Macの移行アシスタントの時間|待っている間に見ておく所
「mac 移行 アシスタント 時間」で調べている人が本当に知りたいのは、あと何分待てばよいのかではありません。画面に出ている残り時間を信じてよいのか、いま進んでいるのか止まっているのか、この2点です。結論から書くと、残り時間の数字は途中で大きく跳ねるのが普通で、判断に使う値としては弱いものです。代わりに見る場所は、処理された項目の数と、選んだ経路の2つになります。
残り時間の数字が大きく動く理由
移行アシスタントの残り時間は、直近の転送速度から割り出した推定値です。残り容量を今の速度で割った結果なので、速度が落ちれば数字は跳ね上がり、速度が戻れば一気に縮みます。転送の中身が均一ではないため、この上下は避けられません。
速度が落ちるのは、小さなファイルが大量に続く区間です。1件ごとに名前や日時、アクセス権を書き込む処理が入るため、容量あたりの手間が動画より重くなります。写真のライブラリ、書類のフォルダ、開発用のフォルダに入っている大量の小さなファイルが、この区間をつくります。逆に大きな動画が並ぶ区間では、同じ容量でも短い時間で終わります。
Appleの案内も、所要時間を分単位で約束していません。
転送量が多いと、終わるまで数時間かかり、ときどき一時停止しているように見えることもあります。 出典: support.apple.com
数時間という言い方と、一時停止しているように見えるという言い方の両方が入っている点が重要です。画面の見え方と実際の進み方は別だと、提供元が先に断っていることになります。
時間を決めているのは、経路と件数
同じMacでも、どの経路で繋ぐかで所要時間の桁が変わります。選べるのは、ケーブルで2台を直接つなぐ方法、有線のネットワークを使う方法、Wi-Fiで飛ばす方法です。Appleの準備の案内では、ワイヤレスで転送する場合は両方のMacでWi-Fiを有効にして、2台を近付けておくよう求めています。近付けるという条件が明記されているのは、距離と障害物で速度が落ちるからです。
経路と並んで効くのが件数です。同じ容量でも、大きな動画が数十本のフォルダと、小さな書類が数十万件のフォルダでは、後者のほうが長くかかります。移行の前に見積もりを立てたいなら、容量だけでなく件数の多い場所を把握しておくと、体感とのずれが小さくなります。
移行元の記憶装置の種類も効きます。読み出しの速い装置なら経路の速さがそのまま出ますが、回転する円盤の装置では、小さなファイルが続く区間で読み出し側が先に詰まります。移行元が古いMacのときは、ケーブルでつないでも思ったほど速くならないことがあります。
手順1:始める前に決めておくこと
作業に入る前に決めておくと、待つ時間そのものが短くなります。Appleは準備として、両方のMacのmacOSを最新にすることを挙げています。ただし、両方で同じバージョンのmacOSを使っている必要はありません。ここを誤解して先にアップデートを走らせると、移行の前に長い待ち時間が増えます。
もう1つの準備が、邪魔をするソフトウェアを止めておくことです。どちらかのMacでウイルス対策ソフトウェアやファイアウォール、VPNソフトウェアを使っている場合は、移行が終わるまでオフにしておくよう案内されています。相手のMacが見つからない、接続を確認する画面から進まないという詰まり方の多くは、この3つのどれかが原因です。
次に、何を運ぶかです。移行アシスタントは、書類、アプリ、ユーザアカウント、設定などを転送できます。古いMacの情報が削除されることはなく、新しいMacのmacOSが置き換えられることもありません。Time Machineのバックアップや、Windowsのパソコンからの転送にも同じアプリを使います。運ぶカテゴリを選ぶ画面では、カテゴリごとに中身を開いて個別に選べます。使っていないアプリや古いユーザアカウントを外せば、そのぶん時間は減ります。
アカウントの扱いも先に決めておきます。管理者アカウントを移行するときは、安全なパスワードを設定するよう求められます。通常アカウントの場合は仮のパスワードが割り当てられて画面に表示されるので、書き留めておく必要があります。新しいMacに同じ名前のアカウントがあるときは、古いアカウントで置き換えるか、転送する前に名前を変えるかを選びます。置き換えた場合、古いアカウントのデータのコピーは「削除されたユーザ」フォルダに移ります。
