HazelをMacで使う|保存した瞬間に仕分けさせるルール設計

ダウンロードフォルダに数百件が溜まり、デスクトップがスクリーンショットで埋まっている。手で片付ければ30分で終わりますが、1週間後には同じ状態に戻ります。hazel macで検索してこの記事にたどり着いた人が求めているのは、アプリの紹介ではなく、この繰り返しをどこで断ち切るかの判断材料でしょう。決めたルールで機械に任せる道具は20年前から存在していて、値段も仕組みも公開されています。何を任せられて、何が任せられないのかを先に把握すれば、導入するかどうかをその場で決められます。

Hazelがやっているのは、フォルダの見張りと条件分岐だけ

Hazelは、macOS向けにNoodlesoftというアメリカの開発元が出しているファイル整理の道具です。仕組みは単純で、監視するフォルダを指定しておくと、そこに変化があったときに、あらかじめ書いておいた条件に照らして処理を実行します。開発元の説明では、名前、日付、種類、どのサイトから来たファイルかといった属性を条件に使えるとされています。

この「どのサイトから来たか」という条件は、macOSがダウンロードしたファイルに由来の情報を付けているために成り立ちます。請求書のPDFを特定の取引先のサイトから落としているなら、名前を見なくても振り分けられます。逆に言えば、AirDropで受け取ったファイルや、ターミナルで生成したファイルには、その情報がありません。条件に使える材料は、ファイル自身が持っている属性に限られます。

できることは仕分けだけではありません。開発元は、ファイルを開く、書庫にまとめる、タグを付ける、アップロードする、という動作も挙げています。名前を書き換えて、名前や日付の組み合わせでサブフォルダへ振り分ける形も作れます。ShortcutsやAppleScript、Automatorとも繋がるため、処理の途中から別の仕組みへ渡すこともできます。Spotlightとの連携、写真やミュージックへの取り込み、通知、タグへの対応が公式のページに並んでいます。

実際の使い方を並べた記録を見ると、任せている処理の粒度が分かります。

・保存したスクリーンショットをリネーム、5分後に削除・動画と画像を分類して別々のフォルダに移動・1ヶ月間開かなかったプロジェクトフォルダを任意のフォルダに移動。フォルダのタグを「OLD」にして、カラーラベルを灰色に・指定のフォルダに画像が保存された場合、Automatorのワークフローを発動させて自動でサイズ変更・フォルダに画像が保存された時はフォルダの名前を使ってリネーム(例:「hazel」フォルダ→hazel-01.jpg、hazel-02.jpgとリネーム)等、「結果は必要だがその作業自体は無駄」なファイル整理を強力にサポートしてくれます。 出典: note.com

並んでいるのはどれも、判断が要らない反復です。ここが任せられる範囲の線引きになります。

料金は買い切り。無料で試してから決められる

価格は開発元のストアに公開されています。日本円ではなくドル建てで、買い切りです。為替で円換算は動くため、支払う直前に確認するのが確実です。

種類 価格 対象
Hazel 6 42ドル 1本のライセンス
Hazel 6 Family Pack 65ドル 同じ世帯の最大5人まで
Hazel 6 Upgrade 20ドル 以前の版からの移行

購入前に試せる形も用意されていて、開発元のトップページには購入と無料トライアルの両方が並んでいます。まとまった本数が必要な場合の価格については、問い合わせるよう案内があります。世帯向けのFamily Packは5人までで、私的な世帯のみが対象と明記されているため、事務所で共用する想定のものではありません。

月額で払い続ける形ではないため、使わなくなっても課金は続きません。その代わり、大きな版が上がったときには移行の費用がかかります。以前の版からの移行が20ドルという水準で、この版は2026年9月に20年目を迎えました。開発が長く続いている点は、こうした常駐する道具を選ぶときの判断材料になります。

ルールは条件と動作の2段。詰まるのはほぼ条件側

ルールを作る手順自体は難しくありません。監視するフォルダを追加し、条件を並べ、実行する動作を選ぶ。この3つです。それでも思った通りに動かないという声が多いのは、動作の指定ではなく条件の書き方でつまずくためです。

条件を組むときに効く考え方は3つあります。1つ目は、条件を1つずつ足して毎回確かめることです。名前と日付と種類を最初から3つ重ねると、どれが合っていないのか分かりません。まず名前だけで動くことを確かめ、そこから日付を足します。2つ目は、いきなり削除や移動を指定しないことです。最初はタグを付けるだけ、あるいは色のラベルを変えるだけにしておけば、条件が外れていても実害が出ません。狙ったファイルにだけタグが付くことを確認してから、動作を移動へ書き換えます。3つ目は、監視するフォルダを深くしすぎないことです。書類フォルダ全体を監視対象にすると、意図しない場所のファイルまで条件に当たります。

注意しておく点も2つあります。条件に使う日付は、作成日と更新日で結果が変わります。ダウンロードしたPDFは作成日が古いまま残ることがあり、「1週間以内に作られたもの」という条件から外れます。もう1つは、同じフォルダに複数のルールを並べたときの順番です。上のルールで移動してしまうと、下のルールは対象を見つけられません。振り分けと後片付けを1つのフォルダで両方やるときは、順番を先に決めておく必要があります。

ゴミ箱とアプリの後片付けまで面倒を見る

仕分けより地味ですが、効き目が分かりやすいのがゴミ箱の扱いです。開発元の説明では、古くなったファイルを削除する、ゴミ箱が大きくなりすぎたときに中身を整理する、という動作を任せられます。手で空にする習慣がない人にとっては、ディスクの空きが静かに戻り続ける効果があります。

