Path Finderがうまくいかないとき|確かめる順番

Path Finderの挙動がおかしくなったとき、最初に思い浮かぶのは入れ直しです。ところが入れ直しで直る不具合は、報告の多い症状のうち1種類しかありません。残りの原因は、macOSのプライバシー設定・クラウドの同期アプリ・ユーザーのライブラリに置かれた設定ファイル・ライセンスの認証情報という、アプリの本体ファイルの外側にあります。ここでは、どの層が壊れているかを先に決めるための順番を整理します。

最初にやるのは、同じフォルダをFinderで開くこと

何かを触る前に、問題が起きているフォルダをFinderでも開きます。これだけで、報告される不具合のかなりの部分が2つに分かれます。

  • Finderには見えて、Path Finderには見えない → アプリ側の権限か表示設定
  • どちらにも見えない → macOSかクラウド側の問題で、アプリをいくら触っても変わらない

販売元のサポート記事も、この切り分けを組み立ての軸に置いています。ファイルが見えない症状の項目には、Finderでも同じように見えないならmacOSかクラウドの同期が原因であってPath Finderではない、とはっきり書かれています。製品の側が「これ以上こちらを疑わなくてよい」と案内している記述は珍しく、実務では最初に読む価値があります。

同じ判定は、クラウドの同期バッジが正しく出ない場合、コピーが進まない場合、フォルダが開かない場合にもそのまま使えます。所要時間は10秒で、次に何を調べるかが決まります。

症状 最初に見る場所 原因が置かれている層
ライセンスが切れたと出る Registrationの画面 認証情報
フォルダが空に見える 同じフォルダをFinderで 権限かクラウド
サイドバーが元に戻る 再起動後も残るか 設定ファイル
動作が重い どのモジュールが開いているか フォルダサイズの計算
コピーが0%で止まる ファイルがロックされていないか ファイルの属性

ライセンスが切れたと言われるとき

この症状は、購入の失敗を疑う前に、既知の不具合であることを知っておくと落ち着いて処理できます。

リリースノートには繰り返し記録があります。ビルド2211には、登録とライセンスコードとサブスクリプションの管理を改善し、再現の難しかった「一部の利用者がランダムに体験版の状態へ戻される」問題の修正を狙った、という記述があります。バージョン26.1.7には、有効なライセンスキーが誤って無効と判定される可能性の修正が挙がっています。さらに古いビルド2129と2130では、再起動後にサブスクリプションが解除されてしまう問題が直されています。勝手に認証が外れる現象は、支払いの不備ではなく既知の系統として扱われています。

サポート記事が案内している手順は、入れ直しではありません。認証情報を捨てて取り直す手順です。

  1. メニューのPath Finder > Registrationを開き、Sign Outを押す
  2. command + Qでアプリを完全に終了する
  3. キーチェーンアクセスを開き、pfxで検索して出てきた項目を削除する
  4. Path Finderを起動し直し、もう一度サインインする

要になるのは3番目です。キーチェーンはアプリの外にあるため、アプリを削除して入れ直しても、この項目は残ります。入れ直しても何も変わらないのは、まさにここを通っていないからです。

サインインし直す前に、2つの違いを確認しておきます。サブスクリプションにはライセンスキーがありません。購入時のメールアドレスに紐づいていて、初回のサインインで自分が決めたパスワードを使います。ライセンスキーのほうは、キーと購入時のメールアドレスとコンピュータ名の3つを揃えて入力します。キーをサブスクリプションの欄に貼り付けると、購入そのものが無効であるかのようなエラーが出ますが、入力先を間違えているだけです。

フォルダが空に見えるとき

ここは順番が効きます。軽い手当てでほとんど片付き、重い手当ては最後に回せます。

まず表示を切り替えます。command + option + 1、またはView > As Listでリスト表示にします。サポート記事がこれを最初に挙げているのは、リスト表示がmacOSの索引まわりの問題をいくつか回避するためです。カラム表示では空で、リスト表示では中身が出るなら、ファイルが消えたのではなく表示の問題です。次にフォルダの中で右クリックしてReset View Settings to Defaultsを選び、command + Rで読み直します。

