Path Finderの代わりになるもの|手放してよい機能の見分け方

Path Finderの代わりを探し始めた人が最初につまずくのは、比較の単位が大きすぎることだ。1本のアプリを丸ごと別の1本に置き換えようとすると、候補はどれも帯に短く襷に長い。実際には、このアプリは小さな部品の集まりとして組み立てられている。部品ごとに見れば、いま標準のmacOSが引き受けている仕事と、手で足せる仕事と、代わりが立ちにくい仕事に分かれる。

比較の前に、棚に何を置いているかを数える

このアプリの画面は、窓の周囲にある棚と、そこへ置いたモジュールで構成される。モジュールを1つも置いていない棚は灰色のままで、使うにはメニューのウインドウからモジュールの一覧を出し、窓の好きな場所へ引いて置く。つまり、同じアプリを使っていても、人によって画面に出ている機能はまったく違う。

だから代わりを探す作業は、機能一覧を眺めることから始めるべきではない。いま自分の窓の棚に何が置いてあるかを数えるところから始める。置いたまま一度も触っていないモジュールは、代わりを用意する必要がない。

数え方は単純で、棚に並んでいる項目を書き出し、直近の1週間で実際に押したものへ印を付ける。多くの場合、印が付くのは3つから5つ程度に収まる。置き換えの対象はその印の付いたものだけであり、残りは最初から検討の外に出せる。

資源の使い方にも同じ話がある。動作が重いときの対処として、フォルダの容量計算を切ること、使っていないモジュールを切ること、巨大な動画の下見を避けること、更新直後は索引作りが終わるのを待つことが案内されている。置いたまま使っていないモジュールは、画面を占めるだけでなく負荷も持っている。

標準のmacOSがすでに引き受けている2つの仕事

印が付いたものの中に、一括の名前替えが入っている人は多い。これは標準のFinderにも入っている。複数の項目を選んで右クリックし、「名称変更」を選ぶと、名前の中の文字を置き換える、名前に文字を足す、書式を決めるの3つから選べる。書式を選んだ場合は、連番か日付を名前の前か後ろに置き、開始番号も指定できる。

もう1つが、その場所でターミナルを開く操作だ。標準のFinderでも、表示メニューからパスバーを出しておけば、窓の下に出たパスバーのフォルダを右クリックして「ターミナルで開く」を選べる。サービスの中にある「フォルダに新規ターミナルタブ」を選べば、タブとして開く。

この2つは、代わりのアプリを入れなくても、いまのMacで今日から動く。印が付いた機能がこの2つだけだったなら、追加の支払いをせずに済む可能性が高い。逆に言えば、ここに挙げた範囲を超えて何をしているかが、有料の道具を持つ理由になる。

置き換えを検討する前に、この2つを1週間だけ標準のやり方で通してみると判断が早い。名前替えの条件が複雑で標準の3種類では組めないのか、それとも単に慣れの問題なのかが、そこではっきりする。

代わりが立ちにくい仕事は4つに絞られる

一方で、標準の側に同じものが見当たらない仕事もある。1つ目は一時的な置き場だ。ドラッグの操作を途中で止めて、いくつかの場所から集めたファイルを溜めておき、あとでまとめて運ぶ。この動きは、手が1本しかない操作を2段階に分ける発想で、標準のFinderには対応する概念がない。

2つ目は、USBで繋いだiPhoneの中を開いて、そのままファイル操作を行う機能。3つ目は、復元できない形での削除。4つ目は、大きさを軸にした閲覧で、階層とサイズを図として見せる表示が用意されている。溜まったファイルの整理では、どこに容量が寄っているかを図で見る作業が効くため、ここに印が付く人は多い。

2画面の1回のクリックで片方からもう片方へ運ぶ操作も、標準では同じ手数にならない。ただしこれは、他の2画面のファイル管理アプリでも広く備わっているため、代わりが立たない仕事ではなく、代わりの候補が多い仕事に入る。

フォルダどうしを突き合わせて同期する機能も、この列に近い。2つのフォルダを比べて、同じもの、違うもの、片方にしかないものを出し、指定した方向へ揃える。同じことを標準の道具だけで行うなら、ターミナルで同期のコマンドを組むことになり、除外の条件や削除の扱いを自分で書く必要が出てくる。

