Path Finderをどう選ぶか|条件の見方と、先に読む3つの規則
Path Finderの選び方で迷うのは、機能が多いからではない。同じ名前で系統が2本あり、バージョンの数え方が年に変わり、支払いの形も2種類あるため、どれを見て比べればよいのかが決まらないからだ。ここでは機能の話をいったん置いて、買う前に読むべき条件を順番に並べる。
系統が2本ある。手元のmacOSがどちらに入るかを先に決める
公式のサポートページには、動作条件が2行に分けて書かれている。11.2はmacOS High Sierra(10.13)以降に対応する。26はmacOS Ventura(13)以降に対応する。この2行のどちらに自分のMacが入るかで、その後の判断がすべて変わる。
機器の側は、Intelを積んだMacとMシリーズのMacの両方に対応し、どちらでもそのまま動くと書かれている。片方だけが遅くなる、という形の制限は書かれていない。つまり選択の分かれ目はOSのバージョンだけになる。
さらに古いMacを使っている場合の窓口も別にある。公式サイトには、古いMacでバージョン10を使いたい人向けの案内が置かれている。手元の機械の都合でOSを上げられない状況なら、最新の系統を前提に条件を読むこと自体が無駄になる。
この確認を先に置く理由は単純で、料金表や機能一覧を読み込んだあとで動作条件に引っかかると、そこまでの比較がすべて無効になるからだ。動く系統を1本に決めてから、その系統の条件だけを読む。
年で区切るバージョンは、更新の規則が金額より重い
いまのバージョンは26.1.8で、番号の頭が年を表す形になっている。この数え方の下では、新しい年の版が出るたびに何が起きるかという規則が、表示されている金額よりも総額に効いてくる。
THIS VERSION IS A PAID UPGRADE! If your current Path Finder license is less than a year old, you can use the new version until it's been one year. Otherwise, you need to purchase an upgrade license. 出典: store.cocoatech.io
読み替えると、ライセンスを買ってから1年以内であれば、新しい年の版をその1年が終わるまで使える。1年を越えている場合は、新しい版に移るために更新のライセンスを買う。使い続ける権利と、新しい版を受け取る権利が別々に管理されている構造になる。
この構造は、買った直後に新しい年の版が出た場合と、あと1か月で1年になる時期に出た場合とで、体感がまったく違う。年の変わり目に近い時期に買うのであれば、次の版がいつ頃出そうかを更新の記録から推し量っておくと、無駄が減る。
過去の記録を見ると、26.0で画面の構成を全面的に作り直したと書かれている。その際、多くの設定と選択肢が古くなったものとして取り除かれ、更新後には引き継がれないとも明記されている。大きく作り替える年の版は、金額だけでなく手元の設定の作り直しも伴う。
支払いの形は2つあり、台数の数え方が違う
公式の商品ページには、1年のライセンスとして32.95ドルが表示されている。これとは別に定額の形も用意されていて、公式サイトの購入の欄には、定額かライセンスキーのどちらかを選ぶ形で案内されている。
違いは金額だけではない。サポートの記事によれば、ライセンスキーには3台分の登録枠が付く。同じライセンスに枠を買い足すことはできないと明記されている。定額の側はメールアドレスに紐づく形で、2台分の枠になる。
枠の数え方も書かれている。登録は機器に対して数えるので、同じMacを2人で使っても枠は1つしか消費しない。逆に、自分ひとりでも据え置きと持ち運びと仕事用で3台を使えば、キーの枠はそこで埋まる。4台目が要るときは、使っていないMacでメニューの登録の画面からサインアウトして枠を空けるか、もう1本買う。
いま何台に入っているかは、メニューの登録の画面でいつでも確認できる。台数が増える見込みがあるなら、枠の上限と、枠を空ける操作が自分でできることの2点を、買う前に押さえておく。
