Path Finderとは何か|できること、動く条件、止まる場所

Path Finderとは何か、と調べる人の多くは、まだ買うかどうかを決めていません。名前は何度も見かけていて、Finderの代わりになるらしいことも知っている。分からないのは、それが具体的に何を引き受ける道具で、自分の1日のうちどの部分が変わるのかです。ここでは機能の一覧を並べる前に、この道具の輪郭を4方向から確かめます。何ができるか、どの環境で動くか、いくら払うか、そしてどこで止まるかです。

Path Finderという名前が指しているもの

Path FinderはCocoatechというMac向けソフトの開発元が出している、macOS用のファイル管理アプリです。最初の公開は2001年で、Mac OS X 10.0が世に出たのと同じ時期にあたります。Finderの機能を拡張するプラグインではなく、独立した1本のアプリとして動きます。

覚えておくと混乱が減る点が1つあります。支払いの明細に出てくる名前が「Distant Future」になることです。これは別の会社に売られたという意味ではなく、Cocoatechが法人として登記している名前がそちらだからです。開発元自身が2024年9月にこの点を告知しています。クレジットカードの明細を見て身に覚えのない請求だと思う人が出たための説明で、アプリの提供体制が変わったという話ではありません。同じ開発元はDeckrという別のアプリも出しています。

開発元は、この道具の立ち位置を次のように説明しています。

Path Finder is a powerful file manager for macOS designed to give you far more control and flexibility than the built-in Finder. 出典: support.cocoatech.com

つまり、Finderが出していない操作を出すための道具である、という自己申告です。逆に言えば、Finderで足りている作業をより速くする道具ではありません。ここを取り違えると、入れてから1週間で「思ったほど変わらない」という感想になります。

機能を3つの役割に分けると輪郭が見える

公式に並んでいる機能名は多いのですが、役割で束ねると3つに収まります。この3つのうち、自分が必要としているのがどれなのかを先に決めると判断が速くなります。

1つ目は、場所を同時に見る役割です。左右2つの区画を並べる表示、タブ、タブの組み合わせを記憶しておくタブプリセット、よく使う場所を並べるブックマーク。移動元と移動先を1つの窓に収めるための仕組みで、片方の区画からもう片方へ1回のクリックでコピーを流せます。

2つ目は、中身を調べる役割です。ファイルの属性やアクセス権を扱うモジュール、2つのフォルダの差を並べて見る比較機能、16進エディタ、Gitの状態表示、そしてフォルダをサイズの大きさで見せるSize Browserや階層をグラフにするビュー。どのファイルが何なのかを、開かずに判断するための面です。

3つ目は、まとめて動かす役割です。名前の一括変更、条件を指定した選択、フォルダの結合、FolderSyncによるフォルダ同期、コピーを順番待ちさせるFile Copy Queue、復元できない形での削除。そして、拾ったファイルを一時的にためておくDrop Stackがここに入ります。移動先を決める前に対象だけ集めておける仕組みで、Finderには対応するものがありません。

最新の版であるPath Finder 26では、2つのフォルダを比較する操作と、選んだフォルダの中にある重複ファイルを見つける機能が加わりました。画面の側では、窓の左右に貼り付けるパネル群が縦一杯の形に作り直されています。

動く条件は、バージョンで線が引かれている

導入前に確かめる価値がいちばん高いのがここです。同じアプリ名でも、必要なmacOSのバージョンが版によって違います。

Path Finder 26が動くのはmacOS Ventura(13)以降です。それより古いmacOSを使っている場合、選択肢はPath Finder 11.2で、こちらはmacOS 10.13 High Sierra以降で動きます。手元のMacがmacOS 12以前で止まっているなら、最新版の機能説明を読んでも自分には届かない、ということになります。

ハードウェアの側は分かれていません。IntelのMacでもApple Silicon(Mシリーズ)のMacでも動き、どちらでもネイティブに走ります。画面の言語は20言語に対応していて、Path Finder 26ではその全部が更新されました。ネットワークが要るのは、ダウンロードと、体験版の開始と、購入後の認証の場面です。

自分の環境がどこに当たるかを確かめる順番としては、macOSのバージョンを先に見て、次にどの版を入れるかを決める、という流れになります。逆にすると、入れたあとで対応外だと分かることになります。道具ごとの前提条件の違いは他のファイル管理との比較にも整理してあり、対応言語の考え方は対応言語にまとめてあります。

体験版と支払いの形、そして期限が切れたあと

体験版は30日です。アプリを最初に起動した時点で自動的に始まり、アカウント登録は要りません。残りの日数はメニューバーのPath Finderの中にあるRegistrationで確認できます。この体験期間の主要な機能はほぼ制限されていないので、判断に必要なものは一通り触れます。

1つ注意点があります。体験の状態はMacのハードウェアに紐づいていて、アプリを入れ直しても日数は戻りません。「あとでゆっくり試そう」と思って入れておくと、触らないまま日数だけが減ります。入れる日は、試す日と同じにしたほうが無駄がありません。

支払いは2つの形があります。自動で更新される年額のサブスクリプションが29.95ドル、期間を決めて買う単体のライセンスが1年32.95ドル、2年55.95ドル、5年122.95ドルです。単体ライセンスは、かつてサブスクリプションだけの提供になった時期を経て、2022年10月に再び用意されました。

認証のしかたが2つで違う点は、あとから効いてきます。単体ライセンスはメールで届くライセンスキーを、購入時のメールアドレスとMacの名前と一緒に入力します。サブスクリプションのほうはキーがなく、メールアドレスでのサインインです。初回のサインイン時に自分でパスワードを決める形なので、機械を買い替えたときやmacOSを入れ直したときに必要になります。決めた場所とは別のところに控えておく類のものです。

