mac finder パス表示の出し方と、パスバーで足りなくなる場面

Finderの窓は、フォルダの中身については饒舌なのに、そのフォルダがどこにあるかについてはほとんど何も言いません。タイトルには src とだけ書かれている。開いている窓は4つあって、そのうち3つが src と名乗っている。動かしたいファイルはそのどれかにあり、ターミナルはさらに別の場所にいる。mac finder パス表示という言葉で調べ始めるのは、たいていこの状態になったときです。設定そのものは1つで、切り替えは一瞬で終わります。知っておく価値があるのは、その設定が何を解決して、何を解決しないままにするのかという線引きのほうです。

パスバーを出す操作は1つだけ

Finderの窓を開いた状態で、メニューバーの「表示」から「パスバーを表示」を選びます。キーボードから操作するなら Option+Command+P です。窓の下端に細い帯が現れ、ディスクの一番上からいま開いているフォルダまでの道すじが、左から右に並びます。

これは窓ごとの設定ではなくFinder全体の設定です。1回切り替えれば、その後に開いた窓にも、再起動後に復元された窓にも同じ帯が付きます。同じ「表示」メニューには近い設定が並んでいて、「ステータスバーを表示」は項目数と空き容量を、「プレビューを表示」は右側に中身の下見を出します。パスバーが使う縦の高さは文字1行ぶん程度で、代償はそれだけです。

出したあとに見落とされやすいのは、この帯が押せるという点です。並んでいるフォルダをダブルクリックすると、同じ窓でその階層へ移動します。2つ上の階層へ戻るのに Command+↑ を繰り返す必要がなくなります。選択したファイルを帯の上のフォルダへドラッグすると、同じディスク内なら移動、別のディスクならコピーになります。これはFinderの他の場所と同じ規則です。帯の上のフォルダをControlキーを押しながらクリックすると、選択中のファイルではなく、そのフォルダに対するメニューが開きます。

出しっぱなしにする理由として一番大きいのは、実は移動とは関係のないところにあります。Finderの窓で検索を実行すると、結果はディスク中から集められた平らな一覧として並び、どこにあるファイルなのかは表示されません。結果を1つ選ぶと、パスバーがその場所を表示します。帯を出していない状態でこれを知るには、候補ごとに情報を見るか、「含まれているフォルダを開く」を実行することになります。

場所を知る方法は4つあり、用途が違う

パスバーは選択肢の1つで、他の手段と交換できるものではありません。それぞれ答えている問いが少しずつ違います。

方法 出し方 表示される内容 文字として取り出せるか
パスバー 表示メニュー、Option+Command+P 道すじ全体が窓の下に常時 取り出せない
タイトルのメニュー タイトルのフォルダ名をCommandキーを押しながらクリック 上の階層が一覧のメニューで出る 取り出せない
タイトルにパスを出す設定 defaults コマンドを実行してFinderを再起動 窓のタイトルにパス全体 取り出せない
カラム表示 Command+3 階層が左右のカラムとして並ぶ 取り出せない
情報を見る ファイルメニューの「情報を見る」 「場所」の欄 取り出せるがパスの形ではない

タイトルのメニューは、設定が何も要らないのが利点です。窓のタイトルにあるフォルダ名をCommandキーを押しながらクリックすると、そのフォルダより上の階層がメニューとして落ちてきて、選べばそこへ移動します。常時場所を取らずに、必要なときだけ答えを見る使い方です。

3行目の設定は、defaults write com.apple.finder _FXShowPosixPathInTitle -bool true を実行してから killall Finder でFinderを再起動すると、窓のタイトルがパス全体に変わります。古くから使われている設定ですが、Appleの公開資料には載っていません。文書化されていない設定は、システムの更新後に動かなくなっても不思議はない種類のものです。false に戻して再起動すれば元に戻ります。

カラム表示は、階層そのものを画面の主役にする方法です。深いフォルダを日常的に行き来するなら Command+3 のほうがパスバーより働きます。浅い構造では横幅を無駄に使います。

