Hazelの費用|無料でできる範囲
Hazelの費用を調べている人が知りたいのは、たいてい3つです。いくらかかるのか、無料のまま使い続けられるのか、そして払う前にどこまで試せるのか。この3つには公式に明記された答えがあり、しかも一般的な月額課金のアプリとは考え方が違います。数字と条件を先に押さえたうえで、支払う価値があるかを自分の使い方で判断できる形に整理します。
買い切りで、月額課金の提供はない
まず価格です。Hazel 6の単体ライセンスは42ドル、同一世帯の5人までで使えるファミリーパックは65ドルです。ファミリーパックは個人の世帯向けと明記されており、法人や団体での共同利用を想定したものではありません。まとまった本数が必要な場合は、別途問い合わせる形になっています。
重要なのは課金の形式です。公式FAQには次のように書かれています。
Is Hazel a subscription? No, when you purchase a license, you get free upgrades for that major version. Even if a new major version comes out, your license will still unlock the version you purchased. 出典: noodlesoft.com
つまり、一度支払えばそのメジャーバージョンの中の更新は無料で受け取れます。次のメジャーバージョンが出たあとも、購入した版は動き続けます。支払いを止めたら使えなくなる、という形ではありません。
この違いは、費用の見積もり方を変えます。月額課金のアプリは、使い続ける限り費用が積み上がります。買い切りの場合、追加の支出が発生するのはメジャーバージョンが変わったときだけで、しかも次で述べるとおり更新は定価より安く設定されています。Hazelは2006年から続いていて、バージョン5が2020年、バージョン6がその後という間隔なので、更新の機会は数年に一度です。
評価期間、デモ、ライセンス済みの3つの状態
無料で使える範囲は、公式ガイドが状態ごとに定義しています。混同されやすいので表にします。
| 状態 | いつ | 使える範囲 |
|---|---|---|
| 評価期間 | インストールから14日間 | ルールの書き出し以外のすべての機能 |
| デモ | 15日目以降、未登録のまま | 監視フォルダ1つ、有効なルール2つまで。読み込みと書き出しは不可 |
| ライセンス済み | 登録後 | すべての機能が恒久的に有効 |
評価期間は14日間で、この間はルールの書き出しだけが制限されます。条件の作り込みも、実行内容も、複数フォルダの監視も、この期間に本番と同じ形で試せます。
注意したいのは、期間中に作り込みすぎた場合の移行です。評価期間のうちに複数のフォルダへ十数本のルールを書いても、デモモードに移った時点で有効に保てるのは2つだけになります。どのルールが残るのかは公式に明記されていないため、期限が近づいたら自分で残す2本を決めておくのが確実です。無料のまま運用を続けるつもりなら、最初から制限を前提に組むほうが手戻りがありません。
期限が切れてもアプリが止まったり、作ったルールが消えたりするわけではありません。デモモードに移り、監視できるフォルダが1つ、有効にできるルールが2つまでに絞られます。ルールの読み込みと書き出しも使えなくなります。制限付きであれば、期限なしで使い続けられる設計です。
デモモードのまま実用になる範囲
ここが判断の分かれ目です。フォルダ1つ、ルール2つで足りるかどうかを、先に具体的に考えておくと無駄な出費を避けられます。
足りる可能性があるのは、散らかる場所が1箇所に集中していて、処理も単純な場合です。たとえばダウンロードフォルダだけを対象にして、1本目で画像と書類を種類ごとにサブフォルダへ送り、2本目で一定期間触っていないファイルをゴミ箱に送る、という構成なら制限内に収まります。実際、放置されがちなのはダウンロードフォルダとデスクトップの2箇所であることが多く、片方だけでも自動化されれば体感は変わります。
足りなくなるのは次のような場合です。
