大きいファイルの洗い出しの代わりになるもの|手放してよい機能
大きいファイルの洗い出しの代わりになるものを探す人は、たいてい「起動ディスクの空きが残りわずかです」という表示を見た直後にいます。専用の道具を1本入れれば片付くように見えますが、その前に確かめておくと得をすることがあります。洗い出しと呼んでいる作業は4つの別々の問いで、そのうち3つはMacに最初から入っている経路で答えが出ます。残りの1つのために何が要るのかが決まれば、道具に求める条件も自然に絞れます。
洗い出しと呼んでいる作業は、4つの問いが混ざっている
同じ言葉で呼ばれていても、手を動かす目的は人によって違います。分けると4つです。
- いますぐ空きを作りたい。何でもいいので数十GBを空けたい
- 何がいつの間に増えたのかを知りたい。増えた場所の見当を付けたい
- 見つけたものを消してよいのかを判断したい
- 同じ増え方を繰り返さないようにしたい
この4つは、必要な道具が違います。1つ目は上位の数件が分かれば終わります。2つ目は前回との差が要ります。3つ目は、そのファイルが何に使われているかという知識が要ります。4つ目は、増える経路を止める設定の話であって、洗い出しではありません。
この違いは、かける時間にも表れます。1つ目だけなら、一覧を開いて上から数件を片付ければ終わります。3つ目まで含めると、1件ずつ中身を確かめることになるので、腰を据える必要があります。急いでいるときに3つ目に向いた道具を入れると、入れて操作を覚えるぶんだけ遅くなります。目的がずれた道具は、機能が多いほど遠回りになります。
道具を探す前に自分がどれをやりたいのかを決めると、選ぶ基準が変わります。多くの場合、必要なのは1つ目と3つ目で、それを専用の道具なしで済ませられるかどうかが最初の分岐点になります。
内蔵の経路で答えが出る範囲
macOSには、容量の内訳を見る画面が最初から入っています。Appleの案内はこうなっています。
macOS Ventura 13以降では、Appleメニューから「システム設定」を選択し、サイドバーで「一般」をクリックした後、右側にある「ストレージ」をクリックします 出典: support.apple.com
この画面が返すのは、分類ごとの合計です。そして分類の横に詳細情報のボタンが出ているものは、中身の一覧まで開けます。ここで見られるものが、専用の道具を入れなくても済む範囲にあたります。
書類の詳細情報を開くと、タブが分かれています。「大きいファイル」はサイズの大きい順に並んだ一覧、「ダウンロード」はダウンロードしたファイルやインストーラ、「未対応のアプリケーション」はいまのmacOSで動かないもの、「ファイルブラウザ」はフォルダごとの使用量です。上位の数件を知りたいだけなら、最初のタブで足ります。
分類はほかにもあります。デベロッパツールには、Xcodeキャッシュ、iOSデバイスサポート、Xcodeプロジェクトビルドファイルが並びます。iOSファイルには、デバイスのバックアップとiOSインストーラが入ります。アプリケーションには、以前のバージョンや重複という区分があります。ゴミ箱には「ゴミ箱を自動的に空にする」という設定があり、入れてから30日が過ぎた項目を自動で消します。
開発をしている人のMacで容量を食っている上位は、この分類のどれかに入っていることが多いです。つまり、上位の犯人を知るだけなら、道具を1本も入れずに済みます。
ただし、この画面が見ていない場所もあります。ほかの利用者のホームフォルダは、その人の分類として別に出るだけで中身は開けません。つないでいない外付けドライブや、ネットワークの共有も対象外です。写真のライブラリのように、中に数万件が入っていても1個として扱われるものもあります。内蔵の画面で見えるのは、いま起動しているディスクの、自分が権限を持っている範囲です。この境界を知らずに合計を追いかけると、見つからない数十GBを探し続けることになります。
内蔵の経路には取り消しがない
この経路には、知らずに使うと困る性質がひとつあります。一覧から削除したとき、確認の画面にこう出ます。
この項目がすぐに削除され、空き領域が増えます。この操作は取り消せません。