枠の差は、3年ほどの幅で見ると効き方が変わる。キーの3台は、据え置きと持ち運びに加えて、機種を変えた直後の引き継ぎ期間に古い機械を残しておく余地になる。定額の2台で同じことをすると、新旧を並べている間に枠が埋まり、移行の途中でサインアウトの操作が挟まる。Macを何年おきに買い替えるかを、枠の選択と一緒に考えておくと迷いが減る。
登録が通らないときの手順も、買う前に読んでおく
支払いの形を決めるのと同じくらい、登録が通らなかったときに何をするのかを知っておくと安心して選べる。公式のサポート記事には、この症状の対処が具体的に書かれている。
挙がっている症状は3つで、期限が切れたと表示される、購入したのに体験版が終了したと出る、サインインしているのに登録として認識されない、というもの。手順は、メニューの登録からサインアウトし、アプリを完全に終了し、キーチェーンアクセスを開いて特定の項目を探して消し、もう一度開いてサインインし直す、という流れになっている。
ここから分かるのは、登録の情報がキーチェーンに置かれているという構造だ。Macを初期化して復元した場合や、キーチェーンを移した場合に、この情報が食い違って症状が出る余地がある。手元の環境で復元や移行を頻繁に行うなら、この手順が要る場面に当たる確率は上がる。
設定そのものが飛んだときの手順も別に書かれている。サイドバーの項目が消える、ツールバーの図が無くなる、起動のたびに並びが戻る、といった症状には、関係するファイルを消して作り直す方法が案内されている。消す対象として、アプリケーションサポートのフォルダ、環境設定のplist、LaunchAgentsのplist、キャッシュ、保存された画面の状態が挙がっている。
明細に出る名前が違う理由も、先に知っておく
支払いに関して、混乱しやすい点が1つある。公式の記事に、親会社はDistant Futureであり、クレジットカードの明細にその名前が出ても同じ会社だという説明が置かれている。
これは些細に見えて、法人の経理を通すときには効いてくる。購入したアプリ名と、明細に並ぶ請求元の名前が一致しないと、後から突き合わせる作業が発生する。稟議や立替の精算がある環境なら、購入の前にこの対応関係を控えておく。
問い合わせの経路も確かめておきたい。公式サイトでは、メールのほかにDiscordの場が案内されていて、担当が在席していればその場でやり取りができるとある。画面の右下には自動応答の案内も置かれていて、メールを送る前にそちらを見るよう書かれている。
このあたりは、過去に支援の体制が一度崩れ、担当者が不在のまま問い合わせが溜まった経緯が公式の記事に残っている。その後に新しい体制を組み直したこと、そのことへの謝罪も同じ場所に書かれている。問い合わせの速さを重視するなら、いま案内されている経路がどれかを見ておく。
なお、量をまとめて買う場合の窓口は別に用意されていて、販売の担当へ直接連絡する案内が置かれている。数人分をまとめる予定があるなら、個別に買ってから合わせるのではなく、先にそちらへ条件を聞くほうが早い。台数の枠の数え方が個人向けと変わる可能性があるため、上で見た3台と2台の前提をそのまま当てはめないほうがよい。
体験版の30日で、何から試すかを決めておく
体験版は30日で、公式サイトから落として始められる。ここで気をつけたい規則が1つある。サポートの記事に、体験版の期間はMacの機器に紐づいており、入れ直しても戻らないと明記されている。やり直しが効かない前提で日程を組む。
試す順番として先に置きたいのは、権限まわりだ。フォルダが空に見える、Finderには出ているファイルが出ない、といった症状の対処として、システム設定のフルディスクアクセスを一度切り、5秒待ってから入れ直す手順が案内されている。この操作が要る場面に当たるかどうかは、自分の環境で走らせてみないと分からない。
次に置きたいのは、クラウドのフォルダだ。iCloud Drive、Google Drive、OneDrive、Dropboxの中身については、ファイルが完全に落ちているかを確かめるよう案内されている。手元に実体が無い状態のファイルが多い環境では、表示の挙動が変わる。
3つ目が、棚に置くモジュールの取捨だ。動作が重いときの対処として、フォルダの容量計算を切ること、使っていないモジュールを切ること、大きな媒体の下見を避けること、更新直後は索引作りが終わるのを待つことが挙げられている。日常的に開くフォルダの規模で試して、どこまで置けるかを決める。
