写真と動画の整理がうまくいかないとき|確かめる順番

写真と動画の整理でうまくいかないときに一番損をするのは、原因が分からないまま設定を片端から触ってしまうことです。触った数が増えるほど、どの変更が効いたのかが分からなくなります。確かめる順番を決めておけば、大抵は数分で場所が絞れます。ここでは、症状の切り分けから順に、どこを見ればよいのかを並べます。

まず症状を3つに分ける

先に決めるのは、何が起きていないのかです。混ざりやすい症状は次の3つで、原因の場所がまったく違います。

  • 出てこない。あるはずのファイルが一覧や検索結果に現れない
  • 開けない。一覧には出るのに、開こうとすると待たされる、またはエラーになる
  • 中身がおかしい。開けるが日付が違う、並び順が変、同じものが2件に見える

出てこないなら、ファイルの有無か検索の索引です。開けないなら、原本の場所か権限です。中身がおかしいなら、参照している値の違いです。この分岐を先に通しておくと、確かめる場所が3分の1になります。

以下は、確かめる順に並べています。上から順に潰していけば、下の手順まで行かずに終わることがほとんどです。

順番1: ファイルが本当に手元にあるかを見る

一覧には出るのに開くと待たされる場合、そのファイルは手元にありません。iCloud写真の設定で、Macに置くものを小さい版だけにしている状態が代表的です。この設定では、原本はiCloud側にあり、必要になった時点で取りに行きます。回線が細い場所や、動画のように大きいファイルでは、待ち時間が長くなります。

確かめ方は2つあります。写真アプリの設定でiCloudの欄を開き、どちらのオプションが選ばれているかを見ること。もう1つは、書き出しを1件だけ試して、すぐ終わるかどうかを見ることです。すぐ終われば原本は手元にあります。

素のフォルダに置いている場合は、置き場所そのものが外れていないかを見ます。外付けドライブが接続されていない状態でも、直前まで見ていた一覧の表示だけが残ることがあります。ディスクユーティリティか、Finderのサイドバーで、そのボリュームが実際にマウントされているかを確かめます。

ここで見つかりやすいもう1つの原因が、ライブラリの外に置いたままの画像です。ライブラリの外にあるファイルは参照ファイルと呼ばれ、ライブラリのバックアップには含まれません。復元したのに一部だけ出てこない場合、その差はこれで説明が付きます。

順番2: 検索が返ってこないとき

ファイルは確かにあるのに検索で出てこない場合は、索引を疑います。macOSの検索は、ファイルを1件ずつ見に行くのではなく、あらかじめ作った索引を引いています。索引が作られていない場所では、条件に合っていても何も返りません。

  • 外付けドライブは、索引を作らない設定になっていることがあります。ターミナルから mdutil -s /Volumes/ボリューム名 を実行すると、その場所で索引が有効かどうかが表示されます
  • システム設定のプライバシー関連の項目で、検索から除外する場所を指定している場合、そこは常に空振りします
  • 索引が壊れている疑いがあるときは、対象を指定して作り直します。全件を作り直す間は検索が不安定になるため、作業の合間ではなく、まとまった時間が取れるときに実行します

もう1つ、検索語そのものが当たっていない場合があります。Finderがサイドバーに出している「ピクチャ」や「書類」は表示上の名前で、ディスクの上では PicturesDocuments です。ターミナルや他のアプリから日本語の名前で探すと、存在するのに見つかりません。表示の言語によって見え方が変わる仕組みについては対応言語にも整理があり、複数の言語で画面を使い分けている場合はここが原因になりやすい場所です。

順番3: 日付がおかしいとき

並び順が思ったとおりにならない、去年の写真が今日の日付で並ぶ。こうした症状は、どの日付を見ているかの違いで起きます。1件のファイルには撮影日時、作成日、変更日という別々の値があり、表示に使う値はアプリごとに違います。

原因として多いのは次の3つです。

  • コピーや書き出しでファイル側の日付が更新された。撮影日時は画像の中に残っていますが、ファイルの作成日と変更日は操作した時刻になります
  • 時差。旅行先で撮った写真の撮影日時が現地時刻で記録され、日本に戻ってから並べると前後が入れ替わって見えます
  • 撮影日時が最初から入っていない。スクリーンショットや、他のアプリが書き出した画像には撮影日時の欄がないことがあります

確かめるときは、1件を選んで情報を表示し、撮影日時の欄があるかどうかを見ます。ターミナルからなら mdls でその1件の項目を列挙できます。撮影日時の欄がない場合、その画像を撮影日で並べる方法はありません。ファイル名に日付を入れるか、取り込んだ日で代用するかを決めることになります。

順番4: 重複に見えるとき

同じものが2件に見える症状は、本当に重複している場合と、そう見えるだけの場合があります。消す前に、次の組み合わせに当てはまらないかを見ます。

同じ名前で拡張子だけが違う2件が並んでいるなら、Live Photosの対である可能性があります。静止画と短い動画で1つの項目になっているため、動画側だけを消すと動かなくなります。RAWとJPEGを同時に記録する設定でも、同じ画が2つ並びます。

形式が違う2件が並ぶ原因には、カメラ側の設定もあります。iPhoneとiPadでは、カメラのフォーマットを互換性優先にすると、新しく撮る写真やビデオがJPEGとH.264になります。この設定を途中で切り替えていると、同じ時期の写真が2つの形式で混在します。どちらも原本なので、片方を機械的に消すと、あとで形式を戻したときに揃わなくなります。

書き出しで作ったコピーは、元と同じ名前のまま別のフォルダにあることが多く、名前の一致だけでは判別できません。中身が同一かどうかは、要約値を取って突き合わせれば確実です。ターミナルで shasum を2件に対して実行し、値が一致したものだけを対象にします。