対象がiCloud Drive・Dropbox・OneDrive・Google Driveの中にあるなら、そのファイルが本当にダウンロード済みかを確かめます。実体がなく見出しだけが置かれた状態のファイルは、「消えた」という報告のいちばん多い原因です。

ここまでで直らないときに、ようやく権限の入れ直しに進みます。

Open System Settings > Privacy & Security > Full Disk Access, find Path Finder in the list, turn the switch off, wait 5 seconds, turn it on again, quit and reopen Path Finder. 出典: support.cocoatech.com

日本語環境では、システム設定を開き、プライバシーとセキュリティ、フルディスクアクセスと進みます。一覧からPath Finderを見つけてスイッチを切り、5秒待ってから入れ直し、アプリを終了して開き直します。切って入れ直す操作には意味があります。macOS側のプライバシーの記録にアプリの古い情報が残ることがあり、この操作でそれを登録し直せるためです。一度許可すればずっと有効、とは限りません。

アプリ側もこの問題を長く追っています。Venturaの頃のリリースノートには、フルディスクアクセスの検出を改善した、フルディスクアクセスの案内画面を作り直した、という項目が並びます。原因がアプリの判定ロジックというよりOS側の仕組みにあることが、この履歴から読み取れます。

Google Driveについては別の事情があります。アプリ内から直接Google Driveにログインする機能は、ビルド2185で削除されています。再接続するアカウント設定そのものが存在しないため、つなぎ直そうとしても始まりません。現在の経路はGoogle Drive for Desktopで、ホームフォルダの中の同期フォルダを通常のフォルダとして開きます。Google Driveのフォルダが空に見えるときは、その同期アプリが動いていない場合がほとんどです。

サイドバーやツールバーが元に戻ってしまうとき

窓が毎回小さく開く、2区画の配置を覚えてくれない、サイドバーの項目が消える。こうした症状は、軽い手当てから試します。理想の配置にしたうえで、Window > Save As Defaultを選び、いったん終了して開き直します。

それでも保たれない場合は、設定ファイルが壊れています。アプリを終了してから、Finderの移動 > フォルダへ移動を使って、次の5つを削除します。

  • ~/Library/Application Support/Path Finder
  • ~/Library/Preferences/com.cocoatech.PathFinder.plist
  • ~/Library/LaunchAgents/com.cocoatech.PathFinder.plist
  • ~/Library/Caches/com.cocoatech.PathFinder
  • ~/Library/Saved Application State/com.cocoatech.PathFinder.savedState

サポート記事は、この初期化を「なんとなく壊れている」状態の全般にも勧めています。モジュールが開かない、パネルが固まる、画面の部品が消える、といった症状です。代償として現在の配置は失われるので、作り込んだレイアウトなら先に画面を撮っておきます。

新規導入ではなく更新をした人向けに、もう1点あります。バージョン26.0のリリースノートには、多くの再設計の結果として一部の設定項目が古いものとして削除され、この更新のあとには引き継がれない、と書かれています。更新後に見当たらなくなった設定は、壊れたのではなく、なくなったのかもしれません。

重い、コピーが止まる、ゴミ箱が空にならないとき

動作が重くなる原因の多くは、アプリに指示した仕事そのものです。いちばん効くのはフォルダサイズの計算で、これは背後でフォルダの木をたどり続けます。Calculate Folder Sizesを止めるのが最初の手当てです。続いて、使っていないモジュールを閉じる、非常に大きな動画や画像のプレビューを避ける、導入や更新の直後は索引作りが終わるのを待つ、の3つを順に行います。バージョン26.1.1では、非常に大きなテキストファイルのプレビューで長年続いていたハングが直っているため、古いビルドのままだとそれ自体が原因になります。

コピーが0%で止まる、ゴミ箱が空にならない、操作を完了できないと出る。この3つは見る場所が決まっています。ファイルを右クリックしてGet Infoを開き、ロックの項目が入っていないかを確かめます。クラウド上のファイルなら、実体がダウンロード済みかを確かめます。それでも動かないときは、Window > File Copy Queueでコピーの待ち行列そのものが詰まっていないかを見ます。通常の削除で消えないゴミ箱には、Secure Delete Trashが用意されています。