手順2:待っている間に見る場所
移行は2つの段階に分かれています。前半は、アプリケーション、ユーザアカウント、ファイル、フォルダ、設定のすべてで消費されるストレージ容量を計算する段階です。後半が実際の転送です。前半で進行の表示がほとんど動かないのは正常で、ここで止まったと判断すると早すぎます。
後半に入ったら、残り時間ではなく処理された項目の数を見ます。数字が増えているなら、表示上の残り時間が伸びていても作業は進んでいます。逆に、項目の数が長時間まったく動かないときは、経路のどこかで詰まっています。判断の目安を先に決めておくと、迷って待ち続ける時間が減ります。
止まっていると感じたときに出てくる数字は、しばしば現実味を失います。
昨日からMacのデータ移行をしてるのですが 1日経って残りの時間が198時間です 移行元のMacは2時間30分のままなのですが このまま待ってたらデータ移行完了しますか? 1度やり直した方がいいでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
198時間という表示は、その瞬間の速度がほぼ止まったときに出る割り算の結果です。数字そのものを予測として読む意味はありません。ここでも見る場所は項目の数で、動いていないなら経路を替える判断に入ります。待っている間の注意点は3つです。蓋を閉じない、スリープさせない、両方を電源につないでおく、の3つです。
手順3:終わったあとに確かめる場所
転送が終わっても、それだけで元の状態に戻るわけではありません。移行アシスタントが終了したら、両方のMacで移行アシスタントを終了し、新しいMacで移行したアカウントにログインします。仮のパスワードが割り当てられていたアカウントは、初回のログインでそのパスワードが必要になり、その後に新しいパスワードを設定します。
メールは移行の対象ですが、Appleは、メールを使うにはまずメールアプリでメールアカウントを設定し直すことが必要な場合があると書いています。届いていないと騒ぐ前に、アカウントの設定画面を開いて状態を確かめてください。
確かめる順番は、件数の多いフォルダから見ていくのが早いです。書類とデスクトップの件数、写真のライブラリが開けるか、ダウンロードのフォルダの中身。クラウドに同期しているフォルダは、移行の直後にまだ手元へ落ちていないことがあるため、見た目が空でも慌てる必要はありません。アプリのライセンスの再認証が要る場合もあり、これは各アプリの案内に従うことになります。
費用は、金額よりも時間で出る
自分でやる場合、移行アシスタントの利用に費用はかかりません。必要なのは2台のMacと、ケーブルかネットワークです。店頭や修理業者に代行を頼むと費用が発生しますが、金額は依頼先と作業内容で変わるため、事前に見積もりを取るほうが確実です。
実際に大きいのは時間の側です。移行の待ち時間そのものは、別の作業をしながら消化できます。消化できないのは、移行が終わったあとに発生する片付けの時間です。古いMacの散らかった置き場は、そのまま新しいMacに運ばれます。使っていないフォルダ、名前の付け方が途中で変わったファイル、同じ書類の複数の版も、全部一緒に移ります。
だからこそ、運ぶ前に選ぶという手順に時間を割く価値があります。カテゴリの中身を開いて、持っていくユーザアカウントとアプリを選ぶ工程は、転送の時間を縮めるだけでなく、移行後の片付けを減らします。
Time Machineのバックアップから移行する場合の違い
移行アシスタントは、もう1台のMacからだけでなく、Time Machineのバックアップや、ほかの起動ディスクからも転送できます。移行先のMacで転送方法を選ぶ画面に「Mac、Time Machine、または起動ディスクから」というまとまった選択肢が用意されているのは、この3つが同じ仕組みで扱われているからです。