順番5: 権限で止まっているとき

エラーの文面が出ないまま、操作だけが効かない場合は権限を疑います。macOSはアプリごとに触れる範囲を区切っているため、許可のない場所では黙って何も起きないことがあります。

  • 写真アプリのライブラリを他のアプリから読むには、写真へのアクセスの許可が要ります。許可を選んだ項目だけに限定していると、その外は見えません
  • デスクトップ、書類、ダウンロードの各フォルダ、および外部ボリュームへのアクセスは、それぞれ別の許可です。1つ許可しても他は閉じたままです
  • 写真ライブラリはパッケージで、中身は1つのフォルダのように開けますが、中のファイルを直接動かしたり書き換えたりする前提では作られていません。スクリプトで中を触ると、表示と実体がずれます

許可の状態は、システム設定のプライバシーとセキュリティの項目で一覧できます。1つずつオンにするのではなく、いま止まっている操作が何に触ろうとしているのかを先に考えてから、その1つだけを許可します。

順番6: それでも直らないときのライブラリ修復

ここまでで場所が特定できず、写真アプリの中の表示そのものがおかしい場合は、ライブラリの再構築という手段があります。Appleが手順を公開しています。

ライブラリ内の写真に問題が起きる場合は、その修復を試みることができます。重要: 修復する前に、写真ライブラリのバックアップを作成してください。 出典: support.apple.com

手順は、写真アプリを終了してから、OptionキーとCommandキーを押したまま写真のアイコンをクリックし、表示されたウインドウで修復を選ぶというものです。それでも直らない場合は、Time Machineのバックアップから戻す方法が残ります。

注意が要るのは、バックアップの置き場所です。写真ライブラリが外部ドライブにある場合、同じストレージデバイスにTime Machineのバックアップを置くことは避けるようAppleが警告しています。アクセス権が競合する可能性があるためです。修復を実行する前に、控えがどこにあるのかを先に確かめます。

写真は通るのに動画だけ止まるとき

ここまでの6つを通しても、写真は問題なく、動画だけがうまくいかないことがあります。この場合は原因の場所が別にあります。確かめる点は3つです。

1つ目は大きさです。動画は1件あたりが写真の数十倍から数百倍あります。外付けドライブやネットワーク越しの場所に置いていると、読み込みそのものに時間がかかり、途中で止まったように見えます。同じ動画を内蔵ディスクにコピーしてから開き直すと、場所が原因かどうかが切り分けられます。

2つ目は形式です。HEVCで記録された動画は、macOS High Sierra 10.13以降なら表示や編集ができます。それでも再生できない場合は、OSではなく、そのアプリが独自に持っている再生機能の側が対応していない可能性があります。標準のプレビューで開けるかどうかを先に試すと、どちらの問題かが分かります。

3つ目はサムネイルです。一覧に動画だけ絵が出ない、または灰色のままになる症状は、サムネイルの生成が終わっていないか、生成に失敗している状態です。ファイル自体は無事なことが多いので、開いて再生できるなら、一覧の表示だけの問題として扱って構いません。同じフォルダに動画が大量にある場合、生成が終わるまで数分かかることがあります。

この3つで場所が絞れない場合は、動画を1件だけ別のフォルダに移して、そこで同じ症状が出るかを見ます。出るならファイル側、出ないなら元のフォルダの状態が原因です。

同じ切り分けを次も使えるようにする

今回の原因が分かったら、確かめた場所を1つ書き残しておきます。次に同じ症状が出たときに、順番1から全部やり直す必要がなくなります。書き残す内容は3行で足ります。どの症状だったか、どの順番で見つかったか、何を変えたか。

切り分けが長引く一番の理由は、確かめる場所がアプリごとに散っていることです。一覧を見るのはファイルの窓、索引や要約値を確かめるのはターミナル、手順を思い出すのは別のアプリ、という具合に分かれていると、順番1に戻るだけで窓を3つ行き来することになります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形なら、一覧で当たりを付けてそのままコマンドを当てられます。1つの窓の中で何ができるのかはできることにまとまっており、他の道具との守備範囲の違いは他のファイル管理との比較で並べられます。

権限の要り方や対応する環境についての細かい点はよくある質問にあります。切り分けの途中で「これは道具の問題なのか、OSの制限なのか」で迷ったときは、先にこちらを見ると手戻りが減ります。

よくある質問

一覧に出るのに開くと待たされるのはなぜですか?

Macに置かれているのが小さい版だけで、原本がiCloud側にある状態が典型です。必要になった時点で取りに行くため、動画のように大きいファイルでは待ち時間が長くなります。写真アプリの設定でiCloudの欄を開き、どちらのオプションが選ばれているかを確かめてください。

ファイルはあるのに検索で出てきません。何を見ればよいですか?

検索は索引を引いているため、索引が作られていない場所では何も返りません。外付けドライブは索引が無効になっていることがあるので、そのボリュームで索引が有効かを確かめてください。検索から除外する場所を設定している場合も、そこは常に空振りします。

同じ写真が2件あるように見えます。消しても大丈夫ですか?

名前が同じで拡張子だけ違う場合は、Live Photosの静止画と動画の対か、RAWとJPEGの組である可能性があります。どちらも片方を消すと元に戻せません。中身が同一かどうかは要約値を取って突き合わせ、値が一致したものだけを対象にしてください。

写真ライブラリの修復はいつ実行してよいですか?

ファイルの有無、索引、日付、権限まで確かめても表示が直らない場合の最後の手段です。実行前にバックアップを作成してください。ライブラリが外部ドライブにある場合、同じデバイスにTime Machineのバックアップを置くことは避けるよう案内されています。

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