ゴミ箱を経由しません。押した瞬間に消えます。フォルダの窓から消したときのように、あとで戻す余地がありません。
これは、専用の道具を探す理由として十分な条件です。一覧を見て考えながら消していく作業では、手が滑ることが前提になります。代わりになるものを選ぶときは、見た目の分かりやすさよりも、消す操作がゴミ箱を経由するか、消した一覧が残るかを先に確かめる価値があります。
合計が合わない理由を先に知っておく
内訳を見た人の多くが引っかかるのが、数字が合わないことです。分類の合計と、実際の空きが一致しません。理由は2つあります。
1つは「システムデータ」です。Appleの説明では、どの分類にも当てはまらないAppleと他社のファイル全体を指すとされています。中身が特定できないのではなく、分類の器が用意されていないだけです。ここが数十GBあるからといって、そのまま消してよいものが数十GBあるわけではありません。
もう1つは、すぐに解放できる領域です。バックアップの仕組みが手元に作る控えや、キャッシュのように必要になれば作り直せるものは、空きが足りなくなった時点で自動的に片付きます。このぶんは使用済みとして数えられていて、外から見ると容量を食っているように見えます。
代わりになる道具を探すとき、この2つをどう扱うかは見どころになります。分類できないものを分類できないと表示するか、無理に名前を付けて誤解させるか。ここに製品ごとの差が出ます。
コマンド3行で代わりになる範囲
ターミナルを使う人なら、上位を知る作業は3行で終わります。それぞれ見落とすものが違うので、組み合わせが前提です。
1行目は du -h -d 1 ~ です。ホームの直下について、フォルダごとの使用量を1段だけ出します。深く潜らないぶん速く、どのフォルダが太っているかが一目で分かります。
2行目は find ~ -type f -size +1G です。1GBを超えるファイルを、場所に関係なく一覧にします。フォルダ単位では小さく見えても、1個だけ巨大なファイルが混じっている場所を拾えます。
3行目は mdfind 'kMDItemFSSize > 1000000000' です。Spotlightの目録を引くので、走査より速く返ります。そのかわり、目録の外にある場所は最初から見えません。
見落としの形はこうです。duは実際に使っている領域を数えるので、クラウドから退避してあるファイルはほぼ0として出ます。findはファイルに記録されたサイズを見るので、退避済みでも本来の大きさで出ます。同じフォルダを両方で測ると値が食い違うのは、この違いによるものです。どちらが正しいかではなく、知りたいのが「いま解放できる量」なのか「戻したときの大きさ」なのかで使い分けます。
APFSの複製にも同じ話があります。複製は中身を共有するので、1つずつのサイズを足し上げると、実際の使用量より大きい数字になることがあります。合計の一致にこだわるより、上位の並び順を見るほうが目的に合います。
4つ目の問いだけは、洗い出しでは解けない
最初に挙げた4つのうち、同じ増え方を繰り返さないという問いだけは、どんな道具を入れても解けません。一覧を出す機能は、増えた結果を見せるものであって、増える経路には触れないからです。ここは設定で止めます。
止めやすい経路は決まっています。ダウンロードしたファイルとインストーラは、使い終わったあとに残り続けます。ゴミ箱の自動削除を入れておけば、捨てたものが居座る経路は閉じます。開発の道具が作る中間ファイルは、置き場所が散っていると探すだけで手間なので、1か所にまとめてから期限で消すほうが早く済みます。書き出した動画や画像は、作業が終わった時点で外付けか共有の置き場へ移す手順にしておくと、本体に溜まりません。
この設定を先にやってから洗い出しをすると、次に開いたときの一覧が短くなります。順番が逆だと、同じ一覧を数か月ごとに見ることになります。代わりになる道具を探している人の多くは、実は洗い出しの精度ではなく、この繰り返しに疲れています。
手放してよい機能
代わりになるものを選ぶとき、無くても困らない機能が4つあります。