印が付いたものがこの4つに集中している場合は、置き換えの検討そのものが難しくなる。その場合に考える順番は、4つのうち本当に毎週使っているのはどれかを絞り、それ1つだけを引き受ける小さな道具を探すことになる。

1本を複数本に割ると、別の費用が出てくる

機能ごとに小さな道具を当てる方針は、金額だけを見れば有利に働くことが多い。ただし、macOSでファイルを扱う道具を増やすと、金額以外の費用が3つ増える。

1つ目は権限の申請だ。ディスクの中を広く読む道具は、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるフルディスクアクセスへ登録が要る。道具が3本あれば3本とも登録が要り、macOSを大きく上げたあとに片方だけ許可が外れて、原因の切り分けから始めることになる場面も出てくる。

2つ目は常駐の増加だ。ログイン時に読み込まれる設定を持つ道具は、使っていない時間も動いている。3つ目は覚える操作の分散で、同じ「選んでから何かする」という動作が、道具ごとに別のキーに割り当てられる。

この3つは、道具を2本に割るところまではあまり効かない。効き始めるのは3本目からだ。したがって、置き換えの現実的な着地は、印の付いた機能のうち上位2つを引き受ける道具を1本選び、残りは標準の操作で通す形になりやすい。

外に繋ぐ部分は、事情が変わっている

外部のサービスに繋ぐ機能は、アプリ側の都合だけでは決まらない。相手側の方針が変われば、同じ機能でも動き方が変わる。

Google no longer allows direct Google Drive login inside Path Finder. 出典: support.cocoatech.com

公式のサポート記事では、これに続けて対処が案内されている。Google Drive for Desktopを入れて同期を有効にし、Mac上に作られたフォルダをアプリの中から開く。つまり、アプリが直接サービスへ接続するのではなく、同期されたローカルのフォルダを扱う形に変わっている。

AirDropの表示も、バージョン26.1.4で取り除かれた。理由として、Appleが最近のOSで加えた変更のため、この機能を支えることができないと説明されている。ただし共有メニューとツールバーの共有の項目からAirDropへ送ることは引き続きできる、とも書かれている。

この2つは、代わりの道具を評価するときの見方を変える。クラウドのサービス名がいくつ並んでいるかではなく、その接続が相手の認証方式の変更に耐えられる作りかどうかを見る。同期アプリが作ったローカルのフォルダを扱う方式なら、相手の方針が変わっても影響を受けにくい。

提供の状況として確かめておく4点

代わりを探す動機が「もう更新が止まったのではないか」である場合、その前提から確かめる必要がある。公開されている更新の記録を見ると、バージョンは26.1.8まで進んでいる。一覧表示の作り直し、列表示の改善、チェックサム計算と画面の改善、ARW形式の写真の下見への対応、簡体字中国語の翻訳の完了などが並ぶ。1つ前の26.1.7では、対応する20言語すべての翻訳を見直したと書かれている。

運営の主体についても、公式の記事に説明がある。親会社はDistant Futureで、クレジットカードの明細にその名前が出ても同じ会社だと案内されている。支払いの形は買い切りのライセンスキーと定額の両方が提供されていて、公式の商品ページには1年のライセンスとして32.95ドルと表示されている。

料金の考え方については、更新の扱いを先に読んでおく。年で区切るバージョン番号に変わっており、新しい年のバージョンは有料の更新として案内されている。いま持っているライセンスが1年未満であれば、その1年が経つまでは新しいバージョンを使えると書かれている。

新規の受付が止まっている様子は、確認できる範囲では見当たらない。体験版は30日で提供されており、公式サイトからそのまま落とせる。問い合わせの窓口としては、メールのほかにDiscordの場と、画面の右下に置かれた自動応答の案内が挙げられている。

この4点を確かめる順番には意味がある。終わったかどうかを先に見れば、料金の比較そのものが不要になる場合がある。運営の主体を次に見れば、明細に出る名前と支払先が食い違って見える混乱を避けられる。料金の改定は最後でよく、いま出ている金額よりも、次のバージョンをどう扱うかの規則のほうが総額に効く。この順番は、他社の道具を検討するときにもそのまま使える。

