Automatorの使い方|毎回の手作業を1回の操作にする

「automator 使い方」で調べる人の多くは、毎日同じ操作を繰り返していて、それを1回の操作にまとめたいと考えています。Automatorはその目的のために標準で入っているアプリで、書く必要があるのは処理の順番だけです。ここでは、どの書類の種類を選ぶか、アクションをどう並べるか、作ったものをFinderからどう呼び出すか、そして途中で止まったときにどこを見るかを順番に整理します。

自動化の入口が「コードを書くこと」ではなくなった背景

Macの自動化には、AppleScriptを書く道、ターミナルでシェルの行を組む道、そしてアクションを並べる道の3つがあります。このうち3つ目を担っているのがAutomatorで、提供元は必要な前提知識について明確に線を引いています。

Automatorでは、自動化を設定するのに複雑なプログラミング言語やスクリプト言語の知識は必要ありません。カスタムワークフローを作成して、Macに作業をしてもらうことができます。 出典: support.apple.com

ここで言われているカスタムワークフローが、Automatorでの成果物にあたります。処理の1つ1つはアクションという部品として用意されていて、それを上から順に並べたものがワークフローです。部品が足りないところだけ、あとからスクリプトで補えます。

この形が向いているのは、手順が決まっていて、対象だけが毎回変わる作業です。書類の名前を揃える、画像の大きさを揃える、選んだファイルをPDFにまとめる、といった作業が該当します。逆に、判断が毎回変わる作業には向きません。

Automatorで作れる書類の種類と、選ぶ順番

Automatorを開いて「ファイル」メニューから「新規」を選ぶと、作るものの種類を選ぶ画面が出ます。種類を選ぶと、その説明が画面に表示されるので、迷ったら説明を読んでから進めます。選び方の基準は、そのワークフローを何がきっかけで動かすかです。

  • 自分で開いて動かすなら、ワークフローのまま保存する
  • Finderで選んだファイルに当てたいなら、クイックアクションにする
  • アプリのアイコンとして置いて、ファイルを落として動かしたいなら、アプリケーションにする
  • 印刷の流れの中で動かしたいなら、プリントプラグインにする

きっかけを先に決めないまま作り始めると、完成したあとに呼び出せない置き場所に入ってしまいます。作り直しは種類の変換でも対応できますが、最初に決めておくほうが早く終わります。

手順1:アクションを並べてワークフローにする

種類を選んで「選択」をクリックすると、アクションを並べる画面になります。ライブラリの中のアクションは、アプリごと、またはファイルやデータの種類ごとのカテゴリにまとめられています。それぞれのアクションが、ワークフローの中の1ステップになります。

探し方は3通りあります。利用できるすべてのアクションを見たいときはアクションメニューで「ライブラリ」を選び、範囲を絞りたいときは「ライブラリ」の列でカテゴリを選び、名前が分かっているときは検索フィールドに単語を入れます。カテゴリを選んでから検索すると、そのカテゴリの中だけが対象になります。

追加はダブルクリックでできます。並べたあとにアクションをドラッグすれば順序を変えられます。アクションを選ぶと、その説明が画面の左下に表示されるので、名前だけでは分からない部品の役割はここで確かめられます。

自分の操作を記録して部品にする方法もあります。「記録」ボタンをクリックして自動化したい操作を実行し、終わったら「中止」をクリックすると、その操作がワークフローに並びます。用意されたアクションでは届かない画面の操作を扱うときの逃げ道になりますが、画面の配置が変わると動かなくなるため、常用するものには向きません。

手順2:クイックアクションにしてFinderから呼び出す

よく使うワークフローは、クイックアクションとして保存すると呼び出しが短くなります。「ファイル」メニューの「新規」で「クイックアクション」を選び、ワークフロー領域の上部で、入力として使うデータの種類、処理するアプリ、そしてクイックアクションの画像とカラーを指定します。保存すると、Finderのウインドウ、「サービス」メニュー、クイックアクションのメニューから使えるようになります。

このやり方が効くのは、対象がそのつど変わる作業です。画像の大きさを揃える作業がよく例に挙げられます。

実際にシンプルなクイックアクションを作ってみましょう。ここでは大きな画像ファイルのサイズを50%に縮小する場合を例に手順を解説します。これにより、「プレビュー」や画像編集ソフトでファイルを開いて操作しなくても、メニュー操作だけでブログの投稿などに適したサイズに揃えることができます。 出典: pc.watch.impress.co.jp

