスを渡すかどうか。4つ目は、標準のファイル表示そのものを差し替えるかどうか。このうち3つ目と4つ目は、macOSの設定側に書き込みが起きるため、アプリを消しても痕跡が残る。

動作条件も先に確かめておきたい。配布元のサポートページによれば、4.4以降はmacOS Sonoma(14.6)以降を求める。それより前の4系はmacOS Monterey(12.4)以降で動く。macOS Tahoe(macOS 26)で使うには4.3.4以降が必要で、それより古いものはAppleが加えた仕様変更のため起動しない。2026年9月1日時点の最新は4.7.5になっている。

前の世代と同居させるか、置き換えるか

すでに3が入っているMacでは、Finderが名前の衝突を知らせてくる。ここで「両方を残す」を選べば、3と4は同じMacの上で同時に動かせる。配布元の案内でも、3を消す必要はないと明記されている。片方を選ぶ理由は、使い慣れた配色やお気に入りの並びを、移行が終わるまで残しておきたいかどうかだけだ。

両方を残す場合は、片方の名前を変えておくと後が楽になる。Dockに2つ並んだときに区別が付かず、古いほうに毎回お気に入りを足してしまう事故が起きやすい。名前は右クリックの「名称変更」で変えられる。

同居させたあとで片方を消すときに、注意点が1つある。配布元は、この用途にアプリ削除ツールを使わないよう案内している。この種のツールは関連ファイルをまとめて探すため、2つのバージョンが共有している設定ファイルまで巻き込み、残すつもりだったほうのお気に入りや配色まで消える。消すときはゴミ箱へ入れるだけにしておく。

4本体にもアプリ削除の機能が入っているが、これは他のアプリを消すための道具であり、自分自身の兄弟バージョンには向かない。この区別を最初に押さえておくと、移行の最後で設定を失わずに済む。

最初の窓で聞かれる5項目は、性質が違う

起動すると設定の窓が出て、5つの項目を聞かれる。お気に入りをiCloudで同期するか、3からお気に入りを取り込むか、更新の通知を受け取るか、配色をどれにするか、お知らせを受け取るか。どれも後から設定画面で変えられると案内されているが、実質的に一度きりなのは2つ目だ。

3からの取り込みは、移行の初回に走らせるのが前提になっている。先に4の側でお気に入りを作り込んでから取り込むと、同じ場所が二重に並ぶ。移行するつもりがあるなら、この窓が出ている間に済ませてしまう。

iCloudでの同期は、複数のMacで使う予定があるかどうかで決める。1台しか使わない場合でも、お気に入りの控えを残す用途として意味がある。逆に、仕事用と個人用でお気に入りを分けたい場合は、ここで切っておかないと片方の並びがもう片方に流れ込む。

配色については、既定がmacOSの外観に追従する設定になっている。自作の配色を使う場合は、設定のテーマ欄で管理する。ここは何度でも変えられるので、最初の窓では既定のままにして先へ進んでよい。

権限を渡さないと、DownloadsもDesktopも開かない

起動後にフルディスクアクセスを求める窓が出る。ここで渡さないという選択もできるが、その場合に何が起きるかは配布元が明記している。外付けドライブにも、デスクトップにも、ダウンロードフォルダにも、書類フォルダにも入れなくなり、ドラッグでの移動にも制限が出る。

つまり、ファイルが溜まって困っている人がやりたいことは、権限なしではほぼ何もできない。溜まった数千件の置き場所はたいていダウンロードフォルダとデスクトップであり、そこが最初に閉ざされる。

渡すと決めたなら、システム設定のプライバシーとセキュリティにある一覧へ登録が入る。ここに一度書き込まれると、アプリを消しても項目名が残ることがある。あとで整理したくなったときは、同じ画面から外す。

通知の許可も同じ画面の流れで聞かれる。転送や同期が終わったことを知らせる用途なので、遠隔のサーバーへ大きなファイルを送る使い方をしないなら、断っても支障は少ない。あとから設定画面で戻せる。