- 円グラフやツリーマップの見た目。面積で大きさを見せる表示は分かりやすいものの、どれを消すかの判断には効きません。上位20件の一覧があれば同じ結論に着きます
- 常駐して監視する機能。容量の掃除は月に1回で足ります。常駐のぶんメモリと起動時間を使います
- 自動で消す機能。取り消せない操作を自動で走らせる設計は、空けた容量より高くつくことがあります
- 重複の検出。重複として挙がるものの多くは、意図して作った複製やバックアップです。消す判断は結局1件ずつになります
この4つを外すと、選択肢はかなり広がります。逆に言えば、この4つが売りになっている道具は、目的が自分と違う可能性があります。
外してはいけない条件
手放せないものは3つです。
1つは、見えていない場所を正直に言うことです。ほかの利用者のフォルダや、権限を渡していない場所は数えられません。ここを黙って0として集計すると、合計が合わない原因が増えるだけです。
2つは、パッケージの中を開いて数えることです。写真のライブラリのように、見た目は1個でも中に数万件が入っているものがあります。1個として数える道具では、いちばん太っている場所を見つけられません。
3つは、消す前に一覧が出ることと、消したあとに何を消したかが残ることです。内蔵の経路がやらないのがまさにここなので、代わりを入れる意味はここに集中します。
洗い出しのあとに残る工程
上位の一覧が出たあとに何が起きるかを数えてみると、道具の選び方が変わります。一覧を見て、これは何だったかを調べ、置き場所を開いて中身を確かめ、消すか移すかを決めて、必要ならコマンドで一括して動かす。この往復のほとんどは、洗い出しの機能とは関係のないところで起きています。
参考までに、手元から追い出す先としてクラウドを使う場合の相場も押さえておくと判断が早くなります。Appleの案内では、iCloudストレージは月150円の50GBから用意されています。外付けドライブを1台足すのと、毎月の費用を足すのとで、どちらが自分の使い方に合うかという比較になります。
道具の側で効くのは、見つけたあとの工程が同じ画面で続くかどうかです。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある形なら、一覧から場所を開いて、コマンドで動かして、判断に迷ったところで調べるまでが一続きになります。洗い出しの表示そのものより、この続きのほうが時間を使う部分です。
いま手を入れる先は、詰まっている場所で決まります。上位が分からないことが問題なら、内蔵の画面とコマンド3行で足ります。見つけたあとの往復が多いことが問題なら、軸を整理した他のファイル管理との比較を見てから、1つの画面で何が扱えるのかをまとめたできることで前提を揃えると比較が進みます。費用から決めたい場合は料金を、細かい条件はよくある質問を見ると必要な情報が揃います。
よくある質問
システム設定のストレージから削除したファイルは戻せる?
戻せません。確認の画面に「この操作は取り消せません」と出るとおり、ゴミ箱を経由せずに消えます。迷いながら整理する作業には向かないので、判断に自信がない項目はフォルダの窓からゴミ箱へ移す方法を使い分けてください。
duとfindで同じフォルダのサイズが食い違うのはなぜ?
duは実際に使っている領域を数え、findはファイルに記録されたサイズを見るためです。クラウドから退避したファイルは、duではほぼ0、findでは本来の大きさで出ます。いま解放できる量を知りたいならdu、戻したときの大きさを知りたいならfindを使います。
「システムデータ」が数十GBある場合、そのまま消してよい?
そのまま消せる項目ではありません。どの分類にも当てはまらないファイルの合計であり、動作に必要なものも含まれます。まずはデベロッパツールやiOSファイルなど、名前の付いた分類の中身を確認して、心当たりのあるものから減らすほうが安全です。
専用の道具を入れずに済ませられる?
上位の大きいファイルを知りたいだけなら、システム設定のストレージと du -h -d 1 ~ の組み合わせで足ります。道具を入れる価値が出るのは、消す前に一覧が残ること、パッケージの中まで数えること、見つけたあとの操作が同じ画面で続くことを求める場合です。