落ちる症状にも最近の履歴があります。バージョン26.1.2では、スリープやスクリーンセーバーの後に前面へ戻したときの落ち方、特定の種類のファイルを開いたときの落ち方、iPhoneをMacから抜いたときの落ち方が、それぞれ直っています。心当たりのある落ち方なら、初期化ではなく更新が正解です。

原因がアプリの外にあるとき

手当てが届かない場所が3つあります。

1つはmacOSのバージョンです。Path Finder 26が動くのはmacOS 13 Ventura以降で、11.2の系列はmacOS 10.13 High Sierra以降を対象にしています。Montereyのまま26の系列を入れて様子がおかしいなら、不具合ではなく要件の不一致です。

2つめはmacOS 26 Tahoeです。ビルド2209のリリースノートには、Tahoeで動かしたときの画面の乱れを多数直したと書かれていて、同じ行に、まだ作業の途中である、と続きます。最新のOSに上げた直後の見た目の崩れは、この範囲に入っている可能性があります。

3つめは、調べるときに読む文章の言語です。ヘルプセンターの公開言語は英語1つだけで、アプリ側がおよそ20の言語に対応しているのとは対照的です。日本語で検索して出てくる手順は、その英語記事の写しであることが多く、途中で古い手順が混ざりやすい場所でもあります。実際、AirDropの案内記事は今もAirDropの専用画面を前提に書かれていますが、その画面はバージョン26.1.4で削除されており、共有はメニューとツールバーの共有機能に移っています。困ったときに自分の言語で読めるかどうかは道具選びの実務的な差で、日本語のよくある質問対応言語の一覧が用意されているかを見ておくと、後の調べ物が軽くなります。問い合わせ先は[email protected]で、対応は平日のCEST圏とAMT圏の時間帯です。

直ったあとに残るものを見分ける

ここまでの手順は、止まっていた道具を動く状態に戻すためのものです。動くようになった時点で、本当の問いが残ります。直した後も同じ作業に時間がかかるなら、詰まりの場所は道具の故障ではなかった、ということです。

見分け方は簡単です。不具合が出ていなかった先月、同じ作業に何分かかっていたかを思い出します。その時間が十分に短かったなら、今回は純粋な故障で、修理で話は終わります。その時間も長かったなら、直しても戻る先は元の遅さです。

そのときに数えるとよい数字が2つあります。窓をまたいでパスを受け渡した回数と、このファイルは何だったかを思い出すために中身を開いた回数です。前者が多いなら、ターミナルを同じ窓に置ける道具で減ります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形が効くのは後者が多い場合で、置き場所の操作をいくら速くしても、名前を決める手間は別に残るからです。道具ごとの守備範囲の違いは他のファイル管理との比較に、機能の粒度はできることに整理されています。

よくある質問

ライセンスが切れたと表示されますが、支払いは済んでいます。どうすればよいですか?

既知の不具合の系統で、支払いの問題ではないことが多い症状です。Path Finder > RegistrationでSign Outし、command + Qで終了してから、キーチェーンアクセスでpfxを検索して該当項目を削除し、起動し直してサインインします。キーチェーンは入れ直しでは消えないため、再インストールでは直りません。

Finderには見えるファイルがPath Finderに出ません。何を見ればよいですか?

まずcommand + option + 1でリスト表示に切り替え、command + Rで読み直します。それで出ないときは、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるフルディスクアクセスで、Path Finderのスイッチを切って5秒待ち、入れ直してからアプリを終了して開き直します。

入れ直せばだいたい直りますか?

ほとんど直りません。ライセンスの情報はキーチェーンに、配置の情報はライブラリの中にあり、アプリの入れ直しはそのどちらにも触れないためです。設定を戻すなら5つのファイルの削除、認証を戻すならキーチェーンの項目の削除が、それぞれの正しい手当てです。

動作が重いときは何から止めればよいですか?

フォルダサイズの計算が最も重い処理なので、Calculate Folder Sizesを止めるのが最初です。続いて使っていないモジュールを閉じ、非常に大きなファイルのプレビューを避けます。導入や更新の直後は索引作りが走っているため、それが終わってから速さを判断します。

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