期限が切れたあとの動きも独特です。期限より前に公開されていた最新の版はそのまま動き続け、それより新しい版へ上げるときに改めて購入が必要になります。買い切りが切れた状態とも、サブスクリプションを解約した状態とも違うので、期間を選ぶ前に把握しておく価値があります。なおPath Finder 26は有料の更新ですが、公開から1年以内にライセンスを買っていれば追加の支払いなしで使えます。料金の並べ方そのものは料金に整理してあります。

Finderは消えない。置き換えられる範囲には線がある

設定のGeneralに、Path Finderを標準のファイル管理として扱うための項目があります。これを入れると、他のアプリからフォルダを開いたときや、システムのダイアログから場所をたどったときに、Path Finderの側が開く場面が増えます。

ただし開発元自身が、macOSの制約によって完全な置き換えにはならないと書いています。Finderはシステムに残り続け、Path Finderが引き取れないシステム側のダイアログでは今まで通りFinderが出ます。デスクトップの描画もFinderの担当のままです。この設定は「全部が入れ替わるスイッチ」ではなく「多くの入口を寄せるスイッチ」だと理解しておくと、期待と結果がずれません。

戻すのも同じ場所のチェックを外すだけで、macOSの側が元の動きに戻ります。ファイルそのものには何の加工もしていないので、アプリを外しても中身は元のままです。

止まる場所を先に知っておく

入れたあとに問い合わせが集まる場所は、開発元の案内から逆算できます。ここを知っていると、不具合だと思って調べる時間が消えます。

最も多いのが、フォルダの中身が表示されない状態です。Finderでは見えているのにPath Finderでは空に見える、というときの手順として、開発元はまずリスト表示に切り替えること、表示設定を既定に戻すこと、⌘Rで読み直すことを挙げ、そのうえでシステム設定のプライバシーとセキュリティにあるフルディスクアクセスを一度切って、5秒待ってから入れ直すよう案内しています。macOSのプライバシー制御が原因で見えなくなっている場合があるためです。

次に多いのが動作の重さです。原因として挙げられているのは、巨大なフォルダ、プレビューの生成、サムネイルの処理、クラウドの索引づくり。対処としては、フォルダのサイズを自動計算する設定を切ること、使っていないモジュールを閉じること、大きな動画をプレビューしないことが挙げられています。機能が多い道具は、全部を出したままにすると重くなる、という当たり前の話です。

クラウドの扱いにも線があります。Google Driveについては、アプリの中から直接ログインする経路がGoogle側の方針で使えなくなっており、Google Drive for Desktopを入れて同期されたローカルのフォルダを開く形になります。iCloud Driveは、macOSが用意した普通のフォルダとして見えるだけで、オンラインかローカルかの制御はmacOSの担当です。ここは道具を替えても変わりません。

判断の材料が、どの窓に置かれているか

Path Finderとは何かという問いに対して、機能の一覧で答えると輪郭がぼやけます。輪郭がはっきりするのは、自分の作業のどの部分に当たっているかを見たときです。

この道具が引き受けているのは、場所の操作です。どこにあるか、どこへ動かすか、どちらが新しいか。左右の区画も、Drop Stackも、フォルダ同期も、全部そこに属しています。一方で、引き受けていないのは中身の意味づけです。300枚たまったスクリーンショットを、日付と用件で名前を付け直す作業を思い浮かべると分かります。置き場所を決めるのはファイル管理アプリの仕事ですが、どれを何と呼ぶかを決める部分は、フォルダの機能でもシェルの機能でもありません。

内蔵のターミナルがあるのはこの境目を薄くするためです。いま見ているフォルダの位置でシェルの区画が開き、ファイルをその区画にドラッグすると絶対パスが入る。アプリ間でパスを受け渡す手数は、これで消えます。ただし消えるのは受け渡しだけで、何と名付けるかの判断は残ります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形が効くのは、残っているのがこの判断のほうだ、と分かったときです。

だから調べる順番としては、まず自分が1週間のうちに何回、窓をまたいでパスを渡したかを数えます。次に、何回、このファイルは何だったかを思い出すために中身を開いたかを数えます。前者が多いなら、埋めるべき穴は場所の操作の側にあります。後者が多いなら、機能の多い道具に替えても数字は動きません。判断に迷いやすい点はよくある質問に、機能の粒度ごとの違いはできることに整理してあります。

よくある質問

Path FinderはFinderの拡張機能ですか?

独立した1本のアプリです。Finderに何かを追加する仕組みではなく、別のアプリとして起動します。設定で標準のファイル管理として扱う項目を入れると多くの入口がPath Finder側に寄りますが、macOSの制約でFinderは残り続け、システム側の一部のダイアログでは今まで通りFinderが出ます。

手元のMacで動くかどうかは、どこを見れば分かりますか?

macOSのバージョンです。Path Finder 26はmacOS Ventura 13以降、Path Finder 11.2はmacOS 10.13 High Sierra以降で動きます。ハードウェアはIntelでもApple Siliconでもどちらでもネイティブに動くため、判断材料になるのはOSのバージョンのほうです。

体験版は何日で、入れ直せば延長できますか?

30日で、最初の起動時に自動で始まります。登録は要りません。入れ直しても日数は戻らず、体験の状態はMacのハードウェアに紐づいています。残り日数はメニューバーのPath FinderからRegistrationで確認できます。

期間ライセンスが切れると、アプリは使えなくなりますか?

期限より前に公開されていた最新の版はそのまま動き続けます。使えなくなるのではなく、それより新しい版へ上げる時点で改めて購入が必要になる形です。自動更新の年額サブスクリプションとは動きが違うので、期間を選ぶ前に確認しておくと判断がぶれません。

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