- 監視したい場所が複数ある。ダウンロードフォルダとデスクトップ、それに書き出し用のフォルダも見たい、という時点で制限を超えます
- 仕分けの条件が3種類以上ある。請求書、見積書、写真、それ以外という分け方をすると、ルールは2本に収まりません
- サブフォルダの中まで処理したい。中まで見るための専用ルールを1本使うため、実質的に使えるルールは1本だけになります
- 設定を別のMacに持ち出したい。読み込みと書き出しが使えないため、同じ設定を手作業で作り直すことになります
このうち3つ目は見落とされがちです。サブフォルダを処理するには、他のルールの適用範囲を広げる専用のルールが要ります。それを1本置いた時点で、残りの枠は1本です。
更新の費用と、無料になる条件
旧バージョンからの更新は20ドルです。単体ライセンスでもファミリーパックでも金額は同じで、更新後も同じ種類のライセンスが維持されます。単体は単体のまま、ファミリーパックはファミリーパックのままです。
更新が無料になる条件も公示されています。2024年中にHazelを購入した人は、Hazel 6への更新が無料です。対象者向けに、無料の更新ライセンスを受け取るための案内が公式サイトに用意されています。購入時期が曖昧な場合は、領収書か受け取ったライセンスファイルの日付を確認してから申請するのが確実です。
更新にあたって、作ったルールと設定が引き継がれるかどうかも公式FAQが答えています。すべて引き継がれるはずだ、としたうえで、万一古い版に戻す必要が出たときのためにバックアップを取っておくよう勧めています。自動化のルールは積み上がるほど作り直しの手間が大きくなるため、この助言は実務的です。
割引が出る時期と、買う場所
定価より安く買える機会があります。Noodlesoftは2026年9月4日のブログで、Hazelの20周年に合わせて全商品を35%引きにすると告知しました。更新も対象で、期間はその週末から月曜の夜までとされていました。周年の告知は過去にも出ているため、急がない場合は9月前後の告知を確認する価値があります。
買う場所についても注意書きがあります。同じ告知の中で、割引がアプリ内のストアには反映されないことがあるため、Webストアを使うように、と明記されています。アプリの画面から購入に進むと定価のまま決済される可能性がある、という意味です。割引の期間中に買うなら、ブラウザで公式ストアを開いてから進むのが安全です。
買ったあとの取り消しについても規定があります。公式の返金ポリシーには30日間の保証が明記されていて、満足できない場合は購入から30日以内に連絡するよう案内されています。連絡の際には注文番号を添えることが求められます。同じページには、購入前に試用期間で評価することを強く勧める、という一文も置かれています。評価期間を使い切ってから買う流れが、販売側の想定でもあるということです。
日本から購入する場合、表示はすべて米ドル建てです。日本円での請求額は、決済に使うカードの為替レートと手数料で変わります。公式サイトには日本円の価格表が用意されていないため、円での正確な支払額は決済の直前に確認することになります。
14日間のうちに確かめておくこと
評価期間は、価格に見合うかどうかを判断するための時間です。ここで遠慮した使い方をすると、判断の材料が集まらないまま期限が来ます。確かめる項目は次の4つです。
1つ目は、自分の仕分けの基準が条件として書けるかどうかです。ファイル名、日付、サイズ、書類の中の文字、Finderのタグのように、機械が読み取れるものだけが条件になります。「今の案件のものかどうか」のように頭の中にしかない基準は条件に落とせません。この確認だけは購入前に必ず済ませてください。落とせない基準が仕分けの中心にある場合、どれだけ払っても結果は変わらないためです。
2つ目は、監視したいフォルダの数です。評価期間中は制限がないため、つい5つも6つも登録できてしまいます。実際に処理が発生したフォルダがいくつだったかを、期間の終わりに数えてください。1つだけだった場合、デモモードのままで足ります。
3つ目は、動作条件の確認です。公式FAQはHazel 6の要件をmacOS 13.0(Ventura)以降としていますが、ユーザガイドの導入手順にはmacOS 12(Monterey)以降と書かれていて、公式サイトの中で記述が食い違っています。古いOSのまま使っている場合、購入後に動かないという事態を避けるため、評価期間中に実機で動かして確かめておくことが確実です。