最後に、画面の並びを保存する操作を確かめる。開くたびに小さな窓に戻る、2画面の設定を覚えない、といった場合は、好みの並びにしてからウインドウメニューの既定として保存する手順が案内されている。この操作を知らないまま30日を過ごすと、使い勝手の評価そのものがずれる。
表示の言語と、翻訳の手入れの頻度
日本語で使う前提なら、翻訳の状態も条件に入る。更新の記録には、26.1.5で日本語の翻訳を改善したと書かれている。26.1.7では対応する20言語すべての翻訳を見直したとあり、26.1.8では簡体字中国語の翻訳が完了したと書かれている。
言語の項目は機能一覧の末尾に置かれがちだが、毎日開く道具では効き方が大きい。メニューの語が原語のままだと、探している操作にたどり着くまでの時間が積み上がる。翻訳が定期的に手入れされているかどうかは、更新の記録を数回ぶんさかのぼれば分かる。
同じ見方は、他社の道具を比べるときにも使える。対応言語の数を並べるのではなく、直近の更新で翻訳に触れているかを見る。数だけ多くて何年も手が入っていない場合と、数は少なくても毎回直している場合とでは、実際の読みやすさが違ってくる。
条件を3つの問いに畳む
ここまでを、買う前に答える3つの問いに畳める。1つ目、手元のmacOSはどちらの系統に入るか。2つ目、次の年の版が出たときに自分のライセンスは何日目になっているか。3つ目、登録の枠は3台と2台のどちらで足りるか。この3つに答えられれば、支払いの形は自動的に決まる。
そのうえで、条件を満たす道具が複数残った場合に効いてくるのが、窓の数だ。ファイルの窓から場所を写してターミナルへ渡す往復と、ファイルの中身について文章で指示を出したくなる場面は、機能一覧に行が立たない。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りは、この往復そのものを設計から外す考え方で、モジュールの数を数える比較とは軸が違う。同じ窓に何が入るのかはできることに、他の道具との並びは他のファイル管理との比較にまとめてある。
体験版の30日を使う前に、費用の形と迷いやすい点にも目を通しておくと、試す項目を絞りやすい。支払いの考え方は料金に、よく聞かれる点はよくある質問にある。表示できる言語は対応言語にあり、移動中に続きへ触れる前提が要るかどうかはiPhone・iPadから続きをで確かめられる。
よくある質問
手元のMacが古いのですが、どのバージョンを選べばよいですか?
公式のサポートページでは、11.2がmacOS 10.13 High Sierra以降、26がmacOS 13 Ventura以降と書き分けられています。まず自分のMacがどちらに入るかを確かめてください。さらに古い環境向けには、バージョン10を使いたい人への案内が公式サイトに別途置かれています。IntelのMacとMシリーズのMacは、どちらもそのまま動くと明記されています。
1年のライセンスが切れたら、アプリは使えなくなりますか?
使えなくなるとは書かれていません。案内されているのは、新しい年の版へ移るときの扱いです。いまのライセンスが1年未満であれば新しい版をその1年が終わるまで使え、1年を越えていれば更新のライセンスを買う必要があると説明されています。使い続ける権利と、新しい版を受け取る権利が別に管理されている形です。
1本のライセンスで何台のMacに入れられますか?
サポートの記事によると、ライセンスキーには3台分の登録枠が付き、同じライセンスへ枠を買い足すことはできません。定額の側はメールアドレスに紐づき、2台分になります。枠は機器に対して数えるため、1台を2人で使っても消費は1つです。枠が足りなくなったら、使っていないMacで登録の画面からサインアウトして空けます。
体験版は入れ直せば延長できますか?
できません。サポートの記事に、体験版の期間はMacの機器に紐づいており、入れ直しても戻らないと明記されています。30日をやり直せない前提で、先に試す項目を決めておいてください。権限の挙動、クラウドのフォルダの見え方、棚に置くモジュールの取捨、画面の並びの保存の4つを先に通すと、判断に必要な材料が揃います。