Dropoverの代わりになるもの|手放してよい機能
Dropoverの代わりになるものを探す理由は、だいたい3つに分かれます。試用が終わって操作に待ち時間が入った、App Store経由の配布が社内の事情に合わない、あるいは日本語の表示が要るという理由です。ただ、代わりを探す前に確かめる点が1つあります。ドラッグの途中でファイルを置いておく棚のうち、実際に毎日使っているのはどの部分なのかという点です。棚に載せて運ぶところだけを使っているなら、標準の操作でも代わりになります。クラウドへの書き出しやスクリプトの実行まで使っているなら、同じ型のアプリを探すことになります。ここでは、その切り分けと、それぞれの代わりを並べます。
棚を出すアプリが肩代わりしているのは何なのか
macOSのドラッグは、マウスのボタンを押し続けている間しか続きません。そのため、別の画面にある窓や、全画面のアプリへファイルを運ぶ操作が難しくなります。棚を出すアプリは、この押し続ける時間を切るために存在します。棚に一度置いてしまえば指が自由になり、落ち着いて行き先を開いてから、改めて取り出せます。
Dropoverはこの型の代表で、Tappable Softwareが作っています。ポインタを小さく振ると棚が出て、ファイル、リンク、テキスト、画像を置けます。App Storeでの版は5.3.1で、必要なのはmacOS 13.0以降です。公式サイトでは、Mac App Storeで7,700件の評価が付き、5点満点で4.9と案内されています。
押さえておくべき仕組みが1つあります。棚に置いた時点では、ファイルは動いていません。棚が持っているのは参照だけで、コピーも移動も起きません。棚から取り出したときに、既定では移動になり、Optionキーを押しながらならコピーになります。別のボリュームやディスクへ出す場合は既定がコピーで、移動にしたければCommandキーを押します。この挙動はFinderと同じ考え方なので、代わりの道具に移っても知識はそのまま使えます。
費用の条件から代わりを考える場合
無料のまま使い続ける道が用意されています。App Storeからの入手は無料で、14日間はすべての機能が使えます。その期間が過ぎても使えなくなるわけではなく、棚を操作する前に3秒待つという制限が付きます。この待ち時間を外すのがDropover Proで、アプリ内課金の買い切りです。定期の支払いではないと明記されています。
つまり、費用を理由に代わりを探す場合、比べる相手は「無料のまま3秒待つ」と「別のアプリを買う」になります。3秒は短く見えて、1日に30回棚を使うなら合計90秒です。年間に直すと数時間の水準になりますが、待っている間に別の作業ができるわけでもないので、回数の多い人ほど解消する価値が出ます。
複数人で使う場合の条件も確かめておきます。同じiCloudアカウントでログインしていれば、購入を復元して複数台で使えます。一方、チームや法人向けのライセンス席は現時点では提供されておらず、後日提供する予定と案内されています。人数分の請求書をまとめたい場合は、この点が判断に効きます。
同じ型の有料アプリを代わりに置く
棚を出す型は複数あり、費用と対応言語で選べます。Yoinkは Eternal Storms Software が出しており、最新が3.7.6、価格は9.99ユーロ、8.99ドル、8.99ポンドの買い切りです。必要なのはmacOS 10.13以降で、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、日本語、韓国語、簡体字中国語の8言語に対応します。Mac App Store版、公式サイト版、Setapp版で機能の差は無いと明記されています。
Dropzone 5は Aptonic が出しており、買い切りで35ドル、必要なのはmacOS 13以降、試用が14日間です。旧版からの更新は最大50パーセント引きで、SetappとMac App Storeでも入手できます。棚に相当する Drop Bar を持ちながら、ドロップ先に動作を並べる作りが中心で、dz というコマンドラインの道具からグリッドの切り替えや動作の実行ができます。
| 道具 | 費用 | 必要なmacOS | 表示言語 | 配布 |
|---|---|---|---|---|
| Dropover | 無料で継続可、Proは買い切り | 13.0以降 | 4言語 | Mac App Storeのみ |
