Macのファイルマネージャー無料|3種類ある無料の見分け方

Finderの窓を開いたまま別のターミナルを開き、さらに別のアプリでAIに指示を出す。この往復が気になり始めたときに、mac ファイルマネージャー無料という言葉で検索が始まります。ところが検索結果に並ぶ「無料」は、同じ言葉でありながら中身が3種類に分かれていて、続く年数も、後から出てくる費用も違います。ここでは、その3種類を先に見分けたうえで、標準のmacOSでどこまで足りるのか、どこから先が有料の領域なのかを整理します。

「無料」は3種類あり、続く年数が違う

ファイル管理アプリの「無料」は、次の3種類に分けて考えると判断が早く終わります。

  • OSに同梱されているもの。macOSのFinderがこれにあたる。追加費用は発生せず、OSの更新と一緒に手入れが続く
  • オープンソースのもの。ソースコードが公開され、配布物も無料。維持しているのは有志か小さなチームで、続くかどうかは開発の勢いに左右される
  • 有料アプリの無料版と体験版。機能の一部を無料で開放するものと、期間を区切って全機能を試させるもの。前者は使い続けられるが天井があり、後者は期限が来ると止まる

この3つは「今日ゼロ円で手に入る」という点だけが共通しています。3年後も同じ形で使える確度は同じではありません。

種類 代表例 費用の発生 止まるとしたら
OS同梱 Finder なし 止まらないが機能は変わる
オープンソース muCommander、Double Commander、Nimble Commanderの直接配布版 なし 開発が止まる、新しいmacOSで動かなくなる
無料版 Commander Oneの無料の範囲 上位機能で発生 必要な機能が有料側にある
体験版 ForkLift、Path Finder 期限後に発生 期限で止まる

判断を間違えやすいのは、体験版を無料版だと思って業務の手順に組み込んでしまう場合です。期限が切れた日に手が止まり、その日に慌てて比較を始めることになります。導入する前に、それが恒久的に無料なのか、期間限定なのかを必ず区別してください。

標準のmacOSで足りる範囲を先に使い切る

有料の候補を並べる前に、Finder側の設定を一通り入れます。所要時間は15分ほどで、費用はかかりません。ここを飛ばして乗り換えると、乗り換え先でも同じ不満が残ります。

Appleは公式のユーザガイドで、Mac上のファイルの前提を次のように説明しています。

Mac上のすべての項目(書類、ピクチャ、ミュージック、アプリなど)はフォルダ構造に整理されています。書類を作成したり、アプリをインストールしたり、その他の作業を行ったりするときに、自分で整理しておくための新しいフォルダを作成できます。 出典: support.apple.com

つまり、階層を作って運用する前提そのものは標準側にあります。不足しているのは、その階層を高速に行き来する導線のほうです。次の設定で、その大半は埋まります。

  • Finderの設定の詳細タブで「すべてのファイル名拡張子を表示」を入れる。ファイルの種類を目で判別できるようになる
  • 同じ画面で「検索実行時: 現在のフォルダ内を検索」に変える。検索のたびにMac全体へ範囲が広がる動きが止まる
  • 同じ画面で「ウインドウ内で名前順に表示するときにフォルダを上部に表示」を入れる。フォルダとファイルが混ざらなくなる
  • 表示メニューから「パスバーを表示」と「ステータスバーを表示」を入れる。現在地と空き容量が常に見える
  • システム設定のキーボードからキーボードショートカットを開き、サービスの「フォルダに新規ターミナル」を有効にする

最後の項目は、コマンドラインを日常的に使う人にとって効果が大きい設定です。フォルダを副ボタンでクリックすると、そのフォルダへ移動済みのターミナルが開きます。移動のためにパスを打ち直す手間が消えます。

キー操作では、Command+Shift+Gでパスを直接指定して移動、Command+Option+Vでコピーではなく移動として貼り付け、スペースバーでクイックルックによる中身の確認ができます。この3つを覚えるだけで、アプリを替えたときに得られる効果のかなりの部分が先に手に入ります。