パスバーが見せているのはパスの絵であって、パスではない

ここが実務で引っかかる点です。パスバーに並んでいるのは表示名の連なりで、ターミナルやスクリプトやチャット欄が受け取るのはPOSIXパスと呼ばれる文字列です。この2つは、しばしば別の文字列になります。

  • 日本語環境のシステムフォルダ。「書類」「デスクトップ」「ダウンロード」「ミュージック」「ピクチャ」「アプリケーション」は、ディスク上では Documents、Desktop、Downloads といった英語の名前のままです。パスバーに出ている文字をそのまま打っても、その場所は存在しません
  • iCloud Drive。パスバーでは1つの項目としてきれいに並びますが、ディスク上では ~/Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs の下にあります。帯にはその手がかりが出ません
  • ネットワーク共有。サーバ名や共有名で表示されますが、パスは /Volumes から始まります
  • 名前に空白や日本語を含む外付けディスク。シェルに渡す前に引用符で囲むか、エスケープする必要があります

つまりパスバーは、移動の道具であり、現在地を知る道具です。文字の供給源ではありません。文字が要るときの答えは1つで、対象を選んでからOptionキーを押すと、編集メニューと右クリックメニューの「コピー」が「パス名をコピー」に変わります。ショートカットは Option+Command+C で、これは実際のPOSIXパスを渡してくれます。

パスバーからターミナルへ直接渡す

パスバーには、使っている人でも気づいていないことが多い機能があります。Appleはこれを、Finderの説明ではなくターミナルのユーザガイドのほうに書いています。

Finderウインドウのパスバーを使用して、作業ディレクトリをあるフォルダの場所に設定した状態で、新しい「ターミナル」ウインドウやタブを開くことができます。Finderウインドウの下部にパスバーが表示されていない場合は、「表示」>「パスバーを表示」と選択します。 出典: support.apple.com

操作は、パスバーのフォルダをControlキーを押しながらクリックして、新しい窓なら「“ターミナル”で開く」、既存の窓のタブなら「サービス」>「フォルダに新規ターミナルタブ」を選びます。このサービス項目は、システム設定のキーボードにある「キーボードショートカット」の「サービス」、その中の「ファイルとフォルダ」の欄に並んでいます。メニューに出てこないときはここで有効にでき、ショートカットキーも割り当てられます。

これで、パスをコピーする理由のうち最も多いものが消えます。パスをコピーするのは cd の後ろに貼るためで、最初から目的のフォルダで開いたシェルがあれば、コピーも貼り付けも要りません。逆向きも短く、ターミナルで open . と打てば、そのシェルの現在地でFinderの窓が開きます。open -R にファイル名を続ければ、そのファイルを選択した状態でFinderが開きます。

文字になったパスを読むときの4つの注意

コピーしたパスは、形を理解していないと別の場所で失敗します。

  • 利用者のファイルは /Users/ に続けて短いアカウント名が並ぶ場所にあります。ログイン画面に出ている表示名とは別のことがあります
  • 起動ディスク以外はすべて /Volumes の下にマウントされます。外付けディスク、ディスクイメージ、ネットワーク共有が該当し、ディスクの名前を変えると保存しておいたパスは効かなくなります
  • システム領域が読み出し専用に分かれて以降、道具によっては /System/Volumes/Data を頭に付けたパスを返します。指しているファイルは同じで、この頭を外しても通ります
  • macOSの標準のファイルシステムは大文字と小文字を区別しません。Notes.md と notes.md は手元では同じファイルですが、Linuxのサーバやコンテナの中では別のファイルになります。手元で通ったパスが公開後に落ちる原因は、たいていこれです