4つ目は、ルールの書き出しです。評価期間中に制限されている機能はこれだけで、しかも購入後に使うことになる機能です。他のMacに設定を持ち出す予定があるなら、書き出しが必要になる場面がいつ来るかを見積もっておいてください。
費用をかけずに済む範囲も先に見ておく
macOSには、追加の費用なしで使える整理の仕組みがいくつかあります。ここで足りる作業にお金を払う必要はありません。
- スマートフォルダ。条件に合うファイルを自動で一覧します。実体は動かないため、探す時間だけを減らしたい場合はこれで足ります
- タグ。フォルダの階層と独立した分類を付けられます。案件をフォルダで、進行状態をタグで表す使い分けができます
- ショートカット。決まった手順をまとめて実行できます。手動で起動する形なら、繰り返し作業の一部はここで吸収できます
これらと自動化アプリの差は、起動のきっかけにあります。標準機能は人が操作したときに動き、ルールによる自動化はファイルが置かれたときに動きます。放置していても散らからない状態を作りたいのであれば後者が要り、探す時間だけを縮めたいのであれば前者で足ります。この線引きを先にしておくと、払うかどうかの判断が短時間で済みます。
支払う前に測っておく指標
費用の判断は、金額ではなく「何が減るか」で決めると外れません。測る対象は2つあります。
1つ目は、繰り返し作業の回数です。同じファイルの移動、同じ名前の付け直しを1日に何回しているかを1週間数えます。この回数がそのままルールで消える分です。数えるときは記憶に頼らず、その場で正の字を書くか、メモアプリに1行足す形にしてください。あとから思い出して書くと、印象に残った作業だけが残り、実際には最も回数の多い単純な移動が抜け落ちます。
2つ目は、窓の切り替えの回数です。ファイルの場所を見る、コマンドを打つ、内容を調べる。この3つを別々のウィンドウで行き来している回数を数えます。この数字はルールを増やしても減りません。ルールが消すのは繰り返しのほうで、行き来のほうではないからです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形の道具が効くのは2つ目の指標で、狙っている場所が違います。
どちらの数字が大きいかで、次に払う先が変わります。他の道具と費用や担当範囲を並べて比べたい場合は他のファイル管理との比較に整理があります。月額と買い切りの違いを含めた費用の考え方は料金のページに、支払い前に確認されることの多い疑問はよくある質問にまとまっています。
よくある質問
Hazelは無料版だけで使い続けられますか?
使い続けられます。インストールから14日間は書き出し以外のすべての機能が使える評価期間で、その後はデモモードに移ります。デモモードでは監視フォルダが1つ、有効なルールが2つまでに制限され、読み込みと書き出しが無効になります。期限はないため、散らかる場所が1箇所だけなら制限内で運用できます。
一度買えば次のバージョンも無料で使えますか?
同じメジャーバージョンの中の更新は無料です。次のメジャーバージョンに上げる場合は、種類を問わず20ドルの更新費用がかかります。購入した版はその後も動き続けるため、更新しないという選択もできます。なお2024年中に購入した人はHazel 6への更新が無料で、公式サイトに申請の案内があります。
日本円でいくらになりますか?
公式サイトに日本円の価格表はなく、表示はすべて米ドル建てです。Hazel 6は42ドル、ファミリーパックは65ドル、更新は20ドルで、円での請求額は決済に使うカードの為替レートと手数料によって変わります。正確な金額は決済画面に進んだ時点で確認するのが確実です。
安く買える時期はありますか?
周年の告知に合わせた割引が出ることがあります。2026年9月4日には20周年として全商品が35%引きになり、更新も対象でした。その際の案内には、割引がアプリ内のストアに反映されない場合があるためWebストアを使うように、という注意が添えられています。急ぎでなければ告知を待つ選択肢があります。