バックアップから移行するときは、古いMacの電源を入れておく必要がありません。かかる時間を決めるのは、バックアップを置いてある装置と、Macの繋ぎ方です。外付けの装置を直接つないだ場合と、ネットワーク越しの共有フォルダに置いてある場合では、待ち時間の桁が変わります。急いでいるなら、ネットワーク越しのバックアップをいったん手元の外付けに移してから繋ぎ直すほうが早く終わることがあります。
Windowsのパソコンから移行する場合も、同じ移行アシスタントを使います。ただし運べる範囲がMac同士とは違うため、何が来て何が来ないかを先に確認しておくほうが安全です。来なかったものを後から手で運ぶ作業は、移行そのものより時間がかかります。
途中でやり直すかどうかの決め方
待ち続けるか、中断してやり直すかの判断は、最初に目安を決めていないと難しくなります。決め方は単純で、動いている証拠があるかどうかだけを見ます。処理された項目の数が増えているなら待ちます。容量の計算の段階で長く止まっているように見えるときは、まだ待つ側です。計算が終わって転送に入ったあと、項目の数が長時間まったく動かないなら、そこが切り替えの地点です。
やり直すときに変えるのは、待ち方ではなく条件です。同じ経路で同じ設定のまま繰り返しても、同じ場所で詰まります。Wi-Fiで進まなかったならケーブルに替える、運ぶカテゴリを減らす、邪魔をしているソフトウェアを止める。この3つのうち少なくとも1つを変えてから、もう一度始めてください。
なお、転送を中断しても移行元のMacの中身は変わりません。移行先のMacに途中まで入ったデータは、アカウントの作り方によって扱いが変わるため、やり直す前にどのアカウントで何が作られたのかを確かめておくと、二重にアカウントが並ぶ状態を避けられます。
移行のあとに残るのは、置き場を作り直す作業
移行が終わった直後は、ファイルの整理が集中して発生する時期です。フォルダの並べ替え、重複した書類の選別、名前の一括変更、容量を食っている場所の特定。この作業は、フォルダの一覧を見る窓、ターミナル、そして手順を相談するAIの3つを行き来しながら進むことになります。
窓と窓の間で、状態は渡りません。ターミナルで出した候補の一覧は文字列で、それをフォルダの一覧の選択に変えるには手で探し直すことになります。移行の直後に整理が続かないのは、やる気の問題ではなく、この持ち替えが1件ごとに発生するからです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形なら、この持ち替えそのものが起きません。
各アプリが何を担うかは設計の違いで決まります。ファイル管理アプリごとの考え方の差は他のファイル管理との比較に並べてあり、実際にどこまで扱えるかはできることで確認できます。移行の待ち時間に手元のMacを触れないときでも、作業の続きを別の端末から引き取れるかどうかはiPhone・iPadから続きをにまとまっています。導入にかかる費用の考え方は料金にあり、移行や初期設定でよく出てくる疑問はよくある質問に集めてあります。
よくある質問
移行アシスタントの残り時間が伸びていくのは異常ですか?
異常ではありません。残り時間は直近の転送速度から割り出した推定値で、小さなファイルが大量に続く区間では速度が落ちて数字が伸びます。判断に使うのは残り時間ではなく、処理された項目の数です。数が増えているなら進んでいます。
相手のMacが見つからない場合はどこを見ればよいですか?
まず両方のMacでWi-Fiが有効か、2台が近い場所にあるかを確かめます。次に、どちらかで使っているウイルス対策ソフトウェア、ファイアウォール、VPNソフトウェアをオフにします。Appleはこの3つを移行が終わるまでオフにしておくよう案内しています。
移行アシスタントを使うと古いMacの中身は消えますか?
消えません。移行アシスタントを使っても古いMacの情報が削除されることはなく、新しいMacのmacOSが置き換えられることもありません。古いMacを手放す場合の消去は、移行とは別の作業として後から行います。
移行にかかる時間を短くする方法はありますか?
経路と運ぶ量の2つを変えます。Wi-Fiではなくケーブルや有線のネットワークを使うと経路が速くなります。運ぶカテゴリを選ぶ画面で、使っていないアプリや不要なユーザアカウントを外せば、転送する量そのものが減ります。