パスバーが届かない3つの場面

出しておけば済む話ではない場面が、日常のなかに3つあります。

1つ目は、保存ダイアログとファイルを開くダイアログです。ここにパスバーはありません。アプリが保存先を尋ねてきて、サイドバーに目的の場所が並んでいないときは、Shift+Command+G で「フォルダへ移動」の入力欄を出します。この欄はパスを打っても貼り付けても受け付け、~ も展開します。Finderが標準で隠している階層へ入るときも、この欄が一番早い経路になります。

2つ目は、検索の結果が別のディスクにあるときです。パスバーは選んだ結果の場所を表示しますが、索引が作られていないディスクの中身は、そもそも結果の一覧に並びません。場所を表示することと、探せる範囲を広げることは別の問題で、後者は索引の設定を見ないと動きません。

3つ目が、ここまでの読者の多くが実際に困っていることです。パスバーに出ている場所は、他のアプリに渡せません。チャット欄、指示文、メモ、スクリプト、同僚へのメッセージに書くには文字にする必要があり、そのたびに選択、ショートカット、アプリの切り替え、貼り付け、空白が壊れていないかの確認、という一連の動きが発生します。1日のうちに何十回も繰り返されるのは、この部分です。

1つの窓にまとめるという方向

パスバーを出す設定は、位置が分からないという問題には効きます。効かないのは、位置を人の手で運び続けているという問題のほうです。Finderの窓が1つ、ターミナルが1つ、AIとのやりとりの窓が1つあって、同じフォルダを指しているのに、3つが同じ場所を向いているかどうかは誰も保証していません。パスバーはそのうち1つの窓の現在地を読めるようにするだけです。

この行き来を減らす方向で作られている道具は、フォルダの一覧とシェルとAIへの指示を別々の窓に分けません。フォルダとターミナルとAIが同じ窓にある状態では、いま選んでいるフォルダがそのままシェルの作業ディレクトリであり、AIに渡す対象でもあるため、パスを文字にして運ぶ場面自体が減ります。どこまでを1つの窓に入れているのかはできることにまとまっています。

選ぶ前に見ておくとよいのは、既存のファイル管理アプリとの違いです。同じ「Finderの代わり」でも、2画面での転送に重心を置くものと、シェルとの連携に重心を置くものでは、日々の手数の減り方が変わります。対応している機能の並びは他のファイル管理との比較に整理されています。費用の面で無理がないかは料金で確かめられます。

まず試す順番としては、Option+Command+P でパスバーを出し、1週間そのまま使うことです。そのうえで、Option+Command+C を手に覚えさせ、コピーしたパスのうち何割が cd の後ろに貼るためだけのものだったかを数えてみると、次に変えるべきものがはっきりします。

よくある質問

Finderのパスバーを出すショートカットキーは何ですか?

Option+Command+P です。メニューからは「表示」>「パスバーを表示」で、同じ項目が表示中は「パスバーを隠す」に変わります。Finder全体の設定なので、前面の窓だけでなくすべての窓に反映され、再起動後も保たれます。

パスバーに出ている名前とターミナルのパスが違うのはなぜですか?

パスバーは表示名を出しているためです。日本語環境では「書類」「ダウンロード」のように表示されますが、ディスク上の名前は Documents や Downloads のままです。iCloud Driveも1項目に見えて、実際はライブラリフォルダの下の長いパスにあります。実際のパスが必要なときは Option+Command+C を使います。

パスバーとステータスバーは何が違いますか?

パスバーは現在のフォルダまでの道すじを表示し、ステータスバーは項目数と空き容量を表示します。どちらも「表示」メニューから切り替えられ、両方を出すと窓の下端に2段で並びます。ステータスバーのショートカットは Command+スラッシュです。

パスバーからそのままターミナルを開けますか?

開けます。パスバーのフォルダをControlキーを押しながらクリックして「“ターミナル”で開く」を選ぶと、そのフォルダを作業ディレクトリにした窓が開きます。タブで開きたい場合は「サービス」>「フォルダに新規ターミナルタブ」で、この項目はシステム設定のキーボードショートカットにあるサービスの一覧から有効にできます。

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