もう1つ、App Sweepという仕組みがあります。アプリをゴミ箱へ移したときに、そのアプリが残していく支援ファイルを探し出して、まとめて捨てるかどうかを尋ねる動きです。アプリ本体を消しても設定ファイルやキャッシュが残り続ける問題は、macOSを長く使っていると確実に溜まります。ここを常駐の仕組みで拾える形になっているのは、後から手で探すより確実です。

ただし、この種の後片付けには前提があります。消える対象を自分で把握していることです。何が支援ファイルなのか分からないまま全部任せると、必要な設定まで消えることがあります。移行の前に別の場所へコピーを保存しておけば、判断を間違えても戻せます。バックアップは、こうした自動処理を入れる前に必ず用意しておく側の準備です。

決めた通りに動く道具と、その場で判断する道具は役割が違う

ここ2年で、ファイルの整理をAIに任せる話が増えました。この2つは競合しているというより、扱える仕事の種類が違います。使い分けの基準は、その処理に判断が必要かどうかの一点です。

ルールで動く仕組みが得意なのは、条件が言葉で書ける処理です。「拡張子がpngで、名前がスクリーンショットで始まるものを、日付のフォルダへ移す」は完全に書き切れます。書き切れるものは、毎回同じ結果になり、速く、料金もかかりません。ネットに繋がっていなくても動きます。

その場で判断する仕組みが必要になるのは、条件が言葉で書けない処理です。「この契約書がどの案件のものか」を判断するには中身を読む必要があります。ファイル名が scan_0043.pdf のままなら、名前からは何も決まりません。ただし、読ませるたびに時間と費用がかかり、結果が毎回同じとは限りません。

現実的な組み方は、書ける部分をルールに任せて、書けない部分だけ判断させる形です。20年前から続いている道具の紹介記事でも、決めたルールで処理できることの価値が改めて取り上げられています。全部を新しい仕組みに置き換えるより、境目を決めるほうが手数が減ります。

ルールが増えたあとに、必ず起きること

導入して数か月経つと、別の問題が出てきます。ルールが20本を超えたあたりから、「このファイルはなぜここにあるのか」が分からなくなるのです。自分で書いたルールでも、半年前に決めた条件は覚えていません。

対処は2つあります。1つはルールの名前を状態で書くことです。「請求書」ではなく「請求書を取引先フォルダへ移す」と書いておけば、一覧を見た時点で動きが分かります。もう1つは、動いた記録を残す設定にしておくことです。何がいつどこへ移動したかを追えれば、想定と違う結果の原因をその場で特定できます。

そして、この確認作業そのものが手間になります。ルールの一覧はアプリの設定画面、移動した先はFinder、ファイルの実体や更新時刻を確かめるならターミナル。3つの窓を行き来しながら1件を追う形になります。自動化を入れたのに、確かめる手数が増えているという逆転がここで起きます。

仕分けた結果を確かめる場所を、1つにまとめる

自動で整理する仕組みを入れるなら、整理された結果を見る場所も一緒に決めておくほうが続きます。フォルダの一覧とターミナルとAIとのやり取りが同じ画面にあれば、ルールが動いたあとの確認が1か所で終わります。移動先のフォルダを開いたまま、同じ窓の下で ls -lT を打って時刻を見て、出てきた結果をその場でAIに読ませられます。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形にしておくと、確認の途中で手が止まりません。何ができるのかはできることに一覧があります。

振り分け先が外付けディスクやNASに散っている場合は、サイドバーの作りも効いてきます。実体を動かさずに、書類フォルダの案件の下へ並べて見られる形になっていれば、ルールの行き先を追うのが楽になります。ObsidianやCursorを2枚並べている状態との違いは他のファイル管理との比較に整理してあります。出先から仕分けの結果を確かめる使い方はiPhone・iPadから続きを、費用は料金に載っています。残った疑問はよくある質問に並んでいます。

決めることは2つだけです。任せる処理の条件を言葉で書き切れるかどうか。そして、動いた結果をどこで確かめるか。この2つが決まっていれば、ルールを1本目から作り始められます。書き切れない処理は、無理に条件へ落とさず、判断する仕組みへ回すほうが早く済みます。

よくある質問

Hazelの料金はいくらですか?

開発元のストアでは、1本のライセンスが42ドル、同じ世帯の最大5人まで使えるFamily Packが65ドル、以前の版からの移行が20ドルと公開されています。買い切りで、月額の課金ではありません。ドル建てのため円での支払額は為替で動きます。購入前に試せる形も用意されています。

ルールを作ったのに動きません。どこを見ればよいですか?

まず動作ではなく条件を疑ってください。条件を1つずつに減らし、名前だけで当たるかを確かめてから日付や種類を足します。日付は作成日と更新日で結果が変わり、ダウンロードしたファイルは作成日が古いまま残ることがあります。同じフォルダに複数のルールがある場合は、上のルールが先に移動していないかも確認します。

AIにファイル整理を任せる仕組みとは、どちらを選べばよいですか?

条件を言葉で書き切れる処理はルールに任せるほうが速く、費用もかかりません。中身を読まないと分類できない処理だけを判断する仕組みへ回します。両方を入れる場合は、どこまでをルールで処理するかの境目を先に決めておくと、二重に動いて結果が食い違う事故を避けられます。

自動で移動や削除をさせるのは危なくないですか?

最初から削除や移動を指定するのは避けてください。まずタグを付けるだけ、色のラベルを変えるだけの動作にして、狙ったファイルにだけ当たることを確かめます。そのうえで動作を書き換えます。作業の前に対象のフォルダを別の場所へコピーしておけば、条件を間違えても元に戻せます。

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