遠隔の接続は、鍵を先に登録してから名前を付ける

接続できる先は広い。SFTP、FTP、FTP TLS、WebDAV、WebDAV HTTPS、Amazon S3、Google Drive、Backblaze B2、Microsoft OneDrive、Rackspace Cloud Files、Dropbox、SMB、AFP、NFS、VNCが並ぶ。目的の先がこの中にあるかを先に確かめておく。

SFTPの手順は決まっている。ツールバーの接続ボタンで接続パネルを開き、プロトコルをSFTPにして、サーバー欄にドメイン名かIPアドレスを入れ、ユーザー名を入れる。パスワードの代わりに秘密鍵を使う場合は、パスワード欄の鍵のアイコンを押して鍵を追加する。パスフレーズ付きの鍵も同じ方法で登録できる。

ここで順番が効いてくる。鍵を登録する前に「お気に入りに追加」を押してしまうと、認証の方法が入っていない接続先がお気に入りに並ぶ。ポート番号を変えている場合や、接続先に色を付けて見分けたい場合は、詳細表示を開いてから保存する。

クラウドの側は手順が変わる。Google Drive、Dropbox、OneDriveについては、接続ボタンを押すとブラウザが開いて、そのサービスの画面で許可を出す流れになる。許可のあとで戻ってくるときに、更新用の情報をキーチェーンへ保存するか聞かれる。ここで保存しておくと、次回以降は聞かれなくなる。

名前替えと同期は、押せる場所に畳んでから使う

複数のファイルを選んでEnterを押すと、一括で名前を替える窓が開く。できることは4種類の大文字小文字の変換、名前や拡張子の中の文字の置き換え、正規表現を使った置き換え、任意の位置への文字の挿入、更新日や作成日や当日の日付の挿入、連番の挿入になる。4からは、先頭や末尾だけでなく名前の途中の位置を指定できる。

毎回この窓で条件を組み直すと続かない。組んだ条件は「お気に入りに追加」で保存でき、サイドバーに並ぶ。使うときはファイルを選んでその項目を押せば、同じ条件で窓が開く。選んだファイルをサイドバーの項目へ直接落とせば、確認なしでそのまま実行される。

同期も同じ作りになっている。2画面のうち片方に同期先を開き、もう片方に同期元を開いて、コマンドメニューの同期を選ぶ。方向は左から右、右から左、双方向の3つ。下位フォルダを含めるか、隠し項目を含めるか、対象に無い項目を足すか、空になるフォルダを除くか、大きさや更新日が違うものを上書きするか、元に無いものを消すかを個別に決める。時刻のずれを補正する項目も別にある。

この条件も保存でき、保存したものはサイドバーに並んで、押すだけで同じ同期が走る。設定の内容を変えるときは、サイドバーの項目を右クリックして編集を選ぶ。溜まったファイルを片付ける作業は繰り返しになるので、条件を組むのは一度にして、以後は押すだけの形にしておく。

既定のファイル表示を差し替える判断は、最後に回す

Finderの代わりに立てる設定が用意されている。ターミナルに設定を書き込んでMacを再起動すると、他のアプリが「Finderに表示」を実行したときに、Finderではなくこちらが開くようになる。Setapp版を使っている場合は書き込む識別子が変わるため、案内されているとおりに使い分ける。

効いているかどうかは、アプリの中でフォルダを右クリックして「Finderに表示」を選べば分かる。そのフォルダが同じアプリの中で開けば、設定は入っている。

ただし、ここには明記された例外がある。既定のファイル表示を差し替えても、システムの開くダイアログと保存ダイアログは置き換わらない。ファイルを選ぶ場面の多くはこのダイアログなので、期待していたほど景色は変わらない。