縮小する割合を50%に固定しておけば、Finderで画像を選んでメニューから呼ぶだけで済みます。アプリを開いて、書き出しの画面を出して、数値を入れて、保存先を選ぶという流れが、1回の操作になります。

入力の種類の指定は、あとで詰まりやすい場所です。画像ファイルを受け取るつもりの指定になっていないと、選んでもメニューにクイックアクションが出てきません。動かないときは、まずこの上部の指定を見てください。

手順3:実行して、ログで何が起きたかを確かめる

作ったワークフローは、その場で試せます。「表示」メニューから「ログ」を選ぶとログ領域が出るので、それを出したうえで「実行」をクリックします。各アクションは上から順に実行され、進行の状況がログ領域に出ます。完了したアクションには緑色のチェックマークが付き、問題が起きたときは警告とエラーのメッセージがログ領域に出ます。

途中で何が渡っているのかを見たいときは、「ユーティリティ」カテゴリの「結果を表示」アクションを、確かめたい位置に挟みます。前のアクションが何を出したのかがその場で見えるので、どこで期待とずれたのかが分かります。ワークフローが長くなるほど、この部品を1つ入れておく価値が上がります。

実行のたびに設定を選びたいアクションは、アクションの下の「オプション」をクリックして「ワークフローの実行時にこのアクションを表示」を選びます。こうすると実行時にダイアログが出て、その場で選択できます。毎回同じ値でよいものは固定し、変わるものだけをこの形にすると、操作の回数が最小になります。

覚えておくと手が止まりにくいキー操作は次の通りです。

操作 キー
新規ワークフロー Command+N
ワークフローを保存する Command+S
ワークフローを実行する Command+R
ワークフローを停止する Command+ピリオド
ログを表示する Option+Command+L
結果を表示する Command+K
アクションを検索する Option+Command+F
操作を記録する Option+Command+R

変数とループで、1件用を複数件用に広げる

同じ値を何度も使うときは、変数にします。Automatorのウインドウの左上端にある「変数」をクリックして、「ライブラリ」からカテゴリを選ぶと、そのカテゴリの変数が並びます。アクションのフィールドにドラッグすると、対応している場所では緑のプラス記号が出ます。ワークフローの側にドラッグすると「変数の値を取得」アクションが追加され、その値が次のアクションに渡ります。実行中の値を確かめたいときは、「表示」メニューから「変数」を選ぶとログ領域に出ます。

繰り返しが要るときは、「ユーティリティ」カテゴリの「ループ」アクションを使います。ループより前に置かれたアクションが繰り返され、ループの後ろに置いたアクションは、繰り返しを終える条件が満たされるまで実行されません。この順番の決まりを知らないと、最後にまとめて動かしたい処理が毎回走ってしまいます。

ループの止め方は2つ用意されています。実行のたびに続けるかどうかを人に尋ねるなら「続行するかどうかを確認」を選び、自動で繰り返して自動で止めるなら「ループして自動的に停止」を選んで、「後に自動的に停止」のフィールドに値を入れ、止める条件の種類を選びます。回数で止めるか、時間で止めるかを、ここで決めます。

シェルスクリプトとAppleScriptを混ぜる

用意されたアクションで届かない処理は、スクリプトで補います。「ユーティリティ」カテゴリの「シェルスクリプトを実行」アクションをワークフローにドラッグし、「シェル」のポップアップメニューでシェル環境を選び、コマンドのフィールドに書きます。ターミナルで動くことを確かめた行をそのまま持ち込めるので、既にコマンドで解決している作業を呼び出しの形に変えるときに向いています。

AppleScriptとJavaScriptも同じように扱えます。「AppleScriptを実行」または「JavaScriptを実行」アクションをドラッグすれば、そのアクションの中で編集、コンパイル、テストができます。長くなってきたら「スクリプトエディタ」の側で書くこともできます。

逆向きの経路も用意されています。Automator自体がスクリプトで制御できるアプリケーションなので、AppleScriptやJavaScriptからワークフローを実行したり、新しいワークフローを作ったり、アクションを追加したりできます。使えるコマンドを調べるには、「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」フォルダにある「スクリプトエディタ」を開き、Automatorのアイコンをスクリプトエディタのアイコンにドラッグします。Automator用の用語説明が開きます。