設定だけでは埋まらない領域も先に把握しておくと、候補選びの条件が具体的になります。標準のFinderには、2つのフォルダを左右に並べて同時に操作する2画面の表示、条件を指定した一括の名前変更、サーバーへの直接接続をブックマークとして管理する仕組みがありません。名前の一括変更は、複数のファイルを選んで副ボタンから「名前を変更」を選べば連番と文字列の置換までは可能ですが、条件分岐を含む規則は扱えません。この3つのうち、自分が毎日使うものがどれかを書き出しておくと、候補が半分以下に減ります。

オープンソースを選ぶときに確認する4点

標準の設定で埋まらない不満が残ったら、次はオープンソースの候補です。無料で使い続けられる代わりに、選ぶ側が確認すべき点が増えます。

1つ目は最終更新の時期です。プロジェクトのリリース履歴を開き、直近の配布物がいつ出ているかを見ます。macOSは毎年大きな更新が入るため、更新が止まっているアプリは、次のOSで起動しなくなる可能性を抱えたまま使うことになります。

2つ目はApple Siliconへの対応です。Intel向けのバイナリしか配布していない場合、Rosettaを介して動く形になり、起動と大きなフォルダの読み込みが遅くなります。配布ページにarm64またはApple Silicon対応の記載があるかを確認します。

3つ目は署名と公証の有無です。公証されていないアプリは、初回起動時に「開発元を確認できないため開けません」と表示されます。回避手順は公開されていますが、その手順を通す判断を自分で下すことになります。

4つ目はApp Store版と直接配布版の差です。App Store版はサンドボックスの中で動くため、触れる範囲が狭くなります。Nimble Commanderは公開ドキュメントでこの差を明示しており、サンドボックス版では管理者モード、ネットワーク共有のマウント、統合ターミナルが使えないと書かれています。同じ名前でも中身が違うため、入手経路まで含めて選ぶ必要があります。

具体的な候補としては、macOSネイティブで書かれたNimble Commanderの直接配布版、Javaの実行環境の上で動き書庫やFTPをローカルと同じ扱いにできるmuCommander、Windowsの2画面型に最も近い操作感のDouble Commanderが挙がります。サーバーとのやり取りだけが目的なら、CyberduckやFileZillaのように転送に特化した無料のクライアントを別に立てるほうが現実的です。

無料版と有料版の線がどこに引かれているか

有料アプリの無料版は、どの機能を無料側に置くかで性格が変わります。線が引かれる場所は、おおむね次の4か所に集中します。

  • 接続先の種類。ローカルのフォルダは無料、SFTPやS3やクラウドストレージは有料側、という分け方
  • アプリ内のターミナル。フォルダの移動に追従するターミナルは、上位版に置かれることが多い
  • 一括処理。連番のリネーム、条件付きのコピー、フォルダ同士の差分同期
  • 書庫の書き込み。読み取りは無料で、圧縮して書き出す側は有料、という形

自分が1日に何回その機能を使っているかを数えると、有料側へ進む理由があるかどうかがはっきりします。月に数回しか触らない機能のために支払う必要はありませんし、1日に何十回も使う機能を無料の代替で我慢し続けるのも合理的ではありません。判断の材料として、各社の料金体系の考え方は料金のページのように、更新の扱いまで含めて公開されていることが多いので、購入前に読んでおくと後の想定外が減ります。他の候補と機能の線引きを並べて見たい場合は他のファイル管理との比較が近い形の資料になります。

無料で済ませたときに、後から出てくる費用

無料の選択肢を採ったときに発生する費用は、金額ではなく時間の形で出てきます。

分かりやすいのは移動の時間です。フォルダの窓とターミナルを別々に開いていて、片方でパスをコピーしてもう片方に貼る動作が1回10秒かかるとします。これが1日20回なら1日200秒、営業日で見れば月に70分前後になります。この数字は環境によって変わるので、実際に自分の1日で数えてみるのが確実です。

次に出てくるのが維持の時間です。オープンソースの候補を使う場合、OSの更新のたびに動作を確認し、必要なら配布物を入れ直します。Javaの実行環境が必要なアプリなら、その実行環境の更新も引き受けることになります。開発者にとっては大きな負担ではありませんが、ゼロではありません。