元に戻すときも、ターミナルで設定を消して再起動する。この往復が要るので、他の設定を一通り終えて使い方が固まってから触るほうがよい。試用の初日に差し替えると、うまく動かなかったときに、原因がアプリ側なのか差し替えの設定なのか切り分けられなくなる。

With the ForkLift lifetime license, you get free software updates for 1 or 2 years, depending on your choice. Once that period ends, you can keep using the latest version of ForkLift covered by your license indefinitely, for as long as that version remains compatible with your macOS and hardware. 出典: binarynights.com

登録の判断も、この時点で一度考えておく価値がある。買い方は買い切りと定額の中間の形を取っていて、使い続ける権利は残るが、更新を受け取れる期間が1年2年で分かれる。個人向けは19.95ドル34.95ドル、世帯向けは29.95ドル49.95ドル、5台までの小規模事業者向けは69.95ドル119.95ドルになっている。長く使ってきた利用者には、古いライセンスキーを入力すると更新期間が100日足される案内も出ている。

手順を終えたあとに残るのは、窓を行き来する回数

ここまでの設定を終えると、ファイルを扱う作業は1つの窓に集まる。残るのは、その窓と他の窓を何回行き来しているかという問題になる。現在の場所でターミナルやiTerm、Hyper、Kitty、Warp、Ghosttyを開く機能は用意されているが、開いた先は別の窓であり、そこから戻ってくる操作は自分で行う。表示中の言語は12言語で、日本語も含まれている。

数えてみる価値があるのは、1日の中でファイルの窓から場所を写してターミナルへ渡した回数と、その逆の回数だ。設定を詰めても、この往復そのものは減らない。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りは、この往復を前提から外す考え方であり、機能の数を比べる話とは別の軸になる。何が同じ窓に入るのかはできることに一覧があり、他の道具との違いは他のファイル管理との比較に並べてある。

移動中に続きを見る使い方を考えているなら、別の観点が要る。手元のMacに置いたまま、移動先の端末から同じ作業の続きに触れるかどうかで、設定の優先順位が変わるからだ。その前提はiPhone・iPadから続きをにまとめてある。表示できる言語の一覧は対応言語にあり、費用の考え方は料金に、判断に迷いやすい点はよくある質問に整理されている。

よくある質問

ForkLift 3を残したまま4を入れても大丈夫ですか?

配布元は同居できると案内しています。Finderが名前の衝突を知らせてきたら「両方を残す」を選び、片方の名前を変えておくと区別が付きます。ただし後で片方を消すときは、アプリ削除ツールを使わずゴミ箱へ入れてください。共有している設定ファイルまで消えて、残すほうのお気に入りや配色を失う恐れがあります。

フルディスクアクセスを渡さないとどうなりますか?

外付けドライブ、デスクトップ、ダウンロードフォルダ、書類フォルダに入れなくなり、ドラッグでの移動にも制限が出ると配布元が明記しています。溜まったファイルの多くはダウンロードフォルダとデスクトップにあるため、権限なしでは目的の作業がほとんど行えません。渡すかどうかは最初に決めておくほうが手戻りが少なくなります。

既定のファイル表示を差し替えると、Finderは完全に置き換わりますか?

置き換わりません。他のアプリの「Finderに表示」は差し替え先で開くようになりますが、システムの開くダイアログと保存ダイアログはそのままだと明記されています。ファイルを選ぶ場面の多くはこのダイアログなので、期待する変化は限定的です。設定と解除のどちらもターミナルへの書き込みとMacの再起動が必要になります。

一括の名前替えを毎回同じ条件で走らせたいのですが、方法はありますか?

組んだ条件を「お気に入りに追加」で保存すると、サイドバーに並びます。使うときはファイルを選んでその項目を押せば同じ条件で窓が開き、内容を確認してから実行できます。確認を省きたい場合は、選んだファイルをサイドバーの項目へ直接落とすと、そのまま名前替えが走ります。

記事一覧へ戻る