| Yoink | 8.99ドルの買い切り | 10.13以降 | 8言語(日本語あり) | App Store、公式サイト、Setapp |
| Dropzone 5 | 35ドルの買い切り | 13以降 | 記載なし | 公式サイト、App Store、Setapp |
日本語の表示が要るかどうかは、ここで分かれます。Dropoverが対応するのは英語、ドイツ語、オランダ語、簡体字中国語の4言語で、既定ではシステムの言語設定に従います。日本語の画面で使いたい場合は、対応言語の一覧を先に見るほうが早く決まります。
標準の操作だけで代わりになる部分
棚を使う目的が「押し続ける時間を切る」ことだけなら、標準の機能で足りる場面があります。ファイルをコピーして貼り付ける形での移動は、Finderで項目をCommand+Cでコピーし、行き先でOption+Command+Vを押すと、コピーではなく移動になります。ドラッグを一度も使わずに済むため、画面をまたぐ移動でも手が止まりません。
送る先が人やアプリなら、共有の仕組みがそのまま使えます。Appleのユーザガイドには次のように書かれています。
Finderや、Macの多くのアプリで利用できる「共有」メニューを使うと、書類、写真、メール、ニュース記事などの項目を簡単に共有できます。 出典: support.apple.com
共有メニューに何を並べるかは、システム設定の一般にあるログイン項目と機能拡張から選べます。近くのAppleデバイスに送るならAirDrop、相手に渡すならメールという具合に、棚を経由しない道があります。
デスクトップに置いたファイルが散らかることが問題なら、スタックが担当します。表示メニューからスタックを使用を選ぶか、Control+Command+0で切り替わり、種類、日付、Finderのタグでまとめ方を変えられます。棚は運ぶための場所、スタックは置いたあとの整列なので、両方を棚で兼ねようとすると使い方が混ざります。
手放しても困らない機能を先に決める
代わりを探すとき、機能の数で比べると決まりません。実際には、使われないまま残る機能がはっきりしています。
- ノッチへのドロップ。画面上端の切り欠きへ落として棚を作る仕組みで、対応する機種でしか意味を持ちません
- デスクトップのウィジェット。棚を開く操作がすでにキーボードで済んでいるなら、置き場所を増やすだけになります
- アップロード先の数。対応は7つありますが、実際に使うのは1つか2つです
- ピン留めした棚の多用。残す棚が5つを超えたあたりで、棚を探す手間が発生します
- 最近閉じた棚の履歴。10件まで戻せますが、戻す操作が必要になる状況自体が例外です
残す価値があるのはこの逆です。キーボードからの呼び出し、移動とコピーの既定の挙動、そしてフォルダの監視です。フォルダの監視は、ダウンロードのように新しい項目が勝手に増える場所を見て、追加があったときに棚を出す仕組みで、これだけは標準の操作に置き換えにくい部分です。
クラウドへの書き出しを代わりに置く場合
棚から直接リンクを作る使い方をしていた場合、代わりの設計が必要になります。Dropover Cloudは登録も不要で無料、アップロードは無名で行われ、タイトル、パスワード、有効期限、リンクの種類を設定できます。共有されたページに広告も追跡も入らないと明記されています。
置き換え先は2つの考え方に分かれます。1つは、iCloud Drive、Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDrive、AWS S3およびS3互換の保管先、Imgurのように、すでに契約している保管先を使う道です。Dropover自身もこの7つに繋がるため、繋ぎ先を変えるだけで移行が済む場合もあります。もう1つは、自分で管理しているサーバへ送る道で、これはコマンドで済ませるほうが確実です。
判断の分かれ目は、リンクの寿命を自分で決める必要があるかどうかです。期限付きで相手に渡して、あとから消したいなら、管理画面が付いている保管先が向きます。社内でしか見ない相手なら、共有フォルダに置くほうが手間が少なくなります。
自動で棚が出る部分は、置き換えに手間がかかる
代わりを探すときに見落とされやすいのが、人が操作していないのに棚が出る仕組みです。フォルダの監視を有効にすると、ダウンロードのように項目が勝手に増える場所を見ていて、新しいファイルが届いたときに棚が出ます。撮ったスクリーンショットを棚に集める使い方もできます。取り出す前提の置き場所が自動で用意されるので、Finderを開く回数が減ります。