3つ目は乗り換えの時間です。無料のアプリが更新を止めた場合、キー割り当て、ブックマーク、接続先の設定を新しいアプリで作り直します。ここで初めて、無料のつもりで選んだものに支払っていた費用が見えます。

止まっているのはファイル管理ではない場合がある

ここまでの整理を踏まえたうえで、検索の動機をもう一度確認する価値があります。無料のファイル管理アプリを探している人のかなりの割合は、実のところファイル管理そのものに困っていません。フォルダの窓と、シェルのプロンプトと、AIに指示を出す画面が別々に開いていて、その3つの間でパスとファイル名を手で運んでいることに疲れています。

この形の場合、アプリを無料のものに替えても往復の回数は変わりません。絞り込むべき条件は「現在のディレクトリに追従するターミナルがアプリの中にあるか」と「そのディレクトリの中身をそのままAIに渡せるか」の2点になります。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形であれば、コピーして貼るという中間の動作そのものが不要になります。どの機能がこの条件に該当するかはできることのページで確認できます。手元を離れている間に処理が止まる場面が多いなら、iPhone・iPadから続きをのように、別の端末から続きを触れるかどうかも条件に加わります。

2週間で決着をつける試し方

候補を無限に比べ続けないために、期間を区切ります。2週間あれば十分です。

初日に、Finderの設定を上の一覧のとおりに入れます。この状態で3日使い、まだ残っている不満だけをメモに書き出します。ここで不満が消える人が一定数います。

4日目から、無料の候補を1本だけ入れます。同時に2本入れると、どちらの何が良かったのかが分からなくなります。試す期間は5日を上限にして、その間に普段の仕事をそのアプリで通します。評価の基準は機能の数ではなく、3日目に書き出した不満が消えたかどうかの1点です。

9日目以降で、消えなかった不満が残っていれば、それが有料の候補を検討する理由になります。逆に、無料の候補で不満が消えたなら、そこで終わりにして構いません。判断に迷う点が残った場合は、各サービスのよくある質問にある制限事項の記述を先に読むと、体験版を入れる前に候補が減ります。

記録の形は簡単で構いません。日付、試したアプリの名前、残っている不満、消えた不満の4行をテキストに書き足していくだけです。この記録があると、次に候補を検討するときに同じ検証を繰り返さずに済みます。記録がないと、半年後に同じ検索を同じ気持ちでやり直すことになります。

期限を決めることには、もう1つ効果があります。無料の候補は数が多く、比較の材料も多いため、選ぶ作業そのものが目的になりやすい性質があります。2週間という区切りは、比較に使う時間が、道具を替えて浮くはずの時間を超えないようにするための上限でもあります。

よくある質問

macOSに最初から入っているFinderだけで足りますか?

用途によります。フォルダの閲覧、コピー、名前の変更、クイックルックによる確認までは標準で完結します。足りなくなるのは、2画面を並べた比較、フォルダに追従するターミナル、条件付きの一括リネーム、サーバーへの直接接続あたりです。まず設定を入れて3日使い、残った不満だけを候補選びの条件にしてください。

無料のオープンソースを選ぶときに、最初に見るべき点は?

最終更新の時期です。macOSは毎年大きな更新が入るため、配布物が長く更新されていないアプリは次のOSで動かなくなる可能性があります。あわせてApple Siliconに対応しているか、公証されているか、App Store版と直接配布版で機能差があるかも確認してください。この4点で候補はかなり絞れます。

無料版と体験版はどう見分ければよいですか?

配布ページに期限の記載があるかどうかで分かれます。期限があるものは体験版で、期限が切れると機能が止まります。恒久的に無料のものは、代わりに使える機能に天井があります。業務の手順に組み込む前に、どちらなのかを必ず確認してください。期限切れの日に手が止まるのがいちばん高くつきます。

無料で済ませた場合、費用は本当にゼロですか?

金額はゼロでも、時間の形で費用が出ます。窓の間を往復する時間、OSの更新のたびに動作を確認する時間、アプリが更新を止めたときに設定を作り直す時間です。1日の往復回数を実際に数えて、月あたりの時間に直してみると、有料の候補を検討する価値があるかどうかを金額と比べて判断できます。

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