ショートカットへの引き継ぎと、どちらを選ぶか

Automatorで作ったワークフローは、ショートカットアプリに読み込めます。提供元は、ほとんどのAutomatorワークフローを、同じ機能、イベント、オートメーションを実行するショートカットに変換できると説明しています。方法はワークフローのファイルをショートカットにドラッグするだけで、自動的に変換され、新規のショートカットとして表示されます。

使い分けの目安は、動かす場所です。Macの中だけで完結し、Finderの選択に当てる作業なら、Automatorのクイックアクションが短い経路になります。iPhoneやiPadと同じ手順を共有したい作業や、時刻や場所をきっかけに動かしたい作業なら、ショートカットの側が向いています。両方に同じものを作らず、片方に寄せるほうが管理が楽です。

すでにAutomatorで作ったものが手元にあるなら、捨てずに読み込むほうが早いです。変換してから中身を確かめ、動かない部品だけを差し替える順番で進めると、作り直しの手間が出ません。

おすすめの始め方と、節約できる時間の数え方

最初に作るものは、1日に何度も繰り返していて、判断が入らない作業から選びます。画像の大きさを揃える、選んだファイルの名前に日付を足す、決まった書類をPDFにまとめる。この3つは、どれもアクションを並べるだけで届きます。

節約できる時間は、作業の秒数ではなく回数で数えます。1回30秒の操作でも、1日に10回あれば1週間で大きな差になります。逆に、月に1回しか使わない作業を自動化しても、作る時間のほうが長くなります。作る前に、その作業が週に何回発生しているかを数えてください。

もう1つの基準は、失敗の起きやすさです。手で同じ操作を繰り返すと、途中で1件だけ抜ける、名前の付け方がずれるといった揺れが出ます。揺れが許されない作業は、回数が少なくても自動化する価値があります。

自動化が続かないのは、窓を行き来しているから

Automatorで作れる範囲は広く、それでも手が止まる場所があります。どのファイルに当てるかを決める作業がFinderの側にあり、細かい処理はシェルの行に頼り、その行が正しいかどうかの相談はAIとのやり取りになる。この3つが別の窓にあると、ワークフローを組む前の段階で持ち替えが発生します。

窓と窓の間で、状態は渡りません。Finderで選んだファイルの一覧は、シェルの行に移すときに手で打ち直すことになり、AIが返した行はまた別の窓に貼り直すことになります。作った自動化が続かないのは、作った後の呼び出しではなく、作る前のこの往復が重いからです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形なら、この持ち替えそのものが起きません。

ファイル管理アプリごとに、どこまでを1つの窓に収めるかの考え方は違います。その設計の違いは他のファイル管理との比較に並べてあり、実際に扱える範囲はできることで確認できます。日本語以外の環境で使う場合の対応状況は対応言語にまとまっています。導入の費用の考え方は料金にあり、細かい疑問はよくある質問に集めてあります。

よくある質問

Automatorは別途インストールが必要ですか?

必要ありません。Macに標準で入っているアプリで、「アプリケーション」フォルダから開けます。自動化を設定するために、プログラミング言語やスクリプト言語の知識も前提にはなっていません。必要なのは処理の順番を決めることだけです。

作ったクイックアクションがFinderのメニューに出てきません。どこを見ればよいですか?

ワークフロー領域の上部で指定した、入力として使うデータの種類を確かめてください。画像を受け取る指定になっていないワークフローは、画像を選んでもメニューに出ません。保存の種類がクイックアクションになっているかも併せて確認します。

Automatorとショートカットはどちらを使うべきですか?

Macの中だけで完結し、Finderで選んだファイルに当てる作業ならAutomatorのクイックアクションが短く済みます。iPhoneやiPadと同じ手順を共有したい場合や、時刻をきっかけに動かしたい場合はショートカットが向いています。既存のワークフローはショートカットへ読み込めます。

途中で止まったときはどこを確かめますか?

「表示」メニューからログを出し、どのアクションまで緑色のチェックマークが付いているかを見ます。そのうえで、止まった位置の直前に「結果を表示」アクションを挟むと、前のアクションが何を渡していたのかが分かります。原因の多くは渡しているデータの種類の食い違いです。

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