この部分は、標準の操作では置き換えにくいところです。近い仕組みとしては、ショートカットアプリのオートメーションに、指定したフォルダに項目が追加されたときというきっかけがあります。ただし、こちらは棚を出すのではなく処理を走らせる作りなので、届いたファイルを目で見て選ぶ使い方には向きません。Automatorのフォルダアクションも同じ性質です。
自動で棚が出る使い方を毎日していたなら、代わりの候補は同じ型のアプリに絞られます。逆に、監視を有効にしたまま一度も使っていないなら、ここは手放してよい機能の側です。設定画面を開いて、監視の対象に入っているフォルダを数えると、どちらなのかがすぐ分かります。
- 監視しているフォルダが0件なら、標準の操作でも代わりになる
- 1件か2件なら、そのフォルダを開く手間と比べて決める
- 3件以上あるなら、同じ型のアプリを選ぶほうが早い
判断を保留したまま乗り換えると、移行のあとで「前は勝手に出ていた」という形で気づくことになります。監視の設定は、乗り換える前に見ておく項目です。
代わりを1つに絞るための数え方
比べる道具が3つ以上になると、機能表では決まりません。1週間ふだんどおりに作業して、次の3つの回数だけ数えると結論が早く出ます。1つ目は、ドラッグの途中で行き先を開けずに手が止まった回数。2つ目は、棚に置いたファイルを別のアプリへ渡した回数。3つ目は、棚からリンクを作って人に渡した回数です。
1つ目だけが多いなら、費用のかからない道で足ります。コピーして貼り付ける形の移動と、共有メニューの組み合わせです。2つ目が多いなら、棚を出す型のアプリに費用をかける価値があり、日本語の表示が要るかどうかで選べます。3つ目が多いなら、保管先の条件で決まるため、すでに契約している保管先に繋がるものを選ぶのが順番として無理がありません。
窓を行き来する回数そのものを見る
ここまでの代わりは、いずれもドラッグという操作を前提にしています。棚があってもなくても、Finderで場所を確かめ、ターミナルでコマンドを打ち、また戻るという往復は残ります。棚が速くなった分だけ、窓を切り替えている時間の比率が上がって見えるようになります。
フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある作りは、運ぶ手間ではなく、道具を切り替える手間を削るためのものです。どこまでを1つの窓で扱えるのかはできることに整理してあります。棚を出す型、条件で移す型、二画面型との立ち位置の違いは他のファイル管理との比較にまとめています。
費用の考え方は料金に、移行して最初の週に出やすい疑問はよくある質問にあります。表示の言語をどこまで選べるかは対応言語に載せています。Macの前を離れているあいだに続きを確かめる話はiPhone・iPadから続きをが近い内容です。
よくある質問
試用が終わったあとも無料で使い続けられますか?
使い続けられます。14日間の試用が終わっても機能が止まるわけではなく、棚を操作する前に3秒待つという制限が付く形です。自動で課金されることもありません。この待ち時間を外したい場合だけ、アプリ内課金の買い切りでProに上げる形になります。
日本語の画面で使える棚のアプリはありますか?
Yoinkは英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、日本語、韓国語、簡体字中国語の8言語に対応しており、価格は8.99ドルの買い切りです。Dropoverが対応するのは英語、ドイツ語、オランダ語、簡体字中国語の4言語です。日本語の表示が要るかどうかは、選ぶ前に確かめておく点になります。
棚に置いた時点で、ファイルはコピーされていますか?
コピーされていません。棚が持つのは参照だけで、置いた時点ではファイルは元の場所にあります。棚から取り出したときに既定では移動になり、Optionキーを押しながら出すとコピーになります。別のボリュームへ出す場合は既定がコピーで、移動にしたければCommandキーを押します。
費用をかけずに、画面をまたいだファイルの移動だけを解決できますか?
できます。Finderで項目をCommand+Cでコピーし、行き先でOption+Command+Vを押すと、コピーではなく移動になります。ドラッグを使わないため、別の画面や全画面のアプリが相手でも手が止まりません。人やアプリへ渡すだけなら、共有メニューからAirDropやメールを選ぶ道もあります。