出ていくときに、手で片付けるもの

置き換えを決めた場合、消して終わりにはならない。公式のサポート記事は、設定を初期化する手順として、消す対象を具体的に挙げている。アプリケーションサポートの中のフォルダ、環境設定のplist、起動時に読み込まれるLaunchAgentsのplist、キャッシュ、保存された画面の状態だ。

これらは初期化のための案内だが、アプリを使うのをやめるときにも同じ場所が残る。特にLaunchAgentsに入る項目は、ログインのたびに読み込まれる設定であり、アプリ本体をゴミ箱へ入れただけでは消えない。

権限も残る。システム設定のプライバシーとセキュリティにあるフルディスクアクセスの一覧に登録が入っているので、そこからも外す。ファイルが表示されない不具合の対処として、この権限を一度切って5秒待ってから入れ直す手順が案内されているほど、macOS側の記録と結びついている。

ライセンスの側も手続きが要る。メニューの登録の画面からサインアウトすると、そのMacの登録が解ける。台数の枠を別のMacへ回したい場合はこの操作が必要になる。なお体験版の期間はMacの機器に紐づいているため、入れ直しても戻らないと明記されている。試用のやり直しはできない前提で、期間の使い方を決めておく。

手放す前に数えておく2つの回数

ここまでの分け方で、置き換えの対象は「棚に置いていて、直近1週間で押した機能」だけに絞れる。そのうえで、置き換え先を選ぶ前に数えておきたい回数が2つある。1つは、ファイルの窓から場所を写してターミナルへ渡した回数。もう1つは、ファイルの内容について文章で指示を出したくなった回数だ。

この2つは、機能の一覧表には現れない。どの道具にも「その場所でターミナルを開く」機能はあるが、開いた先は別の窓であり、戻る操作は手で行う。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りは、この往復を前提から外す考え方で、モジュールの数を比べる話とは別の軸に立っている。同じ窓に何が入るのかはできることに、他の道具との違いは他のファイル管理との比較に並べてある。

置き換えの費用を見積もるときは、手元のMacの外も含めて考えると判断がぶれにくい。移動先の端末から同じ作業の続きに触れるかどうかで、必要な機能の重みが変わるからだ。その前提はiPhone・iPadから続きをに、表示できる言語は対応言語に、費用の考え方は料金に、判断に迷いやすい点はよくある質問にまとめてある。

よくある質問

Path Finderはもう開発が止まっていますか?

公開されている更新の記録では、バージョン26.1.8まで進んでいます。一覧表示の作り直しや列表示の改善、ARW形式の写真の下見への対応などが並び、1つ前の26.1.7では対応する20言語すべての翻訳を見直したと書かれています。開発が止まっているという前提で代わりを探す場合は、まずこの記録を確認してください。

一括の名前替えだけが目的なら、代わりのアプリは要りますか?

標準のFinderにも入っています。複数の項目を選んで右クリックし「名称変更」を選ぶと、名前の中の文字の置き換え、文字の追加、書式の指定の3つから選べます。書式では連番か日付を名前の前後に置き、開始番号も決められます。この3種類で組める条件なら、追加の支払いなしで今日から使えます。

アプリを消せば、Macから完全に無くなりますか?

残ります。公式のサポート記事が初期化の手順として挙げているとおり、アプリケーションサポートのフォルダ、環境設定のplist、LaunchAgentsのplist、キャッシュ、保存された画面の状態が別の場所にあります。あわせて、システム設定のフルディスクアクセスの一覧に入った登録と、ライセンスの登録も手で解く必要があります。

Google Driveに繋がらなくなったのは不具合ですか?

公式のサポート記事では、Googleがアプリの中から直接ログインする方式を認めなくなったためと説明されています。対処として、Google Drive for Desktopを入れて同期を有効にし、Mac上にできたフォルダをアプリの中から開く方法が案内されています。代わりの道具を選ぶときも、同期されたローカルのフォルダを扱う方式かどうかを見ると判断しやすくなります。

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